<前回までのあらすじ>
俊哉と翔は女子高へ無断で潜入し、新任教師の浩二に捕まる。
その後、女教師の紗季が俊哉たちを100分の1サイズに縮小させた。
俊哉たちは千春の部屋から脱出する。
しかし千春は激怒し、俊哉たちを踏みつぶそうと企んでいる。
俊哉たちは今、廊下で逃げ回っている。

<主な登場人物>
1.主人公
 ①俊哉(しゅんや・高校3年生)
  ・好奇心旺盛の男子高校生。
 ②翔(しょう・高校3年生)
  ・俊哉の親友。冷静で頭の回転が良い。
2.縮小研究部
 ③智恵(ちえ・高校1年生)
  ・内気で真面目な女子高生。
   将来有望な縮小研究部員らしい。
   身長150cm。足の大きさは23cm。スリーサイズは上から80・56・82cm。

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【廊下】



女子A「やだぁ! 虫なんて潰れちゃえ!!!」
女子B「こっちくんな! 死ね!」
女子C「あっち行きなさいよ! 踏み潰してやるわ!!!」

俊哉たちは千春の部屋から脱出し、廊下を走り回っている。
女子生徒たちは2cmにも満たない俊哉たちを虫と勘違いして踏み殺そうとしている。
俊哉たちの目の前に巨大な上履きが振り降ろされ、強烈な震動によって小さな体が吹き飛ばされる。
天を仰ぐと女子生徒の純白なパンツが目に入るのだが、すぐに上履きの靴底が俊哉たちを襲いかかる。
上履きの靴底にはところどころ人の形をしたシミが見られ、女子生徒たちはすでに何人もの縮小人間を自身の上履きで踏み殺したと思われる。

女子A「えぇい! どっかいっちゃえぇ!!!」

俊哉たちは背中に激痛を感じ、女子生徒に蹴飛ばされ、前方へ吹き飛ばされた。
俊哉たちは廊下の隅まで蹴飛ばされ、意識が朦朧としていたが、別の方向からズシンズシンと重い音を立てながら別の女子生徒がやってきた。

智恵「なにか床に転がっていますね……」

三つ編みで丸いメガネをかけた女子生徒は腰を下ろし、小さな俊哉たちを見下ろした。

女子A「あっ! ねぇそこのキミ? そのあたりに虫が転がっていない?」
智恵「えっ? 虫さんですか?」
女子B「見つけたら教えて! 踏み潰しちゃうから☆」
智恵「えっ? だ、だめですぅ……。虫さんが可愛そう……」
女子c「いいんだよ! 虫なんか潰れちゃえばいいんだよ!」

智恵はおどおどしながら俊哉たちを見下ろした。

女子C「あっ! キミの足元にいるじゃん! そのキモイ虫!」

俊哉たちは体を起こし、女子生徒たちから離れようと走り出した。
すると、次第に地響きが大きくなり、振り返ると一人の女子生徒が大きく足を振り上げていた。

女子C「虫けらなんて死んじゃえ!!!」
智恵「だめえぇぇぇ!!!」

智恵はバッグから小さな掃除機を取り出し、俊哉たちをまるでゴミクズのようにあっという間に吸い込んでしまった。

女子C「あ~あ……。せっかく踏み潰してぺちゃんこにしてやろうと思ったのにぃ~」
女子A「てかそれ掃除機なの? めちゃくちゃ小さいじゃん! 最新型?」
智恵「えっ? あっ、はい……」

智恵はモジモジしながら答えた。
女子生徒たちは智恵の持っている小さな掃除機に少し興味を抱いたが、すぐにその場から立ち去った。


【とある教室】



俊哉「いてててて……。ここはどこだ?」

俊哉たちは意識を取り戻した。
周りを見渡すと家やビル、そして人の姿が目に入った。

俊哉「どういうことだ? 俺たちは元の大きさに戻ることができたのか?」
翔「いや……。この家は作り物だ。おそらく牛乳パックで出来ているんじゃないか?」
俊哉「牛乳パックでできた家? どういうことだ?」

