人目の付かないようにまだ暗い道を歩いて銭湯を目指した。
入り口に着くと、ほんのりと灯りが点いていた。
6時には開くからもうお湯くらいは張っているだろうと予測したのはどうやら正解だ。

そうっと入り口に手を掛けると運良く開く。変身するまでもない。
忍び足で中に入ると、従業員は裏にいるのか誰も居なかった。
見つかったらすぐに逃げ出せるように構えて男湯を探した。

男湯と女湯きちんと分かれている。そしてもちろん男湯の方をくぐる。

更衣室と風呂は既に電気が点いていた。
更衣室を素通りし、静かに扉を開く。湯気で目の前が曇る。
だが待ち望んだ風呂だ。早く身体の汚れを流したい。
身体も洗わずにマサは風呂に浸かった。

「はぁ〜極楽極楽」
強張った身体がほぐされていくのを感じながら、次の手を練った。
客が入ってきたら、1番客を装う。
そして更衣室で涼んでいるフリをしながら子どもを待つ。
子どもが服を脱いだのを確認して頂く寸法だ。

我ながら完璧過ぎる。後は待つだけ。マサは銭湯を楽しんだ。

それから1時間くらい浸かっていると、
きゃっきゃっと可愛らしい声が更衣室の方から聞こえてくる。いきなり子どもだ。
湯船に浸かりながらすりガラスの入り口を見ていると冷や汗が流れた。

明らかにでかい。大人サイズだ。
2人が何か話しながらすりガラスに手を掛ける。
ガラガラと扉が開くとサッと物陰に隠れた。

「あぁ。やっぱ部活前は銭湯よねぇ」
「そうだね。どうせ入るなら家よりここの方がいいよね」
「だよねー。てか由真あんた、あたしと2人なんだし隠さなくても良くない?」
「あかねちゃんと2人でも恥ずかしいもん」
「そうかぁ?」
「あかねちゃんがオープン過ぎるんだよ」
「あ?誰がおっさん高校生だってぇ?」
「そんなこと言ってないじゃん」

2人がじゃれ合いながらこちらへやってくる。昨日からアクシデントばかりだ。
何故男湯に胸の膨らんだ女が2人も入ってくるのか。
その答えはすぐに分かった。

彼女達が入って開いたドアの向こうに男湯ののれんを構えた店員が出ていくのがみえる。
まだ開店前でのれんの変更がなされていなかったのだ。

いや、それよりも!

この場所はまずい。幸い彼女達と自分の間には身体を洗う場所がある。
ある程度の高さがあるから覗き込まれない限り自分がいることは気付かれないだろう。
だが、それも時間の問題だ。

「さぁて、1番風呂入るぞ」
あかねという女が湯船にやってくる。急いで音を立てずに反対側へ行く。
洗い場へは女2人がやってくる方とは反対からも行ける。

湯船からそっと出て彼女達が姿を現わすのを待った。
角から足が見えた瞬間、洗い場へと消える。
洗い場は向かいにそれそれ5つずつシャワーが付いていた。

「あったけぇ、早く入ろうぜ」
マサはそろりそろりと出口へ向かっていた。
「ダメだよあかねちゃん。ちゃんと身体洗わないと」
ヒタヒタヒタ。

そう注意して由真が洗い場へとあろうことか戻ってきた。
既に洗い場の、入り口に近い角まで来ていたマサは慌てて踵を返すも到底間に合わない。
咄嗟の判断で洗い場の、机のように突き出た下に隠れた。
シャンプーやら、ボディソープが置かれている突き出しだ。
普通の人なら絶対に身体がはみ出すが、
正座して背中を丸めて身体を押し込むことに成功する。
身体が小さくて良かったと初めて感謝する。

