牛娘。(擬人化っつーかコスプレ?)
十六夜フィールド(通称Iフィールド)の前には、すべての常識は無力と化す。

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今日は近所の学生が乳搾り体験をしに来る日。
最初学生たちは校外学習にwktkだったが、牧場に着き牛たちの姿を見るとその笑顔が凍りついた。
広大な牧場内を高層ビルのように巨大な牛たちが闊歩している。巨大な足が地面に降りるたびに地面がズゥゥ…ンと揺れるのが感じられた。

牧場主はバスから降りてきた学生たちを牧場の敷地内に招き入れ、入り口からちょっと離れたところにある事務所というかお土産売り場というかログハウスに向かって道を歩き出した。

その途中、お客さんに気付いたのか、一匹の牛が近寄ってきた。
が、その光景に学生たちは恐怖し悲鳴を上げた。
巨大な牛が地面をズシンズシン踏み鳴らし地響きを立てながら迫ってくるのだ。遠くにいたはずなのに、あっという間に目の前にやってくる。すでのその顔を見るためには空を見上げねばならないほどだ。
あまりの恐怖にバスに逃げ戻ろうとする生徒まで現れた。なんと先生も一緒に。

そんな牛が目の前にやってきたとき、学生たちは全員その地響きに尻餅を着いていた。
牧場主が牛に彼らがお客さんである事を告げると牛は笑顔になって彼らを見下ろした。
膝を曲げ、両手をその上に置いて上半身を傾けて足元の学生たちににっこりとほほ笑みかける。
その腕の間、寄せられた牛名物の巨大な乳房は、間に深い深い谷間を形成していた。

主は学生たちを連れて再びログハウスに向かって歩き出した。
腰の抜けた学生や教師もなんとか持ち直した。
しかし彼らの顔が晴れないのは、そんな彼らの行列の後を、先ほどの牛がにこにこ笑いながら着いて来るからだろう。
定期的な地響きが自分たちを追いかけてくる。
もし行列から遅れたら、あの巨大な足に踏まれてしまうのではないか。
そんなことを考えたのか、行列の進む速度はいつもよりも若干速かった。

ログハウスに駆け込んだ一同はふぅと安堵の息を吐き出していた。
まさかこんなことになるなんて…。
折角の校外学習だが学生たちはうんざりしていた。だがそれは事情を知っていた教師も同じである。
こんなに大きな牛がいるとは思っていなかったのだ。

そんな中、至って普通の主がみんなに今日体験してもらうことを軽く説明していた。


 *


「ではこれからみなさんには乳搾り体験をしてもらいます」

そういう主と学生たちがいるのは高さ40mの台の上。
およそ10階建てビルの屋上に相当する高さの台の上に並ぶ彼らの顔がぽかんとしたものになっているのは、彼らの乗る台よりもさらに大きな牛たちが目の前にずらりと並んでいるからだろう。
更には丁度台の高さに牛の胸が来るので、学生たちの正面は巨大なお乳がずらっりと並んで埋め尽くしているのだ。
牛同士がきゃぴきゃぴおしゃべりしながら好奇の視線で見下ろしてくるのが、その台の高さの恐怖に合わせ非常に居心地が悪かった。

「お手本をお見せしますね」

言うと主が手を上げて合図し、それに応えた一匹の牛が彼らの乗る台の上に胸を乗せた。
ずぅぅうん! 重々しい音がして台が大きく揺れる。ガスタンクほどの大きさの胸がドスッと目の前に降ろされまた学生たちが腰を抜かした。
乗せられた胸は自重で僅かに変形し横にたぷんと広がった。
学生たちの目の前に、家よりも大きなお乳が下されたのだ。

主は下されたお乳に近寄るとその表面に手を触れ優しく撫でる。
手が触れると牛は小さく喘ぎ体をビクンと震わせ顔を赤らめた。主が手を動かすほどに牛の表情はとろんとしたものに変わり気持ちよさそうに息を吐き出した。
他の牛たちが羨ましそうに見守る中、主がお乳を撫で続けるとやがて乳首からミルクが飛び出し、正面にいた学生たちに引っかかった。

