暑い、でもそろそろ涼しくなるころかな。
姫様は僕がいなくてもちゃんと自分のことは出来てるから僕のすることがなくなっちゃったな。
僕のこと姫様はどう思ってるんだろ?

イリス「サイルさん、お願いがあるんですが。」
僕「なんです?」
夕暮れ、姫様は習い事の最中で僕は暇だった所にイリスさんが来た。
イリス「実は、調理室にいたコックさんたちが熱中症で倒れてしまって、すみませんが手伝っていただけませんか?」
僕「ええ、いいですよ。姫様もいいですか?」
フィア「仕方ないだろう。」
イリス「はい、それじゃサイルさんをお借りしますね。」
僕「お借り・・・か。」
イリス「使用人って意味ですよ。」
僕「分かってますよ!」
フィア「とっとと行け、邪魔。」
僕「はい。」
イリス「図星でしたか?」
フィア「そんなわけないだろ。」
僕(あっさりと否定しなくても。)
イリス「それじゃ、サイルさん行きましょうか。」
僕「はい。」
僕はイリスさんの後についていき、姫様と別れて調理室に向かった。
僕(そういえば、屋敷の中ってどうなってるか知らないんだ。自分の部屋と姫様の部屋以外行ったことないから。)
イリス「サイルさん、姫様に違うといわれてしまいましたね。」
僕「まあ・・・。」
イリス「何か悩みでも?」
僕「姫様にどう思われてるのかなって。」
イリス「姫様はサイルさんがいなくてももう大丈夫だからですか?」
僕「よく見てますね。」
イリス「大丈夫ですよ。姫様はサイルさんが必要ですよ。」
僕「そう、ですか?」
イリス「これでも長い間、姫様を見てきたんですから。」
僕「そんなものですか?」
イリス「そんなものですよ。」
僕「・・・そこまで言うなら安心ですね。」
イリス「はい。」
僕(とはいったもののやっぱり少し不安だ。)
イリス「サイルさん着きました。ここが調理室です。」
僕「意外と遠いですね。」
イリス「夕食時は家族集まって食事をしますから。」
僕「あ、そうでした。それにしてもこの中暑いですね。」
調理室では窓を全開にしてあるが湯気が消えず、むわっとした生暖かい空気がありまるでサウナだった。
イリス「手伝いを連れて来ました。」
メイド「イリスありがとう。それじゃまず帽子とエプロンを着けてください。」
僕「はい。」
メイド「この三つの鍋のあく取りをしながら、焦がさないようにかき混ぜてください。」
僕は言われたことを始めた。三つもあるので休む暇がない。
ふと、横を見ると結構な量の野菜を切っていた。
僕「何人分なんですか、これ。」
メイド「10人分ですね。」
僕(僕とイリスさんを入れて使用人が10人なのかな?知らなかった。)
僕「失礼ですが、ミント女王と姫様の分は誰が?」
メイド「それはミント女王がお作りになっています。」
僕「やっぱり、そうですよね。」
メイド「あ、他の事をしてもらいますので代わってください。」
僕「あ、はい。」
メイド「最後に町でこの手紙を渡してください。場所はこの地図を描いておきましたので、お願いします」
僕「分かりました。」
僕は手紙と地図を受け取ると帽子とエプロンを脱いで、屋敷の外に出て街に向かった。
僕(街に行くのって半年振りか。何か変わったかな。用事を済ませたら色々見てみようか。)
・・・・・・・・・・
僕「ここかな?」
僕は地図を見ながら着いた先は役所だった。
とりあえず、役所に入り手紙を渡すことにした。
受付「何の御用ですか?」
僕「この手紙を届けるように言われたんですが。」
受付「どちら様から?」
僕「ええと?」
受付「手紙を見せてもらってもよろしいですか?」
僕「あ、はい。どうぞ。」
受付「ルイス様からですね。確かに承りました。」
僕「よろしくお願いします。」
僕は役所を出ると、街をうろつくことにした。
僕(半年たってもあんまり変わらないな。でも、なんか懐かしい。今頃自分の村はどうなってるんだろ?)
