双葉がスタートの合図を出してから24時間が経過しようとしていた。

双葉の鎖骨のあたり・・・・おっぱいのふもとから乳首を目指す1000倍の女の子達、その先頭集団は今現在で10万㎞付近を走っていた。人間サイズで換算すると100㎞の距離にあたるだろう。巨大化と同時に疲れにくい身体になっていたようで24時間走り続けていたにもかかわらず女の子達を疲れを見せることなく今もなおゴールの乳首を一生懸命に目指している。


「う~ん。思ったより進んでないみたいね。というか本当に進んでるのかな?あんまり遅いもんだから止まってるのかと思ったよ。」


双葉は遥かな高みから自分のおっぱいを見下ろして呟いた。
一生懸命に乳首を目指す彼女たちにとっては100㎞に感じられる長大な距離も双葉にとってみればたったの1㎝に過ぎない。丸一日かけてこの程度ではもはや止まっているも同然に見えてしまうのだ。


「ほらほらもっと急がないと私の乳首までたどり着けないよ。残り『たったの490万㎞』だから頑張ってね・・・・くすくす」


人間の1000倍という圧倒的な大きさと力を手に入れた女の子達も双葉の前では1㎝進むのに1日もかかる目視できない程の小さな小さな微生物でしかない。実際彼女たちは双葉から見て1000万分の1・・・0.00016㎜程度でしかないのだから本当に微生物みたいなものだ。そう思うと如何に自分が大きくて強い存在であるかを実感でき双葉は自らの力に酔いしれることができた。




「春ちゃんも以外と意地が悪いのね。それってもう無理って言ってるようなもんじゃない?」


「そうかしら?ならふみちゃんのスタートの前に少しだけおまけしておこうかな!」


すると1000倍の女の子達は少しだけ大きくなり1万倍の大きさへと巨大化した。
こうなると文香の10分の1くらいの大きさだ。先程の双葉の言葉でくじけそうになった者たちもこの変化の恩恵を受けると再びゴールを目指す希望を見出すことができたようで先程と比べてもより一層ペースを上げて走っているのが分かった。



「ちょ・・・私の10分の1とかだいぶ大きくしたのね!でもこれくらいなら本気出せばまだまだ余裕で追いつける距離かな?それじゃ行ってきます!!」


そういうと文香は勢いよく走りだした。


「あはは・・・丸一日かけて走ったのにもう私に追いつかれるのってどんな気分?結局のところ体力なんかよりも大きさが全てなのよ。恨むなら小さな身体の自分を恨みなさい。それじゃあバイバーイ!」


10万㎞という距離は文香にとってみればたったの1㎞なので先頭集団に追いつくのにそう時間はかからなかった。そしてまたたくまに追い抜かしてドンドン距離を離しながら乳首へと独走していくのだった。



そして数時間後


「よぅし!もうゴールの乳首は目前ね。それにしてもこれが乳首だなんて凄いとしか言いようがないわ。地球の何十倍の大きさの物体が乳首だなんて・・・・今の春ちゃんは本当にとんでもない大きさなのね・・・・・でもゴールしたら私もその仲間入りよっ!それもうひと踏ん張り!」




直径30万㎞ある双葉の乳首のふもとにたどり着くまであとちょっとというところで文香にとって予想外の出来事が起こった。



グラグラグラグラ・・・・・


突如地面が天変地異のように激しく揺れ出したのだ。おっぱいの大地とはいえ100億倍という大きさの前には10万倍の大きさを誇る文香でさえ走ってもびくともしなかったのにそれが今大津波のように上下に激しく波打っている。



「ちょ・・・・激しすぎ・・・・立ってられない・・・・春ちゃんったら何やってるのよ!」



きっと春香が悪戯心でおっぱいを揺らしているのだろう。文香は激しすぎる揺れの為地面に這いつくばることしかできなかった。そして頭を上げた時文香の目に映ったのは・・・・・



「やった~!!私が一番にゴールできたよ女神様~♪」



双葉の乳首よりも大きな少女がゴールした姿だった。



「え?・・・・・・・・・・・どういうこと・・・・・?」


乳首と比較すると身長50万㎞はありそうな女の子だ。今はその全身を使って乳首に抱きついている。文香と比較すると3000倍以上もある大きさだ。元の大きさから考えるとおそらく3億倍くらいに巨大化しているのだろう。これ程の大きさで走れば超大な質量を誇る双葉のおっぱいを少しくらい揺らすことも可能だろう。先程の自身はきっと彼女の仕業と見てまず間違いない。そこまでは理解できたが腑に落ちない点が1つだけあった。



「どうしてあの女の子だけあんなに巨大化しているの?」




文香のその疑問を晴らす前にもっと衝撃的な事実が文香を驚かせることになる。



「うふふ・・・・カナちゃんが一番乗りみたいね。最初の約束通り一番になったカナちゃんにはご褒美をあげるわね♪」



グググググググゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!



