※タイトル詐欺注意。なんか方向性がズレた。



 『 惑星少女 』



「はぁ…」

星を壊滅させられる威力のため息をつく少女。
宇宙のヒューマノイドの標準的な大きさの10億倍の大きさを持つ少女は、その長い金髪を二束に纏め、一糸纏わぬ体を近くの恒星の輝きに光らせている。

その少女の体の上には無数の人間が暮らしていた。
腹、背中、尻、二の腕、太もも。あらゆる部位に、少女の感覚で10億分の1の大きさのヒューマノイドが生息している。

それは、少女が惑星少女だから。

惑星少女は、まるで星の様に人々をその体の上で生活させる。
もちろん、その人々は、自分達がひとりの少女の体の上で生活しているとは夢にも思わない。
少女の体のあらゆるパーツは人々にとって惑星ほどに巨大なのだから。
少女のお腹は地球の陸地の何十倍もの面積がある。
指は惑星数個分の長さがある。
その大きな乳房の上にちょこんと立つその乳頭ですら地球よりも少し小さい程度の巨大さなのだ。
人々は超巨大な惑星少女の体の上で生活する。
もしかすると、人によっては、少女にとって1mmにも満たないその範囲から出る事も無く一生を終えるだろう。
少女の1mmはそこに暮らす人々にとって1000kmである。

「はぁ…」

星をも咥える事の出来る口から再びため息が漏れる。
少女に憂鬱な思いをさせているのは、その体表面に住む人間たちだった。

そうやって少女がため息をつきながら宇宙を浮遊していると横から声がかかった。

「あら、浮かない顔してどうしたの?」

少女がそちらに顔を向ければそこには長い黒髪の少女がいた。
同じようにその身には一糸纏っていない。その黒髪の少女も惑星少女である。

「あ、先輩…。実は最近乳首のあたりの人間たちが戦争を始めちゃって…」

言いながら金髪の少女は自分の左胸の乳首を指さした。

惑星少女たちは自分達の体の上に住む人間の動向は全て把握している。
国同士の戦争はもちろん、一人の人間がどこで何をしているかまで。

「ある二つの国の、土地の所有権を巡っての領土問題が周囲の国に飛び火してそのまま大戦争になっちゃいまして…。今じゃ何百もの国を巻き込んで土地の奪い合いをしてるんです。こんな狭い範囲を奪い合うなんて馬鹿げてますよ…」

金髪ツインテはまたため息をついた。

彼女の指さす自分の乳首。
戦争は、そのほんの一部の部分で行われている。

人間にとっての1000kmは惑星少女にとっての1mm。1000km四方は1mm四方。
例えば日本の面積を377,930平方kmとし、その面積を真四角にした場合、それは一辺615kmの正方形となる。
これは惑星少女にとって、一辺0.6mmの正方形ということだ。
日本の面積は、惑星少女にとっては0.6mm四方の範囲に収まる大きさなのだ。
地球上の陸地の総面積は148,940,000平方km。惑星少女の感覚で四方1.2cmの大きさだ。
更に海を含めた地球の総面積は509,949,000平方km。惑星少女の感覚で四方2.2cmの大きさに収まるのである。
つまり地球全土の面積を以てしても、惑星少女の乳首の面積にすら及ばない。乳頭の面積だけでその大半を賄う事が出来る。乳輪だけで、地球の何倍もの面積があるのだ。

そんな乳首の一部にある国々が、ある一部の土地を巡って争っている。
ツインテからすれば約2平方cm内の国々が、1平方mmに満たない範囲を巡って争っているのだ。
あまりにも馬鹿げた話だ。
自分の胸を見下ろせば彼らの国々などほとんどが自分の乳頭の影に隠れて見えなくなってしまうのに。

はぁ…。ツインテはまたまたため息をついていた。

「もうずっとこうなんですよ。どうしましょう先輩…」

項垂れるツインテに黒髪ロングはくすくすと笑って答える。

「ふふ、そんなの簡単よ。放っておいても更に別の国に飛び火しちゃうだけだし、早めに処理しないと」
「はい…。でもどうやって…」
「そうね。ちょっとごめんね」

言うとロングはツインテの胸に顔を寄せた。
豊かな胸の表面にプルンと飛び出た乳首。そこには何百もの国がありそれぞれに何億という人間が暮らしているだろう。
この乳首だけで、何百億という人間がいるはずだ。

