「んんんんんぅぅぅうううう!」
引っ越しといっても必要のものを取り出せばいいのでただベッドをハウスの外に移動すればいいだが、今はなかなか動けない。
そだち「お兄ちゃん、これ私たちがやればいいさ、お兄ちゃんは見てていいの」
はじめ「私たちに任せてください、もともと自分たちのことだから」
そだちは腕っぷしを見せてくれた。手は相対的に結構細いが、前の握力テストを見たら今はそれを突っ込めない。
「いや、俺はお前たちのお兄ちゃんだから、それらしくのことくらいはやらないと。んんうぅぅ」
いったものの、やっぱりビクともしないベッドに、はじめは寄ってきた。
はじめ「私が手伝います」
はじめ手をベッドの下に置くと、いとも簡単にベッドを持ち上げた。手伝うと言いつつ、俺はまだ力も入っていない。
「わかったよ、お前たちでやれば」
はじめ「お兄ちゃん…」
俺が悲しいと思ったか、はじめは同情の顔を浮かべる。そだちは全く気にしない様子でベッドの端までいって、持ち上げた。
事は早くも進めて、十分も経たないうちに移動は全部終わった。

「じゃあお願いします」
マヤ「任せてください」
会話を交わした後、マヤはトラックに乗って、移動するものを学校に送りの支度をしている。
そだち「じゃあこの後どうする、お兄ちゃん?」
「そうだな、実家に戻ろうか?」
はじめ「そうですね、そこで休むのもいいで…あ!」
はじめは何か思いついたか、驚い声をあげた。
「どうしたの」
はじめ「私たち、実家には入れないかも」
「そうだった…」
ずっと妹たちを見上げているのに、こんな重要なことを忘れたなんて。
そだち「暑いな」
「お前、ちょっと考えろよ」
はじめ「そうだ、お兄ちゃん、プールに行きましょう、今日夕方まで外にいればいい、その後引っ越しは終わります」
「いいね、プール。そだち、でかしたぞ」
そだち「そうかな?」
はじめ「けれど、私たちではプールが小さすぎかもしれません」
マヤ「それを気にする必要はありません」
この時、マヤがトラックから降りて俺たちの前まで来ていた。
「どうしてですか?」
マヤ「海に行けばいいのことです」
そだち「海か!」
はじめ「これなら確かに問題ありませんね」

そだち「海だ!」
着替えた後、全力の走りで砂浜を駆け抜けるそだちは砂煙を巻いて海に向かう。人々は目を遮ってながら何か起こったかぎょろぎょろ見回る。そしてはじめも来た。
はじめ「お兄ちゃんお待たせ、ちょっと時間かかりました」
いいながらビキニのひもを引っ張る、たわわの果実がゆれる。こんなはち切れんばかりの具合だと時間がかかるのも無理はない。
改めてはじめを見る。この砂浜ではじめより高いものはもういない。パラソルは腹までしか届いていない。はじめが立っただけでも俺に日陰を作った。
そだちというと、一気に海に突っ込んで津波を起こした。いまは俺たちに向かって手を振っている。
そだち「お兄ちゃん、はじめ、海気持ちいいぞ」
「すぐ行く。はじめ」
俺は手を高く掲げ、はじめは一瞬ぼーっとしたが、すぐにつないでくれた。
はじめ「はい、お兄ちゃん!」