女の声「あ!そこの人どいてください。」
僕がそんな余韻に浸っていると突然後ろから頭に鈍痛を感じて気絶してしまった。
・・・・・・・・・・
僕「ん、ここは。」
僕は毛布をかぶせられており、頭にズキズキと痛みを感じる。
女の子の声「あ、気づいたよ、お姉ちゃん。」
僕は声のするほうを向くと、女の子と女の人がいた。
女「気がつきましたか。」
僕「えっと?」
女「あ、ごめんなさい。急いで走ってたらぶつかってしまって、起きなかったので私の家に連れてきたんです。」
僕「あ、そういえば。」
女「本当にごめんなさい。今日はここで休んでってください。」
僕「え?でも。」
女「今日はもう遅いですし、怪我も治ってないようですから。かまいませんよ。」
僕「は、はあ。」
女「それじゃ私は料理を作ってるので何かあれば聞いてください。」
女の人は玄関の隣にある小さい台所で料理をした
女の子「ねえ、ねえ、名前なんていうの。」
僕「僕はサイルっていうよ。」
女の子「私はね、レミだよ。」
女「あ、私はリリーだから、よろしくね。」
レミ「サイルはいつも何してるの?」
僕「姫様の従者、かな。」
レミ「何それ?」
僕「・・・姫様と一緒にいるんだよ。」
レミ「それだけ?」
僕「それだけって・・・そう、だね。」
リリー「レミ、料理が出来たから手伝って。」
レミ「はーい。」
レミはリリーと一緒に盛り付けたサラダを机の上に置いた。
リリー「サイルさんも食べますか?」
僕「いらないけど、それだけなの?」
リリー「いや、パンもありますよ。」
レミ「ねえ、たべていい?」
リリー「あ、いいよ。」
レミ「いただきまーす。」
リリー「あの、私も食べていいでしょうか?」
僕「え、ええ。」
リリー「いただきます。」
僕(そういえば、僕も姫様の従者になる前はパンとサラダとかだったな。)
二人「「ごちそうさまー。」」
リリーは器を重ねて台所に持っていき、食器を洗い始めた。
僕「レミ、ちゃんだっけ。」
レミ「レミって呼んで。」
僕「うん、レミはいつも何してるの?」
レミ「私はお姉ちゃんと一緒に仕事の手伝いをしてるよ。」
僕「仕事?」
レミ「うん。」
リリー「バイトですよ。」
いつの間にかリリーは洗い物を終えていた。
リリー「レミ、歯磨きをして。」
レミ「ええー、まだ話したいよ。」
リリー「いいから、しなさい。」
レミ「うん。」
レミは不満そうにしながら、台所の反対側の扉の向こうに入っていった
リリー「そちらは姫様の従者をしてるんですよね?」
僕「はい、そうです。」
リリー「その仕事は不満なんですか?」
僕「不満ってわけじゃないですよ。」
リリー「でも何か落ちこんでますよね。」
僕「リリーさん、よく分かりますね。」
リリー「顔に出てますよ、すぐに分かります。それとさん付けしないでください。」
僕「分かりました。そんなに顔に出てますか?」
リリー「出てますよ。」
僕「姫様に対して僕は何もしてないなって、姫様は僕のことどう思ってるのかなとか。」
リリー「んー、よく分からないですけど、家族だって思ってるんじゃないですか?」
僕「家族?」
リリー「レミは手伝いをしてるって言ったけど、私から見れば邪魔ばっかりしてますよ。でも、それでも一緒にいるのは家族だからです。」
僕「・・・なんとなく分かります。ありがとうございます。おかげで少しすっきりしました。」
レミ「サイルおはなしー。」
レミは歯磨きが終わったみたいでこっちにきた。
リリー「その前にお風呂に入りましょう。」
レミ「ええー。」
リリー「明日は早いんだから。」
レミ「うん。」
