※サイズフェチでなかったり単発で投稿するには短すぎるネタを集めた話。

1.『ハイパー妹』 非サイズフェチ
2.『溶けパンツ』 小ネタ
3.『こーもん』 小ネタ
4.『胃液ハル』 サイズフェチがメインではない気がする
5.『性器交換』 これも同じ


  ************************


1.『ハイパー妹』


玄関の外で、

 シュウ 「おーい、置いてくぞー」

開け放たれた玄関の扉に向かって言う俺。

 ハル 「ま、まってー!」

家の中からハルの声が聞こえてくる。

朝。
これより登校である。

身支度に時間がかかってしまったハルが少し遅れているのだ。
慌てて制服を着こんでカバンをひっつかんだハルがドタバタと玄関から転がり出てきた。

 ハル 「はぁ…はぁ…お待たせ…」
 シュウ 「いいからホレ、とっとと行くぞ」

言いながら俺がハルの曲がったリボンを直すと、ハルは「えへへ~」と笑った。
ハルも自身の制服を整える。
靴をなじませるためにつま先をトントンと鳴らした。


  ずっどん!!!!


   ずっどん!!!!


瞬間、凄まじい揺れが発生し、我が家はガラガラと音を立てて崩れ落ちた。

 シュウ 「…」

崩れ落ちた我が家を見つめて固まる俺。

 ハル 「あ、あはは……やっちゃった…」

そんな俺を見つめて、ハルが苦笑しながら呟いた。


   *


 アスカ 「ねねねシュウ、スーパーマンになってみたくない?」

始まりは昨日。
夕刻、俺が家に帰って来た時、俺の部屋で待っていたアスカによってもたらされていた。

 シュウ 「スーパーマン?」
 アスカ 「そそ。超人的な怪力を持ち、悪漢どもをスパーっとやっつけるヒーローのことよ!」

アスカがポーズをとって見せた。ライダーじゃねーか。

 シュウ 「…変に体が縮んだりとかは…」
 アスカ 「あ、それはないわ。今回のアイテムは純粋に体の機能が強化されるものなの」
 シュウ 「…それならまだマシか…」
 アスカ 「ねねねね? どう? どう??」

アスカが顔を寄せてくる。
こうなるとこのまま帰らせるのは難しい。
俺はため息をついた。

 シュウ 「わかったわかった。なってやるよ」
 アスカ 「よっし! 作ったアイテムはシュウんちの冷蔵庫に入ってるの。取りに行きましょ」
 シュウ 「なんで冷蔵庫」
 アスカ 「食べ物だから。ほら早く」

アスカに手を引かれ一階に降りていく俺。
台所にいく途中のリビングでおやつを食べているハルに遭遇。

 アスカ 「あ」
 ハル 「ふぇ?」(もぐもぐ)
 シュウ 「……まさか」

俺とアスカが見つめる先で、ハルが きょとん とした顔になった。


   *


そして今、ハルは超人的な怪力を身に着けてしまった。
しかもその威力たるや凄まじい。
昨日の夜もメールを打とうと手にしたスマホを握り潰してしまったり、トイレのドアを開けようとしてドアそのものを引っぺがしてしまったりしていた。
特にそれが発揮されたのが寝ている間で、寝相の悪いハルが寝返りを打つたびにベッドが粉砕されたり壁に穴が開いたりした。
朝、ハルが起きた時には、ハルの部屋は爆弾でも爆発したのかというくらいに滅茶苦茶だった。

んで、さっきの我が家破壊につながる。
結局 我が家だけでなく、ローファーを打ち付けた道路や周辺の家々も粉砕してしまった。
我が家周辺だけが瓦礫に変わっていた。

とりあえずそれは今はどうしようもないので、学校へと向かう俺たち。
ハルが前を歩き、その後ろを俺がため息をつきながら着いていく。



アスカの作ったアイテムは、食べると超人的な怪力を得ることができるワッフル『パワッフル』。
アスカの話によればこのアイテムはまだ試作品で効果時間が1日ほどだそうだが、すでに住宅街の一角を破壊するほど被害が出てしまった。
今日一日の間に、いったいどうなってしまうのかを考えると頭が痛い。

 シュウ 「加減もできないようなものを作るなよ…」

俺は、ここにはいないアスカに文句を言った。

 ハル 「ま、まぁでも、あとは今日一日わたしがしっかりと注意してればいいわけだし、そんなに落ち込まないでお兄ちゃん」

前を歩いていたハルがその場でくるりとターンをして後ろの俺を振り返った。
カバンをお尻の後ろに持って、やや苦笑気味に笑う。

確かに悩んだところで仕方ないのかもしれない。
あとはハルに任せるしかない。
そんなハルに、俺も苦笑気味に笑った。

その時、

  バキィッ!

音がした。

ハルが俺の方をくるりと振り返ったときその長いツインテールもふわりとひるがえったわけだが、そのうちの一本がハルの横にあった電柱に当たりそれをへし折っていた。
根元付近をへし折られた電柱がぐらりと倒れるが、その電柱はつながっている電線で支えられ、道路に横倒しになることはなかった。
ただ電線を無理に引っ張ってしまったせいで周囲の数世帯は停電になってしまったとか。

俺は呆けていた。
まさかひるがえった髪の毛で電柱を折ってしまうとは。

俺はハルの手を引いて足早にその場を離れた。


  *


しかし事はまだまだ終わらない。
まだ登校中だというのに。

ハルがくしゃみをしたときハルの前方が扇状に吹っ飛ばされ、そこに建っていた家々はバラバラになって飛んで行ってしまった。
横断歩道を渡るとき、ハルが左右を確認するために首を動かしたらツインテールも振り回され横の信号機の柱を叩き折った。
大きな水たまりをピョンと飛び越えたら、着地したときに衝撃波が発生し周囲の家々を吹っ飛ばした。

極めつけは、ハルがうっかりと蹴飛ばしてしまった小石が弾丸のような速度で飛んでいき、ガソリンスタンドに停車していたタンクローリーに命中してしまったことだ。
ガソリンスタンドは大爆発した。

ハルの通るところは大災害だった。

 シュウ 「……」
 ハル 「あ、あはは……注意してるんだけどなー…」

これまで自分たちが歩いてきた道の惨状を振り返って、二人は立ち尽くしていた。

これはもう、注意でどうにかなるレベルを超えている。
すぐにでも、アスカに元に戻すアイテムを用意してもらうしかない。

俺たちは急ぎ学校に向かった。


  *


学校。
俺の教室。

 アスカ 「へ? そんなアイテムないけど?」

先に教室に来ていたアスカは きょとん とした顔で言った。

 シュウ 「なんで無いんだよ…」
 アスカ 「だって一日で効果が切れちゃうアイテムだし、だったら無くてもダイジョブかなーって思って」

アスカは悪びれた風もなく言う。
く…鼻の穴にわさびをつっこんでやりたい…。

しかしここはなんとかしてもらわないと…。
朝の数十分でコレなのだ。このままでは、効果が切れる頃には町は壊滅してしまう。

 アスカ 「わかったわかった。じゃあお昼休みまでには作っておくから。それで肝心のハルちゃんは?」
 シュウ 「…自分の教室に行かせた。一応、最大限の注意をするようには言っておいたけど…」
 アスカ 「あはは。まぁハルちゃん、あれで結構ドジッ子だからね。ま、とにかくなるべく早めに作るよ」
 シュウ 「頼む。……ホント頼む」


  *


ハルの教室。

 ハル 「はぁ…」

自分の席に着いたハルはため息をついた。

 ヤマト 「どうしましたの? 朝からため息なんてついて…」

同じクラスのヤマトがやってくる。

 ハル 「あ、おはよーヤマト。実は今アスカさんの作ったアイテムで大変なことになっちゃってて…」
 ヤマト 「あぁ…それは心中お察ししますわ…」

苦笑しながら言うハルに、諦めたような顔で同情するヤマト。

同じGTS研究部のメンバーでありアスカの発明癖を知っているヤマトは、ハルが置かれている現状を理解した。

 ヤマト 「あの『パワッフル』は単純な筋力だけでなく様々な身体能力を極限を超えて高めてしまいますわ。しかもまだ試作段階なので、ほかにどのような効果が出るかもわかっていませんの。部長はシュウ先輩で実験すると言ってましたけど…」
 ハル 「わたしが食べちゃった…。冷蔵庫の中においしそうなワッフルがあったから、つい…」
 ヤマト 「その辺の影響も出ているのかも知れませんわね。あれはあくまでシュウ先輩用に調整された試作品でしたから、ハルだと若干効果が変わってしまっているのかも」
 ハル 「はぁ…とりあえず今日は一日おとなしくしてよう…」

