ファーゴ級戦艦

全長
317m

全幅
42.2m

基準排水量
100000t

最大速力
35kt

機関
ガスタービン
6基/スクリュー4軸

兵装
50.8cm五〇口径三連装砲
3基

12.7cm三八口径連装両用砲(後期型は五四口径)
24基

40mm四連装機銃ボフォースL70
34基

20mm単装機銃エリコンFF
68基

概要
ざっくり説明すると、アイオワ級に十分な艦幅と装甲を備えて拡大すると本級になる。
もうちょっと細かく解説すると、地球連邦海軍が開発した最後の「普通の戦艦」。
前級のダイドー級は40.6cm五〇口径連装砲を4基装備し、機関に負担をかけずに33ktを発揮出来る優秀な戦艦だった。
通常戦力で相手をする300m以下の巨人や怪獣(以下巨大生物)ならば十分撃破出来る性能を有していたが、異世界から時折流入する通常戦力相手であると火力不足が顕著であった。
これに対応すべく連邦海軍はさらに強力な戦艦の建造を計画。
基本的に枯れた技術を採用し、徹底的に「普通の戦艦」として安価に大量に強力な戦艦を揃えようとした。
この企みは成功、40隻以上が完成した。

船体/装甲
アイオワ級を元にしていることもあり艦幅を十分にとっても細長くスマート。
十分な艦幅を持ち、高性能スタビライザーを装備し、ツインスケグを廃止することで参考にしたアイオワ級にあった異常振動は完全に克服されている。
四重の船殻と過剰なほどの水密区画と隔壁を持ち、航空攻撃やミサイルへの対策にも余念がない。
装甲使用金属には分子レベルから設計された人口金属であるE鋼を採用し数値以上の防御力を実現。
これはとっくの昔に開発されたもので、連邦軍で装甲と名の付くものには尽く採用されている枯れた技術である。
とは言えその防御力は折り紙つきであり、54cm砲五〇口径砲のスーパーヘビーシェル(以下SHS)砲弾に耐えうる。
魚雷で沈めるならば、800mm長魚雷の艦底起爆式なら10本以上、舷側に命中させるなら30本以上が必要となる。
これも最低値であり、ダメージコントロールに成功すれば沈没しない場合もある。

機関/推進方法
機関は当時最新鋭のプラズマ反応炉……ではなくガスタービン6基。
推進方法はリニア水流推進……ではなく普通のスクリュー4軸。
もし双方前者を採用していれば速力42ktは硬かったが、他艦との互換性の確保や量産、整備の簡易化のために後者を採用。
そのおかげで非常に信頼性の高い生産の容易な機関となった。

兵装
主砲
本級の目玉である50.8cm五〇口径砲であるが、これもすでに前例のある火器である。
元々は重要拠点の要塞に配備されている50.8cm六五口径砲を手直ししたもの。
おかげで備蓄砲弾は腐るほどあるため、撃ち放題である。
最大射撃速度は1門につき分速3発。
実誤差修正や仰角を付ける関係上実用速度は分速2発程度。

副砲
大和型のように副砲を装備する案もあるにはあったのだが、多数の護衛艦が準備出来ることや生産性の面から見て不採用となった。
採用された場合は20.3cm六〇口径速射砲が搭載される予定だった。

高角砲
当時駆逐艦から巡洋艦、空母にまで搭載されていた12.7cm三八口径両用砲を連装式で搭載。
驚異の24基48門。
レーダーリンクにより凄まじい弾幕を展開し、低速のミサイルなら撃墜可能。
後期型は長砲身の五四口径型に換装され、より強化されている。

対空火器
機銃にはボフォース40mm四連装機銃34基136門とエリコン20mm単装機銃68艇を装備。
下手な航空機や小型艇では近付くことすら出来ない。
対巨大生物戦闘ではほとんど役に立たないが、通常戦闘では必要不可欠な装備である。







ファーゴⅡ級戦艦

全長
330m

全幅
42.2m

基準排水量
120000t

最大速力
38kt

機関
プラズマリアクターエンジン
2基/リニア水流推進 ダクト4基

兵装
50.8cm五〇口径三連装砲
3基

12.7cm五四口径単装速射砲オート・メラーラ
12基

30mmCIWSトゥーラ
8基

12.7mm単装機銃M2ブローニング
4基

VLS
24セル×4

四連装多目的装甲ボックスランチャー
8基

六連装チャフロケットランチャー
16基

自走デコイ投下口
1基

艦載機
回転翼機
8機

概要
新造艦かと言わんばかりに改造を施したファーゴ級戦艦。
外見もすっかり変わってしまった。
次級であるエムデン級戦艦のテストとしての意味合いもある。
目玉は機関をプラズマ反応炉に、推進方式をリニア水流推進に換装したこと。
煙突が廃止され、上部構造物がよりスッキリしている。
その他の重量の増加により思うほど速力は増さなかったが、それでも非常に高速。
艦橋はステルスを意識したのっぺりとしたものに載せ替えられ、マストもトラスマストからタワーマストに変更されている。
艦中央には縦横4つに区切られたVLS区画が設置され、イージスシステムと組み合わせた長距離防空網を形成している。
機銃もステルスを意識した砲塔式30mmCIWSトゥーラを装備。
艦尾をヘリ発着場に改装すると共に格納庫を設置し哨戒ヘリ8機を搭載可能とした。
より対通常兵器戦に特化した艦となっている。







