①

  ズゥン…  ズゥン…

山中を行く巨大娘。
長いツインテールが風に靡いて揺ら揺ら揺れる。
地面に大きな足跡を残しながら歩く彼女の身長は1500m。

そんな彼女の前に、やがて切り立った大きな山が現れる。
彼女は腰を屈めその壁面に顔を近づけた。
観察してみるとその表面に点の様なものがちらちらと動くのが見えた。
小人である。
2mも無い小人達は彼女達の襲撃を恐れ地下へ隠れていることが覆い。
彼等は、物資の調達のために外に出ていた連中だろう。
目的のものを見つけてにやりと笑う巨大娘。
小人達は空を埋め尽くす巨大な少女の顔が残酷な笑みを浮かべたのを見て恐怖に震えた。
一目散に逃げ出す小人達。
小人達がみな同じ方向に逃げてゆくのを見て巨大娘は悟る。

「ふぅん、そっちに巣があるのね」

そちらを目で追ってみると予想通り、巣の入口と思わしき穴が見つけられた。小人達が次々とその中に逃げ込んでゆく。
最後の小人が穴に逃げ込んだのを見届けて巨大娘はくすくすと笑った。

「さぁてどうしようかな…なーんて、最初から決めてるんだけどね。丁度催してきちゃったのよ」

少女の股間に、めきめきと男性器が生えてくる。
快感を感じているわけでもないのに、それはビンビンに脈を打っている。
山の壁面に手をついた少女は穴の入り口に肉棒を合わせ、そしてその先端をズンと穴に差し込んだ。
穴は少女の巨大な肉棒を入れられるほど大きくは無かったが、少女の肉棒は岩山の壁面をごりごりと削って内部への進入を果たした。
突っ込んだときの感触はとても甘美なものだったが今は生理現象が優先である。

「それじゃああなたたちの巣は私のおトイレにしてあげるね。くすくす」

笑いながら少女は下腹部から力を抜き、今しがた作り出した肉棒の先端からおしっこをした。
ズゴーーーーーーーッ! と、鉄砲水の勢いで放たれるおしっこは洞窟の内壁を削りながら深部へと突き進んでいった。
洞窟途中にいた小人達はその鉄砲水に飲み込まれた瞬間その身体をずたずたに引き裂かれた。
やがて地下に作られた集落にたどり着いたおしっこはその集落を一瞬で粉砕した。
暗い洞窟内を暴れまわるおしっこはひとりの小人も残さず捕らえその激流で分解してゆく。
最深部へとたどり着いたおしっこはそれ以上下方へ下ることができず、洞窟内へと溜まっていった。
結果、この洞窟内の小人達は少女のおしっこの中で全滅した。

小人がいなくなった後も放たれ続けるおしっこ。
洞窟の外では少女が恍惚の笑みを浮かべていた。

「はぁ…気持ちよかった」

ズボッと肉棒を抜いた少女はそれをブンブンと振ると今までそれが刺さっていた穴を見下ろした。

「この巣は結構大きかったみたい。前の巣は小さくて漏れてきちゃったもんね。その前のは山が崩れちゃって」

くすくすと笑い、少女は近くにあった大岩で穴を塞いだ。

「これで私がここでおしっこしたのを知ってるのは誰もいないっと。さぁ帰ろ〜」

くるりと背を向けた少女は山をあとにした。
残されたのは山。
見た目何も変わっていないが、その内部には凄まじい量の水が蓄積されていた。
同時に無数の水死体も。


  *****

 ②

無限の荒野。
辺りは赤茶けた大地、枯れた木、茶色い草しかなく、その上を砂を含んだ痛い風が吹きぬけてゆく。
そんな荒野をのっしのっしと歩く巨大娘。
きょろきょろと足元を見ながら。
何も無いこの荒野で何かを探しているようだ。