ハルはまたため息をついた。
今度のため息は先のより少し大きかったのだが、そのため息は突風となって教室の床付近に吹き荒れ、教室中の女子のスカートをめくりあげるという事態になってしまった。
男子たちが大歓喜。

 男子 「みえ」
 男子 「みえ」
 男子 「みえ」

 女子 「きゃあ! なに!?」
 女子 「なんで風が吹いてるの!?」
 女子 「ちょっと男子! 見るなぁ!」 

教室中がドタバタと騒ぎだした。

 ハル 「…」
 ヤマト 「…」

その光景を見ていたハルとヤマト。

 ヤマト 「…とりあえず、注意は怠らないようになさい…」
 ハル 「うん…」


  *


授業中。

皆が黒板に書かれた文字をノートに写す中、ハルも同じようにノートをとる。
ちょっとした間違いは消しゴムでコシコシこすって消す。

ハルが使っている消しゴムは以前アスカが発明した『無限に消しカスが出る消しゴム』。
この消しゴムは消しゴム本体でこすって文字を消すのではなく大気中の塵などを集めて消しゴムへと変換してこすりつけて消すので、消しゴム本体は永久にすり減ることのない消しゴムなのだ。
ただ若干の調整ミスがあり、普通の消しゴムより消しカスが溜まりやすいのがやや難点。
しかしこの消しカスは本当によくまとまる君で、指先でこねるとすぐに丸まるのだ。

ハルは何となく、その溜まった消しカスを指先で丸めていた。
直径1cm弱の丸められた消しカス。
それをハルは、指先でピンとはじいた。

 ドス

最強のハルの指先で弾き飛ばされた消しカスは教室の前の方に座っていた男子の背中に命中した。
消しカスが貫通した背中と胸から血を噴き出す男子。

 山田 「ゴフっ…!」
 男子 「どうした山田!!」
 山田 「犯人はヤス…」

山田は血とともに言葉を吐き出した。
保健室に運ばれた。

 ハル 「…」

運ばれていく山田を、ポカンとした顔で見送るハル。
そのハルを、額に手を当てため息をつきながら見るヤマト。


   *


体育の時間。
今日 女子は体育館でバレーボールということだ。
なお、当校の運動着はブルマである。

 ハル 「気を付けないと…」

ハルは唇をキュッと噛み締めた。
肉体の能力が果てしなく暴走している今は小さな運動がどんな壊滅的結果をもたらすかわからない。
慎重にならなければならない。

ちなみにクラスの女子の中でも、胸元がパッツンパッツンに張り詰めているのはハルとヤマトだけである。しかもヤマトは尻の方の肉付きも良く、ブルマから若干はみ出ている…というかブルマが太ももに食い込んでいたりする。そんな二人を見るために授業をボイコットする男子もいるとか。
ロングツインテのハルとショートツインテのヤマト。男子からは陰で『ツインツインテ』と呼ばれているとかいないとか。

 教師 「では授業を始めます」

ジャージを着た女教師が言う。
ハルは緊張した。授業の内容はなんだろうか。バレーボールか、バドミントンか。いずれにしろ、今の自分がそれをやっては大災害必至。いや、それ以前に準備運動の動作ですら危うい。休むわけにはいかないし、せめてマット運動とか激しくないものなら…。

ハルの覚悟を他所に授業は始まる。

 教師 「ではまず深呼吸で気持ちを整えてください。リラックスしたところから準備運動に入ります」

深呼吸。
授業とは別に、自分の気持ちを落ち着ける意味でも、ハルは深く息を吸い込んだ。

 ハル 「スゥゥーーー……」

瞬間、体育館の中から空気が無くなった。
一瞬の吸引音のあと、無音となる。
肺活量さえ超人的となったハルは、深呼吸のさなかに体育館中の空気を吸い尽くしてしまったのだった。

 ハル 「へ…?」

音が無くなったことを不審に思ったハルが呼吸を止め周囲を見てみると、クラスメイトや女教師たちが口や喉を押さえて悶絶している。まるで金魚のように口をパクパクさせながら。
その意味に気づいたハルは慌てて息を吐き出した。

 ハル 「た、大変! はぁーーーーー!!」

が、

  ゴバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

勢いよく吐き出された息は台風顔負けのとんでもない強風となり、周囲にいたクラスメイトたちを木の葉のように吹き飛ばした。
吐き出された息は体育館の中で渦を巻いて吹き荒れ、クラスメイトたちを次々と壁や天井に叩きつけていく。

ようやくハルの吐息が収まった時、体育館の中は壁や天井に穴が開き床板が引っぺがされて最早廃墟と化していた。
そんな体育館の至る所、壁に突き刺さったり天井から吊るれたりしているクラスメイトたちの姿があった。皆、白目をむいて気絶している。

 ハル 「はわわわわわ! どうしよーーーーーーーーーーー!!」

両手を頭に当て、ツインテを逆立てて悲鳴を上げるハル。
その背後、酸素マスクを着け、吸盤付き上履きで飛ばされるのを免れたヤマトが「シュコー…」とため息をついた。


   *


次は選択授業だった。
授業を選択した他クラスの生徒たちと一つの教室に移りテキトーに席に着く。
ハルは教室真ん中、やや後ろよりの席に座っていた。
そして授業が始まったそのさなか。

 ハル (う……おならでそう…)

ハルの顔が苦虫を潰したような感じになる。
授業中の教室は多少の物音はすれど静かなもので、放屁音は実によく響き渡るだろう。
我慢は無理そうだ。無音で出来るだろうか。臭いは大丈夫だろうか。
などと個人的危機に脳細胞をフル活用していたハルは、

 教師 「ではここを……あなた、答えてみて」

突如、教師に指名された。

 ハル 「は、はい!」

意識外だったハルは思わず声を上ずらせながら立ち上がる。
と同時に、驚いてうっかりおならも出てしまった。


  ブゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!


立ち上がったことで横を向いたハルのお尻は後方に向けておならを放つ。
超人的な放屁はガス爆発もビックリの破壊力。放屁の瞬間、ハルの後方、校舎の半分が吹き飛んだ。
おならは校舎を内側から爆発するように粉々に吹っ飛ばし、さらには校舎に隣接する住宅街の家々をもバラバラにしてしまっていた。
ハルの真後ろからの地形が、まるでクレーターのように大きな穴となっていた。
ちなみにこのとき、保健室から戻ってきていた山田がハルの真後ろの席で居眠りをしていたが、ハルのおならを一番の至近距離で受けた彼は放屁の瞬間に消し飛んでいた。

 ハル 「……」

ようやく放屁がおさまり、パタパタとひるがえっていたスカートを両手で押さえる真っ赤な顔のハル。
なお、誰もこの爆発がおならだとは気づけなかった模様。


  *


次の授業。
ハルはくしゃみをしていた。
校舎の前半分が吹き飛んでいた。


  *


授業中以外にも、上履きを履いたときにつま先をトントンと鳴らして朝のように周囲を壊滅させたり、歩いていた時うっかり机の足を蹴とばした机がロケットのような威力で校舎の壁を突き破って町の外に飛んで行ってしまったり、教室の戸を開けようと横に動かしたら戸が凄まじい威力で押し飛ばされ壁を何枚も突き破りながらスライドし、ようやく止まった時には4つ向こうの教室の入り口の戸に納まっていたりしたという。
飲み物を買おうと自販機のボタンを押したら自販機そのものが奥に向かって真っ平らに押し潰されてしまったり、階段を登ろうと足に力を込めたら階段が地面に沈んでしまったり、廊下の曲がり角でうっかり角に足をぶつけたら建物の角から先の部分が飛んで行ってしまったりした。

間もなく昼。
校舎は半日を待たずして瓦礫に変わろうとしていた。
なお、蹴とばされた机や建物などが周辺住宅地に襲い掛かり、被害は学校や通学路だけでなく周辺地域にまで拡大していた。

 ハル 「ほ、ホント気を付けてるんだけどなー…」
 シュウ 「…」

瓦礫の山の上、ポリポリと頬を掻くハル。

そこに

 アスカ 「やほー」
 シュウ 「うおお待ってたぞ!」

やってきたアスカに泣きつく俺。

 アスカ 「にゃはは、お待たせ。これを食べると力が元に戻るよ」

言ってアスカが差し出したのは、ワッフルだった。

 アスカ 「『ヨワッフル』。力と体のバランスを整えるアイテム。今のハルちゃんは、体はそのままで力だけ巨大化しちゃってるよーなものだから、力を体の大きさに合わせればいいんだよ」

ほい、と差し出されたワッフルを受け取ったシュウは、それをハルに手渡した。
すぐさまハルはそれを頬張る。
ふぅ…。俺は額の汗をぬぐった。

 シュウ 「とりあえずこれでハルの方は一件落着か…。あとは学校を元に戻して…」
 アスカ 「そだね。まぁそっちはすぐになんとかなるで………」


  ズッズウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!