俊哉が頭を抱えていると突然ドシンドシンという轟音と共に地面が揺れ始めた。
見上げると巨大な制服姿の女子生徒が目に入った。

俊哉「あれ? あの女子ってさっきの?」
智恵「クスクスクス……。私の作ったミニチュアの街はいかがでしょうか? 牛乳パックで作ったけどなかなかリアルですよね」

なんと巨大な女子高生の正体は智恵だ。
だが先程までのおどおどした感じは全く見られない。
智恵は腰に手を当ててミニチュアの街を見下ろした。

智恵「クスクスクス。小さな人間さんがアリさんのようにちょろちょろと逃げ回っていますわね! 今からこの街ごとあなたたちを踏み潰してあげますわね!」

智恵は足を振り上げた。
俊哉たちの上空は紺ソックスの足裏で覆われ、徐々に近づいてくる。
周りの縮小人間たちは悲鳴を上げながら巨大な紺ソックスの足裏から逃げようとしている。
しかしあっという間に縮小人間たちを智恵の巨大な足の影で覆い尽くす。
体を震わせ、泣き叫ぶ者もいた。

縮小人間A「やめてくれぇ!!! 殺さないでぇ!」
縮小人間B「ぎゃあぁぁぁ……」

どすぅぅぅぅぅぅん!!!


智恵は逃げ惑う縮小人間たちを踏みつけた。
智恵の足の下に13人の縮小人間たちが下敷きになったのだ。
だが、縮小人間たちはまだ息があり、必死に巨大な足裏を押し返そうとしている。

智恵「簡単には死なせないですよ。今から少しずつ体重をかけて差し上げますわね」

智恵は足に体重をかけ、グリグリと踏みにじった。
智恵の足の下ではブチブチっと骨が砕ける音やぶちゅっと体が潰れる音が鳴り響いた。
それでも智恵は縮小人間たちをぐりぐりと踏みにじった。
ゆっくりと足を動かし、丁寧に縮小人間たちをすりつぶしていった。

智恵「こんなものでしょうか?」

智恵は足を上げると床にはトマトジュースのような血の跡しか残っていなかった。
その光景を間近で見た俊哉たちは腰が抜けてその場から動くことができなかった。
智恵はニンマリと笑い、大きな足を一歩、また一歩と踏み出していった。
ズシンズシンと体に響く重低音とともに床は揺れ、縮小人間たちは悲鳴を上げながら逃げ回る。
智恵は家を踏み、逃げ惑う縮小人間たちに足を振り下ろし、ギュッと押し付けた。

智恵「クスクスクス……。ほぉら。みんなで力を合わせて私の足を持ち上げてみなさい」

智恵の巨大な足に包み込まれた縮小人間たちは必死に抵抗する。
しかし、智恵の足はびくとも動くわけもなく、次々と智恵の足の下で小さな命が消えていく。
ミシミシと骨が砕ける音を楽しみながら智恵は足をぐりぐりと動かしている。
すると、智恵の足の近くにいた縮小人間たちが突然バタバタと倒れだしたのだ。
周りの人達はゲホゲホと咳き込み、智恵のソックスから発する酸っぱい刺激臭とむわっとする生暖かい空気に意識を失いかけていたようだ。

智恵「クス……。そういえばこのソックス、3日は洗っていなかったわ」

智恵は異臭のするソックスで縮小人間を一人一人包み込んだ。
足の指の付け根に縮小人間をこすりつけ、悶絶する声に智恵はゾクゾクしていた。
智恵は足を上げるとピクピクと痙攣する縮小人間があちらこちらに転がっていた。

智恵「まぁ……。そんなに私の足は臭うのかしら……。ものすごく失礼なちび人間ですね!」

智恵は縮小人間を一人一人、踵で踏みにじっていった。
逃げ出そうにも智恵のソックスの匂いで意識が薄れて目の前が霞み、死を待つしかなかったのだ。
一人また一人、次々と小さな人間が肉片と化す。

智恵「ん? 私の作った家に誰かいるわねぇ~」

智恵は家を片手で軽々と持ち上げ、中にいる縮小人間を覗いた。

男性「な、何をするんだ! 僕は今年、国家公務員試験に合格したエリートだぞ!」
智恵「はぁ? だからなんですか? アリンコみたいにちっちゃいくせに……」

家の中にいたのは小さな大学院生だ。
腰を抜かし、全身を震わせながら巨大な智恵に物申す。
すると、縮小人間のいる家からミシミシと軋む音が聞こえた。

グシャッ!!!


