<前回までのあらすじ>
俊哉と翔は女子高へ無断で潜入し、新任教師の浩二に捕まる。
その後、女教師の紗季が俊哉たちを100分の1サイズに縮小させた。
 俊哉たちは縮小研究部員の智恵につかまり、3日も洗っていない紺ソックスの下敷きになっている。

<主な登場人物>
1.主人公
 ①俊哉(しゅんや・高校3年生)
  ・好奇心旺盛の男子高校生。
 ②翔(しょう・高校3年生)
  ・俊哉の親友。冷静で頭の回転が良い。
2.縮小研究部
 ③優香(ゆうか・高校3年生・部長)
  ・常に優越感に浸りたいドSの女子高生。優香に逆らう者は男女問わず踏み潰す。
  ・制服に素足。
  ・身長164cm。足のサイズ25cm。スリーサイズは上から85・61・87cm。
 ④千春(ちはる・高校3年生・副部長。元女子バレー部)
  ・亡き知宏の幼馴染。普段はおっとりとしているが、ちび男子を見つけると容赦なく踏み潰したりお尻で潰したりする。
  ・体操服に素足。
  ・身長173cm。足のサイズ26cm。スリーサイズは上から86・64・89cm。
 ⑤智恵(ちえ・高校1年生)
  ・内気で真面目な女子高生。
  ・将来有望な縮小研究部員らしい。
  ・身長150cm。足の大きさは23cm。スリーサイズは上から80・56・82cm。

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【智恵の部屋】



俊哉たちは智恵の紺ソックスを身につけた足に押しつけられている。
俊哉たちは身体中がミシミシと軋み、智恵の体重を全身で受け止めている。
さらに3日も洗っていない紺ソックスから鼻につんとくる刺激臭を放つ。
汗が染み込んでいるのか紺ソックスはじめじめしている。
しかし、ソックスの柔らかさはぬいぐるみを抱き抱えるようで気持ちいい感触だ。

智恵「千春副部長はどうして怒っていらっしゃるのかな?」

俊哉たちの視界は紺ソックスで一面を覆われているが、智恵の声がはっきりと耳にはいった。
すると、智恵はゆっくりと足をグリグリ動かした。
俊哉たちの体が雑巾を絞るようにねじれ、全身に激痛が走る。

クスクスクス……

智恵の笑い声が部屋に響き渡り、全身を圧迫された俊哉たちの意識は遠退いていく。

智恵「私はね、あなたたちチビ人間に恐れられたいの。恐怖にひれ伏してほしいの。そんなチビ人間を見ているとゾクゾクするんです……」

智恵は可愛らしい声で俊哉たちに語りかける。
しかし俊哉たちには体が潰れるほどの重圧と女の子の足の臭いにやられており、智恵の言葉が耳にはいってこなかった。

俊哉「も、もうだめだ……」

俊哉の意識はとおのき、まぶたを閉じようとしたその瞬間、突然重圧から解放されたのだ。

俊哉「ぐはぁ、ゲホゲホっ……」

俊哉たちを圧迫していた智恵の巨大な足が宙に浮き、そのまま俊哉たちの真横に落下した。
ズシンと響く重低音と共に床を揺らし、智恵は周りを見渡す。
すると蚊のように飛び回る縮小人間の姿が目に入った。

智恵「きゃっ! なんでチビ人間が空を飛び回っているの?」

智恵は目の前の縮小人間たちを蚊をはたくように手を動かした。
まるで壁のような智恵の手にはたかれ、ボトボト縮小人間が床に落ちていく。

俊哉「どういうことだ? 人間の背中に羽がはえている?」

俊哉は唖然とした。
俊哉の真横に落下した縮小人間には蚊のように羽がついているのだ。
すると、羽のついた縮小人間は俊哉にしがみついた。

男子「おれはもうだめだ……。お前、この羽をつけて俺の代わりに生き延びてくれ!」

なんと縮小人間は自身の羽をむしり取り、俊哉に渡したのだ。

男子「早くしろ! あの女子がこっちに気づく前に早く脱出するんだ!」

智恵は目の前を飛び回る縮小人間たちに苦戦している。
大きな手で叩き潰そうにも素早く避ける縮小人間に夢中のようだ。
足元にいる俊哉たちのことをすっかり忘れているようだ。

男子「急げ!!!」

俊哉たちは必死に叫ぶ縮小人間に圧倒され、すぐさま羽を背中にセットし、宙を舞った。
体がふわりと浮いた。

俊哉「すごいぞ! まるで鳥になったようだ!」

俊哉は空を飛ぶ快感に興奮が止まらなかった。
しかし、今しがた俊哉たちがいた床を見下ろすと、そこには智恵の手や足によって潰された縮小人間の姿が目に入った。
まるで地面にいた虫たちが女子高生の集団に踏みにじられた光景だ。

翔「俊哉! 行くぞ! 俺たちまで潰されちまう!」

俊哉は唇を噛み締め、そのまま智恵の部屋を脱出した。

男子「げふっ……。あいつらだったら何とかしてくれる……」

俊哉たちに羽を授けた縮小人間は俊哉たちの後ろ姿を見てホッとした。
すると上空には紺のハイソックスをまとった足裏が覆い尽くす。

男子「思い残すことはない……」

ぐちゅ……


智恵「もう、何だったんですか? 蚊みたいなちび人間たちは……」

智恵の足元にはぺちゃんこになった縮小人間たちが転がっている。
智恵はホウキとちりとりを手に取り、ゴミを掃くように縮小人間たちを処分した。
そして濡れ雑巾で床にこびりついた血の跡を丁寧に拭き取り、お菓子を口にした。
すると、千春が智恵の部屋に入ってきた。

