「私たちが何なのよ。えぇぇぇ?」

麗奈の銀色のパンプスの周りは広司が乗った以外の車が吹き飛んでいた。
左足にある麗奈のパンプスにぶつかり爆破ししている車も見受けられる。
右足の奥からはゾクゾクが感じられる。
目は眉は吊り上がっており、かなりご立腹のようだ。

そこで聳える金のパンプスの持ち主の絵里奈は、王宮の建物を左足で踏みつけて破壊している。
右足はその大きな王宮内の通路に収まり、周囲を威喝するように聳えている。
ドンドンと右足ヒールを叩きつけていた。
あのドンドンは危険だ、彼女がイライラしている証拠なのだ。
腰に手を当て、麗奈のパンプスの方をにらんでいる。

「何か言いなさいよ!この虫けら共が!」
麗奈はもう息をしていない小人に向かってまた叫んでいた。
「麗奈ちゃん、もう死んでるわよ。」
アハハと笑いながら言う絵里奈の声が区画を震わせる。
そしてあのゾクゾクが増してくるのだった。

そのまましゃがみこんだ二人はなにやら指で遊んでいる。
私はこのゾクゾクがもっと欲しくなる。
「私は向こうの方行ってきて。いいかねぇ。」
「蒼ねぇさん。楽しんできてね!」
そう了解を貰うと光る平原へ向かっていく。
絵里奈は集中しているのかその青い眼を光らせながら、指で足元の建物を破壊していた。

ドン!ドン!ドン!街を揺らしながら道なんて関係なく突き進む。
ヒールの高さも無いビルが、高速道路が高架線が私のサンダルの下に消えていく。
足を進める度に、存在の消滅とゾクゾクが広範囲に沸いて来る。
"さぁ、私にもっと恐怖するのよ"何も考えずに一色線に進んでいく。

途中覚えている気配を感じる。ちょっと気に成ってその場所に近づいてみる。
近くに周りより二回り高いあのホテルが見えた。
サンダルを街に叩きつけ、しゃがみこんでその存在の方を見てみる。
しゃがみこんだ瞬間にゾクゾクが倍に成って帰ってくる。
このまま腰を下ろそうかと思ったが存在が気になる。

その交差点は私の振動でビルがひび割れ、一棟は倒壊してしまっているようだ。
道を完全にふさいている。
道路はひび割れ、めくりあがり、あっちこっちに向いた自動車がそこら中に見える。
群衆の中にあのカフェのウェイターの子が居た。服や顔は詳しく見えないが気配だけで分かる。
時間的にもう帰っているはずなのだが、流れに逆らいホテルの方へ向かっている。
何か助けてやりたくなる。
ホテルと逆側のビルに手を近づけると、そのまま押し倒す。
ドン!と爪が触れた瞬間、そのビルは壊れてしまった。群衆の流れが変わる。
ホテル方面に流れ出す群衆。
その時ウェイターと目があった。怯える彼、その感情が伝わってくる。
絵里奈に侵攻を受けた事を思い出す。あの光る眼は見えている物を全て恐怖で固まらせていた。
自分の目も今そんな風に光っている気がする。
"ホテルに向かうんだろぉ?いけばいいさ。"
彼に念話を飛ばすと、戸惑ったような仕草をした後、群衆をかき分け移動しだした。
彼の周辺の群衆は皆動けないようでそこだけ流れが止まっている。
ペットの様な彼の前を邪魔をする群衆共をどうにかしたい。
街を踏みつけている右足のつま先を少し振ると、周りのビルが簡単につぶれる。
少し空き地ができた。
「右足がねぇ、汚れてたのさ。あんたら少し綺麗にしてくれなかぃ?」
ドン。右足のヒールを少し上げて叩きつけ脅してやる。
「できない奴は解ってんだろうねぇ?」
ドン。もう一回ヒールを打ち付けてやる。
ウェイター君もコケていた。
ゾクゾクがまた増してくる。少し濡れてくるがここで解放するペットが死んでしまう。
「さっさとしてくれないかねぇ。つかれてきちまうのさ。」
少し怒気を込めて小人共に言うと流れ群衆が右足の方に集まり始めた。
ペットもなぜか向かってくる。
"あんたドジだねぇ、あんなはホテルにいくんだろぉ?"
そう言うと逃げる小人と右足に集まる小人で混雑する道をホテルの方へ進み始めるペット。
右足ではソールに挑戦する小人が現れはじめていた。
すこしそのままでは面白くない。足の指先を動かしてやる。
少し低層の雑居ビルの中にある右足。周りの建物は親指の高さもない。
怯える群衆。あぁゾクゾクが増してくる。
「何とまってんだねぇ、潰されたいのかねぇ。」
ドン!左足のヒールを打ち付ける。
再び動き出す足元の虫共。
右足の指は動かしたままだ。
「まだかねぇ。」
左足のヒールをドン。ドン。と何回も叩きつける。
焦りとゾクゾクの感覚が増してくる。
そうしている内に、ホテルの際まで行ったウェイター君を見て立ち上がる。
私のサンダル以外全部ゴミに見える。
右足を振り上げ、集まった群衆を踏みつぶす。
ドン!ドン!ドン!ドン!ズシャズシャズシャ!
踏みにじってやる。
「つかえないねぇ、絶滅したいのかねぇ。」
そう言うとケラケラ笑ってしまうのだった、
その周辺はグチャグチャに成った赤茶げた地面が見えるだけの場所に成った。