智恵「クス。牛乳パックでできた家なんて私のひと握りでぺしゃんこです。エリートさんがペチャンコ……」

智恵は卵を握りつぶすように家をぺしゃんこにし、そのまま床に落とした。
その家を踏みつけ、隣にある家も踏み潰した。
次々と家はぺしゃんこになり、逃げ惑う人々も踏み潰されてミンチと化した。
まるで怪獣が街を蹂躙するかのように智恵はミニチュアの街を破壊し続けた。

翔「クソッ! このままだと俺たちも殺される! なんとか脱出しなければ!」

俊哉と翔は縮小人間の死骸を踏み越えて走り続けた。
すると背後から地響きを立てながら智恵が近づいてきた。
智恵はたったの3歩で俊哉たちを踏み越え、紺のソックスを俊哉たちに押し付けた。
俊哉たちの周りを女の子の足の臭いとじめっとした生暖かい空気で包み込んだ。

俊哉「ゲホゲホ……。なんだこの臭いは……」

俊哉たちは思わず咳き込み、膝をついてしまった。
目の前には智恵の紺ソックスで包まれた指先がくねくねと動き、今にも包み込まれるという状況。
俊哉たちは強烈な臭いにピクピクと痙攣し、立ち上がることができなかった。
絶体絶命! すると智恵の携帯から着信音が。

智恵「も、もしもし……」
千春「あっ、智恵ちゃん? 千春です!」
智恵「ち、千春副部長! お、お疲れ様ですぅ~」

俊哉は目を丸くした。
ミニチュアの街を破壊し続けた智恵は縮小研究部であることを知った。

千春「智恵ちゃんの活躍を期待しているよ! 次期部長かな?」
智恵「そ、そんな……。わ、私には無理ですぅ~」

突然智恵は内股になりモジモジし始めた。
縮小人間たちには残酷な行為をしている女子高生には思えない態度だ。
このギャップに俊哉はドキドキしていた。

千春「じゃんじゃん男を縮めて潰しちゃってね~」
智恵「は、はいぃ~……。が、頑張りますぅ~」
千春「それと別件なんだけど、俊哉と翔っていうちび人間を見つけたら私に教えて欲しいの」
智恵「しゅ、俊哉さんと翔さん……」

俊哉たちは心臓が止まるくらい驚いた。

千春「あいつらは私には向かった最悪のちび人間。この私が踏み潰してやりたいの! 写真を送るから探してね!」
智恵「は、はい……」

智恵は電話を切ると、新着メールに添付された写真を確認した。
そして智恵は腰を下ろし、俊哉に顔を近づけた。
智恵のうるっとした瞳にプルプルの唇に吸い込まれそうだ。
すると智恵は大きな声を発した。

智恵「あなたたちが俊哉さんと翔さんね! 千春副部長に報告しなきゃ!」

智恵は立ち上がり、千春に電話をかけ始めた。

俊哉「な、なぁ翔。ここにいるとまずいよな……」
翔「あぁ。逃げるぞ!!!」

俊哉たちは走り出すも、すぐに智恵の紺ソックスの足に包み込まれてしまった。

俊哉「しまった。ゲホゲホっ……。身動きが取れない……」
智恵「クスクスクス……。逃しませんからねぇ~」

俊哉たちは智恵の足の下敷きになり、その場から動くことができなかった。
そして怒れる千春がやってくる。
俊哉たちは生きて脱出することができるのだろうか?




続く……