※【破壊】



 『 小人自治区を 』



「へぇ~。これが小人自治区ですか」

町に巨大な声が轟いた。
見れば海の彼方、地平線の向こうにあり得ないほど巨大な少女の姿があった。
ただしその姿は腰から上の上半身だけと言う妙なもの。
決して下半身が海中に沈んでいるわけではなく、それはこの町がテーブルの上に作られていて、少女にとってこの町はもともと腰の高さにあるからである。

『小人自治区』

極小サイズの人間の暮らす町である。
少女の目の前には四方5mという大きなテーブルがあり、その上には小人たちの暮らす町のある島が丸ま丸々乗っかっていた。
島の直径は4mほどだ。それ以外は海になっていてテーブルの端はそれらの海を囲うようにして囲いがある。
南国をイメージしているのだろう。
部屋全体がどことなく蒸し暑い感じがする。
しかし少女の恰好もそれに合わせた物なので問題ない。
長い髪の少女は今、タンクトップに短パンと全体的に薄着の恰好だった。
多少の熱さならこの薄着のお蔭で十分に過ごせる。
少女はブラを着けていないのか、大きく盛り上がった胸元は、自治区を見渡してきょろきょろと動く少女の動きに合わせてゆっさゆっさと弾んでいた。

「すっごいちっちゃいですね~。小人さんなんか全然見えませんよ」

少女の言うとおり、自治区は少女から見れば10万分の1サイズのそれであり、小人はおろかビルなどの建築物ですら目を凝らさないと見えない。
100mが1mmになる世界である。
このテーブルは自治区の小人達にとってはそれぞれの辺が500kmというとんでもないものであり、そこにある島も直径400kmという巨大なものだった。
自治区で暮らす小人の中にはその島を囲っている海を知らない者までいた。
400kmとはそれだけの大きさがある。

始めてみる小人自治区に興味深々と言った少女はテーブルの上に身を乗り出し島に顔を近づけてそこにある町を覗きこんだ。
よく見れば確かに小さな家みたいなものが密集しているのがわかる。
超高層ビルですらゴマ粒サイズ。
家など砂粒以下の存在だ。
だがそれらはれっきとした建築物で、そこでたくさんの小人達が暮らしているのだろう。

と、そこで少女は自分が身を乗り出しすぎてしまっていたことに気付いた。
島を覗き込もうと顔を近づけた事で、その胸板から大きく垂れ下がったタンクトップに包まれた巨大な胸が島に触れてしまっていたのだ。

「あ! 大変!」

少女は慌てて身を起こし、自分の胸が触れてしまった部分を見た。
島のそこには少女が覗き込んでいたものとは別の町があったはずだが、そこは小さなクレーターとなり町は無くなってしまっていた。
胸の先がちょっと触れてしまった程度の接触だったが、その胸の先だけでも、町全体を押し潰してしまうにも大きすぎたのだ。


人々は最初巨人族の少女に手を振るなどしていたが、巨人が身を乗り出してきた事によって事態が急変した。
巨人が海の向こうから身を乗り出してこの島の上空から覗き込んできたとき、その巨人の山よりも巨大な胸が島の外側にあった町を押し潰したのだ。
その町の人々は上空から隕石の様に巨大な乳房が落下してくるのを見た。
胸は全体としては先端部分だけがほんの少し触れた程度の接触だったが、町は一瞬で押し潰され消えてしまった。
巨人族の着る服の強靭にして巨大な繊維はその町のビルや家などを振れただけで粉々にし、内部にある途方も無い大きさの乳房の重さを乗せた胸の先端は、自分を見上げ悲鳴を上げる何万人という小人を一瞬で押し潰した。
その乳房の先端だけの重さでも町を消滅させるには十分すぎる重量を持っていて、巨人が身を起こしあの巨大な乳房が持ち上がったと、そこには湖が出来そうなほど深く巨大な穴が出来上がっていた。
これにより自治区全体が緊急事態に突入し、自治区の全小人が慌てて逃げ惑い始めた。


少女は町を押し潰してしまった自分のタンクトップの胸元を見た。
胸の先っぽあたりがほんの少し土で汚れていた。ここが町を押し潰してしまった部分なのだろう。
自分の胸と比べてもほんとに小さな範囲だった。
このタンクトップの内側にある乳首よりも小さな範囲だ。

