【仮想世界の巨大化が現実世界に及ぼす影響について ~私妹パラレル~ 】


《現実世界:1日目》
●大木くうな:17歳、身長170㎝、Gカップ
●大木なこ:7歳、身長120㎝、ツルペタおっぱい

《仮想世界:1日目》
●大木くうな:レベル1、身長160㎝、Cカップ
●大木なこ:レベル1、身長160㎝、Cカップ

「ねぇお姉ちゃん、一緒にあのゲームやろうよ~♪」


妹のなこが私に言っているのは最近はやりのVRゲームだ。
旧来の視覚的な疑似体験ではなく、ヘッドギアを頭に被ると身体は眠ったような状態になり精神のみが仮想世界に反映されるという最新式のタイプだ。
仮想世界内では視覚、聴覚、触覚、味覚、痛覚など人間にとってのあらゆる感覚も現実と同等に感じることができるので、もうそれは一つの異世界といっても過言ではない。


「いいわよ!ちょうどお正月にたんまりお年玉もらったところだしね♪・・・で、どのゲーム?まさかあのソードアート・オンラ・・・・」


「ううん、私がやりたいのはこれ!ファンタジー・ファンタジー!略して・・・」


「ごほんごほん!略さなくてよろしい。まぁでも見た感じ面白そうなゲームね。さっそく買ってみましょうか」


ファンタジー・ファンタジーというそのゲームはその名の通り剣も魔法も色々な種族も入り交ざったファンタジーな世界そのものだった。VRMMOと呼ばれるそれは世界中で人気となり現在5000万人以上がプレイしてるとも言われる。


「じゃあヘッドギアを一緒に被って・・・いくよ!ゲームスタート!!」


私となこはベッドに横になり目を閉じるとゲームは起動し始め、次に目を開けた時にはそこは我が家ではなく中世風の街並みが広がっていた。


「うわぁ~!すご~い!これがゲームだなんて思えないよ。全部本物みたい~!」


「なこったらはしゃぎすぎよ!まぁ確かに凄いのは認めるけどさ・・・ところでなんで私たち同じ身長になってるのかしら?」


「たぶんレベル1だとみんな同じ状態からスタートするんじゃないの?わーい!お姉ちゃんと同じ身長になってるの新鮮で楽しい~♪」


現実では私は17歳で身長170㎝、バストGカップという我ながら良いスタイルをしてるのだけれど今は身長160㎝、バストCカップ程度のごくごく平均的な身体になっている。
それはもちろんなこも同じだ。もっとも7歳で身長120㎝だったなこにとっては自身が成長した状態になってる訳で嬉しそうにはしゃいでいた。


そして私たちがスタート地点の街の中央広場から移動しようとしたところで、いつの間にか近づいてきたおじいさんに声をかけられた。きっとこの世界におけるチュートリアル説明のNPCキャラクターだろう。


「おお、新たにこの世界に舞い降りた戦士よ歓迎するぞ!まずは自身の種族と職業を確認するがよい。種族はランダムで決められ変える事ができんが必ず役に立つ能力を秘めている筈じゃ!職業は後からでも変更できるから自身にあったスタイルを模索して精進することじゃな!」


「えっと・・・私の職業は騎士。うんうん、いいじゃないの!種族は・・・小人ぉっ!?何よこれ~!!」


「ねぇねぇ!お姉ちゃん、私の職業はヒーラーで種族は巨神族だって~!巨人じゃなくて巨神だよ!えへへ~!なんか強そうでしょ~♪」


「おぬしら小人族と巨神族とな!?たまげたなぁ、どちらもつい最近実装されたばかりの種族でまだ誰も選ばれたことがない激レア種族なんじゃぞ!おめでとうと言っておこうか!では良い旅路を、達者でな!」


おじいさんはさらりと凄い情報を口にして立ち去って行ってしまった。


「ねぇお姉ちゃん今の聞いた?激レア種族だって~!私たち凄くツイてるね♪」


「まぁチュートリアルも終わったみたいだしさっそく旅に出ますか!行くわよ、なこ!!」


こうして私たちの冒険は幕を開けた。




《現実世界:3日目》
●大木くうな:17歳、身長165㎝、Fカップ
●大木なこ:7歳、身長125㎝、膨らみかけのおっぱい

《仮想世界:3日目》
●大木くうな:レベル5、身長120㎝、Bカップ
●大木なこ:レベル5、身長170㎝、Gカップ


「わ~い♪私お姉ちゃんと同じスタイルになっちゃった~♪それに引き換えお姉ちゃんは現実での私と同じ体型だね。ちっちゃくて可愛い~♪」


「もうっ!暑苦しいからくっつくな~!はなせ~!!」


巨神族と小人族はそれぞれ固有スキルでレベルに伴った巨大化と縮小化をするらしい。
しかもそれが2人そろってるので一緒に並ぶと数値以上に大きく差がついてるように見えてしまう。それにしても現実世界での私となこの身長がここでは逆転する羽目になってしまうとはゲームを始める前は夢にも思わなかったな・・・