「お乳を撫でてやれば牛たちは喜びますんで、そうしたらミルクが出ます」

主が再び合図を出すと、他の牛たちも次々と胸を台に乗せてきた。
巨大な胸が次々と下され続けるので台の上の振動は暫く止まず学生たちはその地震の中暫く立っていられなかった。
ようやく揺れが収まった時には目の前に巨大な乳がずらーりとならんで鎮座していた。
始まる乳搾り体験。だが慣れていない動物に触るだけでも抵抗があるのにそれがこんな巨大な牛だと思うと身がすくんでしまう。
全体はもちろんのこと、台に下されたお乳だけでもものすごいでかいのだ。

顔を見合わせて動けない学生たち。そんな学生たちを教師が押す。まぁ体験に来て体験しないんじゃ何をしに来たのかわからない。
だが教師たちは学生たちのずっと後ろの方から声を掛けてくるだけで牛に近寄ろうとしていない。学生はちょっと教師を恨んだ。

何人かの学生が意を決しお乳に近寄るとその表面をツンツンとつついてみた。
すると牛はビクンと体を震わせ、お乳の近くまで来ていた学生たちは台が揺れて尻餅を着いて倒れこむ。
座って見上げるとこのお乳はまた一段と巨大に見える。
立ち上がった学生たちはもう一度お乳に触れてみた。今度は指先だけでなく手のひらでペタペタと。
大きく張りのあるお乳は押せば表面がへこむほどの柔らかさだがその弾力はどれほど強く押しても跳ね返してくる。
学生たちがどれほど頑張ってもお乳をこの台からどかせはしないだろう。ずっしりとそこに落ち着いている。

数人の学生がお乳を撫で、牛は顔を赤らめながら小さく喘いでいる。
主ほど洗練された手の動きではないのですぐにミルクは出せないが、慣れないながらの手の動きがいくつもお乳の表面をペタペタ撫でるのはそれはそれで気持ちがよかった。
それを見ていた他の牛たちが「わたしもわたしも!」と言うように自分のお乳をぐいぐいと動かしてアピールする。
お乳を撫でる学生たちを見ていた他の学生たちも危なくないと判断してそれぞれ適当な牛のお乳へとくっついていった。
台に下されたお乳は大きく十数人くらいは取り付ける面積があり、一頭の牛のふたつのお乳に学生たちがわらわらと群がる。
端から見れば数十頭の牛のお乳に数百人の学生が群がっている様は異様だっただろう。
で、その牛たちはみんなが艶っぽい声で鳴いているのだ。

その中の一頭はすでにミルクが出る寸前だった。
若い牛で、人懐っこく、初対面の人間が近くにいてもリラックスできる牛だった。
先ほどログハウスに来るまでに駆け寄ってきたのもこの牛である。
乳を搾られるのが好きで日課の乳搾りの際にはイの一番に駆け込んでくるのだ。

そんな牛の二つの巨大な乳房には十数人の学生が取りついている。
台の上にズンと下された乳房を取り囲み手でペタペタと肌色の表面を撫でまわす。
その小さな手が触れる感触がこそばゆく、それがまた快感で若い牛は微かに身悶えした。

特別な台などを使っていない学生たちは台に下されたお乳の底辺にしか触れないので乳全体のマッサージは出来ないのだが、それは仕方がないのだ。
結果ミルクが出るまでに通常よりも手間取るのだが、それでも牛たちは文句を言わず、動作を小さな学生たちに任せていた。

若い牛は敏感で学生の細かい動きにも過敏に反応する。
その唇の間から漏れる艶っぽい鳴き声は、牛と分かっていながらも一部の学生を興奮させた。
人間の年齢でいえば、この牛も学生たちと同じ年頃なのだ。