凄まじい揺れが町を襲った。
俺とアスカが振り返れば、そこには白い壁があった。
言うまでもなく、ハルのパンツである。

ハルは1000倍の大きさになっていた。
さきほどまでギリギリ瓦礫だった校舎は、今はハルの巨尻の下敷きになって完全に無に帰していた。
パンツとミニスカートに包まれたお尻が校舎があったところにずっしりと置かれ地面に沈み込んでいる。学校はハルの尻の下に消え失せていた。
更にはニーソを履いた両脚がハの字に投げ出され、敷地の外の住宅街の上にズズンと横たわっている。
学校周辺は壊滅した。

 シュウ・ハル 「え゙っ…」
 アスカ 「ん~、どーやら力を体に合わせるつもりが体を力に合わせちゃったみたいね。巨大な力に合う大きさに巨大化したと。しかもプラスアルファで」
 シュウ 「なんでそーなる!」
 アスカ 「サイズフェチ界隈にはこんな言葉があるのよ。『困ったら巨大化オチ』」
 シュウ 「アホかーーーーーー!!」

シュウの悲鳴にも似た叫び声が、ハルのパンツの前で響いていた。



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2.『溶けパンツ』


ハル部屋。
ハルとアスカ。
ハル半裸。つーかパンツ一丁。アスカ着衣。

脚を開いて床の上に腰を下ろしているハル。
そんなハルの穿く白いパンツを、1000分の1サイズの小人たちが登っている。

 アスカ 「ハルちゃん、調子はどう?」
 ハル 「ふふ、ゾクゾクしちゃいます」

ハルの見下ろす先には自分のパンツを登る小人たち。
20人ほどはいるだろうか。皆が白いパンツの生地の上をよじよじと登っていく。

パンツとは言っても今の彼らからすればそれは1000倍の大きさ。ハルの定めたゴールである上端まで10cmも無いが、彼らにとっては100m弱の距離となる。
パンツの繊維も彼らにとっては荒縄のように丈夫で無骨で頑丈だ。彼らが手をかけたところでたるみもしない。繊細な生地も1000倍ともなれば荒々しい作りとなり手足をかけとっかかりにするのはわけないだろう。

しかしそれでも、命綱も無しにこの急な斜面を体一つで登っていくのは苦行だ。時に地震の比でないほどに揺れるので繊維を掴む手足には全力を込めなければならない。
また、この白い山の地面からはむせ返るほど濃密な臭いが湧きだしていて、それがまた彼らの体力を酷く消耗させた。
遥か上空と背後からは恐ろしく巨大な顔が見下ろしてくる。特に頭上に見上げる方の顔は、自分たちが上っているこの白い丘と繋がっている。それが、この白い丘が巨人の穿くパンツである証拠だった。

彼らは必死になって白い丘を登った。登っているつもりだった。
だがハルからすればゴマ粒よりも小さな彼らがパンツを登る動きはあまりに遅すぎて止まっているようにも見えた。

 ハル 「あーあ、みなさんがあまりに遅くて冷めちゃいそうなんで、ちょっとオナニーしますね」

言ってハルは右手を彼らが必死に上るパンツの中へと忍ばせた。

1000倍の大きさの手が差し込まれたとなればパンツは大きく動く。山そのものの形がズモォッと勢いよく変わったのだ。
ハルの手がパンツに入れられた衝撃で上の方に来ていた4人ほどが斜面から撥ね飛ばされ白い斜面を転がり落ち、そして宙に放り出された。
彼らが登っていたのはパンツの上半分。丸みを帯びた下半分は一般人の彼らでは到底上ることもできないと、半分の高さからスタートしていたのだが、転がり落ちた彼らはそのスタート地点すら通り過ぎて、床まで100mほどの距離を悲鳴を上げながら落下していった。
ハルからは自分のパンツの陰となって見えない場所だった。アスカからは落ちていった粒たちが床の上で小さな小さな赤いシミになったのが見えた。

ハルはパンツに突っ込んだ手をマンコの中にまで差し入れ、中を指で愛撫する。

 ハル 「ん…」

顔を赤らめたハルが小さく喘ぐ。
そうやってハルがオナニーのために手を動かすせいで、パンツはグイグイと動き、その表面にしがみつく人々に悲鳴を上げさせた。
彼らにとっては山の斜面のようなパンツが、大荒れの海の波のように荒れ狂っているのだ。
さらに5人がハルのオナニーの揺れに耐えきれず、ハルの股間を転げ落ちていった。

 ハル 「おっと、これ以上やったらみんな落ちちゃいますね」

ハルはパンツから手を引き抜いた。
その指はぬらぬらと濡れていた。

 ハル 「まぁでも、無駄なんですけど」

ハルは笑った。
山そのものが変形する大揺れにもなんとか生き残った10人は泣きながらパンツの繊維にしがみついていて、そんなハルの笑った意味など気にする余裕はなかった。

ふと、そんな小人の一人が、パンツの繊維が濡れてきているのに気づく。
この巨大女が先のオナニーで本格的に濡れてきているのだと悟った。この広大な急勾配のゲレンデが、中央からしめり始めている。

ただそれだけだと思った。そうじゃなかった。
自分たちの掴んでいた荒縄のように太い繊維。その繊維を掴んでいた手が、繊維に沈み込んだ。
繊維が柔らかくなっていた。
何が起こったのか。自分たちの地面とも言える強靭な繊維が、どんどん柔らかく頼りなくなっていく。
どうなっている。

 ハル 「実はこのパンツ、愛液に濡れると溶けちゃうんですよ」

ハルの楽し気な声が、小人たちをビリビリと揺さぶった。

 ハル 「だから早く登った方がいいって最初に言ったのに。残念でした」

そうこうしているうちにもパンツは溶解していき、やがて中央の部分にずるりと穴が開いた。
穴の向こうには赤い渓谷が開いていた。ハルのおマンコである。

穴が開いたとき、その溶けた部分の繊維にしがみついていた小人はハルのマンコの裂け目に落ちてしまった。
そのまま陰唇の中の壁に落下し、壁を覆っていた愛液に絡め取られる。
手足をじたばた動かしても、彼らにとってはドロりと粘っこい愛液は彼を捕らえて逃がさない。
彼はマンコの中で溺れる一匹の虫になった。

 ハル 「ん、ちょっとくすぐったいかも。さぁ他の人は頑張ってくださいね」

しかしそう言いながらもハルはパンツの中にそっと左手を忍ばせると、指を使ってマンコをくぱっと開いて見せた。
結果、さらに広範囲の生地が溶けだし、その部分にしがみついていた別の小人たちもハルのマンコの中に呑み込まれていった。
開かれたハルのマンコはアリ地獄のようだ。中に落ちた小人たちは絶対に逃げることの出来ない愛液に付着し、陰唇の壁にはりつけにされた。

マンコから遠い部分にしがみついていた小人たちは、繊維が溶けてマンコの谷に転落するという不運からは免れていた。
しかしそんな小人たちも、アスカがピンセットを使ってそっと摘まみ上げ、陰唇の中に落としていった。
結局 生き残っていた小人は全員ハルのマンコの中に落ちることとなる。

 ハル 「あらら。まぁ別にどうでもいいんですけどね」

10人をマンコの中に捕えたまま、クスクスと笑うハル。

 ハル 「じゃあ折角ですし、皆さんにも手伝ってもらいましょうか。わたしのオナニー」

ハルは右手を股間へと伸ばした。
陰唇の内壁にくっつく小人たちからは、恐ろしく巨大な手と指が、自分たち目掛けて進んでくるのが見えた。
皆が悲鳴を上げて暴れる。手足をじたばたさせる。しかしハルの愛液からは逃げられなかった。