「ふぅ・・・今日はここまでにしようっと!」


「可愛いお姉ちゃんが見れて楽しかったね~!明日もゲーム頑張ろうね!」


「そりゃもちろん・・・・んんっ!?」


「お姉ちゃんどうしたの?」


私に見つめられてなこはきょとんとしていた。


「いや、気のせいかな?何でもないわ!」


この時の私はなこがいつもより少し大きく見えた気がしたのだが、それは仮想世界の中で大きななこを見続けたからそのせいだろうと思っていた・・・・



《現実世界:7日目》
●大木くうな:17歳、身長150㎝、Bカップ
●大木なこ:7歳、身長140㎝、Bカップ

《仮想世界:7日目》
●大木くうな:レベル15、身長100㎝、Aカップ
●大木なこ:レベル15、身長400㎝、Iカップ


「秘技、リトルマシンガン!!」


グゥゥゥゥアァ!!!


私の目にも止まらぬ10連撃でモンスターのオークは倒れた。
最初小人族というものに心配を抱いていたが戦闘においては案外悪くないことに気が付いた。身体が小さい分必然的に的が小さく狙われにくい上にスピードは全種族中トップクラスを誇っているのだ。それでいて力のパラメーターは小さくなるのに伴って弱くなることがないので一方的に敵を攻め続けることも難しくない。
敵を圧倒した優越感に浸るとともに身長が100㎝になっただけでなくおっぱいまでAカップに縮んでしまって、ちんちくりんな身体になってしまった事も同時に嘆いていた。
まぁ強力なステータスを得た代償とでもいうべきか・・・



「え~い!飛んでけ~!」


私の後ろでなこの大きな声が木霊した。様子を伺うと400㎝の巨体を活かしてオークたちを蹴り飛ばして1匹1匹を1撃で倒している。私の戦闘スタイルもチート気味だけどなこの戦闘を見ていると相手のオークが不憫に思えてくるほどの一方的な殲滅にすら見えた。




「やっぱり気のせいじゃないわよね?なこ、あなた最近急に大きくなってない?」


仮想世界から戻った私がなこにこういうのは当然のことだった。何故なら先日よりも明らかに私となこの身長差が縮まっているのだ。今なんてもう10㎝くらいしか差がない。


「うん!なんでだろうね嬉しいよ~!でも私が大きくなっただけじゃなくてお姉ちゃんも小さくなってるよね?」


「え・・・・?」


今までなこの身体に起きてる異常ばかりに気を取られていたが、なこに言われてて私ははっとした。鏡を見てみるとそこには長身で巨乳だった筈の私はそこにおらず、中学生・・・どうかすると小学生高学年くらいに見える女の子の姿が目の前にあった。どういう訳かおっぱいまで縮んでしまい、膨らみを増し始めたなこと同じくらいの大きさになってしまっているのはショックだった。

















《現実世界:14日目》
●大木くうな:17歳、身長130㎝、Aカップ
●大木なこ:7歳、身長160㎝、Eカップ

《仮想世界:14日目》
●大木くうな:レベル30、身長80㎝、AAカップ
●大木なこ:レベル30、身長1600㎝、Kカップ



「ふっ!またつまらぬ物を切ってしまったな・・・なんちゃって!」


身長80㎝になってしまったが小人族としての強さは大きさに反比例して益々強くなってきている。音速を超える連撃の嵐で今しがた10匹のオーガを仕留めたところだ。


「ごじゅうろーく!ごじゅうひーち!ごじゅうはーち!」


なこの方もさらに大きくなり16mになった身体でオーガの群れを追い回して1匹ずつ踏みつぶしていた。リズミカルに鳴るなこの足音に合わせてぷちゅり!ぷちゅり!と音を立ててオーガは今も数を減らしていっている。もはやオーガの方に戦意はなく逃げ惑うばかりでそれを楽しそうに追い回して踏みつぶしているなこの姿を見ているともはやどちらが悪なのか分からなくなってくる。