なんか良い事をした気分の私。
でも中途半端にゾクゾクが続いている。もっと欲しい。
そのまま見えている山の方に歩いていく。
こっちは失敗だったかもしれない、存在が少ない。
またにあるヒールの高さのマンションを蹴り壊したり、微妙に小人が集まっている駅を踏みつぶしているが先ほどのような多くのゾクゾクを感じられない。
ふいに上空に存在を感じた。

山の上からだろうか、離陸した戦闘機がこちらに向かって何十機と飛んでいる、
手の届かない奴ら、このまま大きくなってやっても良いが、まだ満足していない。
麗奈から教えてもらった方法で駆除する事にする。
手からあの力を出す。それだけで上空で先頭を飛んでいた戦闘機は10機ほど無くなってしまった。覆っていた雲まで消える。
まだ何十と居る。チマチマやるのは嫌いだ。
剣道の上段の構えをする。長年やってきた動作で自然と脚が開く。
左足は地面を陥没させズブズブ言っている。
木刀を思い浮かべ、力をその形にする。
距離が遠いがあの巨木に打ち込んでいたように、山頂の空港を目指して振りかぶる。
右足が地面を爆発させている。
"蒼、強い!”
スッ!
絵里奈からの声が飛んできたが止まらなかった。
ダァァァン!地面まで食い込む力、飛び散る山。戦闘機はその衝撃で消えていた。
覆っていた雲がどこかに消え去り3個の月が地面を照らす。
山だった場所は谷に変わっていた。
"蒼、強すぎよ”
再度笑った声を飛ばしてくる絵里奈。
"すまないねぇ、力加減がわからくてさぁ"
"空引き裂いちゃってるよ、蒼ねぇ。"
笑った声を麗奈も飛ばしてくる。
右足はクレータを作り、左足はすり足でその地面をむき出しにさせていた。

