§19.新たなる発見


大祐はいつも通り予備校から帰り、自宅付近のコンビニに立ち寄った。
大祐「コーラでも買うか。」
陳列棚から無造作に取り出したペットボトルを手に取り、大祐はレジへと進む。
店員「いらっしゃいませー。」
大祐(うおっ。めっちゃかわいい娘だ!)
大祐に対応した店員は、ショートカットに小顔で目が大きく八重歯が印象的な若い女性であった。
ネームプレートには「小嶋」とだけ書かれていた。
店員「130円になります。」
店員の声にハッと我に返り、慌てて大祐は代金を支払い、家路へと向かったのであった。

彩香「あぁ、舞佳ちゃんでしょう?」
意外にも彩香は、あのコンビニの店員のことをよく知っていた。
どうやら彩香と同じ大学に通っているため、ある程度のことを知っているようだ。
彩香によれば、店員は「小嶋舞佳」という名で年齢は彩香と同じ20歳、身長が155cm程、ボランティアサークルに入っているとのことであった。
彩香「大祐のこと舞佳ちゃんに教えてあげようか、変な性癖を持ってるって。」
大祐「んなっ! 何言ってるんだよ!」
彩香「あはは。冗談、冗談。」
彩香の何気ない一言が冗談に聞こえない大祐は、大きくため息をついていた。
やがて、部屋に戻った大祐は、ミニチュアの街を起動させる。
大祐「えーっと、確かあのコンビニは・・・。あ、あった、あった。」
あのコンビニを見つけた大祐は、ミニチュアのサイズを1倍サイズにしてレジのコーナーを出現させるように調整した。
大祐の目の前に唐突にミニチュアの舞佳の姿が出現する。
レジ前にいる舞佳は、中華まんの整理を終えると、くるりと振り返り大祐の方向へと歩み寄ってくる。
大祐「えっ、こっちに来る! どうしよう。」
しかし、大祐の戸惑いとは裏腹にミニチュア外へ舞佳が出ることはなく、そのまま姿は消えてしまった。
しばらくの間コンビニの様子を窺っていた大祐は、舞佳の姿を見かけなくなったことに気が付いた。
大祐「あれっ? どこに行ったんだろう・・・?」
大祐は、ミニチュアの操作盤に手を伸ばし、ミニチュアのサイズを20分の1程度にした。
すると、ちょうど店の裏側から私服姿で出てくる舞佳の姿を発見することができた。
そのまま、舞佳は駐輪していた自転車に乗り、足早に家路へと向かったようだ。
大祐「おおっ、このまま見てれば舞佳ちゃんの家がわかるんじゃないかな・・・。」
大祐はミニチュアのサイズを適度に調整し、舞佳の行く方向を注視した。
7~8分程度経過した頃、舞佳はとあるアパートの前で自転車を降りた。
ここで大祐はそのアパートの表札を一つ一つ丹念に調べていき、2階の角部屋に「小嶋」というプレートを見つけた。
大祐「あぁ、この部屋だな・・・。」
大祐は、ミニチュアの位置を2階の角部屋の中の玄関に移動させ、サイズを1倍に戻そうとした。
しかし、慌てた大祐は、ミニチュアのサイズを10倍に設定してしまった。
大祐「あ、間違っちゃった。」
そのときであった。
ドン、ドン、ドーン・・・
ミニチュアから重低音が響いてきたのだ。
大祐「え、どうしたんだろう・・・。」
ミニチュアの中に一歩入りこもうと立ち上がった大祐がミニチュアのシート部分に近づく。
その瞬間、大祐の部屋の天井付近がモヤモヤっと揺らいだかと思うと、突如人間の素足の裏が出現したのだ。
大祐「えええっ!?」
慌ててミニチュアから離れようとする大祐など、気にする素振りもなく一気にその大きな素足は振り下ろされる。
ズシーン!
その大きな素足は軽々と大祐を飲み込めるほどのサイズで、大きさにして約2メートル強はあった。
大祐「こ、これは舞佳ちゃんの足・・・?」
大祐がその素足に触れようと近づいた瞬間、その素足は一気に前方へと繰り出される。
ブウーン!!
大祐「ぬおっ?!」
思わず防御する大祐ではあったが、その大きな素足はミニチュアから忽然と姿を消してしまった。
おそらくは、ミニチュア内の舞佳が歩き、足を移動させたために消えてしまったのであろう。
大祐は興奮冷めやらぬ状態で、床に座り込んだ。
大祐「こ、これはスゴイ・・・。姉ちゃんに頼まなくても縮小を体験できるじゃないか・・・。」
ニヤニヤとほくそ笑む大祐は再び操作盤を起動させ、サイズを1倍サイズに戻す。
程なくして、通常サイズの舞佳がミニチュアに出現する。
大祐は、舞佳の足下に視線を移す。
靴を脱いで部屋に戻った舞佳の素足は赤々として体温が高そうだ。
大祐は、先程の大きな素足の持ち主は舞佳であることに間違いなく確信をもった。
程なくして、舞佳はそのほっそりとした脚を伸ばしながら床に座り込む。
右の脚はそのまま投げ出され、左の脚は少し膝を折り曲げた形で足裏を床につけていた。
舞佳は、大祐に右の足の裏が見えるような形で、足を投げ出していた。
大祐はこのシチュエーションにいたく喜びを感じていた。
何しろ姉の彩香以外の女性が無防備に足の裏を投げ出すなど、そうそう考えられることではない。
大祐は、満面の笑みを浮かべながら、ミニチュアのサイズを徐々に拡大させていった。
大祐の操作に合わせて、舞佳の足の裏が徐々に大きくなっていく。
やがて、大祐の部屋の床から天井までを舞佳の素足が占拠する。
ミニチュアの端からは舞佳の足首が顔を覗かせ、そこからなだらかなカーブを描きながら舞佳の素足が出現している。
このサイズでおそらくは10倍近くはあるだろう。
この光景に大祐はだんだんと興奮を抑えられなくなっていた。
そして、舞佳の素足の魅力に負けた大祐はとうとうミニチュアの中へと足を踏み入れる。
大祐の目の前には、舞佳の大きな素足が無造作に鎮座している。
時折、リズミカルに大きな素足が揺れており、大祐は興奮の坩堝に呑まれていた。
大祐「これはすごいな・・・。」
感心している大祐は意を決して、舞香の足の裏に抱きついてみた。
舞佳「?!!」
足の裏に抱きついた大祐は、そのままミニチュアの中に引きずり込まれ、舞香の足に思いっきり踏んづけられてしまった。
ムギュッ!!
大祐「ぐああああっ!!」
舞佳「な、何なの、こいつはっ!?」
怒りの表情を見せるミニチュアの舞佳に、大祐は焦りの色を隠せずにいた。