※【蹂躙】【バカ】  (思い付きである



 『 検索してはいけない言葉 』



少女は自分の部屋でパソコンをいじっていた。
カタカタと手慣れた手つきでキーボードを叩いている。
タンッ! Enterキーを押す小気味よい音が響いた。

「うん。今回は結構な収穫だったわ」

パソコンから体を離し「んー」と伸びをする。
腕を上に向けて伸ばすと赤いTシャツに包まれた大きな胸がぐぐっと盛り上がり、ベージュの短パンから伸ばされた脚はぎゅーと前に伸ばされた。
茶色のショートヘアーを掻き上げ、目をギラリと光らせながら勝気に笑う。

「それにしても……男ってホントにバカね」

少女は嘲るように言うと部屋の棚へと視線を向ける。
棚にはいくつかの箱の無いケースが置いてあり、中にはなんと無数の男達が蠢いていた。
大きさにして2mm弱。1千分の1の大きさである。

少女は椅子から立ち上がると棚に近づいて歩いてゆく、棚に置いてあるケースに顔を近づけて透明な壁越しに中を覗きこむ。
すると蟻の集団みたいに蠢いている男達が一斉に驚いてケースの奥にざわざわと逃げて行った。
それを見て少女はくすくすと笑う。

「おーいるいる」

ケースの大きさは筆箱ほどだ。
そしてそこには『巨乳』と書かれたシールが張られている。
少女はそのケースを手に取った。
中の男達の悲鳴が大きくなる。
それはそうだろう。男が何千と中にいるケースをその巨大な手はひょいと持ち上げてしまったのだから。
男達は巨大な手によって持ち上げられてしまったケースの中から視界を埋め尽くすほど巨大な顔を見上げていた。

「くく、何が起きたのかわからない? あんたたちは私の仕掛けたトラップに引っかかっちゃったのよ。ネットで『巨乳』って検索したでしょ? それでここに飛ばされてきちゃったわけ」

少女の巨大な声がケースの中に反響し男達は皆耳を押さえてのた打ち回った。
蟻のように小さくなった何千と言う大の男達が自分が喋るだけで苦しむ様は非常に滑稽だった。

「ぷくく、ほんとゴミみたい。でもまぁ悪い様にはしないわ。あんたたちも『巨乳』が見たかったんでしょ? いくらでも堪能させてあげるから」

言うと少女はTシャツの衿を引っ張り自身の胸元を大きく露出した。
大きな乳房をブラで包み込み、間には深い谷間を形容している。

少女は角が谷間の上に来るようにしてケースをゆっくりと傾けて行った。
中にいた男達がずるずるとそちらに向かって滑り落ちてゆく。
やがて耐えられなくなった男達はケースから零れ落ち少女の巨乳の作る巨大な谷間にサー…ッと注ぎ込まれていった。

最後の一人が谷間に落ちて行ったのを確認した少女は引っ張っていた衿をパンと戻した。
胸の谷間に、数千の男達がうごめくのを感じる。

「はい、あんたたちの欲しかった巨乳よ。満足してもらえたかしら?」

言いながら少女は自身の乳房を掴み、左右の乳房を交互に上下させ谷間をこすり合わせた。
谷間から何千と言う男の悲鳴が聞こえてくる。

そんな自分の胸を見て笑った少女は踵を返し再びパソコンのもとに戻ろうと歩き出したのだが、その時足元から悲鳴が聞こえてきた。
見れば自分の素足の周辺で動き回るゴマ粒の様な男達がいた。

「あらごめんなさい。放してたの忘れてたわ」

少女からすればゴマ粒の様な男達。
そんな男達からすれば少女の足は全長240mという凄まじい大きさになる。
東京ドームからはみ出してしまう大きさだ。
そんな巨大な足を目の前に下され腰を抜かしてしまった男の前には直径10mを超える巨大な足の指たちが並んでいた。

少女が視線を向けた先の床にはケースが口を横にして転がっていた。
壁面には『生足』と書かれたシールが張られている。

「ま、あんたたちは女の子の足が好きなんでしょ? 好きなだけ触っていいのよ」

言いながら少女は足の指を上下させた。
目の前でビルの様に巨大な足の指が恐ろしい威圧感を持って動き始めた事で足の指の前にいた男は気絶してしまった。

男をせせら笑った少女は同じようにゴマ粒サイズの男達が何千と逃げ回っている床をズシンズシンと踏み鳴らしながらパソコンの前に戻った。
カチカチ。マウスを動かす。

「さーて、次はどんな言葉にトラップ仕掛けようかしら。あんまりメジャーなジャンルは詰まらないし」

ふーむ、と腕を組み思案を巡らせた少女はカタカタとキーボードを打った。

「『巨大娘』…っと」