--------------------------------------------------
■ ドエライもん・ロビ太と神秘の海底洞窟
--------------------------------------------------
お集まりの紳士淑女諸君へ。
この文書には未成年に不適当な性的表現が若干もとい結構、含まれております。
未成年の方は閲覧をご遠慮ください。

なお某国民的有名漫画・アニメを連想させる登場人物も出演しておりますが、一切関係ございません!
(故F先生お許しを!)
以上を了承の上、かなり特殊な趣味をお持ちの方のみ、これより先へお進みください。

お盆休み 大人変態祭り
ドエライもん『ロビ太と神秘の海底洞窟』

 少年は泣いていた。家への帰路を走りながら号泣していた。
眼鏡の端から溢れ出す涙を拭うことも忘れて泣いていた。
「ふぇぇぇぇぇん!」
 思いっきり女々しく滅茶苦茶に情けない声で泣きながら、自分の家の玄関に飛び込み階段を駆け上がった。
「あら。ロビちゃん、もう帰ったの?」
 ママの優しい声も傷ついた少年には届かなかった。パタンとやかましくドアを開け、バタンとけたたましく閉じた。
そして少年はいつものように助けを求めた。
「ドエライもーーーん、助けてよーっ!」
 部屋は無人だった。本棚の脇には勉強机、布団は押入れの中にママが片付けてくれている。
本棚の中は三分の二が漫画が無理矢理つめこまれており、残り三分の一は教科書と参考書だ。
漫画はかなり手垢で汚れているが教科書は新品同様、これだけでも成績表の中身は予想できる。
あと机の上にはパソコン(中古購入)一台、プリンター付き。少年はそのパソコンに呼びかけていた。
パソコン以外にお友達がいないのだろうか?
「わかった、わかった。今行くから」
 驚くべきことにパソコンは返事をしてきた。流通経路不明な品だけに怪しげな悪霊でもインストールされていたのか?
カタンと音がしてパソコンのDVDが開いた。そして中から青い丸い物体がズルリと這い出してきた。
怪物体は畳に落ちるより速く膨らみ、手足を生やして降り立った。
「今度はどうしたんだい?ロビ太くん」
 うんざりしたような声で青い怪物体、正確には巨大な丸い頭部を持つ青いロボットは答えてきた
。事実このロボット・ドエライもんはうんざりしていた。彼は頼りない少年・ロビ太を文字通り何度も助けてきた。
未来科学の結晶ともいうべき数々のスーパーアイテムを使ってだ。
しかしその結果たるや……調子に乗ったロビ太の活躍で大惨事に至るのが常だった。
未来の子孫を救うべくダメ先祖をサポートして歴史改変を図るため、
日夜努力するドエライもんであったが、最近になって『徒労』という言葉の意味を理解できるようになった。
「ドエライもーん、僕を、僕を、を海に連れて行って!」
「……それならママさんかパパさんに頼んでよ」
「パパは仕事!ママは『宿題終わるまでダメ』だって」
「あっそ、じゃ宿題がんばってね」
「見捨てないでよー!今すぐ行かなきゃならないんだ」
「どーしてだい?話してごらん」
「実はね……」
 ロビ太の話しによると友達の金持ちの息子ニクムくんと力持ちのギガントくんが、
シズクちゃんを誘って海に行ってしまったというのだ。もちろんロビ太も『連れていって!』と頼んだわけだが……
「ニクムの奴こう言ったんだ」
『悪いけどホテルの予約はもう一杯なんだ。それにロビ太、お前泳げないだろ?だったら海に行っても意味ないじゃないか』
「それで泣きながら帰ってきたわけか」
「なんとかしてよー、ドエライもん。一生に一度のお願いだから」
「ハイハイ、わかりました。仕方ないなぁ」
 ドエライもんはしぶしぶロビ太の願いを聞くことにした。
というのも歴史改変にはシズクとロビ太の結婚という要素も必要だったからだ。
まだまだ先の予定だが、少しでも親密にしておかねばならない。
「それでは……」
 ドエライもんは腹部の格納庫の扉を開けた。
彼の胴体の中は超次元格納庫になっており、未来技術で作られた百億種類を超えるアイテムが搭載されていた。
その中には世界征服もできそうな危険物まであった。未来世界といえど地球破壊爆弾の個人所有を認めてくれそうにないのだが。
しかし今回の道具はそれほど危険ではなかった。
「ウォーターワープ潜水艇!」
 それは小型の潜水艇だった。恐らく二、三人乗り程度の大きさだろう。
「潜水艇?でも海までいかなきゃ結局……」
「心配ご無用。これはね、ただの潜水艇じゃないんだ。五百メートル以内で水のある所なら自由にワープできるんだ」
「ええっ、そうなの?でも、こんな大きな物が入れる水なんてプールかお風呂屋さんくらいだよ」
 小型とはいえ自動車くらいはありそうな潜水艇だ。そんな物が収まる水槽がそうあるとは思えない。
「それは大丈夫。出現場所の広さに合わせて大きさを自動的に調節してくれるんだ。
プールや海みたいに広い場所なら普通の大きさだけどコップの中にワープすれば金魚くらいの大きさになるんだ」
 ドエライもんはここで大きく胸をはった。
「水道管の中でもヘッチャラさ」
「よぉーし、早速海へ行こう!ニクムやギガントを驚かせてやるんだ」
 気の早いロビ太は早速海パンに着替えていた。