「戦争が起きてるのはこの辺?」

胸に顔を寄せたロングが尋ねてきた。

「あ、はい。この乳頭の丁度横あたりです」

ツインテは自分の乳頭の左側を指さした。

ふむふむ。と納得したように頷いたロングは……


  ぺろっ

「ひゃん!」

ツインテの乳首の左半分を舐めた。
ビックリして飛びのくツインテ。

「な、なにするんですか!」
「ふふ、ちょっと乳首を舐めただけよ。でもこれで戦争は終わったでしょ?」

くすくすと笑うロング。

「た、確かに終わりましたけど…。でもこれじゃあそこにあった国々が…」
「ダメよ、時にはちゃんと割り切らなきゃ。他にいる無数の人間たちを守るためにも、一部の人間たちの勝手な行為は許しちゃいけないの。あなたも惑星少女なんだから、しっかりケジメはつけないとね」
「う…はい…」

ツインテはしょんぼりとして自分の左乳首を見下ろした。
乳首は先ほどまでと変わらずそこにあるが、そこにいた無数の人間の気配は感じなくなっていた。
どんなに意識を集中しても、一人の気配も感じられない。
そこにいた何百億の人間は一人残らずロングに舐め取られてしまったのだ。

  *

その時人々は何を思っただろう。
戦争と言う極限状態にあった人々は、突如空から襲来したその超巨大なサーモンピンクの物体をどこかの国の兵器かと思っていた。
だがそれはあまりに巨大すぎた。
地平線の端から端、世界の端から端を埋め尽くす勢いで落下したそれはそのまま世界の上を滑り始めた。
まるで津波の様に、雲さえも巻き込みながら超巨大な物体は地表の国々をひとつ残らず呑み込み、そして空に消えて行った。
一瞬の出来事だった。
隕石か何かだったのだろうか。
とにかく、そこにあった何百という国は一瞬のうちにして消滅してしまった。

その戦争をしていた国達とは遠くに位置していた国達はその物体の脅威を避ける事が出来ていた。
その国の人々は何年か後には、そこにあったはずの国々がひとつ残らず消え去っているのを知る事になるだろう。
生き残ったのは、乳頭の右側に位置した国々だった。
広大すぎる乳首と言う大地。惑星サイズの乳頭の向こうの出来事である。

  *

「…」
「まだ不満?」
「い、いえ! 不満と言うわけじゃ…」
「顔に出てるわよ」

慌てて首を振るツインテにくすっと笑うロング。

「こういうのは慣れないとね。あ、そうだ。丁度私もいくつか戦争してる国を持ってるの。どうやって処理しようか考えてたんだけど、あなたにやってもらおうかな」

パンと手を合わせたロングが言った。

「え? 私がですか…?」
「練習よ。それにほら、自分の国だったらあまり気にならないでしょ?」
「さ、さすがにそれは…」
「ふふ、私は気にしないからあなたも気にしないで。はい、お願い」
「…わかりました」

頷くツインテ。

「それでその国はどこら辺にあるんですか?」
「ここよ。ここら辺」

言うとロングは腰を捻り、自分の左側の腰の一部を指さした。
一糸纏わぬ少女たちの体は一見すればなんの穢れも無い美しいものだが、惑星少女たちの超感覚を強く発揮すれば、そこに無数の国があるのがわかる。

ツインテはロングの腰に顔を寄せた。
キレイな肌だ。そしてそこに、無数の国があるのが感じられる。
ただ、どの国が戦争しているのかはわからなかった。

「先輩、どの辺ですか?」
「あとは自分で探して見なさい。自分の体の国じゃないからどこにあるかわかりにくいと思うけど、超感覚を使えばわかるはずよ。それも練習」
「わ、わかりました」