気付くとその周辺の山から黄色いレーザーが脚に向けて飛んできている。
網タイツに消えていくあのレーザーに同じことをやろうと、気持ちが跳ねだした。

ドォン!ドォン!壊滅した街を山の方に進む。さっきの衝撃のせいか進路にあまり小人は居ない。
少しもったいなく感じる。
その荒野にチカチカした光が見えた。
その軍隊は無謀にも私開けたその場所で展開している。
戦車が20台ほどだろうか、小さい兵士の気配も感じる。
何か怒っているようだ。
その攻撃も網タイツに消え何も感じない。これから山に足をぶっさしてあの時の再現をするのだ。
邪魔でしかない。
無視して進んでいく10歩ほど近づくと、怒りが恐怖に変わってくる。ゾクゾクが集まってくる。
少し興味が沸く。
近づくたびその恐怖は増えてくる。あぁ、もっと欲しい。
あと一歩の距離で歩みを止める。その一歩の衝撃で戦車の半分以上は攻撃をやめていた。
「なんだねぇ、じゃまだねぇ。」
わざと見下ろして言ってやる。足幅にも及ばないその部隊は怯えて狂ったように発砲してくる。
「効かないねぇ、虫らしく逃げてればいいのさ。」
部隊の真ん中に右足を踏み入れる。
ドォン!それだけで部隊は潰され飛んでいき、壊滅してしまった。
アハハハ!思わず笑ってしまう。再び股間が熱くなってきた。山の方からの砲撃が一層激しくなる。
"次はあんらだからね"とふとももに垂れる感覚を感じながら、そこへ近づく。
スネ当たりにあるそのレーザー基地ずっとスネの網タイツを攻撃し続ける。
思わず口元が吊り上がる。
底に向かって、サンダルをゆっくり沈めていく。ゾクゾクが止まらない。
靴底に何かを感じたがまだだ、そのまま山へ向かって足を沈めていく。
ズブズブズブ、その山胸元ぐらいの山がサーっと土砂崩れを起こし他の基地が巻き込まれる。
まるで砂山の様なそれはかなり脆かった。
「アハハハハ!感じもしないねぇ」
聞いている奴が居るのかもわからないが言ってやる。股間が熱い。
足を引き抜くとそこには私のサンダルの形をした面と、深い深いヒールの穴が存在していた。
少し満足した私はあの日を思い出す。
あの後青い眼が空を覆ったのだ。
胸元のオパールを思い出す。大きな胸の胸元をまさぐる。少し起った乳首がずれて気持ちいい。
しかし、何故か無かった。焦る。
出現させようとしたが、出現したそれは別物のような気がする。
ホテルで着替えたあの時だ。
広司に部屋まで取ってきてもらおう。
"広司すまないねぇ、大事なネックレスをホテルの部屋に落としたみたいでさぁ、転移させるからとってきてくれないかぃ?”
”いいよ。蒼。いいよね絵里奈?"
”ええこっちはやっとくわ、蒼の大事な物ちゃんと取ってくるのよ広司。"
"へいへい、お姫様"
そう言うと、今まで私が歩いて来た町を見る。
踏みつけた所は黒く光が消えているがその周辺で火事だろうか赤く燃えている所が沢山ある。
その先にここからでも見えるホテルがあった。その奥にまだあの二人はしゃがみこんで何かしている。
"すまないねぇ、私も取りに行くからさぁ"
ヒロから貰った大事なネックレス先にそれを回収しに行くのだ。
広司をホテルの前に飛ばした。


ホテルの前に飛ばされた広司、王宮で貴族どもを震え上がらせている空間から抜け出した。
前来た雰囲気と異なるホテルは車寄せの地面が割れ、3階ぐらいに車が突っ込んでいた。
幸い建物自体はまだ建っている。当然のように居ないドアマンに寂しさを感じながら、ロビーの中に入っていた。
なにやらフロントで揉めている。
「3012とその両隣のカギを渡せ!」兵士が銃口を突きつけフロントに言っている。
「当ホテルは、協会加盟のホテルでございます。例え国王様であってもお泊りのある客室は空けることができません。」
白髪のフロントマンが手を前に揃えながら、抵抗していた。他の従業員が隅で怯えて見守っている、
「えぇぇい打ち殺すぞ!殺してから奪えばこちらは良いんだからな!」
他の兵士も他の従業員に向け銃口を向ける。
フロントマンが片目を開け、こちらをじっと見てくる。
"どうぞ"の恰好をする広司。
「私も命が欲しいので致し方ありません。」
そう言うと後ろに並ぶ小さな金庫のダイヤルを回しだすフロントマン。
3個のカギを差し出すと兵士は奪うように取る。
「最初からそうしていればいい物を!」
部下だろうか、そいつらに手で合図をすると全員でエレベーターへ向かって行った。
「広司様ご無事でしたか。申し訳ありませんあのような自体になり・・・」
「気にするな、よく顔と名前覚えてたな。」
「広司様ご一行は有名ですので・・・」
周りの従業員が苦笑いしている。
カフェから私服の若い男が走ってくる。途中でコケていた。
「蒼様がホテルに行けって話しかけてくれたんです!」
顔を食い気味にこちらに向けてくる男。
「彼はカフェのウェイターです。」
言われて気付くよくコケる男だ。
「蒼様の振動で何回もこけそうに成りました。」
冗談なのか本気なのかそんな事を言ってくるウェイター。
中からゾロゾロ出てくる従業員。あのドアマンも居る。
「して、どうして戻られたのですか?他のお客様は全員お逃げに成られましたよ」
何をしに来たか思い出した広司、エレベーターを見ると30階で止まっていた。
「蒼の忘れ物を取りに来たんだ、大事なネックレスだって。誰か持ってないか。」
「お泊りですので、部屋の中かと・・」
「私掃除の時に見ました。分かりやすいように右の壁に掛けておきましたよ」
掃除係だろうか、若い女性が伝えてくる。
「はて、困りましたな、彼らの目的がそれでなければいいのですがね。」
「そうだな、しかしどうするか。」
言っている間にエレベーターが下がってくる。
ウェイターの男が突然走り出した。
必死に走った後、下の方にある緊急停止ボタンを力いっぱい押す。
"ブーーー”という音と共にエレベーターが止まった。
彼の手は血が滲んでいる。
「捕らえましたな。」少しにっこりした白髪のフロントマンはそのままマスタキーを渡してくる。
「一番左のエレベーターを再開なさい。」
そう別のフロントマンに伝えると、右のエレベーターだけ階層を表すボタンが付くのだった。
エレベーターに乗り込みウェイターと一緒に部屋を目指す。
扉が開くと、そこには誰も居なかった。
すぐ3011と書かれた部屋に入る。中は荒らされベッドが散らかっている。
右の壁掛けを見たが、そこには何も無かった。落ちていないかウェイターが探すが無い。
「どうしましょうか・・。」泣きそうな顔で言うウェイター。
「蒼に自分で取り返してもらおう。」と連絡をとるのだった。