「わぁーっ、本当にいいお天気……」
 麦わら帽子を掲げて強烈な日差しを遮り、少女は背伸びして水平線の向こうをのぞくようにした。
まだ未成熟な体を包む薄いピンク色のビキニが彼女の愛らしさを引き出していた。
「それに気持ちいい風……」
 彼女がいたのはクルーザーの舳先、白い波が左右に分かれて船の後ろに大きく広がっていく。
「ロビ太さんもくればよかったのに」
「そりゃ無理だよ、シズクちゃん。なあ、ニクム?」
「ギガントの言う通りだよ、あいつ風邪ひいて動けないんだって」
 少女、シズクの顔が少しかげった。
「そうだったわね、かわいそうに。帰ったらお見舞いに行かなくちゃ」
 そう、ギガントたちは嘘をついてロビ太を置き去りにしてきたのだ。

「やっと……着いたよ。ロビ太くん」
「はぁ、はぁ、あ〜ひどい目に遭った」
 ここは海辺のレストラン……の熱帯魚の水槽の中。ここへ辿りつくまでの道のりはまさに試練の嵐だった。
最初十数回のワープは順調だった。
どこかの家の金魚鉢やコンビニのミネラルウォーターの瓶の中、銭湯の女湯なんてサービスシーンまであった。
しかし、下水にワープしたのがケチのつきはじめだった。
「ドエライもんがネズミに驚いたりしなけりゃよかったのに」
「面目ない……」
「まったくもー。滅茶苦茶なワープしたもんだから、コーラと一緒に女の子に飲まれそうになるわ、ピラニアの水槽に出るわ、
トイレで……やめた」
 極めつけはどこかのデパートのトイレだった。最初はどこに出たのか分からなかった。
真っ白なツルツルした壁に囲まれた池の底に思えた。
しかし上空にあらわれた巨大なお尻をみた時、そこが女子トイレの便器の中と知った。
直後、潜水艇は黄金色の湯気の立つ滝に翻弄された。
そして追い討ちをかけるように巨大な茶色い塊状の……いや、ここは正確な描写は避けよう。
とにかく大質量の直撃に撃沈される寸前に脱出できた。
「とにかく。この海岸でいいんだね、ロビ太くん」
「そのはずだよ。ニクムの奴が『買ったクルーザーをここに置いてある』っていってた」
「クルーザーか、波止場の方には停泊してないなぁ」
 広々とした海原と海岸をロビ太とドエライもんは見まわした。
「海水浴場にはいないみたいだね」
「あ、あれじゃないかな?ドエライもん、スーパー双眼鏡貸して」
 スーパー双眼鏡(火星の生物まで見えるというインチキくさい未来道具)をひったくり、
懸命にのぞくロビ太の顔がパッと明るくなった。
「シズクちゃんがいる!……ニクムとギガントの奴も」
 セリフ後半は恨み剥き出しだ。
「コ・ノ・ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ・オ・ク・ベ・キ・カ……」
「ロビ太くん?……別キャラに替わってるよ」
「ドエライもん、あのクルーザーのすぐ側にワープしよう」
「えっ?ダメだよ、動いてる物体を目標にすると出現地点にズレが生じるんだ。正面衝突するかもしれない」
「いーや、目の前に絶対にワープするんだ。ニクムたちをビックリさせてやる!」
「あ、ダメだって!やめて!」
 ロビ太はドエライもんを突き飛ばして操縦桿を奪った。見よう見真似でスイッチを押しまくり、レバーを引いた。
「あーっ?止めるんだ、ロビ太くん」
「ワープ!」
 目の前を優雅に泳ぐ熱帯魚の姿がグニャリと歪み、色彩の渦となった。超空間に入ったのだ。
「引き返せ、ホントに危険なんだ」
「ワープアウトッ!」 
 色彩の渦の流れが逆転し、何かの形を再形成した。
「よし、到着……あれ?」
 そこは色とりどりの珊瑚を舞台に大小様々な魚が乱舞するディープ・ブルーの世界が広がって……いなかった。
「どこかな、ここは?」
 ロビ太は首をひねった。サーチライトの光に照らし出されたのは……洞窟のような場所だった。
見たこともないピンク色の岩が潜水艇を包むように広がっていた。
岩というには柔らかさすら感じさせるその表面はしっとり濡れており、潜水艇の『お水探知機』はこの水分に反応したらしい。
「ドエライもん、ここどこなの?海岸近くにこんな場所あったかな?」
「……」
 無言で『ウルトラソナー』のディスプレイを見るドエライもんの顔色がドンドン青くなっていった。
(といってももとから青い顔だが)
ソナー映像が映し出す洞窟全体の形状、さらに洞窟がある地層の形状は……いや、そこは洞窟ではなかった。
全体地形も、これも地形といってはならないだろう。
「ここは……膣内……」
「えっ、なに?何ていったの……うわぁっ!」
 突然の猛烈な揺れが潜水艇を襲った!潜水艇は傾き、ひっくり返り、振りまわされた。
船体がギシギシ悲鳴を上げサーチライトも船内灯も消えた。
操縦席から放り出された二人はお互いに頭をぶつけ合って気絶した。