ハルのマンコは自分の指をペロリと咥え込んだ。
差し込んだ指で膣の中を刺激する。指を出し入れしてピストン運動を開始する。
快感に心が躍る。

この瞬間、ハルは中の小人たちのことは忘れてしまった。
ただただオナニーに夢中になっていた。



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3.『こーもん』


全裸でベッドの上に突っ伏し、お尻をグイと突き上げるハル。
両手でお尻の肉を掴み、左右にグイと広げるハル。
開かれた尻の谷間の底には、およそ3cmほどの直径の肛門。
そんなハルの肛門を覗き込むアスカ。

 アスカ 「そいじゃいくよー」

アスカは右手に持っていた1000分の1サイズの電車を肛門の上に持っていく。
電車を割り、中に入っていた人を振り落とす。
20人ほどの、ゴマ粒みたいな大きさの小人たちが、ハルの肛門に落下していった。

 ハル 「ん…くすぐったい…」

小人たちがポロポロと落下してくる感触にキュッと肛門を締めるハル。
それはそこに転げ落ちた小人たちにとっては地面が高速で移動し勾配がキツくなるようなもので、地面から跳ね飛ばされた上に肛門のさらに中央に向かって転がされた。

ハルが肛門を締めただけで翻弄される小人たちを見下ろしてアスカは笑った。

 *

そんなこんなで肛門の上に放られてしまった小人たちはとにかくそこから脱出しようと必死になった。
無数のシワに足を取られながら這いずるようにしてすり鉢状の斜面を登っていく。
しかしすぐに肛門全体がギュッと動いて、小人たちはみなすり鉢の底へと転げ落とされてしまう。
20人の小人たちの肛門から脱出しようという動きはハルにとってはくすぐり以外の何者でもなかった。意図して締めているのではなく思わず力が入ってしまう。

ハルの肛門はおよそ3cm。小人たちにとっては30m。半径は15m。
決して長くはないが、ビクビクと振動する、無数のシワの刻まれた足場の悪い地面が、彼らの脱出を困難にしていた。
特に臭いが酷い。呼吸をするたびに吐き気がするようだ。ただ息を吸うだけで体力を消耗する。

小人たちは死に物狂いで頑張ったが、結局誰一人肛門の外へ脱出することはできなかった。
やがて皆が体力を消耗したり体調不良を訴えて、その場から動くことができなくなってしまった。
皮肉にも誰もが疲れ果て動かなくなったことで肛門への刺激がなくなり、ハルが肛門を締めることも無くなっていた。

 アスカ 「あらら、みんな疲れちゃったみたいだね」
 ハル 「あ、やっぱりそうなんですか? どうりでくすぐったくないなーと。ふふ、女の子の肛門からも出られないなんて、みなさん貧弱すぎですね」

再びハルが肛門を締めると、動けなくなっていた人々全員がすり鉢の底へと転がされ集められた。

 ハル 「そんなに貧弱じゃあ生きてくのは無理でしょうし、わたしが処分してあげますね」

言うとハルはそれまで尻の山を掴んでいた両手をより肛門へと近づけ、中指を肛門の側へと押し付ける。
そして、

 ハル 「えい」

外に向かってグイと引っ張った。
すると肛門がグバッと開かれ、その上にいた20人の小人全員が開いた穴の中に落ちていった。
悲鳴を上げながら、真っ暗な穴の中に落ちていく小人たち。
しかしハルが指をどければ肛門は再びキュッと締まり、彼らの悲鳴はぷっつりと遮られてしまった。
肛門はいつもの様子を取り戻し、さきほどまでそこに生きた人間たちが乗っていたとは到底思えなかった。
彼らの存在すべてが、ハルの肛門の向こうに消えてしまった。


突っ伏していた上半身を起こしベッドの上に座り込んだハルは「んー…」と伸びをした。

 ハル 「大丈夫、明日の朝には出られますよ。生きて出られるかどうかは知りませんけど」
 アスカ 「あははは、ハルちゃん残酷~」



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4.『胃液ハル』 ※一部グロ(胃+小人)


俺は今ハルに呑み込まれて胃の中にいる。
というのも、

 アスカ 「ハルちゃーん、ほら、シュウ味のグミだよー」
 ハル 「お兄ちゃん味!?」(歓喜)
 アスカ 「噛まずに呑み込んでねー。はい、あーん」
 ハル 「あーん」

そうしてハルの口に放り込まれた100分の1サイズの俺はハルの口でさんざんしゃぶりつくされたあと丸呑みされた。
窮屈な喉をぐにゅぐにゅと押し流されたのち、ポイと放り出されたのが、この胃の中である。
事前に、

 アスカ 「テキ灯(正式名称:テキオー灯)で照らしたから胃液に触れても大丈夫だよ。あ。暗視も付けておいたからちゃんと見えるよー」

と言われている。
だからってなんで呑み込まれにゃならんのだ…。

仕方なく俺は胃液の水たまりの岸に腰を下ろした。
暗視のおかげでよく見える胃の中は赤い内壁がぬらぬらとてかって、動いている。
ハルの体内という証拠でもある。よく見れば黄色っぽい色の胃液の湖の中に溶けかけの食べ物が浮いていたりする。
中は割と広い。今の俺から見れば、家一軒くらいは入るだろう。

 シュウ 「はぁ…」

そうやって俺が胃液の海岸で黄昏れていた時だ。
そんな波打つ胃液の海の一部がポコポコと泡立ち出した。
一瞬、消化が始まったかのかと脳裏をよぎったが、それが違うことはすぐに明らかになった。
泡立っていた部分の胃液が、ぐにゅぐにゅと蠢きながら盛り上がっていくのだ。まるで時オカのモーファのように。明らかに人体内の通常の現象ではない。

 シュウ 「な、なんだ!?」

俺がビビるその視線の先で盛り上がっていく胃液は、やがてある形へと変貌していき、そして声を発した。

 ハル 「あれ? お兄ちゃんじゃん。こんなとこで何してるの?」
 シュウ 「…」

………ハルだった。
材質は確かに黄色い半透明の胃液だが、形と声はハルのものだった。ご丁寧にツインテールまで再現されている。
胃液の海から上半身だけを形どり、腰に手を当て、きょとんとした顔で見下ろしてくる。
上半身だけしか見えていないが、俺から見ればそれでも4mくらいの大きさだった。

 シュウ 「……………は? ………は? え? は? え? ……ハル…なのか?」
 ハル 「そだよ。まぁ正確にはわたし本人じゃあないんだけど…」

目の前の黄色い半透明のハルは頭をポリポリと掻いた。


  *


 シュウ 「………つまりお前はアスカが作ったハルの人格のコピーだと…」
 胃液ハル 「そうそう。前に実験って言って本体のわたしの胃液に人格を持たせたの。それがわたし。と言っても、本体のわたしはそのこと知らないんだけど。アスカさんがこっそりやったことだから」
 シュウ 「なにやってんだあいつ……。…ん? ってことは本当のハルと意識を共有してたりはしないのか?」
 胃液ハル 「うん。わたしが作られたときまでの記憶は共有してるけど、それ以降は別々。まぁわたしは本体のおなかの中にいるわけだから、本体の経験したことは大体知ってるんだけどね」
 シュウ 「……」

胃液で出来たハルは言った。
ハルの中にもうひとりのハル(胃液)が住んでたなんて…。
俺は頭が痛くなった。

 胃液ハル 「いやーでもまさかお兄ちゃんに会えるなんてなー。わたし(胃液ハル)はお兄ちゃんには会えないと思ってからさー」
 シュウ 「う…」

胃液ハルが体を倒し顔をググッと近づけてきたので俺はたじろいだ。
上半身だけで4mほどもあるということは、(あるのか知らんが)下半身も含めれば8mくらいになる。つまり俺の5倍近い大きさがあるということだ。顔の大きさだけで縦1m幅70cmほどの大きさだ。俺の体の半分以上ある。
胃液でも造形はきちんとハルだ。顔立ち、目鼻、口の動かし方は本体にそっくりである。黄色い半透明に白い眼球はホラーかもだが…。そこは読者の都合の良いように修正を求む。

