『ねぇねぇ柳生ちゃん、今日は雲雀と一緒に修行しよ?』


『俺は雲雀と一緒なら何だって構わないが、雲雀から修行しよう言うなんて珍しいな』


『えへへ・・・実はね前に春香さん達と戦った後くらいから雲雀なりにこっそり修行してたの。それで今日はその成果を柳生ちゃんに見ようと思ったんだ。すっごいのできるようになったから柳生ちゃんビックリすると思うよ!』


『ほう、雲雀がそこまで言うなんて相当修行したのか?いいだろう雲雀のその意気込みに対して俺も本気で応えよう!』


『それじゃあ・・・・とりゃ~!おっきくなるよ~!!』


そして雲雀は一気に10倍サイズに巨大化した・・・・が、これは普段の修行でも何度か見せている忍法だ。これといって特に変わり映えしたところもなさそうだ。


『この巨大化忍法自体は雲雀以外に使う人がいないから珍しいと言えば珍しいが、これでは普段と変わらないんじゃないのか?』


『これが今までの雲雀の巨大化忍法の限界・・・・・・今から見せるのが修業後の成果だよ!うりゃ~!もっとおっきくなるよ~!!!』


そして雲雀が一瞬光ったと思ったら柳生の目の前には肌色の壁・・・・雲雀のふとももががあった。どうやら座ったままさらに巨大化したようで先程のさらに10倍、つまりは100倍の大きさになっていた。


『これは雲雀のふともも・・・・ゴクリ!』


巨大な雲雀の太ももに見とれていた柳生の元に上空から大きな物体が迫ってきた。


『ほらおっきくなった雲雀の指だよ!ズドーン!!』


雲雀は柳生の身長を遥かに超える大きさの指を勢いよく地面に突き立てた。
柳生はふとももに見とれていたせいもあり咄嗟にかわしたもののかなりギリギリの距離であった。そして雲雀の指でつつかれた地面を見てみると数メートルも大きく陥没おり、その威力にぞっとするのだった。優秀な忍である柳生といえども直撃すればただでは済まないだろう。


『ちょ・・・いきなり何をするんだ!?』


『え?最初に修行しよ!って言ったでしょ?これなら私でも柳生ちゃんに勝てるかな~ってね♪ほらほらこれならどう?』


ズドンッ!ズドンッ!スガンッ!


雲雀は素早く指で柳生をつつこうとするが全てかわされ柳生には全く当たる気配はない。


『たしかに大きくなった分攻撃力は上がったようだな。しかし当たらなければどうということはない。まだまだだな雲雀』


『さすが柳生ちゃんだね。この大きさでも勝てないなんて思わなかったよ。・・・・・でもこの大きさはまだ雲雀の本気じゃないよ。今度はもっともっと大きくなるからね♪』


『なん・・・・だと・・・・』



『とりゃりゃ~!もっともっともっとおっきくなるよ~♪』


雲雀は先程よりも強く眩い光を発し・・・その一瞬ののちに柳生は雲雀を見失ってしまった。


『雲雀・・・・?おかしいなこの俺が雲雀を見失うなんてことあるわけ・・・・・』



『柳生ちゃ~ん!どこ見てるの~?こっちこっち~!上を見て~!』


『これは・・・・・・・空を覆う程の大きさの雲雀・・・・・・だと!?・・・・・・』


『えへへ~♪凄いでしょ~♪雲雀だってやればできるんだからね~!』


柳生の目に映ったのは1万倍はあろうかという大きさの雲雀の姿だ。身長16㎞にもなる雲雀は四つ這いになって街を見下ろしていた。心なしかおっぱいも成長しているようで四つ這いの姿勢なのにおっぱいの先端が半蔵学院の校舎の真上スレスレをゆらゆらと揺れており、雲雀のおっぱいが校舎を直撃するのではないかと嫌な予感が柳生の頭をよぎってしまう。



『それにしても大きくなりすぎて柳生ちゃんよく見えないや・・・・もうほとんど点だね』


雲雀は柳生を探そうと顔を地面に近づけてきた。雲雀を基準としたならば柳生は0.2㎜もない大きさなのだ。こうでもしないとまともに見ることさえ叶わない。


『お~い!雲雀~!俺はここだ~!!』


柳生は少しでも雲雀の目に止まるようにと飛び跳ねながら叫んでいた。



『あっ!柳生ちゃんやっと見つけた~!小さすぎて本当に見失ったかと思ったよ~♪』


『なぁ雲雀身体がそれだけ大きくなったんだからもう少し周りに注意してくれないか・・・・』


『えっ?周りって・・・・・・・あ!・・・・・』


柳生の姿を確認しようとした雲雀はほとんど地面にうつぶせになるような格好になっていた。
柳生を探すことに夢中になるあまり小さな街をその身体で押しつぶしていることに気が付かなかったのだ。