「あっ……ッッ!」
 シズクはお腹を押さえてうずくまった。いきなりの感覚だった。
なんの前触れもなく異物感が生じたのだ。それも体の内側に。
「どうしたの、シズクちゃん?」
 様子がおかしいことに気づいたニクムが声をかけてきた。
「なんだ、なんだ?どうした」
 ギガントも傍らに駆け寄ってきた。シズクは甲板に座りこんでお腹を押さえていた。
顔はほのかに赤く、息も乱れ気味だ。
「わからないの、でもなんだかヘンな……」
 それきりシズクは黙った。それでも顔だけでなく体全体が微かに紅潮していることや自力で立てないことは分かった。
「お腹、痛いのか?」
「えっ?ええ、少し」
 心配そうなギガントの問いにシズクはそう答えたが、事実は少し違った。
問題はお腹というより、その少し下。
反射的のその部分を押さえそうになったのだが、人目を思いだして少し上を押さえていたのだ。
「日射病かな?船酔いかな?」
「違……そうかもしれないわ。少し休めば……」
 ニクムはうなずいた。
「わかった、一旦ホテルに戻ろう」

「あーひどい目に遭った。ドエライもん?」
「ここにいるよ」
 いきなり眩しい光を向けられてロビ太はまばたきした。非常用の懐中電灯を持ったドエライもんがそこにいた。
「いたたた、頭打っちゃったよ。さっきの地震みたいのはなんだったのさ」
「あー?あれはね、海底地震だよ。ごくたまーに海の底でも地震があるんだ」
「へー、そうなんだ。あれが海底地震なんだ」
 でまかせに納得するロビ太を見てドエライもんは思った。
(よかった、ロビ太くんが騙されやすいタイプで)
「ところでここってどこなの?海の中じゃないみたいだけど」
「こ、ここはね神秘の海底洞窟『ヴァギーナ洞窟』っていうんだ。ワープトラブルで間違って飛ばされてきたらしい。
柔らかい岩でできた珍しい洞窟で二十三世紀になって発見されたんだ」
「へーっ、そんなスゴイ場所が日本にあったんだ」
 ドエライもんは思った。
(よかった、ロビ太くんが信じやすいタイプで)
「すごくキレイで神秘的な場所だね。そうだ、今度シズクちゃんも連れてきてあげよう」
「それは無理だよ、だってここはシズクちゃんの……」
 シズクちゃん本人の○×△の中です、と言いかけてドエライもんは口を押さえた。
膣がある以上、ここは女性の胎内だ。しかも出現地点付近にいた人間のうち女性はシズクちゃんだけだった。
「シ、シズクちゃんのような子は年齢制限があってホントは立ち入り禁止なんだ、僕等もすぐ出ていかないと」
「そーかぁ、残念だなぁ」
 ドエライもんは思った。
(よかった、ロビ太くんが本物の馬鹿で……)
「でもこれからどうするの、脱出できるの?」
「それは大丈夫。ワープ装置は壊れちゃったけど通常動力は修理できるよ。
修理してもう少し広い場所まで移動すれば潜水艇を片付けて『何処でも障子』で家に帰ればいいさ。
ここじゃ少し狭すぎて『何処でも障子』を使えないからね」
「ふーん、でも広い場所なんてあるの?」
 潜水艇は粘膜状の岩に挟まれ、まわりは珊瑚礁みたいな襞が密生していた。
「心配ご無用、この奥には子宮……」