ツインテはよりロングの腰に顔を近づけた。
じー。穴が開くほど見つめる。

「んー…。この辺かな…」

ツインテはねらいを付けた場所に右手の人差し指の腹を押し付けてみた。
ロングの柔らかな肌に指がぷにっと沈んだ。

「ふふ、残念。そこじゃないわ。そこは無関係の国よ」
「えぇ!? す、すみません! 私、罪の無い国を…」
「気にしないでいいわ。それよりも続き。頑張って」
「は、はい」

ツインテは再びロングの肌に目を向けた。

  *

それから3回のお手付きの後、ようやく戦争をしていた国を処理する事が出来た。

「すみません…」
「だから気にしないで。さ、次の国よ」
「え!? まだやるんですか!?」
「もちろん。あなたが慣れるまで」

にっこりと笑うロングにツインテは涙目だった。

  *

それから更に5つの戦争をしていた国々を処理したツインテ。
ただしその倍近い数の関係の無い国がお手付きで巻き込まれたが。

「でも段々お手付きの回数も減ってきたわ。上手くなってる証拠よ」
「あ、ありがとうございます…」

ツインテはぐったりしていた。
いくら戦争をしているとはいえ、国を処理するというのはツインテには大きなプレッシャーだった。
しかもそれが他人の国となればなおさらだ。
今日はもうこのまま家に帰ってお風呂に入りたかった。

「あら?」

ふと、ロングが呟いた。

「どうしたんですか?」
「ちょっとあなた、左腕上げてみて」

ツインテは首を傾げながらも言われるままに左腕を上げた。
するとロングは、ツインテの腋の下に顔を寄せてきた。

「え? どうしたんですか?」
「ここの国、戦争してるわよ」
「えぇ!? 本当ですか!?」
「ええ。まだ規模は小さいけど、それでもいくつもの国が巻き込まれてるわね。すでに数億の人間が犠牲になってるわ」
「ぜ、全然気づきませんでした…」

ツインテは驚いていた。
乳首の戦争は気づいていたが、まさか腋の下の国も戦争していたとは。
そして、国の持ち主である私ですら気づかなかった戦争に、他人の先輩が気づいたことに。

「せ、先輩凄いですね…」
「ふふ、慣れよ。じゃあこの国々も処理しちゃうわね」

言ってロングはツインテの脇の下をペロリと舐めた。

「ひゃん!」

突然のくすぐったさに一歩飛び退くツインテ。

「くすくす、かわいい声」
「せ、先輩ってなんで処理するとき舐めるんですか!?」
「あら、知らない? 国って結構おいしいのよ?」
「え? そうなんですか!?」

初耳だった。
国がおいしいだなんて。
というか国を食べるという発想自体ツインテの中にはなかった。

「風土によって味は違うけど、とろんと甘かったりピリリとスパイスがきいてたり外れはないわね」
「で、でも、国にはたくさんの人間が暮らしてるのに…」
「もちろんなるべく人間の少ない国を狙ってるわ。人間が多い方がおいしいんだけど、そこは仕方ないわね」
「…」

ツインテは自分の手を見下ろしてみた。
一見すればただの手だが、超感覚で視ればそこには無数の国がある。
無数の国があるということは無数の人間がいるということだ。
本当においしいのだろうか。
ゴクリ。ツインテは自分の手を見下ろして喉を鳴らした。

「まぁそうやって国を減らしちゃうのは私達惑星少女の倫理から外れちゃうからあまり良い事ではないけどね。でも戦争してる国なら処理しちゃってもいいし、しかも戦争してる国は平和な国よりおいしいのよ。だから戦争してる国は舐めて処理する事にしてるの」
「そうだったんですか…」

いったいどんな味がするんだろう。
ロングの話を聞いていて凄い興味が湧いてきた。
でも今は体のどこにも戦争してる感じは感じられないし。
あ、もしかしたら今のみたいに感じられないだけなのかな。
だったらもっと超感覚を磨いて探さないと。

「興味ある?」
「は、はい…。少し…」
「ふふ、丁度いいわ。今ね、丁度私の右の乳首あたりの国が戦争を始めたの。お願いしてもいいかしら?」
「え? いいんですか?」
「ええ。私もあなたには御馳走してもらったし、そのお返しよ」
「…じゃ、じゃあちょっとだけ…」