「こんなの絶対おかしいわ!!」


「まぁまぁお姉ちゃん落ち着いて・・・ほら、よしよし♪」


現実世界に戻って憤慨している私に対しなこは《かがんで》私の頭に手を置きポンポンと撫でた。
これじゃあまるで私がなこの妹みたいじゃないのよ・・・・


「だって病院で検査してもらっても身体には何の異常もなかったんだよ?きっとそのうち戻るって!」


「なこは大きくなったからいいけど私なんて130㎝になっておっぱいなんてAカップになっちゃったのよ!!これが落ち着いていられるかってのよ!!」



《現実世界:30日目》
●大木くうな:17歳、身長110㎝、AAAカップ
●大木なこ:7歳、身長195㎝、Hカップ

《仮想世界:30日目》
●大木くうな:レベル80、身長16㎝、AAAカップ以下
●大木なこ:レベル80、身長500m、Mカップ


ズシーン!ズシーン!


500mにまで成長したなこ足音が大地を震わせていた。
足元ではモンスターの群れがいたが1踏みで何十匹も一気に消えている。
私はというと16㎝にまで小さくなってしまったけどモンスター相手ならもう何者にも負けないといっても過言じゃないくらいに強くなった。だけど今はもう戦闘はしていない。
パーティーメンバーであるなこがモンスターを倒すと同時に私にも経験値が入るのだから戦う必要がないのだ。まぁそれだけじゃなくて巨神族の名に恥じない程巨大になり、まさに女神になりつつあるなこの姿を間近で見ることに一種の喜びを見出してしまってしまい、なこの肩の上が私の定位置となっていた。



「ねぇお姉ちゃんはずっと私の肩の上にいてつまらなくないの?私は小さいのをプチプチ潰すの好きだからいいけどさ・・・」


「気にしなくていいのよ!私あなたがもっともっと大きくなるのを見てるだけで幸せなの♪」


これだけのことをやっていると仮想世界の中でも私たちの噂はだんだんと広まっていくのは当然のことだった。



「ねぇお姉ちゃん本当にゲームまだ明日も続けていいの?」


「いいに決まってるじゃない!何が不満なの?」


「だって今の私たちのこの身体ってたぶんゲームの影響だよね?」


この時私は身長110㎝に縮み、なこは195㎝にまで成長していた。
ここまで異常とまで言えるほどの変化が起こると原因は自然と気づくものだ。
しかしこれを知っているのは私となこだけなので両親も医者も原因が分からず頭を抱えていることだろう。


「いいの!いいの!仮想世界でも言ったけど私なこが大きくなるところもっと見てみたいのよ♪」


そういって私はなこの足に抱き着いた。その長い脚は既に私よりも大きく、私はスカートの中にすっぽり入ることさえできてしまった。きっともう私の体重よりなこの片足の方が重いんだろうな・・・・

《現実世界:90日目》
●大木くうな:17歳、身長50㎝、AAAカップ以下
●大木なこ:7歳、身長550㎝、Nカップ

《仮想世界:90日目》
●大木くうな:レベル9999、身長1000兆分の1ミリ、AAAカップ以下
●大木なこ:レベル9999、身長∞光年、Zカップ以上


「とうとうレベルカンストしちゃったね・・・・もうこれ以上大きくなれないと思うとちょっと残念だなぁ」


なこの声は仮想世界における全宇宙に響き渡った。つまりこのゲームにログインしている5000万人すべてのプレイヤーがなこの声を聞くことになっただろう。
なにせ今のなこは宇宙よりも遥かに大きいのだ、あまりにも巨大すぎてなこは仮想世界からプレイヤーとしてではなく《フィールド》として認識されてしまってる始末だ。
かくいう私もあまりに小さすぎて固有スキルのテレパシーを使わないとなこだけでなく一切のプレイヤーと会話すらできないのだけれど・・・


「仕方ないわよ!それにもうそろそろこの仮想世界にもこれなくなるだろうし、どのみち区切りをつける時期だったのよ。だって現実の私たちの身体は・・・・・」


そこで私は強制ログアウトされ現実に引き戻された。ヘッドギアにはエラーが表示され、そこには乳児および新生児にヘッドギアを装着させないでくださいと書かれていた。


「私が赤ちゃんって意味?17歳なのにその扱いは酷いなぁ・・・・」


ゲームを始めて90日目にして私の身体は身長50㎝になってしまった。これではまるっきり赤ちゃんのサイズと変わらない。確かにこれではヘッドギアに誤認されても仕方ないのかもしれないが・・・・