大きな手が伸びてきて俺の頬を撫でた。感触は確かに水だ。スライムに近いのかも知れない。
温かい手が俺の顔の半分を覆ってしまう。

が、その手はすぐに引っ込められた。

 胃液ハル 「あ、わたし(胃液)が触ったら溶けちゃうかな…?」
 シュウ 「それは……大丈夫なはず…。アスカが何かしたからな」
 胃液ハル 「そっか。よかった」

クスと笑った胃液ハルが再び俺を撫でてきた。
頭や体、色々なところを触ってくる。

 シュウ 「あ、あまりべたべた触るなよ…」
 胃液ハル 「あはは、ツイね。こうしてお兄ちゃんに触れるなんて思ってなかったよ」

言いながら俺に触れるのをやめないハル。
コイツがいつ作られたのかはわからないが、こいつもハルで、ハルでありながら俺と会えない日々を過ごして来たかと思うと、少し申し訳なく思う。
俺は好きにさせてやることにした。

などと、しばらく胃液ハルの大きな手で体を撫でまわされていると、突然胃全体が激しく振動し始めた。

 シュウ 「な、なんだ!?」
 胃液ハル 「あ。本体のわたしが遊び始めたんだよ」
 シュウ 「あ、遊び!?」 
 胃液ハル 「そ。なんか最近小さくした建物を食べることにハマってるらしいんだよね」
 シュウ 「……」
 胃液ハル 「だから多分そろそろ…」

と胃液ハルが言うと、この胃袋の天井である胃の入り口が開き、何かが落下してきた。
それらは胃液の海に落下して水柱を立てるが、俺の目には、その落下してきたものはどう見てもビルの瓦礫だった。
次々と降り注ぐビルの瓦礫たち。大きさからして俺の10分の1サイズの感覚。つまり1000分の1サイズ。
1000分の1サイズの超高層ビルをうまい棒感覚で食べているハルの姿が、ありありと思い浮かべられた。

 シュウ 「なにやってるんだアイツ…」

と俺がげんなりしていると、そんな瓦礫が降り注いで波立つ胃液の海に、何かが動いているのが見えた。
暗視によって暗くてもはっきりと視認できた。それは人間だった。
人間入りのビルを食っていたということだ。

 シュウ 「ホントになにやってるんだアイツ…」

仕方なく助けに行こうとして立ち上がろうとしたら、大きな手で遮られた。

 胃液ハル 「もう手遅れだよ。それに、お兄ちゃんはここから先は見ないほうがいいかも」

胃液はハルは言った。だがそうやって手で遮ってくれたのだろうが、半透明のおかげで、ぼんやりとだが見えてしまった。

 「ぎゃああああああああああ……」

胃液で溺れる人々の体がどろりと溶けだし、やがて骨さえ溶けて完全に無くなってしまった。

 シュウ 「うっわ……」
 胃液ハル 「1000分の1サイズにまで縮められちゃったら、本体のわたしの胃液なんて耐えられるわけないよ。まぁでもたまにすごく頑張っちゃう人がいて…」

見れば確かに、胃液の海にできた瓦礫の山の波打ち際に、体が溶けかけながらもギリギリ生き残っている人がいた。
しかしもう体の半分が無くなっている。もう、助からないだろう…。

不意に俺の横にいた胃液ハルがその瓦礫の山に移動していった。
そしてその溶けかけの人を摘まみ上げると、

 胃液ハル 「そういう人はわたしが一思いに楽にしてあげてるの」

ギュッと握り潰した。胃液ハルから見る人々の身長は3.5cmほど。手のひらにすっぽりと納まってしまう大きさだ。
そうやって胃液ハルは胃の中でギリギリで生き残ってしまった人々に次々ととどめを刺していった。
確かに、こんな胃の中に取り込まれてしまえばもう助からないとは思うが……。
外ではハルにビルごと食われ、胃の中に落ちれば今度は胃液ハルに潰されるのか…。
隙を生じぬ二段構え。

 ハル 『ふふっ、おいし~』

本体のハルの声が、この広大な胃の中の空間に轟く。
胃壁が、胃液の海が、ビリビリと震えるような凄まじい声だった。
声を発する気管と同じ体内にいるのだから当然だが、ややくぐもった声は地鳴りのような重々しい恐ろしさを携えていた。

 胃液ハル 「あーあ、無責任に楽しんじゃって。誰が後始末してると思ってるのかな」

腰に手を当てた胃液ハルはボロボロとビルの残骸が降ってくる胃の入り口を見上げた。

 シュウ 「……なんていうか、本物のハルと比べて、お前はさっぱりしてるな…」
 胃液ハル 「そうかな? ていうか本体のわたしの性癖が異常なんだと思うけど」

それについては全面的に同意するが。

などと言っていると胃液ハルがまたこちらに近寄ってきた。

 シュウ 「ん、どうした?」
 胃液ハル 「まぁあの人たちはどうせ助からないし、あとでまとめて片付けるから放っておいてもいいや。それよりも…」

胃液ハルがにっこりと笑いながら両手を伸ばしてきた。

 胃液ハル 「折角のチャンスだし、今はお兄ちゃんと遊ばないとね」

ひょいとまるで赤子か人形のように抱え上げられた俺。

 シュウ 「うぉ…な、なにするつもりだ…!」

間近に迫った大きな笑顔の迫力に、声が上ずる。

 胃液ハル 「別に痛いことなんてしないよ。本体のわたしじゃないんだから」
 シュウ 「そ、それは理由になるのか…? なりそうだ…」

そして胃液ハルは胃液の海の岸に腰(?)をおろした。
俺から見る胃液ハルのサイズは恐らく5倍。相対的に胃液ハルから見る俺は恐らく35cmほど。まさしく人形サイズだ。

 胃液ハル 「ふふ、かわいいなぁ」

俺の頬に自分の頬を当て頬ずりする胃液ハル。
大きな顔が上下するたびに俺は頬の皮がつっぱりそうだった。

今更だが胃液で出来ていても弾力は人並みにある。俺の体を持ち上げている手の感触や押し付けられる頬の感触は人間のそれに近い。
黄色半透明だが、体つきはハルのそれだ。むしろハル本体よりいいラインしてるような…。

 胃液ハル 「そりゃだってわたし本来はただの胃液だし、体の形なんて自由だよ」

ぐにゅ~。
胃液ハルの胸が膨らんだ。

 シュウ 「そんなとこ膨らませて証明するなよ」
 胃液ハル 「お兄ちゃん好きかなって思って。本体のわたしは胸の大きさじゃアスカさんには勝てないけど、わたしなら勝負できるよ」
 シュウ 「いや、勝負してくれなくてもいいけどさ。もしかして小さくもなれるのか?」
 胃液ハル 「うん。小さくなるのも自由。ただ、大きくなれるのは胃液の量だけだけどね」
 シュウ 「なるほど。体積の限界があるわけだ」

まぁ大きくなれるとしてもハルの胃袋の中なのだからどの道限界はあるだろうが。

 胃液ハル 「そう言えば、お兄ちゃん最近本体のわたしとエッチしてないよね?」
 シュウ 「ぶは…っ! い、いきなりナニを言い出すか!」
 胃液ハル 「ほら、本体のわたしってお兄ちゃんの精液飲むでしょ? すると精液が胃の中にドバーっと降ってきて、わたしアレ浴びるの好きなんだけどー」
 シュウ 「う…」

確かに本来のサイズで射精をすればそのくらいの量になるのかも知れないが、自分の精液が降り注ぐ空間というのはあまり想像したくない。
などと考えていると、

 胃液ハル 「ねね、今エッチできる?」
 シュウ 「はぁ!?」
 胃液ハル 「わたしがもらってる精液って本体のわたしが飲んだ後のおこぼれみたいなものだし、わたしも直接もらいたいなーって」
 シュウ 「あ、あのなぁ…」

俺がしかめっ面をすると胃液ハルの大きな顔はプッと吹き出した。

 胃液ハル 「あははは。冗談だよ冗談。こんな雰囲気も何もない場所じゃ起つものも起たないしね」

胃液ハルは周囲を見渡した。
確かに。赤い肉の壁がビクビクと動き、ジャブジャブと胃液があふれ出し、天井からはグシャグシャに噛み潰されたビルの瓦礫と、租借に生き残ってしまった人間が悲鳴を上げながら降り注ぐ空間だ。
ハルの他の臓器の動きによる重低音が轟き、その合間に、かすかに人の断末魔が聞こえる。
テキ灯のおかげでまったく感じられないが、おそらくは目鼻が潰れるような凄まじい異臭もたち込めていることだろう。
こんな場所でセクロスなどと完全に常軌を逸した行為だ。

だが、小さくなって妹の胃の中で妹の分身と馴れ合っているこの状況がすでに常軌を逸している。
ここで更に逸したところで、大差は無いだろう。

 シュウ 「……わかったよ。好きにしな」 
 胃液ハル 「やった♪ さすがお兄ちゃん」

黄色半透明の妹が嬉しそうに笑った。


  *


 胃液ハル 「それじゃあヌくけど、いい?」
 シュウ 「ああ。 …起つかどうかは保証できんが…」
 胃液ハル 「ふふ、任せて」

左手で俺の腰を掴んで持ち上げ、右手の指で俺の股間をまさぐる胃液ハル。
五倍差。普段無いサイズ差だ。とりあえず俺の身長は胃液ハルの二の腕の長さも無いらしい。
相対的に胃液ハルの指の太さは7.5cmほどとなり、勃起時の俺のちんぽの長さよりはやや細いだろう。

などと考えているうちに俺のチンポはムクムクと首をもたげ始めた。え? 早すぎじゃね?