学生たちは牛の巨大な乳に精一杯組みついていた。
目の前から見上げるそれはほとんど山だ。ぷるんとした山がそこに鎮座している。
触れたその表面は温かく心地よい。いつまでも触れていたいし、このまま頬を押し付けそのキメ細かい肌に頬ずりをしてしまいたくなる。
実際に頬ずりをしてみるとその肌はしっとりとした肌触りともっちりとした感触があり、そのまま眠ってしまいそうな幸福感に包まれる。
牛は巨大だ。その牛の台に乗せられた乳房だけでも15m近い大きさがある。片方の乳房だけでも、普通の家に暮らす学生から見れば自分の家よりも大きい事になる。
でもその大きさは包容力の大きさでもあった。こうやって大人数で取りついても、乳房は差別せず迎えてくれる。
顔を押し付けると乳房のずっと向こうから規則的な重々しい音が聞こえる。心臓の鼓動だろう。力強く、それでいて穏やかな音だ。この肌のぬくもりとあいまって、安心できた。
学生たちは男子も女子も関係なく、赤らめた頬を乳房にすりよせながらため息を漏らした。
まるで母の胸に抱かれるような安らぎに包まれながら、若い牛の乳房に抱かれたのだ。

そんな風に微細な感覚に震える若い牛の横では同じくらいの年の牛が身を悶えさせていた。
学生たちが触れてくるその感触のこそばゆさに耐えきれないのか隣の若い牛ほどに動かないでいる事が出来ないようだ。
「あんっ」とも取れるような声を漏らして身を捻ってしまうのも本来は自然な反応であり、慣れない人と触れているのも原因の一つだろう。
だがそうやって身を捻ると台に乗せている乳房もずり動き、その牛のお乳に取りついていた学生たちは吹っ飛ばされてしまう。
柔らかい肌のお乳がぶつかってケガはしないがその膨大な質量のお乳は学生たちを軽々と払いのけた。
牛が僅かに身を捻り、そのせいでお乳が左右にずり動かされただけで、学生たちは台の上に放り出されてしまっていた。
それにとどまらず、飛ばされなくともお乳の横にいてそこに押し倒された学生はずり動いてきたお乳に巻き込まれお乳と台の間に消えてしまった。つまりはのしかかられたのである。
たっぷたぷのお乳は下敷きにした学生の上にずっしりとのしかかり、学生は自力でその下から出られなかった。
お乳は片方だけでも2000tもの重さであり、これは普通自動車400台分に相当する。
みっちりと全身を覆いかぶさってくるお乳の重量をその身に受け止めながらも、学生はお乳の表面にぬくもりを感じていた。
牛は自分の乳房の下敷きになった学生に気付いたが、その学生が動くのが気持ちよく、乳房をどけようとしない。
途中から、より動くのを感じようと、下敷きにした学生に胸をぐいぐいと押し付けていた。

別の牛も、台に下してハミ乳のように変形した乳房の間に学生を挟み込んだりしていた。
両サイドを柔らかくも温かくそれでいてずっしりとした重厚感あふれる巨大な乳房に挟まれ学生は身動きが取れなくなっている。
唯一その谷間から右手だけが飛び出ていて彼がそこにいるのを教えてくれたが、仲間たちが必死にその手を引っ張ろうと乳はビクともせず彼を放そうとはしない。
手は3人がかりで引っ張られているのに抜ける気配は一向に無く、むしろ牛が離さないように胸の谷間を深くしているようにも見える。
牛は乳房全体に触れる学生たちの手と谷間から抜け出そうとするその学生たちの微かな動きに興奮していた。
胸と胸の間に挟まれた学生の動きは、その全身を自分の体の一部で包み込んでいることもあり、詳細に把握できた。
学生は大の字になって挟まれている。そこから出ている右手を引っ張ってもらうのにプラスして自分で体を動かして外に脱出しようとしている。その動きがまたむずむずしてくすぐったい。
そんな彼らを繋ぐ手も、牛がちょっと胸を左右に動かすと簡単に引き裂かれてしまった。
更に胸を動かしたせいで、そこから見えていた右手もみるみる谷間に消えてゆく。
仲間たちが近寄って手を伸ばしたときには、手は完全に谷間の中に消えてしまっていた。
学生たちはその巨大な乳房の谷間を押し広げようと谷間の前に立ち、その乳房を左右に押し出した。
だがその動きがまた甘美で牛は快感から体を震わし、揺すられた胸は彼らをもその間に呑み込んでしまった。
谷間から腕や脚が何本も飛び出しパタパタ動いているが、今度は誰も助けに行こうとはしなかった。

