サイズフェチクラブ潜入3
作:いと小さき人


※登場人物
 谷崎健一 25歳 178cm 56kg       備考 フリーター
 中野 萌 23歳 158cm 47㎏ S24.0  備考 サイズフェチクラブ店員
                      
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先日、半ば強引にお金をむしり取られてしまった健一は、再びこの店へと足を運んでしまった。
そう、来店した人間を自在に縮めてしまう「サイズフェチクラブ」に。
前回、中野萌という女性に散々な目に合わされたのにも関わらず、自らのMな一面が勝ってしまい、再び来店してしまったのだ。
健一はこのクラブを訪問するために、一心不乱にアルバイトに精を出し一定のお金を貯めることができた。
前回の訪問から2か月が過ぎ、健一は逸る気持ちを抑えつつ、大きく深呼吸をして例のすすけたビルへ向かう。
思い切りよく息を吐き出すと、自らの心臓の鼓動が早まっていることに健一は気が付く。
健一「今日こそは・・・」
そして、健一は擦り切れて傷だらけの右手で、サイズフェチクラブのドアを開けたのだった。
健一を出迎えたのは、前回と同じく一人の小柄な女性であった。
受付嬢「いらっしゃいませー。」
RPGの町人のように、変わらない言葉で健一を歓迎するも、その無機質さにいささか健一は辟易する。
いつもの手続きを済ませると、健一はカードと機械を手渡される。
受付嬢「お客様のお相手は、このカードの人物が担当します。2番の部屋にお入りくださいね。」
前回は3番であったが、今回は2番の部屋だという。
先日、訪れた「3」の札が貼られた部屋のすぐ隣に「2」の札が掛けられた部屋があった。
言いようもない高揚感が健一に湧き起こるが、それをグッとこらえ「2」番の部屋へと歩を進めた。
ドアを開けて出迎えてくれた女性は、なんと前回と同じ中野萌であった。
健一「あ・・・。中野さん・・・ですか。」
萌「はい、そうですよ。お客様、お待ちしておりました!」
健一の訪問に対しても、特段の反応は見られない。
そう簡単に一見の客を覚えているはずもないだろう。
健一は、萌の真っ直ぐな瞳に再び顔を赤らめた。
萌「えーっと、それでは、受付で渡された機械をいただきますが、よろしいですか?」
健一「あ、ああ。はい、どうぞ。」
中野萌に対する複雑な思いが重なって、健一はぎこちない動作で機械を手渡す。
萌「さてさて・・・。では、お客様、どうされますか?」
笑顔で語りかけるその純粋な萌の姿に、健一の心は大いに揺さぶられる。
普段の空虚な生活に対して、澄み切った一輪のアサガオが咲いたように感じられる。
そんな健一の気持ちを知ってか知らいでか、萌は話を続けようとするが、何も話さず黙って見つめてくる健一に対して、萌も困惑していた。
萌「あれ・・・、お客様? 私が勝手に設定してよろしいんですか?」
健一「あ・・・、はい。お任せします。」
健一はそう言って大きく頷くのが精一杯といった感じであった。
萌「それじゃあ・・・。」
萌は、健一の目の前にゆっくりと足を持ち上げる。
片足立ちの萌はバランスを取りながら、懸命に健一に足の裏を披露する。
健一は、眼前に出現した24cmもの素足に、ゴクリとつばを飲み込む。
床に着地していた部分、とりわけ足指の裏などが赤っぽく変化している萌の足の裏は、必然的に健一の気持ちを昂らせた。
しかし、何といっても、萌の爪先から放たれるほのかな足のにおいに健一は興奮を隠しきれずにいた。
そんな健一に対して、萌は一つの提案をする。
萌「小さくしたお客様を私の両方の足の裏で擦り合わせましょうか?」
健一「えっ・・・。」
思いもよらない萌の提案に、健一の股間は一気に固くなった。
よもや全身を萌の巨大な素足で覆われるなど、想定もしていないことであった。
このまま、何か股間に刺激が加われば、一気にその先端から何かを放出しかねない。
やや内股気味の健一は、とにかく二つ返事でその提案を快諾した。
ニコニコとほほ笑んでいる健一に対して、萌は微かにほくそ笑んでいたようにも感じられた。

萌「お客様、起きてくださ~い。」
周囲に大音量が響き渡る。
幾分か気分のすぐれない健一は、ようやっと上体を起こした。
健一が周囲を見渡してみるも、やはり萌の姿は確認できない。
ある程度の確信を感じつつも、健一はゆっくりと空の方向を見上げる。
萌「あ、お客様。気が付きましたか? では、私の足の裏に乗ってください。」
その瞬間、健一の前方の視界を萌の巨大な素足が占拠する。

ズシイイン!!