「しきゅう?」
「し、し、至急修理しなきゃ!ロビ太くん、ちょっと待ってて」

「大丈夫、シズクちゃん?」
「うん、おさまってきたから」
 ホテルのベッドに寝かされてシズクはニクムに微笑みかけた。いつになく艶っぽい笑みにニクムはドキリとした。
「おい、ニクム!早くお医者さんを呼んでこい」
「あ、ちょっと待って」
 ギガントに急かされて受話器を取るニクムを何故かシズクはとめた。
「だいぶ良くなってきたから。もう少し休めば治るわ、きっと」
「でも……」
 声をそろえて反論しようとしたニクムとギガントなのだが、言葉が続かない。気おされていたのだ、シズクの笑顔に。
いつもの屈託のない笑顔と違う、色っぽくて大人びた『女』の表情に。
「しばらく一人にしてくれる?」
「うん、わかったよ……」
 部屋から二人を追い出し、鍵をかけ、ベッドに戻る。実のところ具合は一向に良くなっていない
。どころか悪化する一方だ。しかし痛くも苦しくもなかった。むしろそれは。
「とっても……いい気持ち」
ベッドに横たわると、シズクは我慢していた指先をためらわずに伸ばした。
太股の間、敏感な部分にビキニの上からゆっくりと指先を押し付けた。

「やれやれ、修理完了。お待たせ、ロビ太く……」
 機械油にまみれた顔で振り向いてドエライもんは驚いた。助手席に座らせておいたロビ太の姿がなかったのだ。
「まさか、まさか、まさかまさかまさか、外へ?」
 そのまさかだった。非常灯片手にロビ太は船外へ出てしまったのだ。
「立ち入り禁止っていうけどさ、せっかく来たんだからしっかり見とかないとね」
 こっそり外に出てみたものの足場は悪かった。
柔らかい岩と聞いていたが、クッションの上を歩いているようなフワフワした感じでまともに立っていられない。
しかも表面を濡らす液体は海水とは思えないほどヌルヌルしていた。ロビ太は四つん這いになって奥へと進んだ。
「それにしてもスゴイ匂いだなぁ、これが海の香りなんだ」
 誰もつっこんでくれない寂しいボケをかましつつロビ太は進んだ。
さっきまでは反対方向に進んでいたのだが、その先は壁になっていた。
「何だったんだろう、あの壁は。真中に穴があって外の光らしきものが見えたけど」
 不思議な壁だった。岩質はまわりと同じ感じだが、洞窟を塞ぐ仕切りのようにそびえていた。
開いた穴から外を見るとそこは洞窟の入り口らしかった。すぐ外はピンク色の大きな分厚い布でおおわれているのがわかった。
「きっと過去の人間が無断で入れないように未来人がカバーをかけていったんだ。
それに入り口の外にはでっかい海草みたいのが生えてた。やっぱりここは海底洞窟なんだなぁ」
 早熟な者ならすぐに気づいたろう。ピンクのカバーはシズクのビキニの裏側であり、
海草のようなモノは生え始めた陰なるうぶ毛、そして壁と思った一枚岩は処女の証の膜。
ロビ太は『秘密の三角地帯』を内側から見ていたのだ。
「それじゃ、この奥には何があるんだろう」
 高鳴る鼓動をおさえつつロビ太は女体の神秘の奥へと進んだ。
半分は好奇心で、残り半分は自分でも理解できない雄としての本能で。

