§17 よからぬ企み

大祐「おお、郁也。待ってたよ。」
郁也「ミニチュアの街を買ってたのか、すげーなー。」
大祐は親友の鏑木郁也(かぶらきいくや)を自室に招き入れていた。
以前からミニチュアの街に興味を抱いていた郁也と共にミニチュアを満喫しようと考えていたのだ。
大祐はこれまでの体験を郁也に話す。
郁也も興味津々とばかりに大祐の話に耳を貸す。
大祐「というわけで、これからうちらは小さくなろう。」
郁也「うーん、わくわくするなぁ。」
大祐「それでは、ミニチュア起動!」
大祐はミニチュアの操作盤を自分の部屋のカーペットにつけて、リビングにミニチュアの枠を置く。
操作盤の起動と共に2人の意識が無くなるのもあっという間であった。

郁也「う、うぅ~ん・・・。」
大祐「おお、郁也。目が覚めたか。」
郁也「うおおっ。本当に小さくなってる。」
大祐「この腕に巻いている簡易操作ベルトでサイズを変えれるんだぜ。」
郁也「早速、家の中を探検しようや。」
大祐「ああ。だけど、姉貴が部屋にいるんだよな・・・。」
郁也「えっ、本当? じゃあ、お前の姉ちゃんの部屋に行こうよ。」
興奮している郁也の提案に大祐は今一つ乗り切れずにいた。
というのも、今まで姉の彩香がらみでロクな目にあったことはない。
できれば、彩香と会うことは避けたいところである。
大祐「うーん。危なくないかな・・・。」
郁也「ちょっとだけでも見に行こう!」
そう言うと、郁也は彩香の部屋に向かって走り出した。
若干の不安は残るものの、大祐も渋々彩香の部屋を目指すことにした。
2人が彩香の部屋を目指していると、部屋からいびきが聞こえてくる。
彩香「グゥー・・・、グゥー・・・」
部屋に入った2人を出迎えたものは彩香の巨大な右の足の裏であった。
部屋の中では、仰向けになった彩香が大の字になってぐっすりと寝ていた。
右の手足は無造作に投げ出され、左手は目を覆い、左足は立ち膝の状態になっている。
しかも、部屋が暑いせいか、彩香が着ているキャミソールは腹の部分がめくれ、へそが丸出しの状態になっている。
あまりにも無防備な彩香の姿に大祐も郁也もすっかり興奮していた。
郁也「だ、大祐の姉ちゃん・・・、迫力もそうだけど、色っぽい・・・。」
大祐「うえっ、よくそんなことを・・・。」
彩香「う、うぅ~ん・・・。」
郁也の言葉に反応したのか、彩香は伸ばしていた右手を胸元へと移動させる。
そして、汗ばんだ乳房のあたりをボリボリと掻きはじめた。
郁也「よし、彩香さんの腹の上に乗っかろうっと。」
郁也は小走りで近寄り、彩香の短パンに手をかけよじ登り始める。
大祐も細心の注意を測りながら、郁也の後を追った。

こうして、彩香のお腹の上に到達した2人は、サイズを4~5mmに設定しピョンピョンと跳ね上がった。
2人とも彩香のおなかのシワに飲み込まれないように注意しながら彩香の腹の上を飛び跳ねる。
今の2人のサイズでは、彩香の肉のたるみでさえ軽々と飲み込まれて圧死してしまう危険性があるからだ。
やがて、2人は彩香のお腹に座りながら談笑を始める。
大祐「うーん。姉ちゃんの呼吸のせいで地面が動くなあ…。」
郁也「しかも体温のせいで熱いし、汗のせいでじめじめしてるね・・・。」
大祐「これからどうする?」
郁也「うーんと、僕は彩香さんの足先を目指してみるよ。」
大祐「じゃあ、僕はお腹の上を探索してみるよ。」
こうして、郁也は彩香の太もも付近を歩きながら、彩香の足先の方へと歩き始めたのだった。
大祐も彩香の腹の上からその光景を見守っていた。
しかし、その平和を崩すように大祐の背後からゆっくりと彩香の巨大な右手が出現する。
大祐「うおっ・・・、何だ、何だ?」
さらに大祐のいるお腹付近が激しく揺れ動き、大祐は体勢を整える間もなく彩香のおなかの上を転がってしまった。
大祐「うわあああっ!」
ごろごろと彩香のおなかの上を転がっていく大祐。
なす術もなく転回する小さな大祐は、やがて彩香が作り出すさながらブラックホールのごとき暗闇の中へと吸い込まれていった。