健一「うおおっ!!」
萌の左の素足の着地で、健一は容易にひっくり返る。
前回の景観と大差がなく感じられたため、100倍程度のサイズ差があるものと健一は感じ取っていた。
やがて、目の前にある萌の巨大な素足は、ゆっくりと足の裏を健一に見せつけていく。
萌は、器用に足の指を開いたり握ったりするなどして、その巨大な素足の躍動感を演出していた。
健一は、その目の前の光景にすっかり酔いしきっていた。
萌「お客様ー、早く足の裏に乗ってください。さもないと・・・。」
萌の発言が途中で止まったかと思うと、健一の周囲から突然光が失われた。
健一の頭上に君臨したのは、萌のもう一つの巨大な素足。
目の前のオレンジ色に染まった健康そうな足の裏とは対照的に、頭上のそれは赤黒さを有し、圧倒的な圧迫感を健一に与えていた。
萌「もう一つの素足で踏み殺しますよ? いいんですか?」
その瞬間、健一には前回の圧死させられた記憶がよみがえる。
健一「う、うわわっ、今行きます!!」
萌の強烈な脅迫に導かれ、健一は萌の横倒しになった巨大な足の裏と対峙する。
全長24mはあろう巨大な素足に健一はすっかり言葉を失っていた。
前回と一転して、今回は足の裏の皮膚に無数の皺が刻み込まれているのだ。
足の裏を見せつけるために、皮膚があらゆる方向に引っ張られていることが容易に推察できる。
健一は試しに、足の裏の皮膚に手を触れる。
健一「あ、固いんだ・・・。」
皮膚の集合体のような皺は、すっかり柔らかさとはかけ離れた存在になっていた。
その皺に足をかけ、今度は上部の皺が形成されていない部分を両手で押し返してみる。
萌の足の裏は、低反発の枕のごとくある程度の弾力で小さな健一を容易に押し返す。
様々な萌の足の裏の一面を観察でき、健一は無邪気な笑顔を覗かせていた。

ズドオオオン!!

健一「うおおっ!」
先程、上空に君臨していた巨大な萌の素足は、健一の後方へ着地する。
無言の萌の行動に健一の血の気は一気に冷め、ひたすら萌の足の土踏まず方向を目指した。
やがて、健一は萌の土踏まず付近に到達する。
萌「あ、どうにか到達しましたねー?」
健一「お待たせしてすいませんでした。」
萌「じゃあ、まず両方の足の裏を合わせますからね? 気を付けてくださいよ。」
このとき、健一は萌の言葉は上の空にしか聞こえていなかった。
これから起こるであろう夢のようなひとときに、すっかり心を奪われていたのだ。
股間どころか、体全身をくまなく足の裏で擦り合されるなど、よもやどんな感触を得られるのか想像もつかない。
健一は、だらしのない笑顔をニタニタと浮かべることしかできなかった。

その油断しきっていた健一が、バランスを崩して萌の素足から転落するのも無理はなかった。
萌は、両方の足の裏を合わせると健一に説明していた。
彼女にしてみれば、両方の足をスライドさせて自らの中央付近で健一を奉仕しようと考えていただけであった。
つまり、萌が左の素足を右の方向に動かしたがために、健一は坂を転げ落ちるように足の裏を伝い、床へと転落してしまったのである。
健一は一瞬何が起きたのか、理解できずにいた。
回転する頭を落ち着かせ、周囲を把握しできたそのときには、健一に絶望が迫っていた。
24mもの萌の巨大な素足は、何の容赦もなく健一を挟み込みプレスしようと接近していたのだ。
ゆっくりと着実に迫りくる萌の巨大な素足に、健一はなす術もなかった。
健一「うわあああ!!!」
健一は逃げようにも逃げようがなかった。
左右には迫りくる肉の壁。
逃げるとすれば、萌の爪先方向しかないのだ。
この瞬間、健一にデジャブが襲いかかる。
前回も、萌にこのシチュエーションで圧死させられている。
健一は泣きながら悲鳴を上げ、半狂乱の状態になりながら走り出す。
しかし、そんな健一に目もくれないまま萌の巨大な素足はピタリと合わさってしまう。

ズーン!!

萌「あら、残念だったわね。あれほど、気を付けるように言ったのに・・・。」
萌は、ゆっくりと閉じられた足の裏を解放する。
萌「ふふっ・・・。前回と同じ踏み潰し方で良かったわね、お客様。」
かくして、健一はまたも短い時間しか、この縮小時間を堪能することはできなかったのであった。
帰路に着く健一の足取りが重かったのは言うまでもない。


(続くかな・・・?)