そうやって他の学生たちが牛の乳房と悪戦苦闘している様を羨望の眼差しで見ていた学生は改めて自分たちの前の牛に向き直った。
目の前には他の牛たちに比べてやや幼く見える牛がいた。
体もどことなく小さい。しかしそれでも学生たちからは見上げなければならないほどに大きいのは変わらない。
お乳も小さく、他の牛は台の上にずっしりとおろしているのに、この牛は台にあてがっていると言った方がただしい。
慎ましい膨らみ。低いドームが、自分たちの前に壁のように立ちはだかっていた。
そしてそんなお乳の幼い牛は、ギロリと自分たちを睨みつけている。
故に学生たちはそれ以上牛に近づけないでいた。
近づこうものならより鋭く睨まれ、他の牛のところに行こうとするとまた睨まれるのだ。
進退窮まるとはこういうことか。学生たちは幼い牛に睨まれて体を震わせていた。

そんな状態を見かねたのか、苦笑した主がやってきて幼い牛をなだめたが、牛はプイと横を向いてしまう。
やれやれと肩をすくませた主は牛に近づいてその乳房を少しだけ撫でた。
すると牛の体がビクリと震え、同時に頬も一気に赤く染まる。
主の手が動くほどに、ツンとした顔が恍惚の表情に変わり、震える唇の間からは熱い吐息が吐き出される。
そこで主が手を止めると、胸は物欲しそうにグイと突き出されてきた。
慎ましいと言えど巨大な乳房が迫り出されるのは壁が迫ってくるような威圧感があった。
牧場主が学生たちに向かって手招きすると、その様を震えながら見守っていた学生たちも恐る恐る近づいてきて、そのお乳に触れた。
他の牛のそれと比べて小さく、硬いと思っていたその表面は思いのほか柔らかかった。
押せばぷにっとへこむ弾力に、触れれば吸い付くようなキメ細かさ。温かいというよりも熱い。
他の牛のようにミルクに満ちていない分、エネルギーに満ちているのか。
叩けばペチペチと張りのある肌。学生が手で撫でまわすほどに、その張りのある乳房がびくっと震える。
すでに主は手を触れていないが、牛は自ら台の淵に胸を押し付け学生たちが触れるのを援助している。
年齢的には学生たちよりも下である牛だが、その小さな乳房には何人もの学生をへばりつかせ奉仕させているのだ。

そんな風に快感に浸る牛たちの中に一匹、余裕の笑みを浮かべる牛がいた。
年長の牛である。
その年相応に巨大な乳房に十数もの学生たちへばりつかせクスクスと笑っている。
彼らが自分の乳房を必死にマッサージしてくれているというのに、他の牛のように喘ぎ声ひとつもらさない。
巨大である牛たちの中でも特に巨大な乳房は学生たちから見ればほとんど山のようなものであり、目の前に立つともうその二つの乳房しか見えなくなってしまう。
なので学生たちは乳を搾っているというよりも山を押しているという印象を抱いていた。
やわらかくてまるっこくて巨大なお乳の山だ。
この中には彼らもよく知る飲み物、牛乳がみっちり詰まっているはずだが、果たしてそれはどれくらいの量になるのだろうか。
普段学生たちが口にするものをコップ一杯とすると、そこにはおよそ1500万杯分もの量が入っているのだ。それは25mプール三つを満たして余りある量である。
つまり彼らはそのミルクの中で泳ぐことも出来れば溺れてしまうこともある計算だった。
しかし、それはあくまで普通の牛の場合の話であり、この牧場の牛はミルクが無尽蔵に絞れることを考えれば、それらの圧倒的な数字を軽く上回ってしまうだろうと予測される。
牛とは、こんなにも大量のミルクの積まったタンクを二つもぶら下げ生活しているのだ。
さっきも牛が近づいてくるとき、歩調に合わせて乳房がゆっさゆっさと揺れ弾むのを見ていた。あの動きはよほどの重さが無いとできないだろう。今、自分たちの目の前に下されているお乳はそういうものなのだ。
牛がちょっと乳を左右に揺すると組みついていた学生たちがみんな跳ね飛ばされる。どんなに全力で立ち向かっていても、この牛の小さな所作で簡単に途切れてしまう。
この巨大な牛に取って十数の学生の全力とはその程度のものであるということだ。
自分たちが何気なく飲んでいる牛乳は、こんなにも偉大なもののなかに収められているのか。そしてそれを搾るという行為がどれだけ大変なのか、学生たちは文字通り体感していた。
乳房から離れ牛の顔を見上げて見ればそこには柔和な笑み。すべてを包み込む母のような優しさが感じられる。
これが牛なのか。
やがて学生たちは乳を搾るためではなく母に抱かれるためにその乳房に抱きついていた。