郁也「あれっ、大祐・・・。ってうわあああっ!!」
大祐が転がるさまを見ていた郁也はその場で腰を抜かしてしまった。
なんと、巨大な彩香が上体を起こしていたのだ。
彩香「んー、虫かぁ。」
その瞬間、郁也のいる付近に彩香の巨大な手が接近する。
実に正確にそれでいて俊敏に巨大な掌がい小さな郁也を潰さんと接近する。
バチイイン!!
そのまま郁也は彩香によって叩き潰されてしまった。

一方、大祐は狭い落とし穴のような空間に投げ出されていた。
大祐「あいててて…。ここは?」
大祐は落とし穴の真下に位置しており、上から光が差し込んでいた。
周囲が肌色の物体で覆われていることから、彩香の体のどこかに位置していることは間違ない。
周囲の壁をよく見てみると、ところどころ黒っぽくて軟らかい物体が付着しているのがわかった。
大祐がそこに近付くと、激しく腐敗した臭いを放っており、大祐は思わずせき込んでしまった。
大祐「そうか…。姉ちゃんのへその中だ。」
彩香の巨大なへその中に落ち込んだ大祐はようやく事態を飲み込めた。
大祐は急いでへその表面を叩き、彩香に自分の所在を知らせようとした。
大祐「おーい!姉ちゃん、助けて!!」
しかし、彩香からは全く何の返答もない。
仕方なくへその表面に手をかけ脱出を試みようとするものの、表面がネチャネチャしていて掴みづらい。
しかも激臭を放っているため、脱出は容易ではない。
大祐「姉ちゃんはへその中も汚いのか…。」
彩香に幻滅した大祐は深い溜め息を付くと、ひたすら彩香のへその内部を叩きまくった。
そのときであった。
バチイイン!!
大祐が閉じ込められている空間の外から何かの爆撃音が響いたのだ。
一体、外で何が行われているのかは大祐にはわからない。
とにかく大祐は、彩香のへその内部を刺激しまくった。
しかし、次の瞬間、へその内部の空間が急激に圧縮される。
大祐「ぐわあああっ!!」
中にいた大祐はなすすべなく周囲の肉壁によって簡単に潰されてしまった。
彩香は太ももの虫を潰し、その正体を確認するべく上体を起こしたにすぎない。
しかし、この動作は小さな大祐にとって致命的であった。
へその内部は上体を起こすことによって、その重量がまんべんなく襲いかかったのだ。
当然、大祐は自分の身に何が起こったか分からないまま一瞬にして命を絶たれてしまった。

彩香「あ、血だ・・・。結構吸われてたのね。もう!」
彩香は小さな郁也を叩き潰した掌を見ながら悔しさをにじませていた。
と同時にへそ付近に感じていた微妙なこそばゆさにも違和感を感じていた。
そして、そのまま彩香は左手でおなかをさすったのだった。
しかし、この2人の行動は、部屋の外に設置されたミニチュアの操作盤から発せられた警告音によって彩香に気付かれてしまう。
しかも、勝手に部屋に入ったうえで自らの体を弄ばれたというかつてない恥辱感を彩香に与えていたため、かなりの怒りを買ってしまったのだ。
彩香のお仕置きがついに始まってしまう・・・。