<主な登場人物>
①直也(なおや・高校2年生)
 内気な男子高校生。同級生の美恵のことが好き。
 身長は1.7cm。
②美恵(みえ・高校2年生)
 直也の同級生。ツインテールで笑顔の可愛い女子高生。
 身長150cm。足の大きさ23cm。スリーサイズは上から82・58・85cm。
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直也「ここが美恵ちゃんの下駄箱だよな」

僕は美恵に告白したかった。
しかし美恵の笑顔を見ると体が熱くなり、好きという言葉を言うことができなくなるのだ。
そこで僕は小さくなって誰にも気づかれないように美恵にラブレターを贈ろうと考えた。

直也「これが美恵ちゃんのローファーか……。ものすごくでかいな」

大型バスよりもはるかに大きい美恵のローファーに僕はドキドキした。
そのローファーの近くにラブレターを置き、そのまま床に飛び降りた。
僕はこのまま校舎から出ていこうとした。
すると地面が規則正しく揺れ始め、それとともにズシンズシンという重い音が聞こえた。
僕は遠くを見ると、美恵とその友達の二人が下駄箱にやってくるのが見えた。
僕は心臓の音が速くなっているのを感じた。

美恵「今日も疲れたね~。早く家に帰ってケーキを食べたいなぁ~」

美恵はニコニコと可愛らしい笑顔でおしゃべりしていった。
美恵のふんわりとした表情に僕の体はほてり出す。

美恵「あれ? ローファーに紙が置いてある。なんだろう?」

美恵はガムの包み紙くらいの紙を手に取り、目を細めて読み始めた。

美恵「美恵ちゃんのことが好き。こびとより。だって……」

美恵の足元にいる僕は顔が真っ赤になりその場から走り出した。

美恵「こびとさんから告白されちゃった……。なんだか嬉しいかも」
女子「えっ? 絶対イタズラでしょ? こびとなんているわけないじゃない!」
美恵「そうかな? 私たちが知らないだけでこびとさんは存在するかもしれないわぁ」
女子「美恵はメルヘンねぇ~」
美恵「うふふふふ。このこびとさんにあってみたいなぁ~」

僕は美恵の方へ振り返った。
美恵のとろけそうになる笑顔に僕は幸せな気持ちになった。

直也「こ、告白成功かな? やったな!」

僕は嬉しくなってその場でジャンプした。
すると上空からキャーという甲高い声が耳に入った。
僕は見上げると美恵が僕を見下ろして目が点になっていた。

美恵「やだぁ! 私の足元に虫がいる!」
直也「えっ? もしかして僕のこと……」

一瞬だった。
美恵は僕のことを虫だと勘違いし、すぐさま黒ソックスをまとった恵美の足が上空に上昇し、そのまま僕の視界を覆い尽くした。

ぶちゅ……


美恵「もうやだぁ~。私、虫大っ嫌いなのよねぇ~」

美恵は自身が踏み潰したものを確認するため、足を手に取り、足の裏を見た。

美恵「やだぁ~。ぐちゃぐちゃになっている~。キモイ!」
女子「ねぇ美恵? 本当に虫? なんか人の形に見えるんだけど?」
美恵「えっ? わかんないよ~。だってぐちゃぐちゃだよ?」
女子「この汁、赤いし血だよ。もしかしてこれがこびとかもしれないよ?」
美恵「ウソでしょ? こびとさんって虫みたいなの? だったらこびとさん嫌い~」

美恵はガムの包み紙くらいの大きさのラブレターで踏み潰された直也の死体を拭き取り、そのまま近くのゴミ箱に投げ捨てた。
こうして直也の淡い恋は幕を閉じたのであった……



(終)