【一発ネタ】



   『 腕立て伏せ 』



「1…2…」

自分の部屋で腕立て伏せをする少女。
風呂に入る前で、体には服は着ていない。
一糸纏わぬ生まれたままの体に、玉のような汗を浮かばせている。

気になったのは、少女が腕立て伏せの過程で体を伏せさせたとき、悲鳴が響くことだ。

「もーコーチ、そんなに騒がれると集中できませんよー」

少女は腕立てを一時止め、腕を伸ばした状態で、自分の胸板からぶるんと垂れ下がる大きな乳房を見落としてクスクスと笑いながら言う。
何故か。
少女の左の乳房の、乳首の、その乳頭の、乳腺の前には、1000分の1の大きさに縮められたコーチがくっついていた。

「コーチが私の腕立て伏せを見たいって言ったんじゃないですか。どうせ腕立て伏せする私の前に回って、揺れるおっぱいを見るつもりだったんでしょう? コーチがエッチなのは、部のみんなが知ってることですよー」

少女は腕立て伏せの腕を伸ばした状態のまま、体を左右に揺すった。
胸板からぶら下がる大きな乳房が、反動でより大きくぶるんぶるんと揺れ弾む。
するとそこからまた大きな悲鳴が聞こえてきた。

「ほーらしっかり見てください。いつもコーチがジロジロ見てたおっぱいですよー」

少女はくすくす笑った。
当然、乳首に張り付けられた1000分の1サイズのコーチに、少女の胸を性的に見る余裕など無い。
命の危機に瀕しているのだ。性を感じる暇など無い。
というか1000分の1サイズとなった今では、相対的に1000倍になった乳房など、乳房に見えなかった。
最早 山だ。もともと胸囲100cmに近い少女の胸は今では1000m相当だ。東京ドームよりもでっかい乳房の先端に、コーチはくっつけられているのだ。

「じゃあ再開しますよ。しっかり見ててくださいね」

言うと少女は腕立て伏せを再開した。
腕を曲げ、体を床に伏せさせる。
またコーチは悲鳴を上げた。
数百mの距離を超高速で落下。彼の眼下、数百mの彼方にあった床が、一瞬で目の前まで迫ってくるのだ。
少女が体を伏せさせたために、彼をくっつけた乳首も急速に床に近づく。
そして正に乳首が床に触れるというところで落下は止まる。少女が体を降下させるのをやめたからだ。
コーチの感覚で10mも無い距離まで床は近づいていた。1秒に満たない時間で数百mを落下したのだ。

少女が腕を伸ばすと、その床も急速に遠のいてゆく。だがそれも少女が腕を曲げるとまた急速に近づいてくる。
それを、延々と繰り返していた。

体を伏せるたびにコーチが悲鳴を上げる。
心地よい気分だ。
いつも自分の胸を不躾にジロジロと見てくるいやらしい男を、今はその胸で脅かしているのだ。ゾクゾクとする気分だ。感じている。腕立て伏せで興奮するなんて初めてのことだった。

 ピトッ

不意に、乳首にもの触れる感触がし、同時にあの心地よい悲鳴も聞こえなくなった。
その体勢のまま胸を見てみれば、乳頭が床に接触し、その先端にくっついていたコーチを床との間で押し潰していた。

「あれ? ちゃんと乳頭と床の距離を考えてギリギリで伏せてたんだけどなー」

実際、少女はしっかりと距離を測り、正確に体を伏せさせていた。
誤算は、快感に乳首が勃起し、その分だけ床と乳頭の距離が近くなっていたことだ。