「私なんてヘッドギア壊れちゃったよぉ~!!」


私は首が痛くなるほど上を見上げるとなこは壊れてしまったヘッドギアの残骸を見せてきた。身長550㎝・・・人が成り得る大きさの常識を超えてなこは成長していた。私とは10倍以上の差が開いてしまった。さすがにここまで大きくなってしまうとヘッドギアが頭にハマらず壊れてしまうのも頷ける。



「でもやっぱり仮想世界に行けなくなるのもだけど、これ以上なこが女神のように大きくなるのを見れないのは残念だなぁ・・・・」


今までの私たちの身体に起きたことは仮想世界で過ごした時間があまりに強く記憶に残ったため、脳が仮想世界での身体の大きさが【正常】だと判断し現実の身体を変化させ始めた結果らしい。なこが成長するのは百歩譲って理解できるが、私が縮んでしまうのは最後まであまり理解できなかった。医者いわく強すぎる自己暗示は何にも勝る特効薬になってしまうのだとか・・・・・


「うふふ・・・お姉ちゃん忘れてるかもしれないけど私今7歳なんだよ!成長期もまだ来てないの!今は身長550㎝だけどこれからまだまだ大きくなると思うからまだまだ楽しみにしてていいからね♪」


「ありがと!楽しみにさせてもらうわね♪あわよくば私ももっと小さくなってさらになこのことを大きく見えるようになれたらよかったんだけど・・・・」



こうして私たちの仮想世界での冒険は幕を下ろした。



《現実世界:12年後》
●大木くうな:29歳、身長5㎝、AAAカップ以下
●大木なこ:19歳、身長2500㎝、Zカップ以上


「お姉ちゃん~!朝だよ~!出ておいで~!」


「もう少し寝かせて~!」


「もうっ!そんなこと言ってるとミルクと一緒に絞り出して飲んじゃうよ!」


「わ・・わかったわよ!ちょっと待ってて!!」


私は小さめのマンホールのような穴に身体をねじ込んで外に顔を出した。


「おはよう、お姉ちゃん!最近ずっと私の乳首の中をベッド代わりにしてるけど、そんなにいいものなの?」


私がつい今しがたまで寝ていた場所はなこの乳首の中、乳腺だった。
ゲームを止めてからもなこの身体は予想通り成長を止めず2500㎝にまで達してしまったのには驚かされたが、私自身もまだまだ小さくなりたいという願いが強かったせいか身長5㎝という正真正銘の小人になってしまった。普通の人間の約30分の1の大きさだけど、なこが相手だと私は相対的に500分の1の大きさになってしまう。なこから見たら私は2~3ミリという極小の大きさだろう。なこと一緒に過ごすうえで安全に寝られる場所と言えば逆に乳腺の中の方がベストなのだ。


「いいものなんてレベルじゃないわ、最高よ!女神のように大きくなったなこをその体の中に入って感じるなんて夢みたいだもの。それにいくらなこが大きいといってもこんなことができるのは私だけだしね。優越感も感じちゃうくらい♪」


「ところで今月の病院の健診結果なんだけど・・・私まだ成長続いてるみたいなの!」


「奇遇ね、私も先月よりもっと小さくなっていたわ!」


私たちは今でもあの時の仮想世界のことが忘れられないのだろう。
身体の巨大化と縮小化は止まることなく続いている。


「このまま巨大化が止まらなかったらなこスカイツリーよりも、富士山よりも・・・・もしかするとあの時みたいに宇宙より大きくなっちゃったりしてね?」


「お姉ちゃんこそ砂粒より、ミジンコより小さくなって原子よりもちっぽけな存在になっちゃうかもよ?」


さすがにそこまではないだろうと笑い話になってしまったけれど、心の底では2人ともそうなってみたいという思いはくすぶっていた。


そして・・・・・



【おわり】







【おまけ】

※本来ならば先ほどまでで本編は終わりで、こちらは軽い気持ちで書いたので載せる予定はありませんでしたが思いのほか書けたので一応おまけ扱いで載せておきます。
エピローグともただのおまけともどちらと受け取ってもらうかは見てもらった人次第ですね。