改ファーゴ級戦艦

全長
317m

全幅
42.2m

基準排水量
112000t

最大速力
34kt

機関
ガスタービン
6基/スクリュー4軸

兵装
50.8cm五〇口径三連装砲
3基

12.7cm五四口径連装両用砲
8基

40mm四連装機銃フラック27
8基

30mmCIWSトゥーラ
2基

20mm連装CCIWSアムリェート
4基

40mm八連装機銃ピアノガン
2基

20mm単装機銃エリコンFF
4基

12.7mm単装機銃M2ブローニング
8基

四連装多目的装甲ボックスランチャー
4基

六連装チャフロケットランチャー
16基

自走デコイ投下装置
2基

概要
ファーゴ級に最低限の近代装備を施し、なんとか現代戦を遂行可能にした艦。
外観はほとんど変わっていない。
電子兵装としてフェーズドアレイレーダーを装備、後部指揮所を大型化し情報処理設備を増設している。
本来はイージスシステムの搭載を予定していたが、予算の関係上より安価、低性能なマス・イージスシステムの搭載に留まっている。
第一、第二煙突の両脇にはチャフロケットランチャーを装備。
近接防御火器としては、艦橋上部中心と後部指揮所後方に非砲塔式のトゥーラCIWSを、艦橋と後部指揮所両脇には組み込むように四連装近SAMランチャー2基と20mmガトリングガン2基をマウントした複合近接防御火器(以下CCIWS)アムリェートを装備。
在庫処分と言わんばかりに、艦中央のランチャー設備と第二煙突の間の一段背を高くした場所にはピアノガンが、艦橋基部左右に2基と後部指揮基部所左右に2基、艦中央左右に4基フラック27機銃が装備されているのが非常に目立つ特徴となっている。
機関の強化は行われなかったので重量増加分速度が低下した。







エムデン級戦艦

全長
405m

全幅
56m

基準排水量
160000t

最大速力
43kt

機関
プラズマリアクターエンジン
4基/リニア水流推進 ダクト6基

兵装
61cm五〇口径三連装砲
3基

203mm六〇口径連装速射砲
10基

76mm六二口径単装速射砲コンパクト
8基

57mmCIGSアクトラ
4基

30mmCIWSトゥーラ
16基

20mm連装CCIWSアムリェート
8基

VLS
96セル×2
48セル×2

六連装チャフロケットランチャー
8基

自走デコイ投下口
2基

艦載機
回転翼機
8機

概要
ファーゴⅡ級戦艦で得たデータを元に建造された超巨大戦艦。
かつてのズムウォルト級を彷彿とさせるステルス艦体にこれまたのっぺりとした艦上構造物とタワーマストを載せている。
武装各種もステルスを考慮した形状である。
主砲は極限まで巨大化した61cm五〇口径三連装砲を搭載。
しかし、通常の火砲搭載はここまでで、4番艦以降は主砲に457mm六〇口径三連装電磁投射砲……所謂レールガンを搭載することが決定している。
近接防御火器にもレーザー砲と小口径レールガンの装備が予定されており、対巨大生物戦闘に一つの転機が訪れたことを示している。

船体/装甲
ズムウォルト級と同じく波浪貫通型タンブルホーム船殻を持つ。
五重の船殻とファーゴ級を超える数の水密区画と隔壁を持ち、凄まじいダメージコントロール性能を持つ。
当然の如く自身の砲の直撃に耐えうる装甲を施されており、最早通常兵器での撃沈は不可能なレベルに達している。

機関/推進方法
機関はプラズマ反応炉4基。
推進方法はリニア水流推進のダクト6基。
スーパーキャリアーを超える巨体でありながら40ktを軽々と出し、巡洋艦に匹敵する機動性を持つ。

兵装
主砲
艦載砲史上最大の61cm五〇口径砲を装備。
これを超える人類の開発した巨大砲にはドイツの80cm列車砲「グスタフ」、「ドーラ」、アメリカの910mm臼砲「リトルディビット」、ロシアの890mm榴弾砲「ツァーリ・プーシュカ」等が存在している。
それらと比べてサイズでこそ劣るものの、非常に高い命中率と分速1.5発という速射性で優位に立つ。
ロケットアシスト誘導砲弾の運用も可能であり、規格外の砲戦能力を持つ。

副砲
20.3cm六〇口径連装速射砲を多数搭載。
中心線上に2基(艦上構造物の前後に1基ずつ)、舷側に4基ずつ計10基搭載。
対空射撃も可能な高性能砲である。

高角砲
76mm六二口径単装のコンパクト速射砲を8基、57mmCIGSアクトラを4基装備。
副砲と合わせて中距離での砲兵装となっている。

対空火器
トゥーラCIWSを16基、アムリェートCCIWSを8基と、ミサイルの接近はほぼ不可能な数を装備している。

VLS
艦首側主砲前方、艦尾側主砲後方に各96セルずつ。
艦中央、艦橋と後方指揮所の間に左右並列で48セルずつを装備。
イージスシステムと相まって航空機やミサイル、潜水艦を寄せ付けない迎撃能力を持つ。
少数、もしくは単艦での遊撃任務を想定しているため過剰なまでの装備を詰め込んでいる。