《世界で一番大きくなりたい》


「ふんふふふ~ん♪あっ!海についたよっ!!」

私は今友達と一緒に海に来ていた。もちろん小学2年生の子供だけで来たら怒られてしまうので友達のママに車で送ってもらったのだ。


「わ~い!海だぁ~!!それぇ~!!!」

「ちょっとなこちゃんっ!着替えはどうするの!?」

「だいじょ~ぶ!だいじょ~ぶ!!ほらっ!」

私は砂浜の真ん中で勢いよく着ていたワンピースを脱いで裸に・・・はならなかった。
何故ならもちろん服の下に既に水着を着ていたからだ。みんなもやったことあるよね?
まぁそのせいでパンツとかを持ってくるのを忘れてしまったのはナイショだけど(笑)


「もう~!みんな遅いよ~!」

「私達が遅いんじゃなくてなこちゃんが早すぎるんだよ。水着中に来てたのはいいけど帰りのパンツとか忘れたりしてない?」

「そっそんなことないよ~(汗)あっ!それにしてもみんな可愛い水着だね♪」

私はまだまだ小さくてお姉ちゃんみたいな身体には程遠いけど気分だけでも大人になりたくて思い切って黄緑色のビキニを着てきた。とはいってもおっぱいの膨らみは全くないので寄せても上げても谷間を作る事は不可能だし、お尻だって大きくない。それにお腹もまだ幼児体型でくびれなんてものもない。はっきり言って大人の要素は皆無なので本当に気分だけだ。


「あーちゃんの水着はピンクのフリフリで可愛いし、みーちゃんはビキニだから私と一緒だね。ん!?でもこれは・・・・ああぁ~!みーちゃんおっぱいが膨らんでるぅ~!!ずる~い!触らせてぇ~!」

私はみーちゃんの背後から手を回してみんなよりも大きなおっぱいを揉みまわした。

「いいなぁ~!Bカップくらいあるんじゃないの!?きっと私達の学年では一番おっぱい大きいよ~!!」


「ちょっとぉ・・・なこちゃん止めて。くすぐったいよぉ。」


「おっとゴメンね~!それにしてもよく考えたらみーちゃんのおっぱいが大きい理由ってママの影響だよね?」


振り返ると後ろの方で私達を見守ってくれている女の人・・・みーちゃんのママがビニールシートを引いて座っていた。ここまで送ってくれたのもみーちゃんのママだ。
さっきまでは服を着ていた時は着やせしていて分かりにくかったけどビキニを着たみーちゃんのママはお姉ちゃんと同じくらいの大きなおっぱいを持っていた。
これなら娘のみーちゃんに遺伝するのもうなずける。きっとみーちゃんが大人になったらあのくらいのおっぱいになるんだろうな。


「だけどなこちゃんのお姉ちゃんもおっぱい大きくてスタイルも抜群だよね?なこちゃんもきっといつかは同じくらいのおっぱいになれるんじゃないの?」


「お姉ちゃんも同じこと言うんだよね・・・・私はすぐ大きくなりたいんだよね。それにお姉ちゃんよりもっともっと凄い身体に・・・そうだなぁ、いっそのこと世界で一番大きくなりたいな・・・・そういえばクリスマスにもそんなことお願いしたんだっけ、結局何も変わらなかったけど。」


「そればっかりは仕方ないよ。それより早く海で泳ごうっ!!」

「そうだね。いこっか!」


それから私はみんなと一緒に遊んだけれど、周囲の人達に目を奪われっぱなしでした。
大人の女の人達はビキニを着ている人が多くて普段よりもおっぱいが目立って、中にはお姉ちゃんよりもおっぱい大きい人も何人かいてビックリしました。そんな人たちが多い中まだまだ子供な身体な私は凄く羨ましくて、自分が幼いのが悔しくてなんだかもやもやした気分のまま遊ぶ羽目になりました。