リリー「着替えを持ってくから先に入ってて。」
レミ「はーい。」
レミはまたさっきのところへ戻って行った。
僕「明日は早いというと何かあるんですか?」
リリー「明日は田舎の方へ帰るんですよ。」
僕「どうして?」
リリー「両親がいなくなって上京したんだけど、見てのとおり上手くいかなくて、それで親戚から『うちに来ないか?』と誘われたんでそっちの方に行くことにしたんです。」
僕「それじゃ、もう会うことはないかもしれないと。」
リリー「そうなりますけど、ひょっとして淋しいんですか?」
僕「まあ、まだお礼だってしてませんし。」
リリー「別にお礼を言われるようなことはしてませんよ。」
僕「そんなことないですよ。」
リリー「そうですか?」
レミの声「お姉ちゃん、まだー。」
リリー「今行くー!それじゃ失礼します。」
僕「ええ、わかりました。」
リリーは扉の前に来るとこちらを向いて
リリー「一応言っておきますが見たら、ただじゃおきませんよ。」
リリーさんはそう告げると、扉の向こうへはいっていった。
僕(リリーさん、こわいなあ。・・・家族、か。僕と姫様は家族なのかな。そうだとしてもやっぱり僕は姫様に何もしてない。だとするとすることは一つしかないよな)
レミ「サイル、おはなしー。」
僕「え!?ちょ、ちょっと。服着て、服。」
レミは裸でこっちに来ており。僕は目のやり場に困って、手で目を覆った。
レミ「だって暑いんだもん。それよりお話しよ。」
僕「いいから、服着て。」
リリー「レミ!こっち来て、服着て。」
レミ「だって。」
リリー「レミ、早くしてね。」
レミ「はい。」
扉の閉まる音がして、僕は目を覆っていた手を広げた。
僕(ふう、それにしても危なかった。ってもう手遅れなんだろうけど。)
今度はちゃんとレミは服を着て風呂場から出てきてくれた。
レミ「おはなししよ。」
僕「思ったんだけど、どうしてそんなに話がしたいの。」
レミ「んー、だってしたいもん。」
僕「他の人ともよく話するの?」
レミ「たまにする。」
僕「そう、そういえばリリーは?」
レミ「お姉ちゃんは歯磨きしてる。」
僕「そっか。」
レミ「おはなししようよ。」
僕「どんな?」
レミ「なんでもいい。」
僕「なんでもいい、って」
レミ「なんでもいいの。」
僕「あ、それじゃレミは明日何処へ行くの?」
レミ「明日はおばさんの所に行くよ。」
僕「おばさんはどんな人なの?」
レミ「覚えてないや。」
僕「そう。」
レミ「サイルお兄ちゃんは明日は何するの?」
僕「明日は姫様のところに行くよ。」
レミ「サイルお兄ちゃんは都会の人?田舎の人?」
僕「田舎、かな。」
レミ「じゃあ、私たちと一緒だね。」
僕「うん、そうだね。」
レミ「どこにいたの?」
僕「オースク村だよ。」
レミ「そこにいたんだ。」
リリー「サイルは風呂に入る?」
リリーは歯磨きを終えたようで僕に風呂に入るか聞いてきた。
僕「いや、入らないよ。」
リリー「分かった。レミは布団を敷いて。」
レミ「はーい。」
レミは布団を敷き始め、リリーは荷物の確認をした。
僕「リリー。」
リリー「何。」
僕「明日は何処へ行くの?」
リリー「明日はおばさん家だよ。」
僕「あ、いや、何処にあるのかなって。」
リリー「ああ、オースク村だよ。」
レミ「あ、サイルお兄ちゃんがいた村と同じ名前。」
リリー「そうなの?」
僕「う、うん。」
リリー「それじゃまた会うことがあるかもね。」
僕「そうだね。」
レミ「布団敷いたよ。」
リリー「それじゃもう寝ましょう。」
レミ「うん、おやすみ。」
リリー「二人ともおやすみ。」
僕「おやすみ。」