少女は胸の先に着いた砂を払い落とすと自治区に向き直り謝った。

「ごめんね。わざとじゃないからね」

だがその目の前にある島全体が緊迫した雰囲気に包まれたのは少女も分かった。
なんとなくサイレンのような音が聞こえてくる。

しかし島が厳戒態勢に包まれてゆく中で奇妙な快感を感じていた。
先ほど町を胸の先で押し潰してしまった時、町の感触などまるで感じなかったはずなのに、思い返してみるとそれはとても心が躍った。

「なんだろう…胸がドキドキする…」

少女は自分の胸をそっと手で覆った。
自分の胸が大きく高鳴っているのが感じられた。

「も、もう一回だけ試してみようかな」

少女はもう一度島を見渡し、丁度良いところにある町を見つけて、上半身を倒していった。
ある町の上空に、再びあの超巨大な胸がぶら下がった。
胸板から垂れ下がるそれは間に深い谷間をつくり、少女の動きに合わせ、自重でゆっさゆっさと揺れ動く。
少女は自分の胸と街を注意深く観察しながらゆっくりと胸を町目掛けて下していった。
町の上空が少女の巨大な胸に占領される。
最早町のどこから空を見上げても、少女の胸の先端のほんの一部しか見る事が出来なかった。

だが自治区の小人達も繰り返されようとしている悲劇をただ黙って見ていたわけではない。
町周辺の砲台から下りてくる乳房に向かって無数の砲弾が放たれた。
しかし砲弾は胸に届きすらしなかった。
間近にあるように見えてあの胸はまだ高度数千mの高さにあるのだ。
ただの大砲では届かない。
しかし大砲が届く距離にまで胸が下りてきたときは、すでに胸は町に触れる寸前だった。
そして遂に着弾する事の出来た砲弾も、少女にとっては薄く小人にとっては厚さ数百mにもなる分厚いタンクトップに生地に遮られ、少女に、そこに無数の砲弾が命中していると気づかせもしなかった。

そして少女は、町の上に胸をそっと下した。

「ん…っ」

町が胸の下敷きなったと理解した瞬間、まるで絶頂を迎えたような快感が少女の体を駆け巡った。
今度は先ほどの様にすぐに胸を離してしまわずに、もっとしっかりと胸を押し付けた。
たったひとつの町を押し潰すには巨大すぎる二つの胸が、先ほどまで町があった部分にぐりぐりと押し付けられる。
タンクトップ越しでも、胸の下で島の大地がゴリゴリと削り潰されていくのが感じられた。
少女の胸の押し付けは島全体を大揺れに見舞うほどの威力があった。
少女が次に胸を持ち上げたとき、そこには先の町の時とは比べ物にならぬほど巨大な大穴が穿たれていた。
二つの胸の跡は一つの奇妙な形の穴となり、それは短径でも20kmを優に超えた巨大さを持っていた。
少女は気づかなかったが、そこには目的の町の他にも3つの町を巻き込んでいた。
それは全て少女の巨大な乳房の押し付けによって完全に押し潰され、その巨大な穴の中に見つけることは出来なかった。

胸を押し付ける事の感触も快感だが、島の上に穿たれた自分の胸の押し付けた跡を見るのも非常に快感だった。
ゾクゾクと震えるような快感が体の中から湧き上がってくる。
自分の胸を押し付けた跡と比べて小人の町のなんと小さい事か。

「なにこれ……すごく気持ちいい…」

少女の顔が朱に染まり、熱い吐息が吐き出される。
得られる快感が絶頂を求めている。
体が疼くのを、止められなかった。

少女は着ていたタンクトップをぐいと脱ぎ捨てた。
少女のもともとでも巨大な乳房があらわとなり、その動きでぶるんと揺れた。
更に少女は履いていた短パンとパンツ、そして靴さえも脱いだ。
完全な裸である。
そして、海の果てでもあるテーブルの淵に手をかけると、その上によじ登った。
両足を海の上に下して立つ。
少女は今、本当の意味で小人自治区に降り立った。