"蒼ちょっとまずい事に成った。"声が聞こえてくる。
しゃがんでいた麗奈がさっと立ち上がって、こちらを遠くから見てくる。赤い光がよく見える。
今エレベーターに捉えている兵士がネックレスを盗んだ事を聞く。
"蒼私たち行こうか?"
"すまないねぇ、私がいってくるさ"
"蒼ねぇ頑張ってね!”
"広司もすまないねぇ"
"待ってるよ。蒼"
麗奈は話が終わるとパンプスを地面に叩きつけ、砂煙を立たせると、またしゃがんで向こうを向いた。
イライラが急に込み上げてくる。普通に歩いていたが、少し足音が自然と大きくなる。"こいつ等は解っていない。教えてやらねば"とホテルへ足を進めた。
その紫の目は暗く光っていた。

ドォォン!ドォォン!と大きくなる振動と音、蒼が近くに来たようだ。
従業員は皆震えている。
あの40階のウェイターとフロントマンだけがカフェでお茶をしていた。
ズゴォォォォ、ダァァァァン!という音と共に、外が砂煙に覆われる。煙が吹き止むと街にあの胸が君臨していた。
彼女がうつ伏せでこちらを見ているのだ。

「待たせたねぇ。出てくれるかい?壊しちまうかもしれないさ。」

爆音が聞こえてくる。ロビーの扉がビリビリと震えている。
声に従い外に出る。
ひっくり返った車がロビーに突きささり、道路までの道にも車が転がっている。
彼らの乗ってきた装甲車が横転し道をふさいでいた。

「あぁ、じゃまかねぇそれ」

また爆音が響くと、ドォォン!と着地する青いネイルをした指。その車を押しつぶしながら道路をめくりあげていた。
ついでに向こう側にある倒壊しかかったビルも巻き込む指。そして地上に帰っていく。
その作り上げた溝を皆で歩いていく。

「いっぱい居るんだねぇ。」

ケラケラ笑いながらこちらを見てくる紫の光った目が見えた。
道路の両端のビルと倒壊させながら降りてくるその白い手ドォォン!メリメリメリ。
地面に埋めりこむ手。

「乗るんだねぇ。」

周囲が彼女の心臓の音でわずかに揺れていた。
ホテルの従業員と爪に乗りこむ。あの二人以外震えている。

「怖がるこたぁ無いのさ。」

優しい眼でこちらを見ているが、やはり彼らの震えは止まらない。
白髪の二人とウェイター男、掃除の彼女とドアマンを乗せた爪がGを受け上がっていく。
白いモヤモヤが彼らを含め広がっていった。

「ありがとうねぇ、あんたらも協力してくれたんだろ?」
そう言うと白髪のフロント男が物応じせず答える。
「蒼様の為ですので。」
それだけ言うとすっと後ろに下がる。

「良い男だねぇ、食っちまいたいのさ。」
にやぁぁと白い歯を見せる蒼。
他の従業員が余計震える。
若いウェイターの手からポトポトと垂れる血。
「蒼、彼の手治せるか?」

「怪我してるのかねぇ、そういうのは先に言うんだねぇ。」
青い光が彼を包むと、その出血は終わった。

「逃げる前にやっちまうのさ。」
そういうと。離れたビルの屋上に俺達を転がす蒼。
ドォォォォ!と円状に周りのビルを指で押しのける。
屋上施設が出口を含め、全て圧縮されて潰されていた。

