双葉「それっ!ふみちゃん‥‥大きくなれっ!!」

別にかけ声は必要ない気がしたが、私はその場のノリでそう言ってふみちゃんを巨大化させようと意識を集中させる。自分自身が巨大化する時とは違って他人を巨大化させるのは意外と難しかった。

ムクムクッ!ムクムクッ!!

巨大化は成功したようで文香の身体は徐々に大きさを増していく。

文香「あぁっ!すごぉ~い、本当に私大きくなってきたよぉ~!」

双葉「これでふみちゃんも私と同じくらいの大きさになれるね!成功して良かったぁ~‥‥‥‥アレ?」

ムクムクッ!ムクムクッ!!‥‥ビリビリビリッ!!!

文香「ふぇっ!?服が‥‥‥春ちゃん!どうなってるのっ!?」

なんと文香の服は巨大化に耐えられずにビリビリに破れてしまった。
その間にも文香の身体はドンドン巨大化していき、元の大きさの10万倍‥‥160kmという身長になる頃には、とうとう文香は素っ裸になってしまった。

双葉「ごめぇ~ん!!やっぱりまだ上手く力が使えなかったみたい‥‥‥でも巨大化はできたでしょ?予定よりちょっと小さかったけど‥‥」

文香「足下の『人間達』にも裸を見られちゃったし‥‥‥‥‥‥恥ずかしいよぉ~!」

ふみちゃんは両手で胸と股間を押さえながら、私に抗議している。恥ずかしさの為かもじもじと身体をくねらせているが、その小さな動きでさえも私の手のひらの中にある『東京』の住民は何万人というスケールで潰されている。私から見たらふみちゃんは10分の1の手のひらサイズだけど、『人間』にとっては10万倍の超巨人なのだから‥‥

双葉「うふふ‥‥ふみちゃんったら可愛い。そんなに恥ずかしいのなら、ふみちゃんの裸を見た『人間』は全部踏み潰しちゃえば?」

文香「うん‥‥そうする‥‥」

そして文香は大事なトコロを隠していた両手を離して、足下の『東京』を見下ろした。

文香「私の‥‥私の裸を見た人は全員踏み潰しますっ!!覚悟してくださいっ!!」

ちっぽけな『東京』からは身長160kmもある文香は何処からでも見ることができた‥‥いや、これだけ巨大だと視界に入らないということ事態が不可能だった。もはや『東京』の住む全ての『人間』は踏み潰される意外の選択肢が存在しなかった。

文香「このっ!このっ!!このっっっっ!!!」

ズドォォォォォォォン!ズドォォォォォォォォン!!ズドォォォォォォォォォォォォォォン!!!

文香は全力で『人間』を踏み潰していた。もはや慈悲の欠片もなく、ただただ踏み潰すことに専念している。

文香「潰れろっ!!潰れろっ!!みんな潰れろっ!!」

ズドォォォォォォォン!!ズドォォォォォォォォォン!!ズドォォォォォォォォォォン!!!

そしてふみちゃんが『東京』の全てを踏み潰すのには5分とかからなかった。
ただ踏み潰すだけならもっと早く終わらせることができたかもしれないが、とにかくふみちゃんは1人も残らないように‥‥徹底的に踏み潰す為に5分という時間をかけていた。

双葉「本当に全部踏み潰しちゃったんだね!もうっ!ふみちゃんったら恥ずかしがり屋なんだからぁ~!」

私は手のひらの中の‥‥かつて『東京』と呼ばれていた街に立つふみちゃんに話しかける。
壮大なスケールの地獄絵図が繰り広げられていた場所も私にとっては手のひらの中でのちっぽけな出来事にすぎなかった。

文香「踏み潰してる途中で気づいたんだけどさ、『人間』ってもう小さすぎて私にも見えなくなってるんだよね。そんな小さな存在に裸を見られても、あんまり恥ずかしくない気がしてきたよ(笑)」

双葉「その割にはふみちゃん、容赦なかったよね~?」

文香「だって踏み潰すの楽しいんだもん‥‥‥それに『東京』くらい無くなっても、まだまだ地球上に『人間』はたくさんいるんだから大丈夫って思ってね!(笑)」

双葉「そうだよねぇ~!『人間』なんて70億人もいるんだから、100万人や200万人なんてちっぽけなもんだよね!?‥‥‥ところで私はこれからアメリカに行って遊ぶつもりだけど、ふみちゃんはどうする?」

文香「私は日本に残って遊ぼうかな~!自分の住んでた国を踏み潰すのって凄く楽しそうだし!!春ちゃんもアメリカ楽しんできてね!」

双葉「それじゃあ、また後でね~!」

こうして私は次なる遊び場‥‥アメリカを目指すのだった。