※ぼの系。  いつも「ぼの」って書くと「シマリスく~ん」て言いたくなる。



 『 天使のお仕事 』



「これはあっちでいいのかな?」
「あれはそっちでいいよね?」

たくさんの少女たちが宙を飛び交う。
みんなせっせとせっせと荷物を運ぶのに大忙しだ。

少女たちは身に何も纏っておらず裸である。
だからこそ目立つ、その背に羽ばたく純白の翼。

彼女たちは天使である。

そして彼女たちが運んでいるのは色とりどりの丸いもの。
少女たちにしてみれば1mくらいの大きさ。結構大きなものである。
両手で何とか抱きかかえ、白い翼をパタパタはためかせ飛んでゆく。

天使たちの腕に抱えられ、一糸纏わぬ穢れ無き無垢な肢体に抱かれるその球体の正体は、星である。

天使たちは今、宇宙のこの場所に星を集め「銀河」を作る仕事の真っ最中なのだ。
全員が身長1万4~6千kmほどもある。
それは、遠くの銀河にある「地球」という星の直径1万3千kmとほとんど一緒の値である。
逆に言えば、天使たちから見たら地球は1.3mの球となる。

そう、天使たちは、その地球に住む人間という種族の1000万倍もの大きさなのである。
日本という国がある。その長さ、およそ3000km。
この天使たちの足の長さは約2000~2400kmと、ただ乗せるだけで日本の大半を踏み潰してしまえる大きさだ。
北海道など、足の親指の下でぐりぐりと削り潰してしまえるだろう。

そんな天使たちは星を抱えあっちへこっちへ運びまわっているのだ。
星の直径1mが抱えるには大きい値なのは先述の通り。
両手をめいっぱい広げて星を抱き抱え、白い羽をパタパタと羽ばたかせこの暗黒の宇宙を飛んでいる。
そうなるとどうしても、その抱える星の表面に胸を押し付ける形になってしまう。
胸の小さな子もおっきな子も、みんな頑張って星を運んでいる。すべては無意識なのだ。
胸の小さな天使が星を抱きかかえて宇宙を飛ぶ。
がっちりと抱く星の表面には太さ100km長さ600kmにもなる巨大な指がめり込み、腕で抱える星を支える胸は星の表面にぐりぐりと押し付けられていた。
ぺったんこではないにしろ、他の天使のそれよりは小さな胸。
だが押し付けられる平らな胸は星の表面をゴリゴリと削ってしまう。
大陸、大陸の上にあるもの、すべてが、天文学的に大きな小さな胸によって磨り潰されてゆく。

目的の場所に設置され、手放された星の表面には範囲数千kmにわたって削られたように地面がむき出しになった場所があった。

逆におっきい子の場合、本来ゆっさゆっさと揺れ弾むそれは持ち主の天使が星に抱きつくと、その表面にぐいぐいと押し付けられる。
その圧力は凄まじい。
天使が「んしょ、んしょ」と星を運ぶ過程で胸は何度もぐいぐいと表面を押し込んだ。
柔らかく大きな乳房は天使の胸板と星の表面の間でハミ乳になり更に広範囲をその乳の下に呑み込み押し潰してゆく。
ぐいぐいと乳が押し付けられるたび、その周囲には凄まじい幅の亀裂がビシッと走る。

そうやって最後、天使が星を手放すときには、そこにはまるで巨大隕石が激突したような二つのクレーターが残されていた。
それぞれのクレーターの直径は1500kmを超えている。

そうやって数十の天使があっちへパタパタこっちへパタパタ働いている。
銀河を形成するためには無数の星が必要で、これらの作業には無限に近い時間がかかるのだ。
もっとも、天使に寿命は無いので何の問題も無いわけだが。

「ふふ、みんなお疲れ様」
「あ。大天使様~!」

天使たちが振り返るとそちらには新たな天使が来ていた。
今作業している天使たちが10代半ばの成長真っ盛りの女の子とするならば、大天使と呼ばれた天使は女性として完成されたむっちりおネイさん!
バインバインなおっぱいとくびれた腰とむっちり太ももとお尻。
ウェーブのかかった髪が印象をより一層柔らかくし、柔和な笑みはまさに慈悲深き母のそれを思わせた。
そしてその全ての包み込む母性を表すように巨大な体。
星を抱えて動いている天使たちの100倍の大きさ。つまりは10億倍である。

「少し休憩にしましょ」
「「「はーい」」」

天使たちは自分が運んでいた星の上にちょこんと腰を下ろした。
天使たちのお尻の大きさは幅3000kmを超え、これはもしそこに日本があったなら丸々下敷きにできてしまう値である。
彼女たちが星に座るとはそういう事なのだ。ぷりんとしたお尻のほっぺで凄まじい範囲を下敷きにしていた。
当の天使たちはにこにこ笑っているが。

しかしそうやって他の天使たちが星に座る中で、一人の天使が大天使の乳首に腰掛けた。

「あらあら、そこがいいの?」
「大天使様のおっぱい大好きです~」

乳首の上にちょこんと腰掛けた天使は言った。
乳首と言ってもその直径は1万km近い。つまりは天使たちが抱えていた星とほとんど同じ大きさなのだ。小惑星サイズの乳首である。
そしてその乳首のある、胸板からバインと飛び出た乳房は巨大惑星サイズであった。