白い綺麗な手が、ホテルの横のビルを押し倒す。
ダァァァン!ダァァァン!ダァァァン!
そのまま横3棟を倒壊させる手。
ダァァァン!ダァァァン!ダァァァン!
逆側も同じように押し倒す。
周りからポツンと取り残されたホテルがそこにはあった。
先ほど乗っていた青い爪がホテルの外壁ごとエレベーターをそぎ取る。
ザァァァァ!
客室の見えたホテルがまだ建っていた。
手をクネクネさせて目の前に持ってくる蒼。

「私のネックレス帰してくれるかねぇ。」
そういうと後ろの方で脚が地面を叩く。
ダァァァァン!街が震える。

もう片方の手が突然開き、街に打ち付けられる。
ダァァン!振動がこの遠くのビルまで伝わる。
ホテルが倒壊する。

「五月蠅いねぇ、ちたぁ黙ってな。」
かなりお怒りの様な蒼。先ほどのさやしい目はきつい目に戻っていた。
指を街を叩き潰した手をそのまま兵士達が乗っているであろう所へ持って行く。

「だしな。」
背筋の凍る声が街を凍らす、先ほどまで悲鳴を上げながら逃げまどっていた人達の声が止まる。
指を手の平に押し付けた。

上がっていく指に小さな紫の輝きが見えた。
突然輝きが見えるとデコピンの手をする。
そのデコピンを兵士に向けて放つ。
ブゥン!ブゥン!と周囲をその音だけが支配する。

"絵里奈、良いかねぇ人増えても"
"解ってるわよ蒼、広司だけもう一回貰うわ"
"わかったよ。ありがとさ。広司もありがとうなぁ。"

またあの王宮に戻ってきた。


ネックレスを取り返し、兵士も始末した私。
空間の奥にネックレスをしまっておく。
感情が全て怒りに変わって、ゾクゾクはどこかへ行ってしまった。
試しに、左足を打ち付けてみる。
ダン!またゾクゾクがぶり返してくる。こいつ等に教えてやらねば。
そのままゴロゴロと横に転がってみた。
地面がふかふかして気持ちい。ゾクゾクも結構集まってくる。
ふいに目の前にあのバザールが来た。避難場所なのか人が蠢いている。
思わず顔がにやけた。

周りの町を引き潰しながら体制を変える。
座り込み、足を前に突き出し、そのまま落とす。
ダァン!ダァン!
脚の周辺は吹き飛んでバザール揺れていたが無事だ。
脚で囲う形に成る。終点の方は私がさっき踏んだのか足跡がくっきり残っていた。
その段差を超えられない小人共はそこで溜まっている。
先ほどまで疼いていた股間が恋しい。
体に付いたゴミを払うと、そのバザールに相手をしてもらう事にした。
「あんた達、もっと怖がるがいいさ。」
そう股下に声を掛けるとゾクゾクが集まってくる。また気持ちよくなる。
指三本ほどの道にこれでもかと人が蠢いている。
そこに指を3本道の幅でえぐり取る。
パラパラと落ちる小人も居るが些細な事だ。
そこから物凄いゾクゾクを感じる。股間が熱くなる。
その指を股間に当てがって、すり潰してやる。ヌチャ!ズリィ!
電撃が体を駆け巡る。ショーツとタイツ越しだがそのままでも逝けそうだ。
まだまだあるその蠢きを次々に抉り取って擦り付けていく。
「あぁぁ、良いねぇ。」
思わず声が出る。
手が届かなくなるとズリながら前進していく。周囲の商店が網タイツに巻き込まれ潰れていく。
「ア゛アァァァ」ゾクゾクが私が動くたび集まってくる。
それを何回も続ける。
「良いねぇ、もっと欲しいねぇ。」
意味もなく周辺の町を手でたたき潰す。
ダァン!
「そうだよ、怖いだろぉ?」
ズリズリと群衆を擦り付ける。
「ア゛ァァァァ。」
息が荒くなってきた。まだ半分以上残っている。
気持ちいい意識の中、股間の根元にピンクの店が見えた。
知った気配がする。
「ここであんたかねぇ、フゥゥ」
少し落ち着かせるが、抉り取って掬うのはやめられない。
意識を少しピンクの店に向けると、あの店主が何かを振って股間に話している。
"お釣り返しますから、怒らないでください~"
「怒ってるわけじゃないんだねぇ。ウ゛ゥゥン。」
早く快感に飲まれたい。
めんどくさくなって店と店主を船に飛ばした。
店のあった場所を股がずっていく。
「怒ってるかもねぇ。フフフ、ッン」
快感が押し寄せてくる。どうでも良くなってきた。
道幅なんて私にはどうでも良いんだと手をごっそり地面にのめり込ませ、そのまま股にこすりつける。
パチィン!ズリズリ!
「ア゛ァァッァァ」町が震え小人が怯える。
「ア゛これ良いねぇ、いいよぉゴミどもぉ。」
そう言って、股に池ができた。