小人達からはそれで初めて少女の全容が見えた事になる。
足は指の高さほどまでが海中に沈んでいるがそれ以外はすべて海の上だ。
海底に足を踏み下ろしているのに、そのほとんどが海から飛び出て、そして遥か遥か高みからこの小人自治区の島を見下ろしている。
少女は海から島に向かって一歩踏み出した。
それだけで島に上陸してしまった。
全長24km幅9kmにもなる巨大な素足が踏み下ろされ、そこにあった町と住んでいた小人達を一瞬で踏み潰した。
更にもう一歩の足も島の上に踏み下ろされれば完全に上陸が果たされる。
たった二歩で、少女は島の上に立ったのだ。
島は少女からすれば4mほどの大きさがあり、ある国も寝転がるにも申し分ない。
少女はぐるりと島を見渡し良さげな町を見つけると、その上にかぶさるようにして四つん這いになった。
町の上空を、あらわとなった少女の巨大な乳房が占領する。
ゆっさゆっさと揺れ動き、真下の町に突風を巻き起こす乳房だ。
少女はそのまま伏せ寝そべるような格好になり、町の上に生の乳を押し付けた。
町は丁度乳首の下敷きとなり、少女は自分の乳首が小人の街をくしゃっと押し潰す感触を感じたような気がした。
少女の乳首の大きさよりも小さな街だ。
乳首の先にツンと飛び出ていた乳頭は小人にとっては直径1km近くもある山のようなものだ。
その乳頭は乳首が町を押し潰すよりも先に町に触れ、町の中心部に突き刺さるようにして落下し乳房の重さを以て地面に沈み込んで行った。
そこにあったビル群は巨大な乳頭の下敷きとなって地中にうずめられていた。どんな高層ビルも乳頭の高さにも満たないのだ。
乳首は町の範囲をすっぽりと包み込み、一人の小人も逃がさずそのピンク色の表面でぷちぷちと押し潰していた。
いったい何万人の小人が少女の乳首の下で押し潰されたのだろう。
それだけではない。押し付けられた乳房はハミチチになって広範囲に広がり、より多くの町や村、そして人々を押し潰した。
更に今、島の上に寝そべっている少女の体全体の下ではその巨大な乳房による被害など比べ物にならないほどの殺戮が起きている。
その感触は少女の柔肌でも感じる事は出来ないが、無数の小人が今自分の体の下で潰れていると想像すると少女は体が熱くなるのを止められなかった。
小人達から見れば少女は身長160kmという途方も無い大巨人である。
この島の山ですら彼女の足首程度の高さにも届かない。
少女は寝転がっていても最高の高さを誇っていた。