「ねぇねぇみんな、あそこまで競争しようよ!」

そんな鬱憤を晴らすには身体を動かすのが一番です。私は遊泳禁止エリア境界に浮かんでいるブイ?っていうのかなそれを指差してみんなに競争を持ちかけた。


「それじゃあいっくよ~!よ~い、ドン!」


「ちょっとなこちゃん待ってよ~!!」


みんなは急いで浮き輪を持って海に入りますが、私にはそんなもの必要ありません。
身体は小さいけどこう見えて泳ぐのはクラスで一番得意なんだからね。


「よ~し、このままいけば私の勝ち・・・・うっ!身体が苦しいっ!?」


目標のブイまで半分というところで私は急に身体が苦しいようなめまいがするような気持ちの悪さに襲われて泳げなくなってしまいました。


「いやっ!!・・・・・・溺れちゃ・・・・・・う・・・・・・・・・・・・・」


みんなは浮き輪をしているのに1人だけ調子に乗って何もつけずに泳いだのが間違いでした。そこはもう子供の足では届かない深さで、泳げなくなったらもう沈むばかりです。


(あぁ・・・私はお姉ちゃんみたいな素敵な身体になることもなくこのまま死んじゃうのかな・・・)


そんな事すら頭に浮かんできました。苦しさの為もがくこともできず、深い場所に沈んで・・・このまま・・・・・・・・・


(あれっ!?足が届く!?)


それ気付いた私はそのまま立ち上がってみました。すると水の深さは私の肩くらいまでしかありません。


「もしかすると少し出っ張った所に脚がついたのかな?」


顔が海面から出ればもう大丈夫です。先程の苦しさももう収まって、逆に清々しいくらい・・・・・・その代わり水着が引きちぎれて私の目の前を漂っていましたが(汗)


「いやぁぁっ!!恥ずかしいっ!!」


私は水着を手に取って胸に当てて付け直そうとしたところで身体の異変に気づきました。


「えええっ!?おっぱいが大きくなってるっ!?凄いよ凄いよっ!!お姉ちゃんより・・・お姉ちゃんなんか目じゃないくらいおっきくなってるぅっ!!やった~!!」


思わずバンザイをしたところで今自分が水着を突けていない事に気づいて私は顔が赤くなりした。まぁ肩までしか水面から出ていないから誰かに見られることはありませんでしたが・・・・


「う~ん。おっぱいが大きくなったのは凄く嬉しいけど大きくなりすぎて水着が破れちゃったのか・・・・これじゃあ恥ずかしいなぁ。どうにかしてまたつけられないかな?」


そう思っていると水着はいつの間にか私の手の中から消えてしっかりとおっぱいに着用されていました。ただ水着のサイズ自体はあまり変わっていないのでギリギリ感は否めないですがないよりはマシです。


「おおっ!!何だかよく分からないけど水着が直った!?これならまぁいっか。」


そうこうしているうちに遅れてみんながやってきました。


「なこちゃん、さっき溺れたように見えたけど大丈夫?」


「うんっ!ちょっとびっくりしただけ。それよりみんなここ足がつく深さだったから浮き輪しなくても大丈夫だと思うよ!」


「え~。そんなことないよ私達みんな浮き輪じゃないと足が届かないし。」


「あれっ!?おっかしいな~。」


私が立っている所だけ浅いのかと思って、みんながいるところに少し移動してみましたが、特に問題なく足は地面についています。


(もしかしておっぱいだけじゃなくて背も高くなったのかな!?やった~♪)


私は心の中で喜びを叫んでいました。
ちなみに大きくなったおっぱいはまだ海面下で直接は見えないのでみんなには気付かれていません。ここで見せるより海から上がってからの方がみんなをよりビックリさせられるかな。


「それじゃあまた競争再開しよっか。レッツゴー!!」


またしても私はみんなを振り切って泳ぎ始めました。身体が大人みたいに成長したせいか今までよりも早く泳げて楽しいです。少しして振り返るとみんなはかなり後ろの方、どうやら私が早すぎて置いて行かれたみたい。追いつかれる心配もなさそうです。