あと少しで消耗する所だった。
まだ小人は残っている。疼く股間に刺激が欲しい。
乱暴に足をその溜まっている小人の群れに投げ出す。
ダァァン!半分ぐらい飛んでいく。スネと太ももで周辺の町は滅茶苦茶だ。
小人に右足のサンダルの足裏を見せる形に成る。
「そこ昇り切ったら助けてやるよぉ?」
顔が自然とニヤニヤする。だが怯えている小人は昇ってこない。
伸ばした左足をそのまま足裏の方に少しづつ、ずっていく。
ズズズズ・・・。全てを巻き込む太ももを見て小人が昇り始めた。
「そうさぁ、それしか助からないんだからさぁ。」
空いている指で股間と乳首を刺激する。
「ンンゥ、早くしないと死んじゃうねェ。」
こいつらを焦らせる。
クチャクチャという音と、太ももが擦る音の中に小人の悲鳴が聞こえてくる。
「良いように鳴くじゃないかぁ。もっと鳴きくのさぁ。」
指と股間の動きが激しくなる。
太もものスピードを調整できない。
まだ足の半分も行かない小人にいじわるをする。
「右足がかゆいねぇ。フフフ」
濡れている手で右足を掻くと、サンダルが揺れる、
キーキー言いながら落とされていく小人達。
「あぁ、ごめんねぇ、え゛ぇぇぇ」
またどうでも良くなる感覚が襲ってくる。
まだ地面に居る小人を手で掬う。
そして股にぶつける。
パチィン!ズリズリ。
「ア゛アァァァァァ!」二回目の絶頂だった。
太ももは右足のサンダルにぴったり付いている。
私の足を踏破できるのは彼だけのようだ。
避難場所にはたくさんの人が居る事がわかった蒼。

避難場所であるショッピングセンターを目指す。
疼く体を鞭打って、街を歩く。足元でどうでもいい物が吹き飛んでいる。
軍隊だろうか何か打ってきているが何も感じない。うざったい。
思いっきり足を振り上げて踏みつけるとクレーターが出来る。
だがそれだけでは満足できない。少しずらしたパンストとショーツの中に指を突っ込みながら歩いていると、
あのショッピングセンターが見えて来た。
中に沢山の存在を感じる。外が見えていないのかゾクゾクは薄い。
小手調べに横にある駐車場を巻き込んで足を降ろしてみる。ゆっくりだ。
ドン!土煙を上げるサンダル。そのヒールにも満たないショッピングセンター。紙のお菓子箱だと思った。
横に足を降ろしただけでゾクゾクが数倍に跳ね上がる。
「この建物は固いねぇ、ン、ンン」
自分の指が激しく性器を攻める。
ヒールだけ持ち上げ、そこに突き刺す。
ドン!数倍に跳ね上がるゾクゾク。あぁたまらない。
そのまま何回も突き刺す。ドン!ドン!ドン!
「嘘だねぇ、さっさと逃げないと全滅だねぇ。ア゛アアァァ」
涎が垂れて開けた穴に入った。
またゾクゾクが何倍にも膨れ上がる。
「あぁぁいいねぇ、もっと怯えておくれよ。」
つづけさまにヒールを突き刺す。
ズンズンズンズンズン!小人の感情が私を満たす。
ズンズンズンズンズン!ぼーっとしてくる。気持ちいい。
ズンズンズンズンズン!
「ア゛あぁぁぁぁっぁ。」
ダァァァァァァァン
そのまま倒れ込んだ。私の元気な性器からはビュービューと愛液が飛んでいく。
気持ちよかった。あれも役に成ったと立ち上がり、その穴ぼこだらけのベタベタの愛液の箱を思い切り踏みつぶす。
ダァァァン!
「なんか、文句あるかねぇ」
誰も居ないお菓子の箱からは当然なにも返事が無かった。

「蒼~かえりましょうかぁぁ!」
絵里香がこちらに叫んでいる。気付けば太陽が上がっていた。
そこら中にある私の足跡とグチャグチャに成った町。
絵里香とレムの周りは、更地に変わっていた。
「お風呂でも入るかねぇ。」
ベタベタの網タイツが不快だった。