 胃液ハル 「わたしだってハルなんだから、お兄ちゃんの起たせ方ぐらいしてるよ」
 シュウ 「さいですか…」

胃液ハルが右手の人差し指と親指で摘まんだ俺のちんぽをクリクリとこねくり回す。
ハルから見て俺のちんぽは3cmも無いだろう。指でこね回すのに丁度よい大きさだ。
爪(?)を使って玉袋をプラプラと揺さぶったかと思えば、指裏の指紋(?)を使って亀頭を撫でる。
あっという間だった。

 シュウ 「う…っ」

 どぴゅっ

俺は亀頭を撫でていた胃液ハルの指先にぶっかけていた。

 胃液ハル 「ん、いっぱい出たね」
 シュウ 「ふぅ……なんかあまりにも早くて我ながら情けない…」
 胃液ハル 「違う違う、わたしが上手いんだから」

言いながら胃液ハルは精液のついた指を口元に持っていくとパクっと咥えた。

 胃液ハル 「ん~、やっぱり小さいお兄ちゃんのは精液も小さくなって濃密♪ クリームみたい」

舐め取った精液を舌の上で転がしているのだろうか。
じっくりと時間をかけて味わっている。

 シュウ 「そんなにじっくり味わわれると恥ずかしいな…」
 胃液ハル 「だってお兄ちゃんが小さくなるってことは精液の量も少なくなるってことだじ、ちゃんと味わわないともったいないじゃん」
 シュウ 「珍味みたいに言うなし…」
 胃液ハル 「ふふふ、最高の珍味だよ。わたしたち『ハル』にとっては」

にっこりと笑った胃液ハルは俺を顔の高さまで持ち上げると、今度は直接股間にしゃぶりついた。

 シュウ 「うお!?」
 胃液ハル 「今度はもっとじっくり気持ちよくさせてあげるね」

温かな唇が俺の腰に当てられたかと思うと、もっと温かいものが中から現れ俺のちんぽに触れてきた。
胃液ハルの舌だ。
先端をチョンと亀頭に触れさせ「挨拶」した舌は今度はちんぽ全体を包み込むように舐め始めた。
ちんぽをくるみ、まるで手でするよう「しごく」。舌先で裏スジを舐め上げ、カリを掃除して、鈴口に愛撫する。
とろけるような快感。通常サイズでは亀頭を舐めまわすのが精いっぱい。10倍サイズでは舌先の力でもちんぽを相手にするには強すぎる。
包み込むような優しい愛撫。初めてかもしれない経験だった。

そうやって舌と口で俺の股間を愛撫しながらも「俺本体」への愛撫も忘れない。
ときに俺の乳首をいじり、ときにアナルをせめ、ときに頭を撫でる。

全身への柔らかい愛撫。
やがて俺はその全身の快楽を一点に集中して、胃液ハルの口の中へと放った。

 どぴゅう!

最初よりも強い射精。
何発も何発も、ハルの口の中に注ぐ。
胃液ハルの舌は自身に大量の精液がふりかかるのを感じながらも、俺への愛撫を続けた。
まるで精液をかけられるのを喜ぶように、俺のちんぽへ奉仕し続けた。

やがて俺の快楽の波も引き射精も止まる。
ようやく射精も止まったことで胃液ハルは口を離し、口の中にたまった大量の精液をゴクンと飲み干した。

 胃液ハル 「ん~これこれ。これがほしかったの」

胃液ハルは右手を頬にあて嬉しそうに言った。

 シュウ 「はぁ…はぁ…すっげぇ気持ちよかった…」
 胃液ハル 「どお? 本体のわたしにも負けてないでしょ」
 シュウ 「あぁ…、むしろあいつ以上の……」

と、俺はまだ快楽のまどろみにある中で後ろにのけぞらせていた頭を戻し正面の胃液ハルの顔を見たのだが、その半透明の顔の内部の一部が白く濁っていた。

 シュウ 「うぉ! お前、それ大丈夫なのか!?」
 胃液ハル 「あははは、大丈夫大丈夫。ほら、わたしは胃があるわけじゃないし、飲みこんだものはそのまま吸収しちゃうんだよね。だから口で取り込んでもそのまま頭に残っちゃうわけ」

頭の中を白く濁らせながら胃液ハルが笑った。

 シュウ 「うわぁ…それって俺の精液だよな…?」
 胃液ハル 「もちろん。なんかモヤみたいになってるでしょ? クラゲの臓器みたいだよね」
 シュウ 「そ、そんなのんきなもんか…」
 胃液ハル 「うん。このお兄ちゃんの精液があるところって、だいたい小脳のあたりだよね? てことはもしわたしが人間なら、今わたしの脳みその中でお兄ちゃんの数億匹の精子が蠢いてるってことになるのかな」
 シュウ 「バイオハザードじゃねーか! てかやっぱりお前もそんな変態的な思考で興奮するのか!?」
 胃液ハル 「しないよ! 本体じゃないんだから! まぁもしこれが本体だったら「あぁ今わたしの脳内でお兄ちゃんの精子が暴れまわってる…。お兄ちゃんの精子に脳食べられちゃってる~♪」とか言いそうだけど」
 シュウ 「だよな…」

俺は安堵の息を吐き出した。
しかし胃の中の自分にすら諦められてるハルって…。

 シュウ 「はぁ…しかし顔にぶっかけは経験あるけど、脳内にぶちまけは初めてだわ…」
 胃液ハル 「へへへー。こんなの出来るのわたしだけだよね。ところでお兄ちゃん、もしかしてまだイけるの?」

胃液ハルが俺の股間を見下ろす。
俺の股間はまだ元気にそそり立っていた。

 胃液ハル 「けっこう勢いよく出たと思ってたけど…」
 シュウ 「う…普通と違うシチュエーションについ…」
 胃液ハル 「あはは。喜んでもらえたならうれしいよ。じゃあもうひとつ普通と違う事やってあげようか」
 シュウ 「え?」

首をかしげる俺。
そんな俺を持つ胃液ハルは、俺を自身の腹の方へと持っていくとそこに押し付けた。
かと思うと、俺の体は胃液ハルの腹の中にとぷんと沈んでしまった。

 シュウ 「おぉ!?」

すべてが黄色半透明の世界。温かな湯か、ゼリーにでも包まれてるような感覚。
胃液ハルの体の中だ。

 胃液ハル 『ふふふ、どーかな、わたしのおなかの中』

胃液ハルの、ややくぐもった声が聞こえる。

 胃液ハル 『普通の人だったら、こんなことできないよね。面白いでしょ』
 シュウ 「お…おお…。なんか変な感じだ…」

水の中に沈んでいるような感覚。手足を動かすことはできるが、移動することはできなそうだ。

 胃液ハル 『もうお兄ちゃん、おなかの中でそんなに動かれたらくすぐったいよ』
 シュウ 「お前にもくすぐったいなんて感触があるのか」
 胃液ハル 『なんとなくだけどね。んじゃ始めるよ』
 シュウ 「始めるって……まさかこの状態でか?」
 胃液ハル 『そうだよ』

こいつの腹の外から、腹の持ち主である胃液ハルが見下ろしてくる。

 胃液ハル 『今まで全身パイズリされたり全身おマンコに入れられたことはあっても、全身包まれたことはないでしょ?』
 シュウ 「…それって違うのか?」
 胃液ハル 『まぁ見てて』


と俺が首をかしげていると、不意に全身に何かが絡みついてくるような感触がし始めた。
それまではただ胃液で出来たハルの体の中に沈んでいただけなのに、今はその包み込んでくる胃液が、明らかに俺への愛撫を意識して圧迫してくる。