乳房の前に集まっていた学生の中の二人が、牛の左右の巨大な手によって摘まみ上げられ、今彼らが組みついていた乳房から飛び出る巨大な乳首の上に下された。
突然巨大な指が迫ってきて自分たちを持ち上げた事に二人は慌て暴れたが、指はそんな彼らの抵抗を丸ごと包み込んで空中に攫って行った。
下された乳首の上。乳輪だけでも彼らの身長の3倍以上あり、彼らの跨っている乳頭だけでも1mほどはある。太いドラム缶のようだ。
乳首の上に下された二人は地面ではないところに下された故安定を求めるため乳輪に両手を広げへばりつく。
台から高さ数mのところにある乳首を、他の学生たちは見上げなければならないが、そこには乳輪の範囲の中にすっぽりと納まる二人の学生の姿が見えた。
たかが数mと言えど足のつかない高所に変わりなく、二人の学生は恐怖に震えながら必死に乳首に抱きついた。
その二人を、牛はくすくす笑いながら見下ろしている。つまりはこの牛の悪戯である。
乳首に乗せられてしまった二人はもう自力では降りられないし、他の学生も助けには行けない。
牛に降ろしてもらうのを待つしかないのだ。

乳房全体、というよりは下乳全体を無数の小さな手で撫でまわされ、更には敏感な乳首の上の小さな存在の感触に、牛は若干ミルクが出てきた。
それはほんの少量。乳首の表面を濡らす程度のものだが、そこにまたがる学生たちの制服を濡らすには十分な量だった。
へばりつく乳首の表面に滲み出てくる加工も何もされていない生のミルク。
今までこの巨大な乳房に格納されていたおかげで温かく、周囲には甘い香りが漂い始める。
もともと乳首に抱きついていた二人にはその香りは感じられていたがミルクが出てきたことによりそれはより強くなる。
ある意味原始的、母乳で育つ人の子の性か、乳首に乗せられた学生はその表面に滲んだミルクを少し舐めてみる。
するとその搾りたてのミルクはこれまで飲んできたどんな牛乳よりも濃厚でコクのある味だった。
口の中にじんわりと広がる深い甘み。とろけるような舌触り。ミルクが舌に絡みつく。一言でいえばおいしかった。
もう一度それを味わうために学生は再び舌を乳首の表面に走らせるが、突然大量のミルクが飛び出てきて二人の学生は押し流されそうになった。
乳首を舐めたのが快感となったのか、その表面からミルクが噴き出した。
つまり、結果とすれば搾乳に成功したのである。

が、未だに飛び出すミルクはお乳の前に集まっていた学生たちに鉄砲水のように襲い掛かった。
濃厚でまろやかで温かいミルクの波が学生を次々に呑み込み押し流してゆく。
タンクローリーを破裂させるような量が噴き出しているのだからその全体の量は計り知れない。
乳首に抱きついていた学生たちも、その表面から噴き出してくるミルクに押し流されないようなんとかバランスを取るしかなかった。
すでに全身はミルクでずぶ濡れで正面から噴き出し続けるミルクに呼吸もままならない。
まさか牛乳の中で溺れるのだろうか。搾りたての、自分が絞ったミルクの中で。

