*Ritsuka*

Ritsuka「この小さい点は、全部ヒトなの?すごく大勢の人が海岸にいますね」
私は小さな人々を捕まえようと人差し指を伸ばすと、イヤホンから実況の声が聞こえてくる。私がスマートフォンのアプリで海岸の高台に瞬間移動させた、Rinkoという女性リポーターの声だ。
Rinko「覧ください!律香様の胸が山を押し潰してゆっくりと拡がっていきます。あっ!麓の建物が胸によって粉々になっていきます!逃げる人々もあっという間に潰されました!」
さすがは実況のプロ、彼女による的確なリポートに私は興奮を覚える。
Rinko「ビーチの人々が逃げ始めました!彼らは何が起こったか理解したようです!人々は道路や駐車場に向かって走っていきます!皆さん逃げてください!命を守る行動を!」
Ritsuka「フフ、いいぞRinko、よく教えてくれた。点のような人間たちは女神律香のオモチャだ。オモチャに逃げる権利などないぞ」
私は人差し指を伸ばすと、海岸沿いを走る道路に指先を這わせた。
Rinko「巨大な長い指が道路に降ろされました!しなやかな美しい指でこれから何をするのでしょうか!?」
足の速い人々が数十人、水着姿のまま道路に飛び出して逃げていたところを、私の指先が道路を走る車ごとすり潰していく。
車やアスファルト、構造物が当たって砕けていく感触と共に、小さな人が指の動きに巻き込まれて潰れていく微かな感触が伝わる。
それを見た小さな人の動きが止まり、一部は海岸に走って引き返し始めた。
Rinko「なんということでしょう。巨大な指が通った道路は茶色い土の地面が露出し、その上に見える様々な色のものは車の残骸と思われます!その周りに見える無数の赤黒いシミのようなものはヒトだったのでしょうか?指一本です、指一本を指を動かしただけで大量の犠牲者が出てしまいました!」
私は指先を持ち上げてよく見た。
鉄の塊と、無数の赤黒い色で汚れていた。
私は汚れた指先を舌先で舐めた。
Ritsuka「ん、美味しい!」
汚れた指先を綺麗にするために舐めただけのつもりだったが、私はその味に驚いた。鉄の味に混じって、微妙な塩気と旨味を感じたのだ。
彼らの味に強い興味を覚えた私は、彼らを食べてみたいと思った。私は今度は人差し指と親指を伸ばして、悲鳴を上げて逃げ惑う小さな人々を十数人つまんだ。
力加減が難しく、指の腹で何人かを押し潰す感触が伝わってくる。指を口元に運び、泣き叫ぶ彼らを口の中で指の拘束から解放した。
Rinko「巨大女神が今度は人々を口の中に入れました!どうやら彼女は人々を食べてしまうようです!信じられません!悪の巨大女神です!」
私はテレビ報告の声に興奮を掻き立てられながら、舌先に点が落ちて動く感触を楽んだ。私は舌を上顎に押し付けると、彼らが次々と弾けて潰れる感触と塩気、独特の旨味が拡がった。
 私は小さな人々を潰したり性器に擦りつける利用方法しか知らなかったが、今回彼らの新しい利用法を発見した。
私は、胸で海岸の街を押し潰しながらさらにビーチに近づき、私は彼らに顔を近づけた。
顔の影の下になった人々は混乱し、悲鳴を上げて逃げ惑う。私は腕を伸ばして海岸の街を両腕で囲った。
Ritsuka「逃げ場などないぞ、小さな人間め。哀れだな、巨大な女神に食べられるのはどんな気分だ?」
わざと意地の悪い笑みを浮かべて冷たい言葉をかけると、狙い通りに彼らはより混乱した。砂上を右往左往する者、コビト同士で抱き合う者、命乞いをはじめる者。
腕の中の全員が私の顔を見ていた。この中に下の弟の宗高はいないようだ。
私はわざと少し笑いながら、逃げ惑う小さな人々に軽く息を吹きかけた。多くの人々が私の息の風圧によって砂浜を転げまわった。動きの止まった彼らに、私は唇をすぼめて彼らに近づけた。
Rinko「巨大な女神の唇が人々に接近しています!女神は人々に口づけをしました!女神が顔を上げます…唇に人々が貼りついています!カメラさんズームしてください!」
私のスマホ画面に私の唇に貼りつく無数の人々が映し出された。
唇の表面の皴が見えるほど拡大された画面に、人々が唇にしがみついている光景を見ることができる。この光景がこの大都市の全住民に生中継されていると思うとより興奮する。
Rinko「地面を通して伝わってくる女神の鼓動が速くなってきました!どうやら興奮しているようです!彼らも食べられてしまうのでしょうか!?女神Ritsuka!彼らに慈悲を!」
わざとこちらの興奮を煽るかのような的確なリポートに否応なく
動悸が激しくなる。
私は舌を出し上唇からゆっくりと捕らわれの彼らを舐めとり、口内に招待した。
そして舌上で逃げようとしているのか、激しく蠢く彼らを口内の壁に押し付けて潰し、唾液の流れで左右に逃れた者達は左右の歯で無慈悲に噛み砕いてやった。
指でつまんだ時とは違い、百人単位で食べると味が少し濃くなった。もっと食べたいと思った。
私ははしたなく舌を出すと、砂浜に舌を這わせて小さな人々を絡めた。
犬猫のように地面に舌を這わせている巨大な水着の女がスマホに映し出されて少し恥ずかしくなったが、数百人の人々の味が恥ずかしさをすぐに忘れさせた。
舌で百人以上の人々を潰すと、濃い味が徐々に染み出してくる。やはり人は美味しい。
夢中になって人々を舐めて口内で潰してを繰り返しているうちに、彼らの数が少なくなっていることに気づいた。砂浜上の人々を指先で追い回して集めてみたが、百人以下しかいない。
Rinko「数千人はいたはずの人々があっという間に彼女に食べられてしまいました!女神は食べ足りないのでしょうか、明らかに不満な顔をしています。」
最後に残った人々を食べて終わりにしようと舌を這わせたとき、スマホ画面に海岸沿いのホテルや商業ビルの窓越しに大勢の人が私を不安げに見上げている姿が映った。
私は試しに7階建ての建物を指でつまみ上げて、慎重に建物の中の様子を見た。そして口を開けて舌の上のコビトを見せつけて揺らした。
すると中から悲鳴が上がり、多くの人が残っていることが分かった。
建物ごと人々を食べるとどうなるのだろか。
Rinko「今度は2本の指でビルを軽々と摘まみ上げました。恐るべき巨大な女神の力です!あ、何とビルを口の中に入れて…噛んでいます!噛んで咀嚼しています!建物を食べてしまいました!」
驚いたことに建物自体も意外と美味しい。
建物内の様々な石材や金属が複雑な味を出しているのだろうか。
何よりコンクリートを噛み砕く心地よい食感と共に人の味が染み出してくるのが良い。
順番に、建物を舌で突き崩しながら食べ、歯を立てて噛み千切る。それにしても小さな人がこんなに美味しいとは。
他の2人にも、この発見を教えてあげようと思った。