異世界オルタナティブ。様々な種族が暮らす大陸1、2位を争う程広大な領土を持つ種族がある。ヴァンパイア属だ。
悪魔族の中で最大派閥であり、サキュバス等の夜種の総元締めでもある。
そんなヴァンパイア属の中心都市である常夜都市に天高くそびえ立つ城にヴァンパイアクイーンは住んでいる。

「くっ...ヴァンパイアクイーン。これ程の強さとは...」

勇者が膝をつく。他の仲間は既に戦闘不能になっている。
対するヴァンパイアクイーンは全くの無傷だ。

「自分の力量を見誤ったな勇者よ、出直して来るがいい」

そういい放ちクイーンが魔弾を放つとそれは勇者の体を捉え、吹き飛ばされた勇者は壁に叩きつけられ気を失った。
戦闘が終了したのを確認するとクイーンは大広間を後にした。
敗北した勇者達はヴァンパイア達によって最寄りの宿屋に運ばれて行った。

「また勇者を見逃したのですかクイーン」

大広間の外で待機していた男の子が声をかける。ソルという少年は人間でありながらヴァンパイアクイーン専属の召し使いとして仕えている。
城内での働きと人柄を気に入ったクイーンが自身の召し使いに召しあげたのだ。

「別に良いだろう。私が勇者を殺さなくても勇者過多には陥らない。そもそも魔王クラスのモンスターは最早人が倒せるレベルの物ではないから私が勇者を気にかけ必要などない」

そこまで言うとクイーンは書斎に入っていった。
ソルは紅茶を淹れ持っていく。2時間程経っただろうか、クイーンがソルに声をかける。

「大浴場は空いているか?」

「はい、30分前に他のヴァンパイアは出ています」

「では行くか」

クイーンが立ち上がり歩き出す。自分の2倍ほどの歩幅に遅れないようにソルがはや歩きでついていく。
ソルとクイーンは基本的に一緒に入浴する。
基本的に人間より大柄なヴァンパイア用に作られた浴槽はソルには大きすぎるので、ソル等の人間召し使いは別の風呂に入るのだが、クイーンのお気に入りであるソルは特別だ。
男性用の脱衣場は無いので一緒に衣服を脱ぐ。
クイーンが一枚また一枚と服を脱ぐたびに美しい身体が露になっていく。
きめの細かい肌に包まれ全身が健康的に絞まっている。常夜の世界に住んでいながらもその肌色は決して病的に白いわけではなく暖かさを感じられる色をしている。
引き締まったウエストから視線を上げていくと大きな大きな双丘が目に入る。小さなソルでは片方を持ち上げるのも困難だろう。
大陸一とも言われる裸体は何度見ても慣れることがない。

「さていこうか」

浴場に入っていく。白い湯気に包まれたクイーンの身体がこれまたソルを誘惑する。
軽く身体を流して湯に浸かる。
2mを越えるヴァンパイア用に作られた浴槽に160cm程のソルが一人で入るわけにはいかないのでクイーンと一緒に入る。
両脇に大きな手が入り込んだと思うと軽々と自分の身体が持ち上がる。
だっこされるかたちで全身が湯に浸かる。抱か手いるので大きな胸がソルの顔を挟み込む。
柔らかな感触と甘い香りに包まれクラクラしてくる。
人前では常に毅然とした態度を示す女王だが、実は大変フレンドリーな性格でヴァンパイア達からは大変人気が高い。
それはソルに対しても同じで、ふたりきりのときは甘えてくるのだ。

「ねえ、そろそろ私の眷属にならない?」

「うーん。まだいいかなと思ってるんですが」

「む~」

頬を膨らませたクイーンが両腕で胸を寄せる。
ソルの顔を両サイドから肌色の波が襲う。柔くもハリ、弾力のある胸に揉まれるたびに甘い香りが鼻をつく。
刺激の強さに意識朦朧としていると両脇を掴まれヒョイと持ち上げられる。

「身体を洗おう」

クイーンには小さめ、ソルにとっては大きすぎるスポンジをお互いに持って洗いあう。
大きなスポンジはソルの身体をあっという間に泡だらけにしてしまう。
一方クイーンがイスに腰かけてもソルの手は辛うじて肩に届く程度、目の前には大きな胸の乳首が見える。

「ほらほら、胸の奥もちゃんと洗ってくれ」

肩に自分の胴体程ある片乳を乗せ全身を使って持ち上げクイーンの身体を隅々まで洗う。
自分の体重ほどもある乳を抱えながら頑張るソルが健気に見えたのだろう、その光景を見てクイーンはクスクスと笑う。
しかしその振動で胸が、ゆっさゆっさ、と揺れるたびにソルの腰にはとてつもない負荷がかかる。
シングルベッドほのはあろうかという広大な背中を流し風呂を出ると二人は寝室に入っていった。

その光景を見ていた他のヴァンパイア達がこんな話を始めた。

「いつになったら女王様はソル君とセックスするのかな?」

「女王様はスタイル抜群で博識なのにこういう所奥手だからな~」

「そう言えば女王様って○女らしいよ」

「うそ!?でもしょっちゅう私達をイかせてるじゃん!?性教育も受けてるんでしょ?」

「それはそうらしんだけど、本番というか挿れさせたことは無いらしくて...本当に好きな人に純潔をあげたいとかじゃないかな」

「キャー女王様って超乙女~!」

寝室には遮音結界がかけられているので外からは何も聞こえないのだが、逆は聞こえるので後日彼女達には女王からお仕置きが執行されたらしい。



クイーンはいつもソルを抱き枕のようにして寝ている。
何もみにまとわないので、ソルにとっては毎晩ドキドキものである。
しかし、今夜は何か違った。

(この音は...クイーンの心音?)

ドクン、ドクンと静な室内だから聞こえたのだろう、そのリズムは段々速くなっているようだった。

(こ、今夜こそ、ソルと......)

クイーンにとってソルは恋人のような存在だった。本来淫魔の血も流れているヴァンパイアにとって性行など恥ずかしがるものではないが、理性の特別強いクイーンにとって、それこそ恋をした相手との初体験は時土見物だった。
クイーンのソルに対する好意は周知の事実だったため女王の恋を全ヴァンパイアが応援していた。
そして今日こそと意気込んで実行手前にまできたものの緊張で大変なことになっていた。
しかし、そこは全ヴァンパイアの頂点に立つヴァンパイアクイーン、意を決してソルを抱き寄せる。

「むぐ!?」

大きな胸の深い深い谷間の最深部に大きな手で頭を掴まれ抱き寄せられる。頭から爪先まで全てがクイーンに接している。
せっけんの匂いにクイーンの身体の匂い、そして何故かかいている汗の酸っぱい匂いが交ざり少しでも気をぬいたら理性などあっという間に吹き飛んでしまいそうだ。
身体は正直に反応しソルの性器はみるみる大きくなりクイーンの身体と接触する。

「ソル」

「は、はい」

ゴクリ、とお互いに唾を飲む。
そして、少々の間を開けてついにクイーンが切り出した。

「私と...交わってくれ」