《現実世界:12年1ヶ月》
●大木くうな:29歳、身長1㎝、AAAカップ以下
●大木なこ:19歳、身長160m、Zカップ以上
※相対的サイズ差:1万倍


「いやぁ~案外試してみるものね。まさかあれから短期間でここまでなこが巨大化するなんて思ってもみなかったわ!」


「お姉ちゃんったらのんきに言わないでよ!私160mにまで巨大化しちゃったからもう着る服がなくて乳首と股間を隠してるだけの状態なのよ!まぁ・・・大勢の人たちにこの身体を見られるってのも案外悪くはないけどさ・・・・」


実はあの仮想世界ゲーム、ファンタジー・ファンタジーを作っていた会社との直接交渉に成功したのだ。まさか仮想世界の身体を脳が誤認して言わば自己暗示状態でここまで現実の肉体に干渉できるとは思っていなかったみたいで私たちの境遇を説明した時は大いに驚かれたものだ。

そして話をしてからものの数日であるものをゲーム会社からあるプレゼントを受け取ることとなった。それは現在開発中のヘッドギアに代わる新たなナノマシンデバイスだ。
あらかじめ私たちがゲーム内に精神をログインできるようプログラムを打ち込んで、それを注射で血管に注入するのだ。するとナノマシンは血管を巡り巡って脳にたどり着きそこで定着するという仕組みだ。さらにナノマシンのプログラムには今まで私たち2人が受けてきた自己暗示効果をシステム的にも大きく後押しする効果も付加されていたため肉体への影響は加速度的に増していき、たった1ヶ月でここまでの影響が現れたという事だ。
もっとも仮想世界へは寝ている間にしか行けなくなったのでゲームというよりは夢に近い感覚なのだけれどね。


「それを言ったら私なんて1㎝だよ?普通の人から見ても豆粒サイズだからもう1人じゃ何もできない身体になっちゃってるし・・・それになこから見た私はさらに小さくて0.1ミリくらいでしょ?」






《現実世界:12年2ヶ月》
●大木くうな:29歳、身長1ミリ、AAAカップ以下
●大木なこ:19歳、身長1600m、Zカップ以上
※相対的サイズ差:100万倍


たった2ヶ月でなこは身長1600mにまで巨大化してしまった。
私たちにナノマシンをくれたゲーム会社の人たちもまさかここまでの効果が現れるなんて想像もしてなかっただろう。当然ここまで巨大化されると政府も黙っていないので元の大きさに戻すのが不可能でもナノマシンを除去してこれ以上の巨大化は防ごうという動きはあった。だがなこはそれを断固拒否したため政府は実力行使に出ようとしたのだが、もはや何をもってしてもなこの皮膚を気づ付ける事すら叶わなかった。肉体の巨大化だけでなく仮想世界での巨神族のように肉体そのものが凄まじく強化され、見た目の大きさ以上になこの身体は無敵ともいえるチカラを手にしていたのだ。
まぁ私はというと小さすぎて何もできないのでほとんど忘れ去られていたのだけど・・・


「うふふ・・・みんなちっちゃくて可愛い~♪」


「そう思うなら街の人たちを潰すのやめなさい!今のなこは人間の1000倍もあるのよ!いじめちゃダメでしょ?」


「虐めてなんかないよ。私は街のみんなが可愛いから《いいこいいこ》って撫でてあげてるんだよ。ただみんなが小さすぎて私の指を軽く乗せただけでプチプチ潰れちゃうのが悪いの♪ふふっ・・・私はただ《可愛がってる》だけなのよ♪文句言ってるとお姉ちゃんも潰しちゃうよ?」


ゴゴゴゴゴ!!


上空からなこの指が下りてくる。相対的に私から見たなこは100万倍、1600㎞相当になる。
もはやなこの身体は本州と謙遜ないレベルで、1ミリの私ではその身体の上を移動するのはほぼ不可能だと思われるが、私もなこ同様に仮想世界でのスキルが現実でも使えるようになったので音速を超えるスピードでなこの身体の上を縦横無尽に移動することが可能になった。


「女神さまを怒らせると怖いわね~!でも私はなこの指じゃ潰れないって知ってるでしょ?」


「そこまで言うなら遠慮なくいくよ~!それっ!!」


ズドーン!!