リリーはレミが布団に入ったのを見ると部屋の明かりを消した。
僕は暗くなるとすぐに眠りについた
・・・・・・・・・・
僕は目を覚まし、窓の外の様子から日の出の少し前なのが分かる。
窓の反対側を見ると、昨日の二人が寝ていた。
リリーとレミの様子は意外ながらレミは頭から足まで布団の中に入れ、その姿は見えないが、リリーは暑かったのか布団を下にして腹を出して寝ていた。
僕(そういえば、昨日色々あったんだっけ。それにしてもリリーはあの格好じゃ風邪を引いちゃうよ。)
僕は自分の体にかけてあった毛布をリリーにかけたら、リリーは気づき、起きてしまった
僕「あ、起こしちゃった?」
リリー「きゃあ、変態!」
僕「え!?」
リリー「どこから入ってきたのよ!」
僕「ちょ、痛、落ち着いて!」
リリー「落ち着いてられるもんですかこれが!」
レミ「あ、お姉ちゃん、サイルお兄ちゃん、おはよう。」
リリー「え、サイル?・・・あ!」
僕「落ち着いた?」
リリー「う、うん、ごめん。いつも私とレミしかいないから。」
僕「毛布をかけようとしたんだけど。」
リリー「うん、本当にごめん。」
レミ「お姉ちゃん、寝相悪いもんね。」
リリー「レミ!」
レミ「だって本当のことだよ。」
僕「二人とも早く起こしちゃったけど大丈夫?眠くない?」
リリー「大丈夫だよ。」
レミ「私も。」
リリー「それにしても、早く起きるね。」
僕「まあ。」
レミ「オークス村って早起きばかりなの?」
僕「いや、ちがうよ。ねえ、リリー、お腹冷えるからちゃんと着たほうが良いよ。」
リリー「あ、ついでだから着替えちゃうよ。」
僕「それじゃ僕、風呂場にいるから終わったら声かけて。」
僕は風呂場に行き、これからのことを考えていた。
僕(屋敷の人に何も言ってないけど大丈夫かな?皆怒ってるかも。迷惑かけるなんて駄目だな。やっぱり向いてなかったのかも。それに元々、僕が従者をやりたくなった理由は姫様に隠さなきゃいけないことがあるだけ。なんだけど、姫様はもう覚えてないみたいだし、やめても大丈夫だよね。それとも僕は姫様を自分のものにしたいだけなのかな。でも、それはずるいよな。だけど、僕だって姫様のことが好きだ。だから僕は来たんだ。姫様に悲しい思いをさせたくないから・・・。)
リリー「着替え、終わったよー。」
僕「うん、わかった。」
リリー「それじゃ、もうこの部屋を出よ。」
僕「ちょっと早くない?」
リリー「別にこの部屋に未練なんてないし、あんたは帰り方分からないでしょ?」
僕「まあ、そうだけど。」
リリー「レミもいいよね。」
レミ「うん。」
リリー「じゃあ、行こ。」
僕「わかった。」
・・・・・・・・・・
リリー「この道まっすぐで着くからそれじゃあね。」
僕「うん、また会おうね。」
レミ「またね。」
女の声「サイルさん?」
僕「え?」
聞き覚えのある声に振り向くとそこには、セトさんがいた。
僕「セトさん。」
セト「やっぱり、サイルさんでしたか。」
リリー「セト。」
セト「リリーさん、何でここに?」
僕「色々ありまして、お世話になったんですよ。」
セト「リリーさんに何かされたんじゃあないんですか?」
僕「え?」
セト「リリーさん、色々と問題起こしますから。」
リリー「そんなに起こしてないよ。」
セト「顔と名前が覚えられるぐらいしてます。」
リリー「それはあんたに荷物の配達中、荷物にぶつかったぐらいのことでしょ。」
僕「それってよくあるの?」
リリー「あっても、今まで気絶した人なんていないよ。」
レミ「でもお姉ちゃんあの時、おもいっむぐ・・・。」