 シュウ 「あ…」

気づいた。胃液ハルの言った全身を包み込むの意味。
パイズリされたときは俺の体を左右から挟み込まれた。マンコに入れられた時は体を周囲からギュッと握られるようなものだった。
しかしこれはそうではない。
手足の指の一本一本。毛の一本一本までひとつずつ包み込まれるような感覚。
俺の体を一個丸ごと包み込むのではなく、俺の体を紐解き、全身のあらゆる部位を一つずつ包み込む。
耳の表と裏、鼻の穴の中まで。まさに全身を包み込む感じだ。
体まるごと愛撫するのではなく、俺という存在を包み込み愛撫する。

全身となれば当然股間も。
棒も、玉もだ。オナホがちんぽを包み込み愛撫するのなら、胃液ハルの体は俺を包み込み愛撫するもの。
しかも胃液ハルの体である胃液は鈴口から尿道に流れ込みちんぽを内側からも愛撫し始めた。
胃液が流れ込める場所はすべて愛撫されている。

 シュウ 「あぐ…」

早速、俺は一度イってしまった。
ちんぽから放たれた精液が、先に胃液ハルの口の中にぶちまけた時のように。ハルの腹の中で白いモヤとなる。
しかしまだまだ終わらない。
脇。首。ヘソ。膝裏から指の間まで、本来なら愛撫などしようもない部位にすら快感が得られた。
未知の快楽に俺は次々と撃ってしまう。
どんどん、胃液ハルの腹の中、俺の股間の前が白く濁っていく。
クスクスと笑う胃液ハルの腹の中で、俺は体をビクビクと痙攣させていた。まるで全身を性感帯にされてしまったかのようだ。

果てしない桃源郷にようやく猛りが収まったころ、俺はハルの腹の中で土左衛門のように浮いていた。


  *


 胃液ハル 「ごめんね、ちょっとやりすぎちゃったね」
 シュウ 「…いや、気持ちよかったからいいさ」
 胃液ハル 「えへへ、ありがと」

俺は今 胃液ハルの太もも(?)の上で横になっていた。
胃液ハルが指で俺の頭を撫でている。

 シュウ 「お前はやさしいな」
 胃液ハル 「そうかな」
 シュウ 「お前が本体だったらどんだけ楽なことか…」
 胃液ハル 「それはーー…残念としかいえないかなー。本体のわたしがあってのわたしだから」

見上げた先で胃液ハルが苦笑する。
本当に、爪のアカでも煎じて飲ませてやりたい。爪はないけど。

と、その時、

  ゴゴゴゴゴ…!

胃全体が揺れ始めた。

 胃液ハル 「あ。どうやら終わりみたいだね」
 シュウ 「ん?」
 胃液ハル 「きっとアスカさんがお兄ちゃんを拾おうとしてるんだよ」
 シュウ 「そうなのか?」
 胃液ハル 「多分だけど」

だがそれは正解のようだ。
胃液ハルの太ももの上に寝転がっていた俺の体がふわりと浮かび上がった。

 シュウ 「…なるほどな」
 胃液ハル 「じゃあね、お兄ちゃん。また遊びに来てね」
 シュウ 「ここまで来るのは簡単じゃないと思うけどな。まぁなんとかするよ」
 胃液ハル 「ふふ、ありがと。大好き」

胃液ハルは、ちょうど顔の前まで浮かび上がっていた俺にキスをした。

 シュウ 「……なんか、お前をこんな胃の中に閉じ込めとくのは可哀そうだよな…」
 胃液ハル 「あははは、気にしないでいいんだよ。結構楽しいんだから。それに今度本体のわたしがお兄ちゃんに酷いことしたらわたしがここから懲らしめてあげるから。胃潰瘍でも作って」
 シュウ 「くくく、それは心強いな」

さらに高く、浮かび上がる俺の体。

 シュウ 「じゃあまたな」
 胃液ハル 「うん、またねー」

胃の底から手を振る胃液ハルに手を振り返し、俺は天井の胃の入り口に飛び込んだ。


  *


後日。
あれからしばらくハルは大人しかった。
というのも、あの時、俺はアスカの起こした引力でハルの胃の中から引っ張り上げられたわけだが、それは食道を強引に押し開きながら上ってくるわけで、ハルはほとんどリバース寸前の不快感だったのだ。
出てきた直後は涙目で睨まれたからな。

で、今日。

 ハル 「ふふふ…あの時の恨みー! 今日はお兄ちゃんを尻に敷いちゃうんだから!」(物理)

と、ハルがこちらに向かってスマホのカメラを構えた。
が、直後、

 ハル 「はぐ…っ! きゅ、急にお腹が……!」

腹を押さえてうずくまった。
きっと、胃液ハルが何かしてくれたのだろう。
俺はハルに歩み寄るとそのお腹をポンポンと叩いた。

 シュウ 「さんきゅ」

b!
胃液ハルが親指を立てた気がした。



  ************************


5.『性器交換』


ハルの部屋。
全裸になった俺と全裸になったハル。そしてアスカ。みんな1倍。
そんな俺の股間からはちんぽが消え、ハルの股間にはちんぽがそそり立っていた。
俺とハルの性器は交換された。

 シュウ 「なにやってくれてんだ…」
 アスカ 「シュウってさ、男の子でしょ?」
 シュウ 「……そうだよ」
 アスカ 「男の子ってさ、突き刺す方しか知らないでしょ?」
 シュウ 「…………まさか…」
 アスカ 「そう! これからハルちゃんにシュウを犯してもらいまーす!」

右手を突き上げイエーイと宣言するアスカ。

 シュウ 「アホか…」
 アスカ 「いやいやいや、割と真面目よ。じゃあハルちゃん、お願いね」
 ハル 「えええーと…、そういう事らしいから。お兄ちゃん…」

ハルが頬をポリポリ掻いて苦笑する。
その股間には俺のモノだったはずのちんぽがギンギンに漲っている。
対し俺の股間にはハルのマンコがあった。棒があった部分に穴がある。なんだろう、凄い違和感だ。

ベッド。
に押し倒される俺。

 シュウ 「ちょ、ちょっと待て! 俺が下なのか!?」
 ハル 「え? 上がよかった?」
 シュウ 「いやまて落ち着け俺! そういう問題じゃない」
 アスカ 「まぁまぁシュウ。これも経験だと思って」

横で椅子に座ってボリボリとせんべいを食べるアスカが言う。

 シュウ 「なんの経験だよ!」
 アスカ 「挿入される経験。滅多にないことだと思うよ? 男の子なのにおまんこにおちんちん挿入されるなんて」

普通は男にまんこ無いもんな。
だが、だからってやる必要はあるのか。

 アスカ 「交換する前に膣の中はハルちゃんが濡らしておいたから問題なく入るはずだよ」

へんなところで気が利く。

 ハル 「じゃあお兄ちゃん、脚開いて…」

俺の足元に来たハルが俺の脚に手をかけた。

 シュウ 「なんか乗り気だな…」
 ハル 「えへへ…、だって、いつもはわたしが挿入される側だけど、今度はわたしがお兄ちゃんに挿入できるんだよ。ドキドキするよ」

見ればハルは頬を赤らめ目を輝かせていた。
もう駄目だ。
こうなっては仕方が無いと、俺はハルに体を預けた。

俺が体の力を抜くとハルは俺の股を開いた。

 ハル 「うわぁ…いつものお兄ちゃんにわたしはこう見えてたんだ」

そんないつも俺がお前に迫ってるみたいな言い方するな。
せがんで襲ってくるのはお前の方だ。

 ハル 「じゃあ挿入れるよ…」

ハルが股間のちんぽを俺のマンコにピトッとあてがう。
…「俺のマンコ」にすげー違和感。

しばらくちんぽで俺のマンコをツンツンと突っついていたハルだが、やがて穴の前に切っ先を定め、動きを止めた。
そして、

 ハル 「えい」

  ブスッ

ツッコんだ。
激痛が走る。

 シュウ 「いってええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」

俺はあまりの激痛に叫んでいた。

 ハル 「ひぃっ! だ、大丈夫お兄ちゃん!」

おろおろするハル。

 アスカ 「あはははは! ハルちゃん勢い強すぎ! 折角だと思って処女膜復活させといたのに、そんな思いっきりブッ刺しちゃうんだもん!」

アスカがお笑いしている。

つ、つまりこれは、処女膜を破られた痛み…?