「あれっ!?ここも足がつく!?何だ~結構浅い所続いてるんじゃない。ゴールのブイまであと少しだしこのまま歩いていけるかな?」


結局のところ私は遊泳禁止エリアの境界にあるブイまで歩いていく事が出来ました。


「ブイって近くで見たことなかったけど意外と小さいのね。」


私はビー玉みたいなサイズのブイを親指と人差し指でつまむところころ回して遊んでいました。


「こら~!一人でこんなに遠くまで来ちゃ危ないじゃないか!!」



うしろを振り向くとボートに乗ったライフセーバーのお兄さんが近づいてきます。


「あぁ~怒られちゃった・・・・ごめんなさい~!友達と泳ぎの競争していたんです。それにここ足がつくぐらい浅いから大丈夫ですよ~!」


「何言ってるんだ!?そこはもう大人でも足がつく場所じゃないぞ。今ボートでそっちに行くから一緒に岸まで戻るんだ!」


(お兄さんの方こそ何言ってるの?実際に私はここまでずっと歩いて来れたんだから・・・子供の身体では深いけど大人の身体なら大丈夫でしょ?)


そう思ったが口に出すとまた怒られそうなので私はお兄さんのボートが近づくまで黙ることにした。



「君の友達から連絡があって迎えに来たんだぞ!ダメじゃないか子供だけでこんな深いところまで来たら、特に君たちみたいな小さな・・・・小学生・・・・・には・・・・・!??」


遠くから話しかけていたお兄さんであったが近づくにつれて何かに気づいたようにドンドン声が小さくなり、私の目の前に来たときには驚きで声が出せなくなっていました。
私も同様に近づいてくるお兄さんに違和感を感じていましたが手が届く範囲まで来た時に違和感が何なのかがはっきりしました。


「お兄さんが小さいっ!?」

身長が低いとかそんなもんじゃありません。1~2年前まで私がおままごとしていた頃に使っていた人形よりも遥かに小さいのです。そこで私はボートを『片手で』すくいあげてもっと近くで見ることにしました。


「なっ何をするんだっ!?君はいったい・・・・・」


お兄さんは腰が抜けて立てないまま情けない声を上げてました。先程までの威勢は微塵も感じられません。


「うわ~!お兄さんちっちゃくて可愛い~♪ほらほら見て!『私の小指』よりもちっちゃいんだよ~!良くできたおもちゃみたい~♪」


こうして片手に乗ってしまう大きさのボートと小指より小さなお兄さんを見ていると、ミニチュアのおもちゃみたいです。重さもほとんど感じません。学校で使う消しゴムにも及ばないくらいの軽さ。おもちゃどころか妖精か何かみたい。でも実際はそうじゃない事は薄々感じていました。お兄さんは本来なら190㎝はあり、ライフセーバーをしているだけあって筋肉も凄く、体重だってかなりのものだと思います。


「お兄さんが小さくなったんじゃないんだとすると・・・私が大きくなったってことだよね?」


先程からじっと立ち止まっていると海面が私の肩の高さだったのが徐々に下がっていき、今ではふとももの高さにも届きません。手のひらの中のボートとお兄さんも一緒に小さくなっていき小指くらいの大きさだったのが、小指の爪の大きさにも満たないくらいの大きさになってしまいました。


「そうだ!お兄さんは私を助けようと思ってここまで来てくれたんだよね?だったらお礼をしなくちゃっ!」


私はおっぱいの谷間にお兄さんを挟んであげました。
男の人は大きいおっぱいが大好きだと聞いたことがあるのできっと喜んでくれるでしょう。


「う~ん。何か言ってるみたいだけど小さすぎて何だかよく分からなくなっちゃった・・・・まぁきっと嬉しすぎてお礼でもいってるのかな?そうだ、そろそろみんなのところに戻らないと・・・・」


この間にも私は巨大化していたみたいで、さっきの場所から動いていないのにもう海面は私の足首くらいになってました。


「さっきはここまでくるのにそれなりに大変だったけど・・・この分だと3~4歩くらいでつきそう。帰り道は楽ちんだ~!ラッキー♪♪」