「あたしの胸も大天使様みたいにおっきくならないかな~…」

言いながら自分の慎ましい胸をぷにぷに触る天使。
慎ましいとはいえ、その小さな胸は人間が数千万人と暮らす事の出来る広さがある。
そのピコッと飛び出た小さな乳首でさえ、人間にとっては標高数万mの特大の山だった。登る事は出来ないだろう。
一面を覆うその肌色の地平線は、全てこの天使の小さな胸のほんの一部に過ぎない。
人間から見れば途方も無く広大な範囲のある胸と巨大な乳首も、天使にとってはその小ささに頭を悩ませてしまうのだ。

それは胸の小さな天使の場合の話。
他の大きな胸を持つ天使の話になるとまた別である。

胸板にくっついた丸っこい肌色の果実。
人間にすればバスト90cm台。かなり大きい。天使たちのそれは9000km台である。
トップは胸板から1000km以上も前方に飛び出している。それが、この巨大な乳房の形成する胸の谷間の深さであった。
その果実の先端に飛び出た乳首は直径100km近い大きさがあり、同じくらいに乳房から飛び出ている。
そして100kmとは、地球の地表面から宇宙までの高さでもある。
つまりこの天使は乳首の大きさだけで大気圏突破し宇宙へ飛び出てしまっているのである。
飛行機などが普通に飛べる高さは20kmくらいまでらしい。それは、その高高度を飛行する飛行機ですらもこの乳首の根元をなんとか飛べるという事。
天使の乳首は人類の前に強大な存在となって立ちはだかる。
視界の一面を、あのピンク色の乳頭のほんの一部で埋め尽くしてしまえるのだ。
そしてそれは乳房全体のたった一部である乳首だけの事であり、これが乳房全体となれば話は更に飛躍する。
巨大なおっぱい。下乳側から見たそれは宇宙さえも突破せん勢いの超巨大な肌色の壁となって人類の目に映る。
谷間から乳首の麓までの距離は日本の半分ほどの長さに当たり、人間がこの乳房に上るとしたらいったい何日かかると言うのか。
この天使の二つのおっぱいは日本に住むすべての人間が移住しても有り余る面積があるのだ。

「ふふ、大人になれば大きくなるわよ。でも小さいおっぱいがいいって人もいるのよ?」
「え~でもでも、やっぱりおっきい方が女の子っぽいもん。あたしも大天使様みたいに綺麗な大人のオンナになりたいのに~」

乳頭から飛び降りた天使は今度はそれに抱きついた。
先ほどまで運んでいた星と同等の大きさのある乳頭だ。
両手を開いてぎゅっと抱きついた。

「あらあら」

大天使はくすくす笑った。

大天使からすれば指先ほどの大きさのちっちゃな天使が自分の乳首にきゅっとくっついているようなもの。
そんな愛らしい天使の背中を、大天使は指先で優しく撫でた。

先ほどまで天使が両手で抱えて運んでいた惑星。
星と言う巨大な存在を簡単に運んでしまえる天使とはとても巨大で力強い存在だ。
しかしそんな天使が今抱えているのは乳頭。
それは超巨大な乳房全体のほんの一部であり、そんな乳房は大天使の体のほんの一部である。
星さえも簡単に運んでしまえる天使ですら、その乳頭に抱きつくのが精いっぱいなのだ。

惑星サイズの乳頭は地球に住むすべての人間が移住してあまりある。
70億と言う人間をその表面で生活させてしまえる。
その大地に存在するすべてがぷにっとした乳頭だ。
全人類でさえその乳首で事足りてしまうなら、その乳房全体ともなればいったい何百億、何千億という人間が移住できるのだろうか。
柔らかく微笑む大天使の乳房は、人知を超えた巨大さである。

そんな大天使と天使のひとりのやりとりをじーっと見つめていた他の天使たちだが、やがてみんな星から飛び立って大天使の胸の周囲に集まった。

「でも大天使様、ほんとにおおきいですよね~。お肌もこんなに綺麗なのに…」
「うん、すべすべぷにぷにだー」

皆が大天使の乳房の表面をペタペタ触り始める。

「ん…くすぐったい」

大天使は苦笑しながらもじもじと体を動かした。

ここには十数人の天使がいる。
彼女たちは先ほどまで一人一個ずつほしを運んでいた。
しかし大天使のこの乳房は、全員が力を合わせても、その片方すら持ち上げることは出来ない。
全員が乳の下にとりつき、思い切り力を込めても、乳房はずっしりとそこにあり続けるだろう。
星を簡単に運んでしまえる天使が全員力を合わせても、大天使の片方の乳房は動かせないのだ。

そんな天使たちは自分の胸と大天使の胸を比べていた。
大天使は地位でも体でも尊敬する憧れの存在だ。
この人みたいになりたい。みんなそう思っていた。

「それじゃそろそろ仕事始めようかしら。ここからは私も手伝うわ」
「「「はーい」」」

大天使の言葉に答えた天使たちはみなさっきまで運んでいた星に取りついて運び始めた。
大天使も星を指先にそっと摘まんで運ぶ。

今日も銀河はちゃくちゃくと作られていった。