ミカ「ねぇ本当に大丈夫なの?」

アキラ「大丈夫だって!ちゃんと解除薬もあるんだからさ!」

俺は今日初めて念願の縮小薬を飲むのだ。縮小薬&解除薬のセットで10万円もするので金を貯めるのに苦労したかいがあったよ。生粋のGTSフェチである俺としては、彼女であるミカに巨大化薬を飲ませたいところなのだが、あれは数億円もする代物なので到底手が届かない‥‥だがこの縮小薬ならば疑似的に巨人となったミカを堪能できる訳だ。

アキラ「だけど、念の為にもう一度説明するぞ。こっちの青い液体が『縮小薬』、こっちの赤い液体が『解除薬』間違えるなよ!!」

ミカ「‥‥で最初は何処がいいの? お口? おっぱい? それともアソコかな?」

アキラ「そうだな~。どれもいいけど縮小薬使うの初めてだし、まずは試しに手のひらの上で小さくなるよ!その後でミカのアソコをじっくり探検させてもらうよ!」

ミカ「もうアキラったら変態さんなんだから‥‥でもそんなアキラも大好きだよ!」

アキラ「俺のフェチを理解してくれるミカに出会えて俺は幸せだよ!」

ミカ「恥ずかしいな~もぅ~!じゃあそろそろ始める?」

アキラ「あっ!そうだ!もし小さくなり過ぎたら俺が言ってることが、ミカに聞こえなくなるかもしれないだろ!?だからまずは『10分』たったら俺の上に解除薬‥‥赤い方をぶっかけてくれないか?」

ミカ「そうだね!小さくなり過ぎて消えちゃったら大変だもんね!」

アキラ「おいおい縁起でもないこと言うなよ!それじゃ縮小薬飲むぞ!」

こうして縮小薬を飲んだ俺の身体は徐々に小さくなっていった‥‥‥

《10分の1》

アキラ「おおおぉぉぉぉぉ!!!ミカがでっかい!凄い!すごい!スゴい!」

ミカ「今のアキラ人形みたいで凄く可愛いぃ~!!それじゃ早速手のひらに乗せるね!」

今の俺とミカの手のひらは同じくらいの大きさだろうか?‥‥おっ、また小さくなってきた。

《100分の1》

アキラ「すげ~!ミカの手のひらが俺の部屋くらいあるな」

ミカ「もう虫みたいだね‥‥っと時間は‥‥まだ1分しか経ってないね。じゃあまだまだ小さくなりそうだね」

《1000分の1》

アキラ「ミカ‥‥なんて神々しいんだ‥‥まるで本物の女神でも見ているような気分だ。手のひらもだいぶ広くなったな。ちょっと指先に移動するか‥‥これは人差し指だな!」

ミカ「思った以上に小さくなるのね!?もう蟻より小さいんじゃないかしら?‥‥うふふ‥‥私の指先まで走ってるみたいだね、たったこれだけの距離なのにアキラにとってはいい運動みたいね」

《1万分の1》
アキラ「だいぶ小さくなったな‥‥もうミカの指紋に入り込めそうだ‥‥っと、そろそろ10分たったかな?お~いミカ~!解除薬をかけてくれ~!!」

ミカ「もう見えるか見えないかギリギリの大きさになっちゃたね!もうそろそろ解除薬をかけた方がいいのかしら?‥‥でもまだ5分だし‥‥まぁ消えちゃう訳でもないし大丈夫かな?10分経ったらちゃんと戻してあげるね!」



アキラの予想した通り、もう既にアキラの声はミカに届かなくなってしまった。『10分』経てば確実に戻れるのだが、予想もしない大きな落とし穴にまだ2人は気づいていなかった‥‥‥



《10万分の1》
アキラ「いったいどういうことだ!もう30分は経っただろ!?どうしてミカは解除薬をかけてくれないんだよ‥‥もう俺の身長より指紋の溝の方が大きくなってきたぞ‥‥」

ミカ「もうアキラが見えなくなっちゃった‥‥さっきまで私の指紋の間にいたよね?今頃なにしてるかな~?」


《100万分の1》
アキラ「いくらなんでも遅すぎだろ!!もう何時間たったんだよ!?まさか俺を元に戻さないつもりなのか?‥‥いやミカに限ってそんなことをするはずがない!!!‥‥よな?」

ミカ「全く見えないとつまんないな~!これじゃあただ自分の指を見つめてるだけじゃない!?‥‥時間は‥‥まだ6分かぁ~」

《1000万分の1》
アキラ「もう‥‥1日は軽く過ぎたよな?‥‥ん!?まてよ‥‥いくらなんでも1日中指先一つ全く動かさないなんておかしいよな?よく見たらミカのやつもう何時間も瞬きすらしていないぞ!‥‥まさか‥‥」

ミカ「まだかな~まだかな~!‥‥ってさっき時計見てからまだ10秒も経ってないか‥‥私ったら意外とせっかちね(笑)」

《1億分の1》
アキラ「もう何週間経ったっけ?‥‥ミカ‥‥早く気づいてくれ‥‥」



そう‥‥2人が気づかなかった落とし穴、それは『体感時間』だった。人間や像などの大きな生き物と比べて、蠅や蚊などの小さな生き物では生きている時間そのものが違うのだ。むろん大きさが違うほどその感じる時間の差は広がる一方だ。理科の実験などで簡単に見ることのできるアメーバの分裂も、当のアメーバにとってはとても長い時間をかけて分裂しているのかもしれない‥‥‥今のアキラがまさにその状態であった。



《100兆分の1》
アキラ「ミカの指紋に住み始めてそろそろ10年くらいかな‥‥‥ミカ‥‥‥もう一度でいいからお前を抱きしめたい!お前と話をしたい!‥‥せめて俺の生きている間に解除薬をかけてくれることを願うよ‥‥‥あぁぁ‥‥また小さくなってしまった‥‥‥」

アキラはもう10年もの間、ミカの指紋の中で惑星のように巨大な垢を舐めながら生きながらえてきた。せめてもの救いは、上を見上げればミカが俺に向かって満面の笑みを浮かべているのがいつでも見れることだった‥‥‥‥
ミカにとっては今は6分30秒‥‥俺ははたして『10分』生きられるのだろうか‥‥‥

ミカ「早くアキラをアソコに入れたいな~!‥‥うふふ‥‥あと3分30秒‥‥もうすぐだね!」