リリー「レミ、言わなくてもいいことがあるんだからね。」
僕「何やってたんですか。」
リリー「な、何でもいいでしょう。あ、そうそう、私いなくなるからね。セト。」
セト「おかげで、もう苦労しそうにないです。」
リリー「もうちょっと良いセリフとかないの?」
セト「これ以上の良いセリフはないですね。」
レミ「オークス村にいるから会いに来てね。二人とも。」
セト「ええ、また会いましょう。」
リリー「それじゃあまたね。」
僕「うん、またね。」
レミ「バイバーイ。」
リリーとレミは手を振りながら、来た方向へ消えていった。
セト「それじゃあ、ひとまず帰りましょうか。サイルさん。」
そういうとセトさんは屋敷の方へ歩き出した。
僕「あの、ごめんなさい。」
セト「みんな、心配してましたよ。特にフィア様が。」
僕「・・・。」
セト「別にみんな怒ってませんよ。」
僕「それでも、僕は悪いことをしたと思います。」
セト「まあ、そうですね。あ、着きましたよ。」
屋敷の中に入った僕が始めに待ってたのはイリスさんだった。
僕「イリスさん。」
イリス「今まで、何処にいたんですか。」
僕「・・・ごめんなさい。」
イリス「もう、こんなことしないで、ください。」
僕「はい。迷惑かけてごめんなさい。」
パンッ
イリス「心配したんですからね。」
僕「はい。」
イリス「今回はこれで許しますから。」
僕「はい。」
イリス「フィア様にも謝ってください。」
僕「はい。」
僕はイリスさんの後に右頬を押さえながらついていった。
僕とイリスさんは話をせずにそのまま姫様の部屋へと歩いていった。
イリスさんは姫様の部屋の前まで来るとこっちに振り向き、
イリス「分かってますよね?」
僕「分かってます。」
僕は姫様の部屋の扉を開けた。
フィア「あ、サイル。」
僕「姫様。」
姫様は僕を持ち上げるとそのまま僕を顔に擦り付けた。
フィア「サイル。良かった。心配した。」
僕「姫様。泣いてるんですか。」
フィア「当たり前だろ。友達なんだから。良かった。」
僕「ごめんなさい。」
フィア「サイルが無事ならそれで良い。」
僕は姫様の気の済むまで姫様に身を委ねることにした。
・・・・・・・・・・
イリス「サイルさん。ずぶ濡れですね。」
僕はいまだに頬に擦り付けられており、涙で体が濡れていた
僕「ま、まあ。」
イリス「風をひかないよう着替えましょう。」
僕「その前に姫様に言いたいことが。」
フィア「ん、なに。」
僕「従者をやめてもいいですか?」
フィア「え?」
僕「別にもう会わないというわけじゃないですよ。友達なんですから会いに来ます。ただ従者を辞めたいなって。」
フィア「なんで?」
僕「姫様に何もしてないなって、だから。」
フィア「何もしてなくなんかない。」
僕「え?」
フィア「サイルはずっと一緒にいてくれればそれでいい。それが従者だろ。」
僕「でも。」
フィア「サイルがずっと一緒にいてくれれば私はそれだけで楽しいんだ。だから辞めないでお願い、だから。」
僕「姫様それって、はっくしゅん。」
フィア「わ!?汚いだろ。」
イリス「あらあら。」
僕「じゅる、ごめんなさい。」
フィア「ほっぺがべとべとに・・・。とりあえず着替えてくれ。」
僕「はい。」
姫様は僕をイリスさんの所に下ろした。
イリス「まず、体を洗いに行きましょうか。」
僕「え、ええ。あ、姫様、やっぱり、辞めませんよ、僕。」
フィア「むしろ、辞めてくれ。」
僕「さっきと言ってる事違うじゃないですか。」
イリス「そんな事後にしてください。」
僕「後って、わ!いきなり手を引っ張らないでください。」

第二章〜完〜