「あ」

正面を見たとき、少女が呟いた。
何かを見つけたようだが。
近寄ってみるとそれは少女にとっては小さな小さな小川。
少女から見れば幅は10㎝、深さは30㎝ほどか。
この荒野の亀裂にできた自然の恵みである。
その長さはたった実際距離で50mほどしかなく、荒野全体を潤すことなど到底不可能。そんな小さな小さな小川。いや、渓谷と言ってもいいだろう。
少女はその上に亀裂を跨ぐようにしてしゃがみこんだ。
そしてその亀裂の中をじっと見つめる。
こういう苛酷な環境では、水のそばに彼等はいる。
どこ? どこにいる? あ、いた!
渓谷の底の、水の流れて行く先。亀裂の終わり目で、川が大地の下の水脈へと消えてゆく境目。その穴の周辺にうろうろと動く影を見つけた。
小人達が自分を見つけても逃げようとしないことに気づいていた。
この幅では手を差し入れることも出来ない。何かあってもすぐに洞窟に逃げ込めばいい。そう思っているのだろう。

「ふふ。みんな、早く逃げたほうがいいよ」

にっこりと笑いながら教えてあげた。
小人も首を傾げていた。
わかっていないんだ。ふふっ、笑っちゃう。

「それじゃあするからね」

はぁ…。と息を吐き出すのと同時だった。

  シャーーー

少女の性器から尿が放たれ、それが渓谷の中へと注ぎ込まれた。
そこにいた小人達は現状を理解し逃げようと思考する前に、降り注いできた大量の尿とそれによって急激に水嵩を増した川の水に呑まれ水脈の奥へと消えて行った。
荒野の外から見れば、一人の少女が地面の亀裂に向かっておしっこしているようにしか見えない。
が、その実は、その亀裂の中に隠されていた小人の巣を破壊しているのだ。
普段穏やかなこの小川は集落の中を通っている。
少女の尿が加えられ鉄砲水と化した小川は集落を一瞬で洗い流し、そこにいた人々と家々を消し去った。

「よいしょっと」

立ち上がった少女は足元の亀裂を見下ろした。

「やっぱり水洗っていいなぁ。あとのこと気にしなくていいもんね」


  *****

 ③

小人の集落は大抵土の中に隠されていたり森の中に作られているが、堂々と平野に作られているときもある。
それはこの地が巨大娘の被害を受けたことの無い平和なところである場合が多い。
が、平和とは突然に破られるものである。

  ズズン!  ズズン!

突然の大揺れと日陰。
集落の左右に巨大な肌色の塔が立ち、そのはるか上空からは少女の顔が見下ろしていた。

「やっほー。まさかこんなに堂々と作られてる巣があるなんて思わなかったよ」

片足を持ち上げて集落の上にかざす少女。
その集落の小人達の上に土で汚れた少女の足裏が現れた。

「5㎝ってところかな。私の足より小さいね」

少女は足を戻し、そしてしゃがみ込んだ。
集落の上空は少女の性器で埋め尽くされた。

「こうやってはっきり巣を見るのは初めて。へぇいろんな形の巣があるのね。小人もいっぱい」

小人達は慌てていたが、どう逃げ出せばいいのかわからなかった。
街の左右の先にはあの巨大な足があるし正面には身体。背面にはいけるかも知れないが、そもそもここは平野。逃げようとすればすぐに分かってしまう。
ただ、あの巨大な少女を見上げるしかなかった。

「今は催してないのよねぇ。あ、そうだ」

少女はしゃがみこんだまま二歩ほど前進した。
集落の上空は今度は巨大な尻で埋め尽くされた。
尻の穴がはっきりと見える。
集落は一人の少女の下に収まってしまった。
そして…。

  ゴウゥッ!!

「ん、ちょっと音が大きかったかな。どれどれ…」

しゃがんだまま少女は自分の尻の下を覗き込んでみる。
そこにあった小人の巣は見るも無残な姿になっていた。
家々はばらばらになって吹っ飛び、集落を囲んでいた壁は外に向かって倒れ、石造りの家は完全に瓦礫と化していた。
集落に向かって放たれたおならはそれを完全に粉砕していたのだった。
5㎝四方の集落の家々の破片が20㎝以上も吹っ飛んで広がっている。
まるでそこに爆弾が落ちたかのように。
小人の姿はひとつも見られなかった。

「ふふん、おならで吹っ飛んじゃうんだ」

自分のおならの力強さに満足し、少女は立ち上がりその場を後にした。