スカイツリー開業当日の正午。
スカイ
ツリータウンに訪れた人々の数は20万
人を超え、周辺はごった返していた。

 はじめに異変に気付いたのは、スカイ
ツリーの第一・第二展望台にいる3千人
の人々だった。
空が一瞬暗くなり、突然
街並みの中にとてつもなく巨大な少女が
出現していた。年の頃は10代後半くら
い。
学校の制服のような服を着た、長い
髪の少女である。
突然の光景の変化に驚
いた展望台の人々は、イベントか何かの
演出でガラスにリアルな映像が映し出さ
れているものだと考えたが、その少女が
一歩を踏み出し、地響きと揺れが伝わる
と、現実を理解せざるを得なかった。

ーファーを履いた足が瓦礫や塵を巻き上
げながらスカイツリーに近づいてくる。

やがてその途方もなく巨大な少女がスカ
イツリーの手前で止まり、少女を見上げ
るかたちになった展望台の人々は少女が
下着をつけていないことに気が付いた。

 スカイツリーの3倍はあろうかという
大きさの少女は靴を脱いで四つん這いに
なり、続いてシャツのボタンを外す。

高百m近い胸の小山が、重力によってシ
ャツの中から弾き出されるようにして飛
び出すも、若若しく張りのあるそれは美
しい形を保っていた。

 第二展望台に、一人の少年が入場券を
手にして呆然としていた。
目の前にいる
巨大な少女は学校の後輩で、この入場券
をくれた女の子だった。

――わたし、本当は地球人じゃないんで
す。明日、故郷に帰らなければならなく
なりました。
最後に先輩と思い出を作り
たくて…。先輩は先に登っていてくださ
い。わたしは後から必ず行きますから――
 
普段から不思議な言動が多い彼女だっ
たから、少年は冗談だと思っていたが、
まさかこんな形で証明されるとは思って
もみなかった。
どうしていいか分からず
立ちすくんでいると、少女の巨大な顔が
近づいてきた。


 わたしは邪魔なアンテナ部分をへし折
り、むき出しになった第二展望台の中を
覗き込んだ。

「先輩、やっぱり来てくれたんですね」

 展望台の中に蠢くゴマ粒のような人々
の中に先輩の姿を見つけ、鼓動が高鳴っ
ていくのを感じた。
股の間に指を這わす
と、既に大量の愛液が膣内を満たしてい
た。
わたしはまず、その指をスカイツリ
ータウンを逃げ惑う群衆の中に差し入れ、
粘度の高い液体に絡み取られた人々を膣
内に入れて、ピンク色の壁に擦りつけた。
ゴマ人間の手足が動く微細な感触に、思
わず喘ぎ声が出てしまう。

「先輩、これがわたしの本当の大きさな
んです。大きいからって、嫌いにならな
いで下さいね」

わたしは最上部となった第二展望台に股
間を近づけていった。
先輩だけでなく、
他の地球人にも嫌らしいところを見られ、
みるみるうちに顔が紅潮して息が荒くな
る。
冷たい物体が膣壁を擦りながら入っ
てきた。
展望台の角ばった部分や、格子
状の複雑な構造が強い刺激を与えてくれ
る。
なにより、大勢の地球人、そして先
輩がわたしのいやらしいところをみてい
るという事実が、興奮を一層高めている。

 私は携帯電話で先輩をコールした。

「先輩…はぁっ…私の中は…どうですか」

「ど、どうですかってお前…お前は宇宙
人で、巨人で…何がどうなってるんだ」

 先輩の声を聴いて、わたしは思わず展
望台を抱きしめるように、膣に力を入れ
て締め上げていた。
ギシギシという金属
が悲鳴を上げている音や、
『窓が割れる』

『液体が入ってきた!』
『すごい匂いだ』

等の地球人の声が電話越しに聞こえ、さ
らに興奮したわたしは自然と腰を動かし
ていた。

「うっ…あんっ!」

「おい馬鹿やめろ!立ってられない…あ
あっ、人が外に投げ出された!窓との間
で、うわっ!ひでぇ!」

先輩は展望台下の階段に出たのか、電話
からは靴音と私の鼓動の音、それに沼地
で大波が起こったような形容しがたい水
音が大きく響いていた。
膣の感触から、
第二展望台が少しずつ形を崩しはじめて
いるのがわかる。
 
腕に力が入らなくなり、両方の胸で眼
下の街を押し潰してしまう。

「おいほんともうやめろって!膣に人と
かへばりついてて、それが擦れて、洒落
になってねえって!」

それを聞くと一層腰の動きが激しくなっ
てしまう。人が擦れて潰れていくのがわ
かる。

「はぁっ…先輩…こんなゴミのような人
たちのことなんてどうでもいいんです、
わたしは先輩だけが大事なんですっ!」

乳首で逃げ惑う人や車を潰して感触を楽
しみながら、さらに腰を振る。

「うわぁぁ!落ちる!分かった!分かっ
たから!俺まで死んじまうよ!」

「あんっ!それなら…私のこと好きって
言ってください!」

わざと横に腰を振って、この地球人自慢
の高層建造物を揺らしにかかる。

「分かったから!好きだっ好きだよ!」

「添い遂げるって言ってください!」

「一生添い遂げる!約束だ!」

「一緒に私の星にくるって言ってくださ
い!」

「一緒にお前の星に行く!どこにだって
行ってやる!    ………え?」

「嬉しい…きゃぁんっ!」

電話から金属がひしゃげ、切断されるす
さまじい音が聞こえるのとともに、わた
しは絶頂を迎え、快感の海に溺れた。

「うわぁゴボッ!ガボッ!」

先輩は愛液の海に溺れていた。