急に少女の身体が宙に浮いたかと思うと爆発するかのように一気に膨れ上がり、あっという間に双葉と同じ100億倍にまで巨大化したのだ。
しかも幼い身体つきだったものが双葉とならんでも謙遜ないくらいの・・・・人間では有りえない程の美貌とスタイルを兼ね揃えた大人の身体へと成長していった。
巨大化が終わった時少女はちょうど双葉と真正面から向き合うような状態で、文香のいる場所のすぐ真上に少女の乳首がきており空をピンク色で覆い尽くしていた。




「わぁ~♪私も女神さまと同じ大きさになれたんだぁ~♪あっ!さっきまで私が抱きついていた女神さまの乳首がこんなに小さい~!ほらっ!指で摘まめちゃうよ♪」



乳首のすぐそばにいた文香にとっては巨大な指で双葉の乳首がグニグニと柔らかそうに変形する光景が視界いっぱいに広がっていた。こうしてみると凄く柔らかそうなのだが文香の大きさでは乳首をへこませることすら叶わないだろう。



「あんっ!もうカナちゃんったらいきなり悪戯するなんて悪い子ね。」



「ごめんなさいっ!女神さまと同じくらい大きくて素敵な身体になれたのが嬉しすぎてついつい・・・えへへ・・・女神様だ~いすき♪♪」



「えっ!?嘘!?まさかこの娘抱きつく気じゃ・・・・・!?」



文香の嫌な予感は的中し少女は双葉にいきおいよく抱きついてきた。
双葉と同じくらいに成長した少女が抱きつくという事はすなわち文香の立っている大地と同じくらいの質量をもったおっぱいが押し付けられるという事・・・・・・


天から現れた少女のおっぱいと大地として踏みしめていた双葉のおっぱいがぶつかり合った瞬間、双葉のおっぱいの上にいた文香と1万倍サイズの大勢の女の子達は姿を消すのだった。









時間は少しさかのぼり巨大な少女が現れる少し前





「まぁ結局のところこれも余興だしね。ふみちゃんが勝つのは目に見えてる・・・というより元からそのつもりだったし・・・・でもそれだけじゃあちょっと物足りないかなぁ~!何か面白そうなことないかなぁ~!・・・んっ!?」



文香がスタートしてしばらく経過するともうその差は歴然でどう考えても文香が一番にたどり着くのは確実だろう。そう思うとゲームとしての面白みが半減してしまう。そんななか双葉がふと目を下に向けるとスタート地点から全く動いていない『点』があることに気が付いた。もしかすると最初からレースに勝てないと思ってあきらめている人かもしれないが何故か気になり、視力を強化してから様子を見ることにした。



「・・・・」



そこにいたのは上を・・・双葉を見上げたまま微動だにしない小さな女の子だった。
まぁ小さいといっても双葉の視点であって人間から見たら彼女も1万倍の大巨人なのだが・・・・


その少女は小学生くらいの幼い身体つきで、黒髪の三つ編みを2つ後ろになびかせ、メガネをかけたいかにもおとなしそうな女の子だ。
双葉を見上げるその表情は恐怖や絶望といったものではなくもっと別のものに感じられ、その意図がつかめないことが余計に双葉の興味を引きつけた。



「ねぇ、あなたは何でみんなと一緒に走らなかったの?」



「・・・・」



現在双葉のおっぱいの上には数えきれないくらいの女の子がいるのだ。その少女はまさかその中で自分が話しかけられているとは思わず双葉の声掛けに反応を示さなかった。



「えっと・・・・スタート地点から1歩も動いていない三つ編みのあなたよ!ちなみに今私達が話している声は他の人達には聞こえないように調整しているから気にしないで話していいわよ」


「わ・・・・わぁ・・・女神さまが私に話しかけてくれた!?凄いっ!嬉しいっ!!!」


少女は話しかけられただけで感激のあまり涙を流して喜んでいた。



「な・・・泣くほど嬉しいのっ!?ただ話しかけただけなのに?」


「だって・・・神様なんでしょ?女神様なんでしょ?今までに見たことないくらいとってもとっても綺麗で素敵な身体をしていたから思わず見とれちゃったの!しかもそんな女神様がこんな私に話しかけてくれるだなんて思わなかったから・・・・だから凄く嬉しいの!」



「そう?でもそんな風に言ってもらえると私としても嬉しいわ。ちょっとあなたに興味出てきちゃったかも・・・・あなた名前はなんていうの?」



「私・・・星越 彼方(ほしごえ かなた)っていいます!」


「へぇ、可愛い名前ね。カナちゃんって呼んでいいかな?」


「えへへ・・・女神さまにカナちゃんなんて呼ばれると何だか不思議な気分・・・でもとっても嬉しいです♪」


「うふふ・・・私もカナちゃん見ているとまるで妹みたいで可愛がりたくなっちゃうわ♪」


「わぁ!ありがとうございますぅ!でもできることなら女神さまと一緒に遊べるように私も大きくなりたいな・・・・・でも私運動苦手だし、今から走ってもみんなに追いつけないから一番でゴールするのは無理かぁ~!やっぱりみんなと一緒に走っていれば良かったかな?」


「でもカナちゃんが走らなかった原因て私に見とれていたからなのよね?そういうのは私としても嬉しいからちょっとカナちゃんには贔屓しちゃおうかしら?」


すると次の瞬間には1万倍だったカナの身体は3億倍を超える50万㎞へと巨大化していた。


「わっ!おっきくなっちゃった!?これならゴールまですぐ行けちゃいそう!女神様ありがとう!」


「まぁ最後尾の人への逆転チャンスっていう名目でのプレゼントってところかしら?・・・・ふふふ・・・・・でもちょっとサービスしすぎたかしらね?」


実際これほどの大きさになると彼方にとっても乳首までは10m程度の距離でしかない。
もうゴールしたも同然だ。


「やった~!!私が一番にゴールできたよ女神様~♪」


「うふふ・・・・カナちゃんが一番乗りみたいね。最初の約束通り一番になったカナちゃんにはご褒美をあげるわね♪」



そして彼方がスタートして数秒でゲームの決着はついたのだった。