千春「智恵ちゃん! 俊哉はどこ?」
智恵「あ、千春副部長……。申し訳ございません。に、逃してしまいました……」
千春「えっ! 逃しちゃったの!?」
智恵「その……羽の生えたちび人間たちに邪魔されて……」
千春「その羽の生えたちび人間はどうしたの?」
智恵「はい……。全部潰してゴミ箱に捨てました……」

千春はおどおどと話す智恵を睨みつけ、ドスンドスンと踏み鳴らしながらゴミ箱をあさった。

千春「こいつらが俊哉を逃がしたのか……。絶対に許さない!」
智恵「あ、あの……。もしよろしければ私の作ったミニチュアの街を破壊しても……」
千春「牛乳パックでできた街なんか破壊しても面白くない! 本物の街を縮小させたものを私に渡しなさい!」
智恵「は、はい……」

千春の怒りは最高潮だ。
ドアを勢いよく閉め、床を揺らすほど強く踏み鳴らしながら部屋を後にした。

智恵「ち、千春副部長に怒られちゃった……。わ、私。出世できるわよね……。もしできなかったら、俊哉っていうちび人間……絶対に許さない……」

智恵は拳を強く握り、牛乳パックでできたミニチュアの街を蹂躙した。


【廊下】



女子A「やだぁ! あっち行け!!!」
女子B「気持ち悪い~!」
女子C「蚊め! 潰れちゃえ!!!」

俊哉たちは羽を使って廊下を飛び回っているが、女子生徒に蚊と間違われて叩き潰されそうになっている。
俊哉たちは軽快に女子生徒の巨大な手を回避し、華麗に飛び回り、女子生徒のスカートの中を覗く。

俊哉「さ、最高だぜ!!! こんなに間近でスカートの中を覗けるなんて……」
翔「あ、あぁ。ヤバイ! 鼻血出そう……」

俊哉たちはにやけながら廊下を飛び回っている。
女子生徒たちは男子に下着を見られたことなど気づくことなくひたすら俊哉たちを蚊のように叩き潰そうと動き回る。
女子生徒たちが動くたびにスカートがふわりと舞い、香水の甘い香りが漂う。
俊哉たちは気持ちよくなり、再び女子生徒の股下をくぐり抜けた。
まるで凱旋門をくぐるような迫力だ。

女子A「こいつ! さっきから私の太ももあたりを飛び回っているわ!」
女子B「やだっ! 今度は私の股をくぐっていったわ!」
女子C「このぉ! 蹴飛ばしてやる!!!」

女子生徒のローキックを俊哉たちは華麗に回避した。
パンツ丸見えだ。

俊哉「無防備もいいところだ! ナイスショット!」

俊哉たちは小さくなってよかったと喜んでいる。
と同時にこの羽はいったい誰が作成したのかという疑問が頭をよぎった。
この羽を身につけた見知らぬ縮小人間はたくさんいた。
俊哉たち以外にも多くの人が縮小されているのだからどこかに隠れているのかと推測した。
考え事をしていると、曲がり角から巨塔のような太ももが現れ、俊哉たちは激突し、そのまま床に落下してしまった。
俊哉はすぐに立ち上がり、周りを見渡した。
上履きのかかとが美しくしっとりした素足に潰されている光景を目の当たりにした。
綺麗なカーブを描く踵に思わず息を呑む。
そして俊哉は恐る恐る見上げると、キリッとした瞳をした女子生徒と目が合った。

優香「あたしの足元にちび人間が。アハハハハ! 踏み潰して欲しいのかしら?」
俊哉「あ、あいつは……」
優香「ほらほら! プチって潰しちゃうぞ!
   …………ん? このちび人間、どこかで見たことがあるような……」
俊哉「ま、まずい! 逃げるぞ!」
翔「なんだ? 俊哉、知っているのか?」

どすぅぅぅぅん!!!


俊哉が振り返り、走ろうとすると、圧倒的な大きさを誇る踵が踏み下ろされた。
震動で俊哉たちが転ぶと大木のような指が迫り、俊哉たちは優香に摘まれてしまった。
そして優香は目を細めて俊哉のことをじっくりと見つめ、ニンマリと笑った。

優香「そうか、こいつが俊哉ね! 千春の幼馴染の」

優香の指に力が入る。
俊哉の体はミシミシと締め付けられる。

優香「俊哉? お前のことを千春は踏み潰したがっていたわ! さ! ゴミ虫のようにぺちゃんこに踏み潰されて素足にでもこびりついちゃいなさい!」
俊哉「いてててて……。お前はもしかして……」
優香「あたし? 優香よ。縮小研究部の部長!」
俊哉「なんだと?」
優香「本当はあたしが踏み潰してぐちゃぐちゃにしてやりたいけどね! 千春が俊哉のことを踏み潰したいって言うから今は生かしてあげる♪ 感謝しなさい!」

優香は高々と笑いながら俊哉を摘んだまま、どこかへ向かった。

翔「しまった! 俊哉!」

置いてきぼりになった翔は急いで飛び立とうとした。
すると、周りが暗くなり、見上げると薄汚れた上履きの靴底が迫り来る!

どすぅぅぅぅん!!!


翔は女子生徒の上履きに踏みつけられた。
幸いにも上履きのデコボコに器用に挟まったため、潰れずには済んだが、
その女子生徒が床に足をつけるたびに翔は絶叫するほどの痛みを全身に感じる。
そしてその女子生徒は優香と反対方向へ進んでいった。
女子生徒はアリンコみたいな翔を踏みつけたことに気づかず、軽快なステップで歩いている。

翔「ぐはっ……。しまった。俊哉と別れてしまった!」

俊哉は優香につかまり、翔は女子生徒の上履きのくぼみに挟まり、別々の行動をとることになってしまった。


続く……