装甲護衛艦<いずみ>……本来は大和型戦艦五番艦として就航するはずだった艦である。
あの決定的な敗戦から経過すること80年、とある離島に建設された旧海軍の地下ドッグが新発見される。
そこには完成寸前の大和型戦艦とそれらの関係資料等が大量に存在した。
解体案、記念艦案もあったが、当時は折しも中華人民共和国が分裂し自由中華連合、中華社会主義連邦国、中華人民共和国、北京自治区、上海自治区が誕生した頃。
中華社会主義連邦国……中社連は潜在的自国領として他の中華系国家だけでなく朝鮮半島、台湾だけでなくインド北部やタイ、ベトナム等までの範囲をも含めた。
言うまでも無くその矛先は日本にも向けられ、中国時代を遥かに超える領海、領空侵犯が行われ、対馬等の離島が占領されるという悪夢は決して絵空事ではなくなった。
しかし、空海共に有効な対地打撃力を有さない自衛隊は逆上陸時に陸自の支援が困難であることは明白であった。
そこで白羽の矢が立ったのが件の大和型戦艦である。
大火力による支援と示威を目的に延べ3年に及ぶ改装を受けることとなる。
SPYを始めとした各種レーダー、センサー類の搭載、CICの設置、各種電子戦装備の装備、マストの装甲アンテナ化、後楼の交換等の電装系改造。
機関のガスタービン化、煙突の効率化、艦首補助舵装備による運動性の改善。
格納庫の大型化、効率化、艦尾飛行甲板の改造により対潜ヘリ5機搭載。
そして主砲以外の全兵装大規模改装。
艦尾側の主、副砲は撤去され、第三主砲跡にはVLS120セル装備。
上段高角砲跡にはOTOメララの新型127mm速射砲を計4基装備。
下段高角砲跡にはボフォース40mm4連装機銃計8基装備。
高角砲座前後には57mmCIGS計4基装備。
艦橋、通信室付近機銃跡には30mmCIWS計4基装備。
4連対艦誘導弾発射筒8基装備。
艦首側三連装155mm砲の近代化。
改装終了と同時に第一護衛隊群旗艦の装甲護衛艦<いずみ>として就航した。
一部団体からは平和への冒涜、日本軍国化の象徴とされるが、某年に中社連の対馬付近海上大規模訓練の警戒として出撃、接近するだけで相手を撤退させている。
それから数回に渡る改装によって戦後100年を超えた現在でも稼働する最古の現用艦として海自に籍を置いている。
これが結果的に対巨人/巨大生物戦闘において日本のアドバンテージになると誰が予想できただろうか。
ちなみに米国もアイオワ級戦艦<ミズーリ><ウィスコンシン>をV/STOL機18機搭載可能な航空戦艦に改装し現役に復帰させ対巨人/巨大生物戦闘に参加させている。
装甲護衛艦いずみ
全長
263m
全幅
38.9m
喫水
10.6m
基準排水量
65800t
満載排水量
72290t
最大速力
30kt
機関
4軸
24000hp
艦載機
ヘリ5機
46cm四五口径3連装砲×2
155mm五二口径3連装速射砲×1
127mm五四口径単装速射砲×4
57mmCIGS×4
40mm4連装機銃×8
30mmCIWS×4
VLS×120
4連対艦誘導弾発射筒
8基