そして寝転がり押し付けた胸を更にぐりぐりと擦りつける。
最早町は完全に磨り潰され跡形もなくなっていたが、小人の島が自分の胸の押し付けによってゴリゴリと削られてゆくを乳房に感じられて気持ちが良かった。
山や山脈さえ少女の乳房の押し付けの前には抗う事も出来ず磨り潰されてゆく。
山が、より巨大な少女の乳房によって瞬く間に砕かれ磨り潰されていた。
胸だけではない。今やむき出しになった股間は快楽から来る愛液に溢れ、黒々とした陰毛の生え揃う股間は淫らな液に塗れながら直下の大地にこすり付けられていた。
少女の今や全く隠されていない秘所が、そこにあった小人の町にぐりぐりと押し付けられている。
町は、その無数の黒い龍の様な少女の陰毛によって掃き散らされ、濡れた陰唇に削り取られ、つんと飛び出た陰核によって削り潰された。
小人から見れば8m近い太さのある巨大な陰毛によって町の建設物は軒並み粉砕されていた。
見上げるような太さの巨大な陰毛が束となって街に襲い掛かってきたのだ。
ビルさえからめ捕り締め砕く陰毛が町の上で暴れ、小人達は大地を削るようにして迫ってきたその陰毛の波の直撃を受けその黒々とした表面で赤いシミとなって砕け散った。
濡れた陰唇は大地をゴリゴリと削り取りながらその割れ目の中に呑み込んでいた。
ビルや家なども、愛液に絡め取られ原形を保ったまま少女の恐ろしく巨大なクレバスの中に呑み込まれ消えて行った。
同じく愛液に沈みジタバタと溺れもがく小人たちも一緒に。
そしてすでに町がなくなった部分を巨大で硬い陰核がゴリゴリと削って砕き、町の痕跡を完全に消してしまう。
それでも少女は股間を島にこすり付ける事を止めはしなかった。
陰核に感じる島を削る感触が心地よかったからだ。
自分の陰唇が、周辺にある小人の町を貪っているのを感じられた。
更に少女はもがくように手足を島の上で動かした。
少女の巨大な手と足が無事だった街なども巻き込んで大地の上を滑ってゆく。
両手の指を立てて大地を掻き毟ればそこは天変地異の如く大地が砕け、巻き込まれた町などは一瞬で消滅してしまう。
直径1kmにもなる巨大な指が大地に突き刺さったまま掻き毟るように走り回る様は地獄としか言いようが無かった。
少女の長い脚も大地の上を滑れば手と同じくそこにあった町を一瞬で呑み込み磨り潰してしまう。
そのむっちりとしたふとももが島に押し付けられたまま動けばそれは全てを呑み込む肉の津波と化し、太ももと大地の間に町の山もすべてを呑み込んだ。
全てが一瞬で平らにされてしまった。
片足を動かしただけで10を超える街が太ももの津波に巻き込まれた。
硬い膝は大地を砕き、ふくらはぎで人々を磨り潰し、巨大なつま先はその巨大な足の指を大地に突き刺し大地を蹴るようにして暴れていた。
小さな半島が、その足の凄まじい力によって蹴り飛ばされ、そこにあった町と人々を乗せたままテーブルの外にまで飛んで行ってしまった。
少女は全身を島にこすり付けていた。
全身で島を愛撫していた。
そこに住む何千万と言う小人を巻き込みながら。

「あぁ! ああぁ! あああああ!!」

少女の口から迸った喘ぎ声がすべての小人達の耳を貫いた。
快楽のあまりこぼれた唾液は大地に流れそこに巨大な湖を作った。
頬ずりするように地面に押し付けられたほっぺはそこにあった町を押し潰し磨り潰していた。

島全体が大地震に見舞われていた。
島の上で一人の巨人の少女が暴れているためにだ。
少女は今も自身の感じやすい部分を島の大地へとこすり付けている。
少女の自慰の為に一つの島が丸ごと使用されているのだ。
少女のいる島の中心部とその周辺の小人は全滅していた。
少女野凄まじすぎるオナニーに耐えられなかったのだ。
山さえ蹴り砕く巨大な足が高速で迫ってくるのを見た小人は走馬灯を見る暇すら与えられなかった。
だが少女からはやや遠く、そして大揺れで大津波が押し寄せている沿岸部からも遠い、島の中腹辺りにいる小人達はその大揺れの中でもなんとか生き残っていた。
立っている事のできない大揺れだ。
全員が地面に這いつくばったりして揺れに耐えていた。
彼らは島の中心方面に見える、恐ろしく巨大な少女の、彼らの島を使った壮大なオナニーを見物させられていた。

やがて絶頂を迎えた少女の股間から夥しい量の愛液が迸った。
それは洪水のように島を流れ下ってゆき、途中生き残っていた町と小人達を呑み込みながら海に流れ着いていた。
少女は全裸のままぐったりと島の上に横たわっていた。
かつてない快感と、そこからくる急激な疲労感に身を漂わせていた。
少女の熱くそれでいて艶めかしい吐息が、今や主の9割を失った島の大地の上を吹き抜けて行った。
少女の周りには廃墟となった町や、廃墟になる事すらできなかった完全に消失した町が点在していた。
少女の体から100km圏内に生存者はいなかった。

少女は心地よい疲労感に身を漂わせながら瞼を閉じ、そして静かに寝息を立て始めた。
先ほどまで大揺れに見舞われていた島は今はかつての平静を取り戻し、その島の上には少女の寝息だけが轟いていた。
生き残った僅かな人々は、遥か彼方、島の上にうつ伏せになって眠る全裸の巨人の少女の姿を、ただ呆然と見つめていた。