独立行政法人国立矮化病センター
第1章「チビ介先生」
第2項「チビ介先生の授業」

俺達、矮化病患者の法定労働時間は、昼夜二交代制で午前8時~午後10時の昼番と、午後8時~午前10時の夜番で途中1時間休憩が原則だから一日、13時間労働で週休1日、週78時間労働となる。だから、お祈りが終わると急いで出勤しなければいけない。だが、俺は、健常者様の学校の代用教員という身分だから、労働時間も、健常者様の正規教員、教諭様とほぼ同じで午前10時~午後4時の勤務で途中2時間休憩が原則だから1日4時間労働で週休3日だから、週16時間労働になる。つくづく恵まれた身分だと思う。

「さあ、行くとするか!」

俺は、背広を着てネクタイを締め、更に顔面に紫外線遮蔽用クリームを厚く塗り、大事な聖水瓶を入れたリュックを担ぐと部屋を出た。俺達が住む「独立行政法人国立矮化病センター第743病棟は、「女神マンション豊洲」の床下にある。直径1km、高さ10mの巨大な地下空間に、一畳の矮化病患者用個室が30万人分設置されている。入居率はほぼ100%だから人口も30万人だ。15分程歩き、中央のエレベーターホールに行き、地下鉄豊洲駅に行き地下鉄に乗った。20分で、地下鉄府立高等女学校駅に着いた。そして、学校内シャトルバスに5分乗り、9時50分、校舎に到着した。俺達、矮化病患者は直射日光に当たると皮膚癌になってしまうので、バスの窓は紫外線遮蔽ガラスで覆われている。

「先生方の中に生徒に敬語を使う困った方がいらっしゃる、という話を小耳に挟みました。」

朝10時、朝の職員会議が始まり、東京府立女神高等女学校唯一の正規教員である大石久子校長先生(おおいし・ひさこ、21歳、女神高等女学校校長)が我々、代用教員100人を眺め降ろしながら話し始めた。大石久子先生はこの春、女子高等師範学校を卒業した新人だ。身長4mの大石久子先生は、生徒にも我々教員に対しても笑顔を絶やさず今も笑顔を浮かべているが・・・目は笑っていない。ちなみに、健常者様には服を着る習慣は無いので、当然、大石久子先生は全裸だ。俺は時々、大石先生の写真をオナペットにしている。

「今後はくれぐれも、そのような事が無いようにお願いします。」

職員会が終わり、俺は1時間目の授業の教室に急いだ。1時間目は、5年1組、俺が担任をしているクラスだ。 10時20分、定刻丁度、高さ1mの教壇に上がる梯子を上り、更に教師用デスク・・・健常者様用だから高さ2m以上ある・・・の梯子を上り、デスクの上にあるデスクの前に立った。俺の視線は高さ4mを超えた。ようやく生徒を眺め降ろせる様になった。ちなみに、東京府立女神高等女学校の校舎は直径1kmの巨大な透明ドームで日射が燦燦と降り注いでいる。俺達、矮化病
患者にとっては辛い環境だ。

「皆、静かにしてくれ!」

俺が大声で注意したが、誰も騒ぐのを止めない。それはそうだろう、身長4mの生徒達が、身長1mの俺の注意を聞く訳がない。

「ドスン!」

大きな破壊音が響いた。生徒用デスクの一つに大穴が開いている。

「皆さん、授業が始まりますわ。お静かに!」

クラスの級長、堤るいの静かな一言で教室は静まり返った。この級長はクラス唯一の特級健常者様だ。残りの3人、真中琴音(まなか・ことね、府立女神高等女学校5年生、16歳)、早乙女由紀(さおとめ・ゆき、府立女神高等女学校5年生、16歳)、東海村志穂(しょうじ・しほ、府立女神高等女学校5年生、16歳)の3人が一級健常者様だ。残りの16人が、二級健常者様だ。この学校は超名門校なので特級健常者様、一級健常者様の比率が特に高い。平均すると健常者様の9割が二級健常者様、一級健常者様は1割以下、特級健常者様に至っては1%未満なのだ。