『うわわわぁぁぁ~!!おっぱいで半蔵学院潰しちゃったよぉ~!どうしよう~!霧夜先生と半蔵様に怒られちゃうよ~!』


先程柳生が気にしていた通りおっぱいの真下にあった学院はおっぱいの凄まじい乳圧によって跡形もなく消え去っていた。



むくむくむく・・・・・


ただでさえ大きかった雲雀の身体がさらに巨大化をしようとしている。


『あれっ!?あれれっ!?雲雀これ以上の巨大化はしてないのになんで!?』


『雲雀ひとまず落ち着くんだ!!』




ビリビリ・・・・・ビリビリ・・・・


今までは服も一緒に巨大化していたのだが今回は身体だけ巨大化して服がそれについていっていないようだ。徐々に大きくなる身体に耐え切れず服が破れ始めている。


『いやぁぁ!雲雀これ以上大きくならなくていいの!もう今のままで十分なのっ!どうして巨大化が止まらないのっ!!』


雲雀が焦れば焦る程巨大化は加速度的に進んでいく。


ブチブチ・・・・ビリビリビリビリ・・・・・


服もとうとう耐え切れず雲雀産まれたままの姿をさらけ出すことになってしまった。
しかも既に10万倍の大きさを超え160㎞という大きさに達し、今もなお巨大化し続けている。もう日本中のどこにいても雲雀の裸が拝めるだろう。


『うわぁぁぁん!恥ずかしいよぉぉぉぉ~!!!!』



雲雀にとってはちょっと大きめの声を出しただけのつもりであったが、雲雀の周囲にある街はこの声の衝撃だけでほとんどの建物が崩壊してしまった。声だけで多くの街を破壊してしまえる程の存在に雲雀はなってしまったのだ。いやそれすらも超えようとしている。


《雲雀っ!落ち着いて気もちを静めるんだ!》


『柳生ちゃんの声?いったいどこから?』


《意思の通じあった忍びだけが使える思念を伝える念派だ。今俺はそれを通じて雲雀に話しかけている!》


『ねぇ雲雀どうしたらいいの?今もまだ巨大化が止まらないの!これじゃあ地球より大きくなっちゃうよぉ~!!』


《だから落ち着くんだ!強大な忍術はその術者の精神面に大きく左右されるものだ。今の雲雀は使い慣れない強大な力を発動させたまま感情が揺らいでしまったから巨大化が暴走しているだけだ。だから落ち着くことでひとまずこれ以上の巨大化は止まる筈だ!》


『分かったよ!す~は~!す~は~!』


雲雀は目をつぶり大きく深呼吸をして心を落ち着かせようとしている。
しかしその深呼吸で吐き出した息によっても多くの街が犠牲になっている。柳生はそれに気づきながらも雲雀をこれ以上刺激しないようにとあえて言わないことにした。


こうして雲雀の巨大化は100万倍・・・身長1600㎞のところでようやく終止符が打たれた。


『でもこれからどうしよう・・・・巨大化は止まったけど一度暴走したからなのか自力ではなかなか解除できないよぉ~!ずっとこのままだったらどうしよう・・・・』


《気にすることはないさ。修行が始まる前に俺が忍結界を張ったからな。今雲雀が見ている景色は現実であって現実じゃない・・・まぁちょっとした異世界みたいなものだ。被害が現実に及ぶ心配もないだろう。それに巨大化も自力では解けなくても時間経過で徐々に戻る筈だ。それまでゆっくり待てばいいさ。俺も一緒にいてやるから安心しろ!》


『柳生ちゃん!ありがとぉ~!!大好きぃ~♪♪』


《ひ・・・雲雀!?お・・・俺は別にそんな大したことは・・・・・はっ!》


今しがたまで慌てていたため柳生は気にならなかったのだが、こうしておちついてよくよく雲雀を見てみると一糸まとわぬ産まれたままの姿ではないか。しかも身長1600㎞という超超特大サイズだ。上を見上げれば空ではなく雲雀しか見えない。



『視界いっぱいの雲雀・・・・・空気が雲雀の匂いで満たされていく・・・・・あぁ・・まるで世界がすべて雲雀みたいだ・・・・・・ぐはぁっ!!』


雲雀のあんなところやこんなところが全てさらけ出されているだけでも柳生にとっては理性を保ちきれないほどなのに、この大きさになってしまった雲雀のフェロモンは通常の100万倍なのだ。柳生がそれに耐えられるわけもなく盛大に鼻血を噴き出して気絶してしまった。


柳生は巨大過ぎる雲雀から放たれるフェロモンにでもやられたのだろう。普段でも雲雀のいい香りにメロメロなのだ、これほどまでに巨大な身体から放たれる乙女の香りは尋常ではない。しかもそれが街中に広がっているのだ、柳生がそれに耐えられる筈もなく無残にも大量の鼻血を吹き出し見事にノックダウンしてしまった。


巨大な身体のまま現実に戻る訳にもいかないので雲雀の大きさが元に戻るまで忍結界内で2人は過ごし、結局帰れたのはそれから3日後のことであった。


なお柳生にとっては現実に戻るまでは巨大で全裸の雲雀と一緒に過ごすことになり、この世のものとは思えない至福の時を過ごせたのだとか。