サイズ変換機8-1
作:いと小さき人


僕は村本賢哉(むらもとけんや)、高校2年生だ。
公園のごみ箱に捨てられていたサイズ変換器なるものを拾ってから日常が一変した。
このサイズ変換器を使って、隣に住んでいる女子大生の木下佳澄(きのしたかすみ)さんと週に1回は遊んでいる。
身長も150cm台半ばの佳澄さんは、切れ長の目にショートヘアーで、いわゆる美人タイプの女性だ。
佳澄さんもこの縮小プレイに理解を示してくれて、小さくなった僕と戯れることに何の抵抗もないようだ。
ただし、サイズ変換器を使う場合は、必ず10分の1サイズで遊ぶこと、必ず僕の家で遊ぶことと決めていた。
そうしないと、いくら華奢な佳澄さんとはいえ、僕はたちまち圧死させられる危険性があるからだ。

今日も、佳澄さんは僕の部屋に来て、その大きな裸足を見せてくれている。
佳澄「じゃあ、よく見ててね。えいっ。」
佳澄の合図と共に、佳澄の大きな足の指がパカッと開き、指の間が露わになる。
指の間には、皮膚のカスと言えばよいのか、若干水分を含んだようなぬるっとしたものが見える。
賢哉「こ、これは・・・。」
佳澄「あ、汚くないかしら?」
賢哉が手に取ってみると、その物体からはものすごい腐敗臭が漂う。
確実に、佳澄の足指から剥がれたアカに違いなかった。
それが指の間で醸成され、汗やらにおいやらが纏わりついたのであろう。
賢哉「うぅっ…、臭い!」
佳澄「えぇーっ、ヒドーい!」
その瞬間、佳澄の大きな足の裏が賢哉に倒れかかる。
すかさず、賢哉が両腕で支えるも、その重量に敵うはずもなく、賢哉は後方に倒れこむ。
そこに佳澄の大きな素足が現れ、賢哉を押さえつける。
佳澄も上手に力加減を調整し、賢哉が苦しくならないように適度な圧迫感を提供する。
佳澄「賢哉君、大丈夫? 苦しくない?」
賢哉「だ、大丈夫! だけど…。」
佳澄「だけど、どうしたの?」
佳澄は、足の指の間から小さな賢哉を覗きこむ。
賢哉「いや、佳澄さんの足、臭いです。」
佳澄「ま、失礼しちゃう!」
佳澄は再び賢哉を大きな足で踏みつける。

賢哉「あー、面白かった。佳澄さん、ありがとう。」
佳澄「いえいえ、この程度でよければいつでも声をかけてね。」
賢哉「うん、またお願いします。」
佳澄「じゃあ、元に戻すわね。」
そう言うと、佳澄はサイズ変換器を操作して、賢哉のサイズを元に戻した。
元に戻った賢哉の姿を確認すると、佳澄は自分の部屋に戻るべく玄関へと向かった。
賢哉(うーん、でも物足りないんだよなぁ・・・)
佳澄の素足を堪能したかに思えた賢哉ではあったが、だんだんと欲望を抑えられずにいた。
何とか佳澄との縮小プレイを継続したい賢哉は、目の前にあったサイズ変換器に手を伸ばす。
サイズ変換器を抱えた賢哉は、急いで玄関を出る。
そこには、今まさに自分の部屋へ戻ろうとする佳澄の後ろ姿があった。
その姿を確認すると、賢哉は急いでサイズ変換器を使って100分の1サイズまでに縮小する。
賢哉「っと・・・、変換機も一緒に小さくなるのか。」
サイズ変換器も一緒に小さくなったことに安堵しつつ、賢哉は猛ダッシュで巨大な佳澄の後を追った。
ズゥゥゥン
ズゥゥゥン
佳澄の巨大な1歩は、賢哉のサイズにして40~50mはある。
小さな賢哉にとって、佳澄に追いつくという作業だけでも大変であった。
やがて、佳澄は自分の部屋のドアを開けるために立ち止まる。
賢哉「いまだ!」
その瞬間を狙い澄ましたかのように賢哉は佳澄の運動靴の後ろに飛びつく。
しかし、佳澄は何も気づかないまま部屋へと入室する。
やがて、佳澄は巨大な足音を響かせながら自宅に戻り、どこかの部屋の中へと入っていった。
賢哉「ふうう。まずは侵入に成功できたぞ! 早速、佳澄さんを追いかけるか。」
こうして賢哉は、巨大な佳澄を探すべく、興奮する気持ちを抑えながら慎重に歩を進めた。

謎の女性「あら? 足元に何かいるわ。」
突如として、賢哉の頭上から若い女性の声が響く。
慎重に歩いていたつもりが上空からは丸見えだったらしく、賢哉のすぐ近くには電話で話をしている若い女性の姿があった。
賢哉「うおっ!! だ、誰だ、この人は・・・」
謎の女性「動いてる・・・?」
賢哉「おぉーい!! 佳澄さんのところに連れていって・・・」
謎の女性「虫ね。」
ズシイイン!!
謎の女性が言葉を発した瞬間、賢哉のすぐ近くに巨大な素足が振り下ろされ、一気に賢哉の方向へと向かってきた。
賢哉「へ? うわあああ!!」
ブウウウン!!
バチーン!
謎の女性の一撃により、小さな賢哉は再び玄関へと強制的に戻されてしまう。
賢哉の落下場所は佳澄の運動靴の中。
衝撃は少なかったもの、モワッとした熱気が賢哉を包み込む。
賢哉「あいたたた・・・。しかも、くさっ。」
謎の女性「佳澄ー。また、虫がいたわ。」
佳澄「明澄お姉ちゃん、本当? 梅雨時だから仕方ないかもね。」
謎の女性は、佳澄の姉の木下明澄(きのしたあずみ)というらしい。
賢哉は、佳澄の家に入ってそうそう強烈な洗礼を受けてしまったと多少の後悔をしたものの、佳澄に会えるまでの時間に期待が膨らんでいた。
しばらくすると、周囲が静寂に包まれたため、賢哉は佳澄の運動靴からひょっこりと顔を出す。
今度は前後左右だけではなく上空も見上げる。
確かに、周囲には誰もいないようだ。
自身の安全を確認できた賢哉は、再び佳澄の部屋を目指すべく、大きくて長い廊下を直走った。


(続く)