<主な登場人物>
 ①智也…正義感の強い高校2年生。沙織のことを密かに想っている。
 ②慎吾…智也の親友。
 ③沙織…智也と同級生。おっとりとしていて優しい女子高生。
     身長166cm。足のサイズ25cm。
 ④恵美…智也と同級生。沙織の親友で気の強い女子高生。
     身長159cm。足のサイズ23.5cm。
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智也「これが転送装置か。誰にもバレずに一瞬で好きな場所へ行けるという」
慎吾「これを処分するなんてもったいないな」
智也「どこ行くか? アイドルの楽屋か好きな女子の家か……」
慎吾「とりあえず……」

慎吾は転送装置に“女子更衣室”と入力し、ボタンを押す。
まばゆい光に包み込まれ、智也たちは一瞬で へ転送された。

智也「ここが女子更衣室か」
慎吾「でも、なんかおかしくないか? あらゆるものが巨大というか……」
智也「これ、お菓子の空き箱じゃないか? まるで家みたいにでかいぞ」
慎吾「まさか俺たち……」

智也たちは周りをキョロキョロと見渡す。
すると、軽自動車と同じくらいの大きさの黒い物体が動いているのが分かった。

智也「これ、蟻だよな?」
慎吾「怪物みたいだ! 逃げるぞ!」

智也たちは大きな蟻から全力で逃げ出した。
しかし、蟻のスピードはすさまじく、慎吾を体当りし軽く吹き飛ばした。
そんな凶暴な蟻が智也の方を向く。
じりじりと接近する蟻に智也は恐怖する。
すると、女子の声が智也の耳にはいる。

智也「あれは、沙織の声だな! 沙織! ここは危ないぞ!」

智也は沙織に話しかけるも違和感を覚える。
沙織は体操服に紺のブルマを身につけ、美しい素足を披露しながら智也に接近する。
沙織が歩くたびにズシンと重たい音が響き、床が揺れる。
次第に地響きが大きくなり、地震のような揺れに、智也は体のバランスを奪われる。
智也の目の前には高層ビルのような巨大な沙織が立っているのだ。
いや、正確にいうならば智也たちが3㎝程度の大きさに縮小したのだ。
智也はあわてふためくも、沙織は足元の智也に気付いていない。
今まさに沙織が一歩を踏み出し、その素足は智也を覆い尽くそうとしている。
しっとりとした感じの足裏は色白で土踏まずのアーチが美しい。
だが、凄まじい質感を誇る沙織の素足に踏まれたら、一瞬で智也の体が圧縮されて紙切れのようにぺしゃんこになるだろう。
無慈悲に襲いかかる沙織の素足を智也はヘッドスライディングでかわした。
沙織の素足が床に着地すると凄まじい衝撃が起こり、智也は二転三転する。
沙織の素足が上昇すると、床にはペチャンコになった蟻がいた。
沙織の大きな素足で蟻を踏み殺したのだ。
智也が手も足もでなかった蟻が一瞬で踏み潰されたのだ。
もしあの素足が意図的に襲いかかってきたらと考えるとゾッとする。
恐怖する智也をよそに、再び地響きが起こる。
あの女子は恵美だ。
恵美は沙織より肉付きがよく、ブルマのお尻の肉がはみ出ている。
歩くたびに地響きをたてるとともにぷるんと恵美のお尻が揺れる。
智也は真下から恵美を見上げ、鼻の下を伸ばす。
すると恵美は床に腰掛けようとしゃがむ。
その下には蟻の体当たりで吹き飛ばされた慎吾が倒れていた。
まるで隕石のように恵美の巨大なお尻が落下する。

智也「逃げろぉ!!!」

智也が叫ぶも恵美の巨大なお尻の迫力に慎吾は体を動かすことができなかった。
慎吾は柔らかいブルマと固い床に挟まれ、凄まじい圧力を全身で受け止め、ぺしゃんこになってしまった。
慎吾はブルマに食い込み、恵美の体温とぬくもり、体重を感じている。
運動したあとだからかブルマは湿っており、蒸し風呂のような状態だ。

恵美「ん? 今、お尻でなにか潰したような……」

恵美は大きなお尻を持ち上げ、自身のお尻に目を向けた。

恵美「うげぇ! 虫でも潰しちゃったのかな? でもまだ生きているっぽいわ!」

恵美は慎吾を人差し指でブルマに押し付け、そのままグリグリと捻り潰した。
恵美「うわぁ。プチって潰れたわ!
マジでキモい虫なんだけど!」

ミンチになった慎吾を恵美は人差し指で弾き飛ばし、床に落とした。
変わり果てた親友を見て、智也は絶叫した。

沙織「虫さんかわいそう。それにブルマが汚れちゃったね」
恵美「え? 別にいいわよ! 家に帰って洗えばいいだけの話だし! あれ? 沙織の足元にも変な虫がいるわよ?」

