6月X3日
中華社会主義連邦国滅亡から三日が経過した。
結果から書こう、完全な消滅だ。
統一朝鮮、モンゴル国、北京自治区も込みで生存者無し。
地下シェルターも一つ残らず消滅し、今や中社連のあった場所は巨大な湾と化している。
正味1時間もかからず約6億2千万人が死亡したことになる。
ロシア連邦や中華人民共和国、自由中華連合を含めれば1千万は増えるだろう。
ここまで徹底的にやられると中社連に対する怒りだの憎しみだの以前にあの金髪の巨人に対する恐怖と畏怖しかない。
しかし、奇妙なことに金髪の指は日本にも接触したはずだが被害は全く報告されていない。
戦後初の開戦と終戦、戦後処理に追われてほとんどの人が忘れているが、この事実はやはり金髪が日本に住んでいる証拠だと思う。


6月X4日
戦後100年を超え、やっと日本が「戦争」を意識した。
自衛隊の戦力拡大と交戦規定の設定が行われる。
いつもの軍靴の音がなんとやらという声は全く聞かれず、ほぼ満場一致だ。
しかし、巨人や巨大生物に襲われること6回、同族である人類から宣戦されること1回。
この回数を考えれば遅すぎると言ってもいいだろう。
いつだって我が国は事態が致命的になってからでないと動けない。
軍拡と言えば、国連に常備軍を設立すべきという意見がかなりの数の国から出ているらしい。
世界中がやっと人類同士争っている余裕などないと気付いたのだろう。
世界連邦への一歩と考えるのは飛躍し過ぎだろうか?


6月X5日
今日は出先で日誌を書いている。
場所は安倉見町。
金髪が日本国内で八百境以外に唯一現れた場所だ。
相手は80m級であったが、自衛隊の攻撃は全く効かなかった。
問題はそこじゃない。
そんな事例なら国外でも10件程度報告されている。
最初の襲撃から3カ月ほどたった今でこそ週一~半月一に落ち着いているが、最初の1カ月は世界中で同時多発的に巨人や巨大生物が現れたものだ。
話を本題に戻そう。
先月の中頃に現れたその巨人に対して、金髪は攻撃をしかけた。
ただし、それまでの、そして前回の中社連の時とは違い日本国内なのに町や住民に気をかけた戦い方ではなかった。
相当数の死傷者が出たし、市街地も金髪の方が壊しているかも知れない。
決して苦戦した訳ではない。
どう見ても、周囲を巻き込みながら戦うのを楽しんでいたようにしか見えない。
やはり金髪はただの気紛れでしか行動していないのか?


6月X6日
本日未明、1000m級が北海道に現れた。
直ちにレールガンによる迎撃が行われ撃破されたが、問題はその巨大過ぎる死体の処理だろう。
細切れにして焼却処理するしかないのが現状だ。
血が土壌や水質を汚染するというのも問題だし、焼いた灰をどこに捨てるかも問題だ。
人類は様々な意味で巨人や巨大生物に勝利出来ないでいる。
追記
安倉見町での金髪の行動についてだが、やはり何か理由があった訳ではなくただ単に破壊を楽しんでいただけのようだ。
日本に住んでいるという自分の予測は外れたのだろうか?


6月X7日
本日、興味深いものを発見した。
某巨大掲示板にてあの金髪を名乗る者がスレッドを立てているのを見つけた。
早速書き込んでみることにする。
取り敢えず結果は明日書くことにする。