「はい。桶と椅子」
「さんきゅー。あたしこっちー」
角から2人の足が現れた。
あかねと呼ばられる女がつま先を向こうに向け、反対側の洗い場へと行った。

「じゃあ私はこっち」
「えー、なんだよ隣り…」
由真の言葉に反応してあかねがふり向こうとする。
既にあかねは座っている。今振り向かれたらやばい。この角度だと確実に見つかる。
「来いよぉ」
と、振り向いた。

「な、何かに変身!!」
振り向く前に変身する。
が変身した感覚がない。
それに見つかってもいない。
自分を見つけて悲鳴をあげる彼女の声は待っても聞こえてこなかった。

疑問に思って恐る恐る前を見ると目の前をプラスチックの板が遮っていた。
「なんだこれ…?」
「いやだよぉー。私太ってるから本当恥ずかしいんだっでば」

頭上から由真の声が聞こえてくる。
「あっそ、後でチチ揉んだる」
「それに剛毛だし…」
「なんか言ったかぁ?」
「な、なにも言ってない!揉ませない!」

どうやら由真が椅子を置いてくれたおかげで見つからずに済んだらしい。
ホッとひと息つくと目の前の椅子を二本の足が跨った。
まるで仁王立ちしているみたいだ。そして衝撃の映像が眼に飛び込む。
「しょっ、と」
由真が椅子に座って少し引くと、目の前に由真の股間が広がった。
低い椅子に腰掛けているため、自然と股が広がっている。
二本の足の奥には開かれた股から黒々とした毛が複雑に絡み合っていた。

由真自身が剛毛と言うだけのことはあった。
割れ目が見えないくらい股間を毛が覆っている。
太ももの付け根にも何本か毛が生えていた。恥ずかしく思うのも当然かもしれない。

「なぁ、ゆまー」
あかねが話し掛ける。
「んー、なにー?」
「お前何カップ?」
「もー!聞かないでよっ」
そんな2人のやり取りを聞きながら、由真の股間から目が離せなかった。

この恥じりよう。もっと辱めてやりたい。恥ずかしいと言わせたい。
俺が言わせたい。
なんなら恥ずかしくて泣かせたい。
そんな事を考えていると股間がムクムク大きくなっていった。
それを感じてやはり自分はSっ気があるのかもと思う。

「カチっ」
由真がシャワーを捻ると彼女の身体を水が這った。
それは髪から肩へ下へと続き遂には股間を濡らした。
湯に濡れた毛は情けなく、お湯の流れに従い垂れた。
そしてお湯は由真の寝汗を流した後、マサの方へ排出した。

由真の汚れが自分の方へ流れてきてる。そう考えたら一気に股間が萎える。
またカチっと音がしてお湯が止まる。
股間からポタッ、ポタッと雫が一滴ずつ垂れた。

由真の腰が揺れる。髪を洗っているんだろう。
髪から飛んだ泡が床にベシャッ、太ももに、股間に飛び散った。
しばらくしてから由真がシャンプーを落とすと、次は体にとりかかった。

「ゆまーあたし先終わったから浸かってるぞー」
遠いところからあかねの声が聞こえる。
「はぁい。私もあと身体だけだから」
またもや泡が床に飛び散った。
上半身を洗い終え、スポンジを持った手が下へ降りてきた。

そこからは目がまた釘付けになる。
由真は少し腰を浮かしてお尻の下にスポンジを差し込む。そしてどんっと座る。
それを何回か繰り返した後、突然腰を突き出した。
目の前には更に近くなった由真のマンコが。

左手で割れ目をグイッと開きスポンジで二撫でする。
一瞬の出来事だったが眼に焼きついた。
毛を掻き分けた指が割れ目を捉え、赤い内側を外気に晒す。
クリの皮が少しめくれ、ピクピクっと可愛く動いていた。そこまでは良かった。

だがそこをスポンジがたった、2回往復しただけ。
本来なら1番汚い場所だ。もっと洗うべきじゃないのか?
やはり綺麗好きな人しか受け付けない。
由真がその後パツパツに張った長い足を洗うのをマサは見なかった。