「はぁ・・・こんなところ来るんじゃなかったかな~」

ルリはため息をついていた。最近オープンしたばかりの有名なブランド服の店に来ていたのだが、周りを見てみると凄くお洒落で美人でスタイルの良い人ばかりなのだ。私みたいなちんちくりんがいる方がかえって目立ってしまう。

そう私は高校2年生にもなるのに身長が130㎝しかなく体型もお子様そのものなのだ。
年齢相応に見られることはなく、大抵小学生・・・よくても中学生にしか見てもらえない。


・・・・でもせめてお洒落だけでもと思って勇気を振り絞ってこの店に来てみたのだが、どうにも『大人向け』の服しか売ってないらしく、最低でも身長150㎝程のサイズしかなく、私の身体に合う服は皆無だったのだ。店員にも苦笑いされ逃げるように店を飛び出してきた。

それが先程のため息の理由だった。


「そこの御嬢さん、身体の悩みを持っているようね。今なら貴方にピッタリのものがあるんだけど見て行かないかしら?」

声のした方を振り返ると先程まで何もなかったと思われる場所に怪しげな雰囲気のお姉さんが露店を広げていた。見た所アクセサリー系を売っているようなのだが・・・・

私は返事に困り言葉に詰まる、しかしお姉さんは気にせず話を続ける。

「この指輪は願いを叶える効力があるのよ。ただし自らの身体に関する願い限定なんだけどね。今なら特別に100円でいいよ。どう?」

「まぁ100円ならいいか・・・」

例え騙されたとしても100円なら後悔することもない。色もシルバーでごく普通の指輪だから普段身に着けても違和感もないだろうと思い、私は指輪を購入することにした。

「どうか身長とおっぱいが大きくなりますように!!!」

・・・と寝る前にその願いを指輪に向かって唱えてみた。まぁこんなことでコンプレックスがなくなるなら有りがたいのだけれどね。そうして私はベッドに横になった。


そして次の日の朝

ぷるんっ!!

「おお!!巨乳になってるぅぅぅぅ!!しかも背も少し伸びてるっ!!これ本物だったんだ!!」

目が覚めるとルリのおっぱいはツルペタのAカップからFカップになり、身長も130㎝から150㎝へと成長していた。

「これなら昨日のお店で服が買えるわ!!」

そしてルリは放課後にあのブランド服屋に寄ろうと思ってワクワクしながら学校へと向かった。


ぷるんっ!!ぷるんっ!!

歩く度におっぱいが揺れる。急激に育ったおっぱいに今まで使っていたAカップのブラが合う訳もなく今はノーブラを余儀なくされていた、そのためルリのおっぱいは縦横無尽に揺れていた。
制服も身長が伸びたせいで臍が丸見えになっている。
学校へ着くと健全な男子高校生たちは皆等しくルリの姿を見ると前かがみになってしまった。
そんな周囲の様子を見るとルリは今まで感じた事のない優越感に酔いしれるのだった。


そして4時間目の体育を迎える頃にはルリの身長は170㎝、おっぱいはIカップというグラビアアイドルみたいな身体に成長していた。

「はぁぁん!!おっぱいが揺れすぎて上手く走れないよ~!それに重くて肩凝っちゃうわ~!!」

これはルリがいつか巨乳になれたら言ってみたかった台詞である。それがまさか現実になる日が来ようとは・・・ルリは嬉しくてしょうがなかった。


「それにしてもまさか1日でここまで育つとは思いもしなかったわ。モデルみたいな身体になれたし、もうこれで十分ね」

今までの身体と比べると十分すぎる程に成長できてルリは満足していた。
だがこの時ルリの幸せな気持ちとは反対に指輪は綺麗な銀色から血のような赤色に変わってしまったことにルリは気が付かなかった。



放課後・・・


ルリの望んだ身体を手に入れても何故か成長は止まらず、身長190㎝にLカップのおっぱいというハイスペックすぎる身体になってしまった。


「ちょっと成長しすぎかな?もう止まってもいいのに・・・・」

そうルリが呟いた途端ルリの身体は一瞬で身長210㎝、Nカップおっぱいに成長してしまった。


「きゃあっ!!・・・・これ以上成長したら服が全部破れちゃうっ!!早くお店に行かないと!!」

この時点で既に制服はルリの胸と股間を隠す程しか残されていなかった。これ以上成長すると確実に全裸になってしまいそうだ。


「なんでもいいから私の身体に合う服をくださいっ!!」

ルリは店に着くなり店員に頼んだ・・・・が今のルリに合う服は一つもなかった。


「そんなぁ・・・・」

昨日までは小さすぎて合う服が無かったというのに、今日は大きすぎて着る服がなくなってしまうだなんて誰が想像できただろうか。ルリは素敵なブランドの服を目の前にして項垂れるしかなかった。

「もうっ!!何なのよこの指輪っ!!こんなに大きくなるなんて聞いてないわよっ!!もう少し小さくしてよっ!!」

ルリは指にはめられた指輪に向かって怒鳴り散らした。すると赤くなった指輪はますます赤黒くなり・・・・ルリの身体はドンドン成長していった。
身長は既に3mを超えており、おっぱいは身体の成長よりも早いようでVカップにまで育っていた。指輪を外そうとも試みたが、どうやらそれも不可能らしく指輪はまるで身体の一部のようにくっついてしまっていた。


そしてルリの身体は店いっぱいに広がり身動きが取れない程になってしまった。

「ううう・・・狭いよぉ・・・・止まれ!止まれ!止まれ!!!小さくなれ!小さくなれ!小さくなれ!!!」


ルリは必死に願った・・・・しかし、そう願えば願う程に身体の成長は加速していき
身長は10mになりもはや人間のレベルを遥かに超えていた。おっぱいはもうZカップを超えてしまい、その大きさをどう表現したらよいのか分からないくらいになっていた。
そして店は巨大化するルリの身体によって見るも無残に破壊されてしまった。

「止まれっ!!!!!!!お願いだから小さくなってよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


さっきからずっとそう思っているのに成長・・・もはや巨大化といった方が正しいだろう・・・はもう止まる気配はなくなってしまった。

身長は100mとなり1000mとなり10㎞・・・・100㎞・・・・・おっぱいも相当な大きさとなり、40㎞もあるルリの両腕を使っても抱えきれないくらいになっていた。足元にいる人達から見たら小惑星くらいの大きさに見えることだろう。さらにはどういう訳か母乳まで出てきて海を白く染め始めている。もはやこうなってしまっては世界が滅んでしまうのも時間の問題だろう。

「こんなに大きい身体なんていやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」









「あら、願いを叶える指輪がここに残ってるわ!・・・・ということは昨日の御嬢さんには間違えて『天邪鬼リング』を渡しちゃったかもしれないわね・・・・大変なことになってなければいいのだけれど・・・・」


ルリに指輪を与えたお姉さんは自分の星へと帰る宇宙船の中でその事実に気が付くのであった。


『天邪鬼リング』・・・それは最初は使用者の願いを素直に聞き届ける・・・そこまではいいのだが使用者の願いが叶った時点で天邪鬼の特性が発揮され、もし最初の願いに反することを考えようものならその逆の効力を発揮させてしまう呪いのアイテムだったのだ。


つまりルリが『止まれ!』『小さくなれ!』というのを止めない限り彼女の巨大化はいつまでも続くことだろう。





そうこうしているうちにルリの身体は地球を超えてしまい・・・・・・・・・・・・