「ううん……」
 ベッドの上でシズクは一人でもだえた。最近覚えたちょっと気持ちいい一人遊びの始まりだ。
ビキニの上からこすりつける指の動きが段々と速くなってきた。
この遊びを覚えたきっかけはシャワーを浴びているときだった。
手元が狂って『強』にした水流が激しくソコを叩き、今まで感じたことない快感がこみ上げた。
以来週に一、二回お風呂やトイレでこっそりと、ささやかな楽しみにふけっていた。
「でも今日は何か違うわ。なにかしら、この感じは」
 自分の内側にある異物感がひどく気分を高ぶらせるのだ。
少し大きめの異物感は動かないが、それから分かれ出た小さな方は活発に動いていた。
さっきまで違和感は体の外へ向かっているように思えたが、今は体の奥へ進んでいた。
「泳いでるときに、おなかの中にお魚さんでも入っちゃったのかしら?」
 まさか潜水艇が一隻、自分の中に入ってますとは思いつかなかった。ましてやロビ太が自分の胎内を徘徊しているなど。
「だめだわ、こんなんじゃ物足りない」
 ビキニの上から慰めていた細い指先がビキニの中に潜り込んだ。
「あ、ああっん」
 シズクの意志と無関係に左手がビキニのブラを外した。
膨らみかけた乳房を翻弄し、硬くなった乳首を弄ぶ。そして右手も大胆な行動に出た。

「もーっ、ロビ太くんたら。世話を焼かせるばっかりなんだから」
 怒りながらドエライもんは復旧したばかりのソナーを見た。
「あ、いたいた!随分奥まで進んじゃって」
 三次元映像化されたソナーには膣内を含む生殖器全体の地形図が映し出されていた。
その中央付近に襞をかきわけて進む人型の映像があった。
「早いトコ捕まえなきゃ……あれれ?」
 映像に別の物体があらわれた。巨大な丸太か柱を思わせるその物体は、潜水艇の正面つまり膣口から迫ってきた。
「まさか……」
 ドラエモンが目撃したフロントガラスのその物体は肌色の質感と渦巻き文様=指紋を備えていた。
「人差し指?!」
 巨大な指の一撃はちっぽけな潜水艇を軽く突き飛ばし、奥の方へと押しこんだ。
「うわーっ!」

「ああ、いい、いいわ」
 シズクの指は速さに加え激しさを増していた。外側からの刺激では足りず、内側へも積極的に滑りこんだ。
指先になにかぶつかったような気がするが、気にもならなかった。
いや、ぶつかった時の感触がなんとも刺激的で異物の正体などどうでもよくなった。
「ハァハァハァ……」
 息遣いはより激しく、早く。そして本人にも思いも寄らぬ名を口にしていた。
「ああ……ろ、ロビ太さん!」

「だ、誰か呼んだみたいな……それどころじゃないや!また海底地震だ」
 膣内のロビ太は凄まじい揺れに振り回されていた。ただでさえ足場の悪い中、震度測定不能の大地震だ。
何度も放り投げられ壁や天井にぶつかった。柔らかな洞窟でなかったら大怪我していただろう。
「す、すごい、それに水も出てきた!」
 ロビ太がぶつかるたびに膣壁は刺激され、最初滲み出す程度だった愛液は水かさを増し、川のように襞の合間を流れた。
「こ、このままじゃ溺れちゃう」
 突き出した襞によじ登り持ちこたえているが、いずれは押し流されるのが目に見えていた。
愛液の激流に落ちれば泳げないロビ太はたちまち溺れてしまうだろう。
「うわわっ?」
 しがみついていた襞がプルプル震えてロビ太を振り落としてしまった。ロビ太は愛液の川に落ちて流された。
「助けてー、ドエライモーン!」
「ロビ太くーん!」
 サーチライトがロビ太を照らした。潜水艇の窓の中にドエライもんの姿が見えた。
シズクの指に無理矢理押し込まれた結果、偶然にもピンチに間に合ったのだ。
「これにつかまるんだ、早く!」
 潜水艇のマジックハンドがロビ太をキャッチした。
「ぼ、僕、た、助かった?……ワワッ!」
 潜水艇が大きく揺れた。反射的に伸ばしたロビ太の手が天井にぶつかった。
「あー、ロビ太くん。そこはぁっ?G……」
 洞窟が揺れる程度では済まなかった。上下左右すべての粘膜、全ての襞が一気に膨張した。
「……スポットだから触っちゃダメって言おうと思ったのにィィィッ」
 遅すぎる警告、潜水艇を包む粘膜は日本海溝の水圧にも耐える船体をたやすく歪ませ、圧壊させた。

