男性の皆さんは知っているだろうか。
職場、学校、ショッピングモールや銭湯などの商業施設。
その全てについているものがある。

それはトイレだ。

どんな人でも必ずやってくる尿意や便意。
外見がどんなに綺麗でお淑やかで、上品で清潔感があったとしても
その人も個室に入って用を足している。

身につけている布を脱ぎ、腰を下ろして股間から不要物を排出する。
体内に溜め込んだその水は、体内を巡りろ過され、養分を吸収され
余分な水分だけが身体の毒と一緒に
黄色く濁った水となり、きついアンモニアの臭いを放ちながら彼女達の身体から排出されるのだ。

これはいわば自然の摂理で止めようがないもの。
だがそれは彼女たちからしてみれば、間違いなく恥ずかしい一つの行為なのだ。

できれば誰にも悟られず、知られず、トイレに入った事さえもバレたくない秘密である。
それゆえ女性達は限界まで我慢し、己の膀胱に無理をさせる。
隣にいる男性、彼氏、女友達、はたまた全く知らない人にも悟らせない。

そんな涙ぐましい努力を女性達はしている。
だが、それゆえに…いや、むしろだからこそ
女性の股間は綺麗ではなく、男性よりも不潔なものなのかもしれない。

ここで冒頭に戻る。
皆さんは知っているだろうか。
女性トイレにはあるものが置いてある。

不特定多数の女性が使用するところは別として
特定多数のトイレではポーチが置いてあるのだ。

学校で言えば女性教師のトイレ、
プールで言えば一般に開放していない、職員用のトイレ。

そこを特定多数のものが使用している場合、ほぼ100パーセントの確率で
トイレのちょっとした台や、洗面台の下には多数のポーチが置かれている。

そのポーチは女性が見られたくないものの一つ。
おわかりだろうか。それは股間を覆う、ナプキンが詰まったポーチだ。

トイレに行くたびに、ポーチを持参していくところを男性職員に見られたくない。
そんな思いを形にしたのがポーチを置きっぱなしにするということ。
いつ生理がきても、自分のポーチがトイレにあれば何の問題もない。
更にポーチ持ってトイレに入る姿を目撃される事もなくなる。

一石二鳥どころか得しかないのだ。
そして強者はそのポーチの中に換えのパンツすらも入れていたりする。

だが、そんな事をしなくても良い時代がやってきていた。
まさしく今忙しそうに働く彼女が早く休憩時間にならないかと太ももを擦り合わせて待っていた。

朝から人の列がやまず、延々と案内を続けている。
さほど難しくないこの仕事はこれといったストレスはなかった。

強いて言うのであれば、常に笑顔を保ち美しくいること。それが意外と難しい。
清潔感をもって良い香りを振りまき、まるで花の様にお客を魅了する。
身体や衣服の匂いだけではない。人と対面するわけだから口臭にも気を遣う。

指の動作、髪のツヤ、肌の化粧ののり具合。バスト、ウエスト、ヒップ。
一流企業ともなれば外見だけではなく、中身まで綺麗な女性が集まるものだ。

そしてそれはお客だけに振りまくものではなく、当然他の男性社員も魅了しなければならない。
いつ誰が出世して、いつ食事に誘われるのか分かったものではない。

夜の情事に備えてアンダーヘアは整え、肌は毛一つなくスベスベに保っている。
今日も美里は完璧だった。
一つを除いては。

「美里ちゃん…行っていいんだよ?」
同じ受付に座る恵那が心配そうに聞いてくる。
「恵那…いつも言ってるでしょ?私たちは儚い命なのよ。
美しい時間なんて決まってるの。その間にどうにかこうにか旦那をゲットして
家族を作る。その為には少しお腹が痛くたって膀胱が破裂しそうでも
裏に引っ込んでも不思議に思われない休憩時間まで耐えるべきなのよ」

美里はひきつるような笑顔を作り、脇に冷や汗を流しながらなんとか貧乏ゆすりを抑えていた。
あと10分…あと8分…5分…

今か今かと待ち構えやっと12時になったのを確認する。
だがぴったり12時になんて行かない。行くわけがない。
あたかも余裕があるかのように机の物を片付ける。

業者出入管理簿、面会予定表、他の筆記用具類。
たいして数はない。
だがそれでもその時間は非常に辛く太ももを固く結びたいのを堪え
椅子から立ち上がりトイレへ続く職員扉へ向かった。

「すいませんっ」
「は、ひゃいっ!」
時間外の客だった。
あっ…

急に声を掛けられ驚き、油断していた美里は身体に入れていた力の感覚がズレ
漏らしてしまう。
だが、瞬時に股間にクッ、と力を入れてその漏れを止めた。

「すいません…面会したいんだけど」
営業マンが言葉を続けた。
股間に意識を集中させながら対応する。
少し濡れた程度だろう。今日は朝からおりものが膣内から出ていてあまり気にならない。

ショーツの多少の濡れは女にとって我慢するもの。
多少の気持ち悪さはあるものの、ショーツなんて一番最後に気を遣うところだ。
デートの予定ならまだしも勤務時間に見られることなんてない。