しかし二人は突然空中に攫われた。
牛が二人を摘まみ上げたのだ。
そして牛は乳房を台から持ち上げ離した。これ以上ミルクで台を洗い流さないようにするためだろう。
押し流された学生たちは、この高さ40mの台の端に設けられた柵に引っかかって止まっていた。策が無ければ真っ逆さまであった。
ほどなくしてあの乳首から飛び出していたミルクも勢いを衰えさせた。
もともとこれは小さな刺激に反応してミルクがちょっと飛び出たにすぎないのだ。
学生たちは流されかけたが、本気で彼女たちを搾乳しようものならこの台の上は完全に洗い流され周囲はミルクの海になりかねないのだから。
台の淵からはミルクが滝のように流れ落ちている。
その年長の牛のミルクによって他の牛の乳房にとりついていた学生も何人か流され、そこの牛は恨めしそうに年長の牛を見ていた。

摘まみ上げられた二人は、もし自分が最初に乳首の上に乗せられていなかったらああやってミルクで押し流されていたかもしれないと、安堵の息を漏らしていた。
ところが二人は台には下されず、その牛の顔の前に連れてこられた。
見れば目の前には視界を埋め尽くすほどに巨大な牛の笑顔。
何かと思って見ていると、その口から巨大な舌が現れ、学生たちの体を舐めまわし始めたのだ。
抵抗しようにも指に摘ままれているこの状態では満足に体を動かすこともできず、濡れた舌が体中を余すところなく舐めまわすのを止められなかった。
指も体をくるくると回転させるので全身をしっかりと舐められている。
足の先から頭まで。
特に顔は、その巨大な舌先でチロチロと重点的に舐められた。
唾液に濡れた舌が顔に押し付けられ、息もできない。が、暴れようと押し返そうと、舌先は問答無用に二人の顔を舐めてゆく。
やっと舌が離れ、二人はほっと息を吐き出したが、直後、二人はその口の中にポイと放り込まれてしまった。
食べられた。
それを理解するまで時間がかかってしまったのはあまりにも非現実的な行為だったからだ。
牛に食べられたのだ。本来草食であるはずの牛に。
二人は悲鳴を上げて出口を求めたが、彼らを包み込む口はもぐもぐと動かされ、二人は口の中を跳ねまわった。

もぐもぐコロコロ。
牛は飴玉を舐めるように口に入れた二人を舌で転がしていた。
小さな存在がジタバタ暴れるのを舌に感じて顔をほころばせながら。
そして「ちゅ~」と口の中の水分を吸い取った後、二人を手のひらの上に吐き出した。
二人は満身創痍でぐったりしながら手のひらの上に大の字になった。
そんな二人にケガも何もないことを確認した牛は笑顔で二人を台の上のミルクが流れていっていないところに戻した。
つまりは二人の体についていた自分のミルクを舐め取ったのである。

そのまま牛はミルクで流された別の学生たちに目を向けると笑顔のまま手を差し出した。
今、二人の学生が口の中で弄ばれた光景を見ていたそのミルクまみれの学生たちは、自分たちの方にやってくるその巨大な手を見て悲鳴を上げた。
結局、ミルクに濡れたすべての学生が、年長の牛の口で綺麗に舐め尽された。


 *


やがて乳搾り体験は恙なく終了した。
結局ほとんどの牛は搾乳できず、そこは主が手を触れる事でミルクを出させたが。

マラソン大会以上に疲労感を漂わせる学生と教師たち。
その手には自分たちが絞った大量のミルクを持ちながら。

彼らは、高層ビルよりも大きな牛たちに見送られ牧場を後にした。

その後、学生たちの未熟なマッサージで欲求不満になった牛たちは、自分たちでお互いに乳を搾りあってなんとか不満を解消させたのだった。


__ おわり __