大きな衝撃と共になこの指が地面に大きくめり込んだ。だが私はまだ生きている。


「肉体が強化されてるってのもあるけど・・・・今の私は小さすぎてなこの指紋の間に入っちゃうから潰れることがないのよね~!」


「あはは・・・やっぱり無理だったね~♪ところで今どこにいるの?小さすぎて全然見えないや」


「なこの人差し指、指紋の中央から2番目の指紋の溝の間にいるわよ!まぁ溝といっても私から見たら幅100mくらいあるからとてつもなく巨大な谷ってところだけどね」


言い忘れていたが私たち2人は脳に定着したナノマシンの効果によってテレパシーでの会話が可能になっている。まぁそうでもないとなこから目視できない程小さな私と会話することなんて不可能だろうしね。





《現実世界:12年3ヶ月》
●大木くうな:29歳、身長0.1ミリ、AAAカップ以下
●大木なこ:19歳、身長2000㎞、Zカップ以上
※相対的サイズ差:1億倍



「ここまで大きくなっちゃうと人間と会話するどころか目視することもできなくなっちゃうね!今の私が身長2000㎞だから普通の人間は私から見て100万分の1・・・0.001ミリかぁ~!」


なこはもう存在しているだけで地球を脅かす存在になってしまった。
街を近くで見ようと顔を近づけてもその呼吸ですべてが吹き飛ばされてしまう。
息を止めて我慢していてもただの瞬きですら街中の人間を吹き飛ばすのに十分な突風となるのだ。
歩くなんてもってのほかで、なこの1歩1歩が地球を大きく震わせ崩壊につながるのだ。
なので最近はなこは太平洋にうつ伏せに寝転がって小さな日本を眺めるようになっていた。
ただお尻と足を向けられたアメリカ側はたまったものじゃなく何度も核ミサイルを飛ばしてきたが、もはやなこはそれに気づくことさえなかった。


「今日はどれにしようかな~!そろそろメインディッシュの東京を食べちゃってもいいよね?」

なこはそういいながら手のひらを大地に突き刺し、東京を大地ごとすくい上げた。


「はむっ!」


可愛らしい声と共に東京の半分がなこの口の中に入った。あれだけでいったい何百万人の人たちが食べられてしまったのだろうか。


「東京といえども味は他と変わらないわね。大地とマグマの味だけ・・・何百万人集まってもその味が私の舌に伝わることがないなんて本当に人間ってちっぽけねぇ~!あっ!お姉ちゃんもよかったら味見してみる?」


「無理だって分かって言ってるの?私今0.1ミリしかないからそんなこと天地がひっくり返っても無理よ!それになこが食べてるの見てるだけでお腹いっぱいになってくるわ・・・・」


「そう?じゃあ全部食べちゃうね~!はむっ!・・・ごちそうさま~♪」














《現実世界:12年6ヶ月》
●大木くうな:29歳、身長1000兆分の1ミリ、AAAカップ以下
●大木なこ:19歳、身長∞光年、Zカップ以上
※相対的サイズ差:∞


「とうとうここまで来ちゃったね・・・あの時の仮想世界と同じで宇宙よりも大きくなっちゃった♪」


「いやはや本当にあの時は冗談で言ったつもりだったんだけどまさが現実でもこの大きさになるとは思ってもみなかったわね!」


なこは米粒以下の小さな宇宙を見つめて感慨深そうな表情をしている。
私はというとなこが地球より大きくなったあたりからずっとなこのおっぱいの中・・・乳腺の中で暮らしている。広大すぎるこの乳腺は一つの世界といっても過言じゃなかったけれど、今こうして本当に宇宙よりも遥かに広大な空間がこの乳腺の中に広がっているのを目の当たりにするともう言葉も出ない。


「でも今度はあの時とは違ってここで終わりじゃないのよね?今だって私どんどん巨大化してるもの。そろそろ宇宙が見えなくなっちゃいそう♪」


「私だってまだまだ小さくなり続けてるわよ!きっとこのままなこは無限に巨大化して、私は無限に小さくなっていくのね・・・・ねぇ、なこはこうなったことを後悔したりしてない?」


「ううん、私お姉ちゃんと一緒ならどこまでだって巨大化しちゃうよ♪ただ・・・宇宙を超越した大きさの私と原子よりも遥かにちっぽけな存在のお姉ちゃんが姉妹だなんて笑っちゃうよね?」


「もうなこったら・・・私もなこと一緒ならどこまでも小さくなっても大丈夫よ!これからもずっとずっと一緒にいましょ!私だけの女神様♪」