頭の中は既にトイレのことだけ。さっさと美里はお客を案内してトイレへ向かった。

一方マサは恐怖に震えていた。
先ほどから代わる代わる巨大な女がやってきては便座に座り、用をたす。
皆同じ制服を着て、まるでモデルのように綺麗な女性ばかりだった。

だが自分には綺麗かどうかなんて問題ではない。
めちゃくちゃなブスでも優しくて思いやりのある子がいいのだ。
それ以外の女とは一切関わりなんて持ちたくなかった。

それなのに、またもや自分はこんな危険な場所にいた。
女子トイレの個室に素っ裸で縛り上げられている。

正座のような格好で手は後ろ足と一緒に縛られ、地面から出た金具に固定されている。
要はここから動くことはできない。
隣にあるのは使い終えた生理用品を捨てる箱。
汚物箱とでも呼ぶのか。
彼と一緒の大きさで、自分は人ではないかのように扱われる。

名称は分からなかったが、何度もそこに女達の臭い匂い、味を凝縮したものが捨てられた。

トイレの個室は洗面器も一体になっているもので
入ってきて彼女達はまず洗面台の鏡とにらめっこする。
髪、メイクが崩れていないか。変なテカリはないかと入念に
身体や服装をチェックした。

そして足元にいる自分には一切目を向けずスカートのファスナーを降ろす。
すると露わになる彼女達の美脚。
すらっと光沢を放つ、カモシカのような脚は付け根まで美しかった。

ヒールまで情けなくスカートは落ち、その美脚と腰の間に掛かる布に手をやると
スルスルとその布は膝まで下がった。
どかっと腰を便座に打ちおろし、股を開く。
なんて下品な座り方だろうか。
女としての品位はこの頃には全く感じられないものとなっていた。

彼女はショーツに手をやった。そしてすぐその後に音がする。
「ビリビリビリ」
ショーツから何かが剥がされる音。
ナプキンだった。

彼女達のマンコに直接当たるクロッチの部分にあてがわれたナプキンは
何時間彼女に奉仕していたのだろうか。
赤く汚れて、汚物にまみれ、クルクルとまかれ、労いの言葉一つなくゴミと化した。

ショーツを片付けるのと同時に放水し、数十秒間水面を打ち付ける
激しい音の後突如終わりを迎える。
「ぽたっ、ぽたっ」
垂れる水音、香ってくるションベンの匂い、細かい汚水の霧。

満足そうな表情でこの部屋本来の目的を果たした。
ガラガラガラ、ビッ、トイレットペーパーが彼女の長い指に添えられ、股間に挿入される。
あるものは後ろから腰を浮かして、股間を掃除し。
あるものは股を更に開いて、股間をペーパーで優しくて撫でた。

それが終わると彼女は立ち上がる。
スカートは足首に、ショーツは膝に。
そんな恥ずかしい状態にも関わらず、自分の前に仁王立ちする。

下から見上げる自分。
仁王立ちで見下す、巨大な女。
足元にぽつんと置かれているのが分かる。
彼女はヒールを履いたその足をスッと持ち上げた。

ヒールの裏についた細かなゴミがパラパラと自分に降り注ぐ。
その奥には無表情の彼女の顔が。
あぁ、踏まれる…
だが、踏まれたのは横の彼。
汚物箱君だ。

スイッチを踏むとパカっと口が開く従順な彼。
そしてにこやかに彼女の股間に張り付いていた異臭を放つゴミを
大きな口で受け入れた。
上空で彼女の手から落とされたナプキンは
赤黒く変色し、役割を終えて棺桶に入っていった。

ガクガクと震える。
汚物箱君として使われていないことに驚きを隠せない。
自分の股間は今汚物箱君のスイッチにあたる場所にべたっと床に張り付いている。

綺麗な女性の汚い行為にはもちろん股間は動かない。
むしろ恐怖、嫌悪感によって小さくすらなっているかもしれない。

女性はナプキンが汚物箱に入った瞬間、スイッチから足を話して密閉した。
そして自分に背中を向けて便座の壁にある棚のようなものにてをかける。
するとそこにはポーチがあった。

花柄、ゼブラ柄、赤、黄、青、チャックの付いたもの、紐で閉じるものと
様々な形の中から自分の物を取り出す。
ジィー
っとチャックを開ける音がして中から小さなペラペラのナプキンを取り出した。

そして外側の紙を雑に開けて、本体を取り出す。
紙はぐちゃぐちゃっと無造作に握りつぶされた。

そしてまたこちらを向く。
スカートが足首にある状態でよくも器用に動けるものだと感心していると
また足が上がる。

次は自分なのか?
彼女は足を上げた。
が、様子がおかしい。なんとよろめいていた。
壁に手を突き身体を支えながら中途半端に上げた足を振り下ろした。

その足は自分を掠め、勢いよく地面を踏みつける。
「だんっ!」
ビリビリビリと地面から身体に伝わる振動。
ちんこの横に足が振り下ろされていた。

恐怖により一粒の涙が流れる。
危うくぺちゃんこになりかけた自分の股間。
それを気にもせず汚物箱君のスイッチを踏みつける女のヒール。

ぶるぶるっと震えて、彼女がガニ股になりながら
次の新品のナプキンをショーツに貼り付けるのを
ただただ見上げていた。