「アアアーアアアッ!」
 股間から脳天まで電撃が走った。それも一度ではなく何度も、何度も。
シズクの初々しい肉体は痙攣し硬直し、それから初めての快感に陶酔した。
「ああ……ロビ太さん」
 嵐が過ぎ去ったあとのシズクの第一声がこれだった。

「やっぱり私、ロビ太さんのこと……」
 バスルームでシャワーを浴びながらシズクは恥ずかしげにうつむいて笑った。
「変ね、取り柄も何もない男の子なのに」
 取り柄がないというのは嘘だと自分でも思った。
臆病でスポーツも勉強も駄目だけど優しいし、時折見せる閃きと行動力には目を見張ることがあった。
「でも、まだ早いかな?」
 クスッと笑うシズク。『まだ早い』どころか、たった今『とっくに手遅れ』になったことは気づいていない。
「今ごろどうしてるかな、ロビ太さん」

「ドエライもーん!」
「ロビ太くーん!」
 二人は押し流されて行った。子宮近くから一気に膣口までの愛液の川下りだった。
処女膜中央の穴から放り出され、縮れ毛の木立の中を流された。
そこからはシャワーのお湯に流され太股の内側を滑り落ち、タイルの上へ。
「ドエライもーん、助けてー」
「ロビ太くーん、助けて!」
 そしてそこがバスルームであることも気づかず、遥か後ろにそびえたつ巨大な裸身がシズクであることも気づかず、
排水口の中へとロビ太たちは落ちていった。

 着替え終わったシズクはベッドを見て赤面した。乱れたシーツ、乱れた毛布、そしてしっとり濡れた……。
シズクは黙って備えつけの水差しを持った。
「ホテルの人、ごめんなさい!」
 バシャッ!ベッドの上にミネラルウォーターをぶちまけてからシズクは受話器を取った。
「ルームサービスですか?ごめんなさい。ベッドにお水こぼしちゃって。シーツと毛布の交換お願いします」
 純情な少女のささやかな証拠隠滅。まあこれくらいは許されるだろう。

「ドエライもん、大丈夫だった?」
「なんとか、生きてるよ」
 ホテルの下水管より生還した遭難者二名はロビ太の家に戻っていた。
「もう潜水艇はこりごりだよ」
「それは僕のセリフだよ、ロビ太くん」
 やっぱりロビ太の『一生に一度の頼み』なんて聞くんじゃなかった、と思いつつドエライもんは座りこんだ。
「ところでさ、ドエライもん。聞きたいんだけど」
「まだ、何かあるの?」
「うん、実はね。さっきの洞窟でさ、僕、オシッコ漏らしちゃったんだ……」
「ま、仕方ないさ。あんな恐い思いしたんだから。でも誰にも見られてないから心配ないよ」
「それが……普通のオシッコじゃなかったんだ」
「えっ?」
「白くてさ、ネバネバッとしててさ、量もほんの少しなんだ」
「……!」
「これ、ってなんかの病気じゃないのかなぁ。ねえ、ドエライもん?」
 初めての『中出し』この結末にドエライもんは沈黙した。
彼の頭脳たるスーパータキオンコンピュータ・ゼロワンは最高稼動状態に入り、数秒で回答をはじき出した。
すなわち『お手上げ。神に祈れ』。
「どしたの、ロビちゃん、ドエラちゃん?」
 障子を開けてママが入ってきても、ドエライもんはフリーズ状態だった。
「まあ!そんな格好で?そんなに汚れて?しかもこの匂い?何があったの!」
 ママさんが『怒れる不動明王モード』に入ってもドエライもんは動かなかった。ただひたすら祈りを捧げていた。
(安全日でありますよーに、安全日でありますよーに、安全日で……)