 シュウ 「こ……こ……こんなに、痛いもんなのか……?」
 アスカ 「そだよー。これはおマンコを持ってて、処女膜を持ってる、女の子だけの痛み。つまり男の子には絶対わからない痛みなの。どう? いい経験になったでしょ」

た、確かに…。これは普通なら男の俺には絶対体験できなかった痛み。
こんなにも痛いもんなのか…。玉袋ちぎられるより痛いんじゃないか…。

 アスカ 「まぁ、十六夜は『こんな感じでいいだろう』くらいで描写してるけどね。じゃあハルちゃん、腰振っちゃって」
 ハル 「え? いいんですか?」
 アスカ 「大丈夫大丈夫。痛みがそのうち快感に変わるから。シュウなら」

ドエム扱いすんな。

やがてハルがゆっくりと腰を前後させ始めた。
俺の中に出入りするちんぽの感触を感じる。
最初は滅茶苦茶痛かったが、しばらくすればだいぶ楽になった。……M疑惑。

っていうかこれが挿入される感覚なのか…。
自分の股間に、何か熱いモノが入ってくる感覚。
自分の中を押し広げながら固いモノが入ってくる感覚。
これが挿入…。

 ハル 「どう? 痛くない?」
 シュウ 「あ、ああ…」

ハルが腰を動かすたびに電気が走る。
勃起したちんぽが熱い亀頭を膣壁に押し付けながらグイと入ってくるのが凄い快感だ。戻るときにカリが膣壁をこすりながら出ていくのが快感だ。
これが挿入されるってことなのか。
挿入する側とされる側では快感の感じ方が全く違う。普段なら刺激を得られるのは体から飛び出ているちんぽ。その先端の亀頭の一点。しかし今は体の中、膣の中で広く刺激を感じている。
外と中。一点と広域。刺激の感じ方が違うのだから快感の感じも違う。ちんぽなら快感がその切っ先に集中するが、まんこは股間全体にギュンと広がる。
まさしく未知の快感だった。

 ハル 「ん…!」
 シュウ 「ッ…!」

ハルが一際強く腰を打ち付けた。
その刺激の強さに、俺は思わず喘いでしまいそうだった。
体が抗えない。まるで力が入らないかのようだ。口元からよだれが垂れそうになるのを止められない。体がハルのピストンを欲しがっている。ハルのちんぽを求めている。

 ハル 「…! …!」

どうやらハルの刺激を感じているようでパンパンと一心不乱に腰を振っている。
汗のしずくを弾けさせながら俺のマンコをついている。

そうやってハルが腰を激しく振っていると体も大きく動き、胸元の大きな乳房もゆっさゆっさと暴れている。
いくら性器がマンコになっても男は男。激しくバウンドする乳房を前に、より興奮してしまう。
より快楽を得ようと膣を締め上げてしまう。

 ハル 「はぅぅ! そ、そんなに強く締められたら出、出ちゃうぅ!」

締められた膣にかたいちんぽをズンと押し込むハル。が、同時にその一発によって俺の快感も頂点へと上り詰めてしまう。

 シュウ 「ぐ……!」

刺激と快感が一気に股間に集中するような、それでいて股間から全身に爆発するような、そんな矛盾した感覚だった。
俺たちは絶頂を迎えた。
ハルのちんぽから大量の精液が発射され、俺の膣の中に注ぎ込まれる。
体の中に熱いものが放出される感覚。奇妙な感覚だ。だが、それが心から気持ちよかった。


  *


絶頂を迎えてしばらく、俺はベッドに横になったままであり、ハルはそんな俺の上に倒れ込んでいた。

 アスカ 「いやーおつかれ。どうだった?」
 シュウ 「う、宇宙があった…」
 ハル 「うん…宇宙だった…」
 アスカ 「なるほどなるほど。未知だったってわけね」

ぐったりした声で答える俺たちにアスカはうんうんと頷いた。

 アスカ 「じゃ、もう一回やってみようか」
 シュウ・ハル 「え!?」

俺たちは飛び起きた。

 アスカ 「あれ? 無理?」
 シュウ 「少し休ませてくれよ…」
 ハル 「こ、腰が痛い…」
 アスカ 「いつもは何ラウンドもやるくせに、おちんちんとまんこが入れ替わっただけでこのザマなのね」
 シュウ 「初体験なんだよ…! 変な話だが…」

息を切らしながら抗議する俺。
たしかに、さんざんやってきて初体験というのも変な話だ。

しばし、「んー」と腕を組んでいたアスカだったが、ポンと手を叩いた。

 アスカ 「よし、こうしよ。あたしもやる」
 シュウ 「はぁ?」
 アスカ 「だから、あたしもやるって言ってるの」
 シュウ 「は…で、でも俺もハルも体動かないわけで…」
 アスカ 「へーきへーき。あたしがハルちゃん突くから」
 ハル 「へ…?」
 アスカ 「ハルちゃんにはわたしのマンコ貸したげる。あたしはシュウのおちんちん使うから。そすればハルちゃん動けなくてもセクロスできるでしょ」
 シュウ 「いやちょっと…」
 アスカ 「んじゃセッティング」

ベッドの上のハル。ハルの股を開くアスカ。
そんなアスカのちんぽの上に乗る100分の1サイズの俺。

 シュウ 「…は?」
 アスカ 「じゃあいくよー」
 シュウ 「いやいやいや、ちょっと待て!」
 アスカ 「なにがー?」
 シュウ 「何がじゃない! どうなってる!?」

ハルのマンコのシュウ。アスカのマンコのハル。シュウのちんぽのアスカ。
最早意味わからん。

 アスカ 「ね? 全員総取っかえ」
 シュウ 「だからどうした」
 アスカ 「じゃあいくよー」

アスカがちんぽをハルのマンコにあてがう。
ちんぽの切っ先に乗せられた俺からは、滅茶苦茶グロテスクな入り口がそこにあった。
怪物の口である。

 アスカ 「えい」

ずん。
あっさりと突っ込まれた。
あまりの勢いに俺はちんぽの先端に大の字にはりつけられたまま肉のトンネルを突き進んでいく。

 ハル 「ひん…!」
 アスカ 「あはは、ごめんごめん。じゃあゆっくり動かすよー」

言うとアスカはちんぽをピストンさせ始めた。
そしてそれは、ハルの膣の奥に取り残された俺を、亀頭で何度も何度もプレスするということだ。

  ズムッ! ズムッ!
 
自身より狭い肉のトンネルを、押し広げながら突っ込んでくるちんぽ。
逃げ道なんて全くない。そもそも疲れて体が動かない。こんな短い間隔のピストンでは逃げようと考える暇もない。

  ズンッ! ズンッ!

巨大ちんぽが等間隔で飛び込んできては俺を膣壁へと埋めるように押し潰す。

  ズンッ! ズンッ! ズンッ! ズンッ!

電車でも突っ込んできてるのかと錯覚する威力。
自分のちんぽに潰されそうだ。セックスに巻き込まれて死ぬなんてあまりにも間抜けだ。

 ハル 「あん…!」

ハルも気持ちいいのか膣を締め上げる。
ちんぽが引っ込んでいる間は膣に締め潰されそうになり、ちんぽが突っ込んでくるとちんぽに押し潰されそうになる。
二種類のプレスが俺を襲う。
今にも潰されそうな威力の無限地獄だった。

それがどのくらい続いたのかも分からないほど打ちのめされ、俺が死にかけていると、

 アスカ 「ん、そろそろよさそーだね。じゃあ出すよー」

アスカが言った。
その直後、

  どぴゅうううううううううううう!!!

俺の目の前までやってきた巨大亀頭部の先端から凄まじい勢いで射精が開始された。
飛び出してきた大砲のような威力の精液は俺の体を押し飛ばし壁に叩きつけた。
あっという間にこの狭い空間は精液に満たされる。それでもちんぽは射精をやめない。
俺は、俺のちんぽの放つ精液で溺れそうだった。
さらにアスカがダメ押しとばかりに射精しながら腰を振り始めた。
ズッチュズッチュと音が鳴る。俺は精液に満たされた膣の中で再びプレスされ始めた。


  *


 アスカ 「ふぅ、すっきりした」

ハルからちんぽを引き抜いたアスカが額をぬぐうような仕草をした。ハツラツである。
ベッドの上には二度目の絶頂を迎えて横たわるハルがいて、その開かれた股の間、まんこからは精液と愛液がトプトプと流れ落ちて水たまりをつくり、その中にはゴミのように小さな俺が物言わぬ姿で浮いていた。