あきらは、あやのに見つかった瞬間、やばいと思って焦っっている反面、実は、何気に興奮していた。
もしかしたら、虫けらのように、あやのに踏んでもらえるかもしれない‥‥

しかし、そんな状況では、ないことにすぐに気が付いていた。
そこには、彼氏としていつもやさしく気をかけてくれているあやのではないからである

いつも、あやのの行動を見て感じることがあった。

自分に対しては、とてもやさしいのだが、自分の興味のない人間や、虫などに対しては
本当に、冷酷なのである。ただ、なぜかその、興味のない対象に、自分がなってみたい
という衝動がいつもあきらの中にはあった。

あやの 「やだ~、変な虫踏んじゃった~、靴の裏汚れてる~、ムカつくからもっと踏んでやる!?」

グリッ、グリッ ハイヒールでかなり踏みつけている

実は、その虫の横にもう一匹、だんごむしが横にいたのだが、あやのは踏みつけている虫に
夢中で、気づいていなった。 その次の瞬間

クシャっ!?

だんごむしは、運悪くハイヒールの尖った先で、あやのの全体重を受け止めていた。
まさに、一瞬の出来事だった。ただ虫を踏みつけているあやのは、その事にさえも気づいて
いなかった

そんな状況でも、あきらは、そのだんごむしを見て気づかれていないまま踏まれていたことに
興奮していた

虫を踏みにじって、すっきりした顔のあやのに、あきらは聞いてみた

あきら 「さっき虫を踏んでいた時に、だんごむしも踏んでいたの気づいてた?」

あやの 「そうなんだぁ~、まぁそんなとこにいるだんごむしが悪いわね。どうせなら
     私に踏まれて幸せだったんじゃない。そんな事より早く映画いこ♪」

あきらは、さらに興奮していた‥‥







そんなあきらでさえ、この状況にはそれどころではなかった。どうせなら、あやのに
この力の事を伝えてから、いろいろお願いして楽しめばよかったのだと。
リアルを求めすぎたかと後悔をしていると‥‥‥


あやの 「キャッ、何、この虫!?」


あきらは、目を瞑って覚悟を決めていたが、あやのの様子がおかしい!?

次の瞬間

ドッス~ン、あきらのすぐ横にあやのの巨大な足が地面をすごい力で踏みしめた!!
あきらは、血の気が引いた‥‥ただ、生きている‥‥

おそるおそる下から、あやのを見上げると、さっき廊下の端に吹き飛ばされた小虫が
あやのの顔当たりを飛んでいた
あやのは、この虫を振り払おうと必死になっていた

今しかない!? あきらは、下駄箱の下に必死に走って逃げた

しばらくして、

パチンッ

あやのの手にあの小虫がはたきおとされた。

そして、

あやの 「あ~ムカつく、虫なんてこの世からいなくなればいいのにっ!キモチわるいっ、えいっ」


プチっ‥‥小虫は、あやのの足に覆われて見えなくなった


あやの 「ティッシュで拭かなきゃ、あれっさっきの虫がいない。まっいっか」


あやのは、リビングのほうへと歩いていった

あきらは、怖いと思いながらも、しばらくして落ち着くとこのままのサイズでリビングへ
向かう決心をしていた。