恵美が指差したのは智也だ。
小さな智也を虫と勘違いしているようだ。

恵美「踏み潰しちゃえば?」
沙織「いやだよ。だって可愛そうだし……」
恵美「別に虫なんて殺したって問題ないじゃん? じゃああたしが踏み潰そうかな?」

智也は沙織によって踏み殺された蟻の映像がフラッシュバックされた。
立ち上がろうとする恵美を見て智也は無意識に叫び声を上げる。
すると恵美は智也に顔を近づけた。

恵美「こいつ、虫じゃなくてこびとだわ!」
沙織「こびと?」
恵美「ほら! 最近大量発生しているじゃない? この学校で」

恵美は丸太のような大きな指で智也をつまみ上げる。
恵美は小さな智也を顔に近づけ、鼻で笑う。

恵美「お前チビだね! こんなに小さい人間なんて存在価値があるのかしら? さっきだってあたしに踏み潰されそうになったんだよ?」

じたばたする智也を恵美の親指と人差し指で軽く抑え込む。
むしろ、二本の指で人をひねり潰そうと力を入れている。

恵美「見た目は高校生くらいかな? なんで女子更衣室に潜入しているのかな?」
智也「待ってくれ恵美! 俺は智也だ! 助けてくれ!!!」
恵美「智也? 誰それ?」
智也「はぁ? 同級生だよ! 同じクラスの……」
恵美「あたしのクラスにそんな男子はいない! お仕置きが必要みたいね!」

恵美は息を吹きかけ、智也はゴミクズのように床に落下する。
背中を激しく強打した智也の真上には赤みを帯びた巨大な足裏が君臨する。
その素足は勢いよく智也に接近する。

どすぅぅぅぅぅん!!!


恵美は智也の右腕を踏み潰した。
激痛で嘆く智也を見下ろし、恵美は高笑いする。

恵美「バッカみたい! あたしが床を踏んだだけで赤ちゃんみたいに泣き叫ぶなんて惨め~」

恵美が飛び跳ねることで発生する地震に智也は生きている心地がしなかった。

恵美「ほら! 沙織もこの生意気なこびとを踏んづけてみなよ! 快感だから!」
沙織「う、うん……」

沙織は恐る恐る智也に素足を覆いかぶせる。
足の裏で何かを感じたようで頬を赤く染める。
智也は圧倒的な大きさを誇る沙織の素足に全く抵抗できずにいる。
ほのかに香る足の臭いは酸っぱく、香ばしい香りが漂う。
強烈な臭いであるのだが、クセになる臭いで智也は咳き込みながらも臭いを嗅いでいる。
軽く汗をかいているのか足の裏が湿っており、沙織の体温を感じることもできる。
さらに全身にのしかかる重さが身も心も支配する。

恵美「ほら! もっと力を入れなさいよ!」
沙織「え? こうかな~。 うわっ! ボキボキっていったよ!」
恵美「アハハハハ! そのまま殺しちゃえ!」
沙織「こびとを殺しても罪にはならないよね。だったらもう少し力を入れて……」

骨が砕け、体が潰れていく。
智也は必死に沙織の素足を持ち上げようとするもびくともせず、徐々に全身が押しつぶされていく。
意識が遠のき、女子高生の素足の下で人生を終えるのかと嘆いていると沙織の素足は持ち上がる。

恵美「思いついたんだけどただ殺すんじゃなくてこうしない?」

恵美は沙織の素足の親指の付け根に智也ごとセロテープを貼った。
セロテープの粘着力で智也は手も足も動かせない。

恵美「このままソックスを履いて家に帰ろうよ」
沙織「えぇ~! だってこの靴下3日も洗ってないから臭いのよ~」
恵美「ウケる~。家に着く前に激臭で気絶しちゃうかもね!」
沙織「激臭とか言わないでよ~」

沙織は3日も洗っていない紺のソックスを履いた。
むわぁとする熱気と鼻にツンとくる強烈な臭いに智也は絶叫する。

沙織「きゃ! 悲鳴を上げないでよこびと~!」

恥ずかしそうな表情を浮かべ、思い切り足を床に踏みつける。

ぶちっ……


沙織「あっ……。潰しちゃったかも……」
恵美「あっけな~い! マジこびとって弱っちいね!」
沙織「でも原型は残っているみたい。足の指で感触を味わえるから」
恵美「じゃあそのまま家に帰ろうよ! 家に着いたらこびとの状況をメールで教えて!」
沙織「わかった! じゃぁまたあしたね!」

制服に着替えた沙織と恵美は下校した。
沙織の靴下に閉じ込められた智也がどうなったのかは沙織しか知らない。



(終)