「起立!」

巨大な少女20人が立ち上がった。壮観だ。

「礼!」

巨大な少女20人が頭を下げた。学校以外で、この少女達が矮化病患者に頭を下げる事は皆無だろう。

「着席!」

俺は授業を始めた。今日の授業は、「憲法:基本的人権」だ。まだ日本史、世界史、地理等の授業は生徒も真面目に聞いてくれるが・・・流石にこの授業はほぼ誰も聞いていない。級長の堤るいが睨みを利かせているので大人しく内職・・・他の授業の宿題・・・をしたり、漫画や小説を読んだりしているが・・・もし、そうでなかったら、大騒ぎだろう。ちなみに、この教室にいるのは、俺と生徒20名だけではない。身長4mの女生徒よりやや小さい身長320cmの美少女メイド・・・メイドロイド・・・40人もいる。女生徒は、1人のメイドに顔面騎乗して膣を舐めさせ、もう一人の美少女メイドに股間から突き出している逸物を咥え舐めさせているのだ。

「グシャ!」
「あ、しまった!」

東海村志穂が顔面騎乗していた美少女メイドの顔面を押し潰したのだ。血・・・ではなく火花とオイルが飛び散る。美少女メイド・・・メイドロイドは再起不能だろう。このメイドロイドの体内に収納された女生徒の体液、つまり精液・・・聖液、愛液・・・聖愛液が医療用アンドロイドに移されて俺達の薬になるのだ。

「先生、シャワーを浴びてきます。それから、欲求不満気味なので、武道場で汗を流したいのですが?」
「まあ、志穂さん、相変わらず淫乱ね!」
「ホント! これでメイドロイド壊すの何体目かしら!」

静かだった教室は大騒ぎになった。

「皆、静かにしてくれ!」

俺が大声で注意したが、誰も騒ぐのを止めない。それはそうだろう、身長4mの生徒達が、身長1mの俺の注意を聞く訳がない。

「ドスン!」

大きな破壊音が響いた。生徒用デスクの大穴が二つになった。

「皆さん、お静かに!」

クラスの級長、堤るいの静かな一言で教室は静まり返った。

「先生、他の方、特に二級の方が東海林さんの御相手をしても、授業が終わるまでに欲求不満の解消は無理です。それで、先生。東海林さんのお相手は私が行います。宜しいですね?」
「分かった。堤、お願いする。」
「それと、クラスの皆さん、私がいなくなってもお静かに。私は耳が良いので武道場からも皆さんの声が聞こえるのです。」

堤るいと東海村志穂が、教室から出て行き、俺は授業を再開した。そして、30分後、授業終了間際に堤と東海村が教室に戻ってきた。何故か堤が東海林を背負っている。意識も朦朧としているようだ。

「先生、戻りました。」
「堤、東海林は大丈夫か。」
「はい、ちょっと腰が抜けて意識朦朧としているようですが、直に回復すると思います。欲求不満の方は完全に解消しました。」

そして、授業が終わるチャイムが聞こえてきた。12時30分だ。

「起立!」

巨大な少女20人が立ち上がった。壮観だ。

「礼!」

巨大な少女20人が頭を下げた。学校以外で、この少女達が矮化病患者に頭を下げる事は皆無だろう。

「着席!」

他のクラスだったら、俺は退室するのだが、ここは俺が担任のクラスだから、一緒に給食を食べなければならない。給食も教育の一環なのだ。

「今日の給食のメニューは、何かしら?え~と、16歳の美少女?」
「本当! それは嬉しいわね!」
「そうね、涎が出るわ。」

メイドロイド39人(1人は損傷)が一旦、部屋を出て行き、縛られた全裸の少女20人の首を掴んで入って来た。こちらはメイドロイドと違って身体も本物の人間・・・身長1mの矮化病患者だ。多分、破産して今日朝の商品取引所の競売で食肉として売られてきたのだろう。

「では、手を合わせて。」
「戴きます!」

流石にこの学校の女生徒は育ちが良く礼儀正しい。

「本当にこの子たち、美味しいわね! ウチの学校の給食は絶品だわ。」

どうも、俺達、矮化病患者の味は美醜に比例するようだ。そして、1時、給食は終わり、俺は職員室に戻った。午後は授業が無いので1時30分まで休憩し、午後は授業の教材作りを行ったりしていた。