昨日あんなことがあったばかりであったが、学校を休む訳にもいかず
結局今日も学校に来ていた。
だが昨日までの茜とは全く違う姿にクラスメイトは驚くのであった。

友達「えぇ~茜なんでそんなに大きくなってるのよ!!何か秘密があるんでしょ!?教えてよ~」

茜「えっと‥‥それは‥‥」


マミちゃんとママの遺伝子を吸収してしまったなんて言えないし、
言ったところで誰も信じるはずがないので茜はためらっていた。


友達「茜だけそんな身体になるなんてずるいよ~!私達も長身の爆乳になりた~い!」

茜「そんなに言うならいいよ‥‥秘密が知りたい人は全員、放課後に学校裏に来て!」


友達らがあまりにしつこい為、また茜のスイッチが入ってしまったようだ。


《放課後》
茜のような身体に成長したいとやってきた友達は意外と多く10人も集まった。

友達「こんな所に呼び出して、いったいどんな秘密なの?」

茜「すぐに分かるよ‥‥『みんなの遺伝子が欲しい!!』」

その瞬間に10人もいた友達は全員茜の胎内へ入ってしまう。人数が多かったせいか、
茜のお腹は今まで以上に膨らむ‥‥が友達の遺伝子を吸収し終えると再び元のくびれた
ウエストへと戻っていった。

茜「みんな私みたいになりたかったんだよね?うふふ‥‥これでみんな私の一部になったんだよ!嬉しいでしょ!?」

10人もいっぺんに吸収したせいか、茜の身体は爆発的に成長し始めた。
身長はなんと13m、おっぱいは10mになってしまった。

茜「あれ?さすがに大きくなりすぎちゃったかな!?」

突如学校の敷地内に出現した巨大な茜に生徒達は驚き、我先にと逃げ始めた。

茜「逃がさないよ!!みんな私の身体の一部にしてあげる‥‥」

もう茜の欲望を止められるものは誰もいない。

茜『この学校のみんなの遺伝子が欲しい!!』

あと少しで学校内から逃げきれる‥‥といった者も数多くいたが、そんなものは関係なしに学校内にいた全ての人間が茜の胎内に吸収される。もちろん教師達も例外ではない。
茜のお腹はさっきよりも大きく膨らみ、今にも張り裂けそうなほどだ。

茜「みんなも先生達も遺伝子と記憶全部私がもらうよ!」

数百人の人間を吸収したため茜の身体はさらに巨大に成長し、身長500mとなる。もはやこの町に茜より大きい建物は存在しない。

茜「やっぱり先生達の記憶はみんなと違うなぁ~知識の量が半端ないよ!今ならどんな難しい問題でも解けちゃいそうだなぁ」

茜に吸収された人は遺伝子だけでなく、人生の全ての記憶も茜のものとなるので、それだけ知識の量も蓄積されていくのだ。医者だろうが天才科学者だろうが吸収してしまえばその知識も全て茜のものとなってしまう。

茜「まだまだ物足りないよぉ!『この町のみんなの遺伝子が欲しい!!』」

いったい何万人吸収したのだろうか‥‥茜は身長10000mまで成長してしまう。
おっぱいも8000mとなり、富士山の3倍弱という巨大さを誇っている。

茜「ああもうじれったいなぁ~!もう全部吸収しちゃえ!!『地球の遺伝子が欲しい!!!』」

身長100万km‥‥‥茜は途方もない大きさにまで成長していた。
今や地球の全ての人間が茜の胎内で70億もの小さな小さな受精卵となり茜と繋がっている。
いや人間だけでなく全ての生命がそれぞれ『生命の始まりのカタチ』へと還り、地球すらも星としての最初の姿に還っている。

茜「まだ‥‥‥まだ欲しい!もっともっと遺伝子が欲しいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

その後も茜は太陽系、そして数々の銀河を胎内へと収めていった。
身体もあまりに巨大に成長した為、もはや宇宙に収まり切らなくなるのも時間の問題であった。

茜「そろそろ最後にしましょうか。『宇宙の遺伝子が欲しい!!』」

無限に広がり続けていた筈の宇宙さえも茜の胎内に入ってしまった。
宇宙よりも途方もなく巨大になってしまい、もうこれで終わりかと思われたが‥‥

茜「あれ?まだ何か小さな光がたくさん見える!?‥‥まだまだ残ってたんだね!」

ちいさな光‥‥それらは地球のあった宇宙とはまた違う次元の宇宙、つまり異世界であった。
さらに、その中には天国や地獄といった人間の干渉することのできない未知の世界も含まれていた。

茜「もう一つ一つ吸収するのも面倒だな‥‥『全てが欲しい!!!』」

その一言で残っていた世界の『全て』が茜に吸収されてしまい、何もない空間で茜1人が漂うのみであった。本当に茜以外のものは何も無くなってしまったのだ。
宇宙と比べるのもバカらしくなるほどの途方もなく巨大な身体、そして全ての世界の記憶をも吸収した茜に分からないものなどもはや存在しなかった。

茜「もう本当に何も無い‥‥私一人になっちゃった‥‥」

今までしてきたことを考えれば当然の結末であるが、茜は急に寂しさがこみ上げてきた。
だが、あることに気づく。

茜「そういえば、みんな私のお腹の中にいるんだよね!?そっか‥‥今の私はみんなのお母さんなんだよね‥‥しっかりしなくちゃ!!」

茜は自分の下腹部を優しくなでて全ての生命を愛おしく感じるのだった。
美しくくびれたお腹の中‥‥胎内に全て世界が入っているとは信じられないが‥‥

そして茜は胎内のかつて母親だったモノに再び語り掛ける。
茜「ねぇママ!私みんなのお母さんになったんだよ!‥‥でも私なんかが良い母親になれるかな?まだまだ心配だから私の中から見守っててね!‥‥‥それから私の中のみんな!私の心の準備ができるまで、もう少し待っててね。いつかきっとまた産んであげるからね‥‥『私の子供』として‥‥」



再び世界‥‥宇宙‥‥生命が誕生することとなる『セカンド・ビッグバン』が起こるのはもう少し先の話である‥‥‥‥