ツインテはロングの右の乳房に顔を寄せて行った。
ゴクリと喉を鳴らす。が、それはこれから舐める国を思っての事ではなく、目の前にある、ロングの大きな乳房を前にしたからだ。
たっぷりとした乳。その大きさは、周囲に浮かぶ惑星よりもずっと大きい。
下手な惑星なら、この大きな乳房の影に隠れて見えなくなってしまうだろう。
それほどの圧倒的な巨大感だった。

ロングの乳房に顔を寄せたツインテは超感覚を漲らせた。
重ねた訓練のお蔭で大分はっきりと戦争をしている国がわかるようになった。
戦争は、そのプルンとした乳首のほぼ全域で展開している。ピンク色の表面のいたるところで無数の戦火が上がっているのが感じられる。
数百の国と、数百億の人間がそこにいる。
殺す人間。殺される人間。
逃げる人間。追いかける人間。
笑う人間。泣き叫ぶ人間。
様々な人間がいた。
そんな自分の乳首を、ロングは微笑みながら見下ろしていた。
あまりに綺麗な乳房を前にぼーっとしてしまっていたツインテは意を決してそれに顔を近づけた。

「い…いただきます…」

唇の間から少しだけ舌を出し、ロングの乳首にそっと触れた。
その瞬間、そこから濃密な味の洪水が流れ込んできた。甘さ、辛さ、様々な美味がそこにあった。
こ、これは…。ツインテは目を見開いていた。
舌先でちょっと触れただけでこのおいしさ…。なら、もっとちゃんと舐めたなら…。

という答えに行きつく前に、ツインテはロングの乳首を舐めまわしていた。
乳首全体を舐めるのに、1秒もかからなかった。
ぺろぺろぺろぺろ。乳首を余すところなく舐めまわしてゆく。
乳頭の根元にもしっかりと下を滑り込ませ舐め残しの無いように。
乳腺を穿り返し中の国もしっかりと舐めとった。

気付けばツインテはロングの右の乳房を両手で支え、乳首にむしゃぶりついていた。
あまりのおいしさに我を忘れていた。

まるで赤ん坊のように自分の乳首に吸い付くツインテを見下ろして、ロングは「あらあら」と微笑んでいた。

  *

「ほんとーーーーーーにすみません!!」

ツインテは、宇宙空間で土下座をしていた。

「くすくす、だから気にしないでいいのよ」
「そ、そういうわけにも…」

頭を下げ続けるツインテにロングは微笑みかける。
ロングの乳房からは、国が消えていた。

我を忘れたツインテはロングの乳首だけではなく、その乳房にまで舌を走らせていた。
ぷるんと大きな乳房を舌から上へとぺろりと舐め上げる。
その途中で舌に舐め取る無数の国々のおいしさ。舌が止まらない。
乳房を持ち上げ下乳も舐め上げ、乳房の付け根もしっかりと舐める。
大惑星サイズの乳房を完全に舐めつくしたら今度は胸の谷間を舐め左の乳房へと狙いが移る。
そして左の乳房も右と同じように舐めつくしたツインテは更にロングの喉元へと下を走らせた。
鎖骨のくぼみにあった国を舐め取り、喉の国を舐め取り、顎の下の国を舐め上げ、そして、もうその唇の間に舌を入れてしまうと言う直前でツインテは我に返ったのだ。

「でもおいしかったでしょう?」
「は、はい! それはもう!」
「ならいいのよ。ね? つい舐めちゃう理由がわかったでしょ」

ロングは土下座をしているツインテの下に回り込んだ。
宇宙空間に上も下も無い。

「また欲しくなったらいらっしゃい。良い国を育てておくから」
「え……い、いいんですか…?」

ロングが下に来たので、土下座のまま垂直に立っているような格好のツインテはその体勢のまま訪ねていた。

「もちろんよ。あなたもいい国を育てておいてね」
「はい! ありがとうございます!」

ツインテは土下座を解きぺこりと頭を下げた。