一人の少女が歩いていました。
すると突然足元から悲鳴が聞こえてきました。
何かと思って覗いてみるとそこには小さな小さな小人の村があり、自分の足がその村に踏み入っていたのでした。
1㎝も無い小さな家々と2㎜ほどの小人達が自分の足の周辺でうろうろしています。少女は慌てて足をどけました。
足があった場所には家だったのだろう粉々の木材といくつかの赤い染みがありました。
少女は村人達に謝りました。しかし村人達は声を荒げ怒ってとても許してくれません。当然です。大切な仲間を殺されてしまったのです。少女は何度も何度も謝りました。ですが少女が何度頭を下げても彼等は許してくれませんでした。
ふと、少女の中に黒い考えが浮かび始めたのです。何故怒られねばならないのでしょう。何故謝らねばならないのでしょう。怒られたところで怖くはありません。謝る必要などありません。彼等に私をどうこうする事は出来ないのですから。
少女はもう一度足を村に踏み入れました。怒り狂う村人達の上に巨大な足の裏が降ろされたのです。そこにあったいくつかの家と一緒に踏み潰されました。少女は足を持ち上げるとまた村の別の場所に降ろしました。それを何度も繰り返したのです。先ほどまで怒りに震えていた村人達も今は恐怖に震え逃げ惑っていました。そんな村人達の上に足は踏み降ろされていきました。
やがて村は家一つ村人一人残さず踏み潰されました。これでもう私が村人を踏み潰してしまった事を知る者は誰も居ません。
少女は再び歩き始めました。