ドンッ!

突き上げるような衝撃が一寸橋の全身を叩いた。
一瞬だが、街全体が持ち上げられたような感覚。
歩道のアスファルトに倒れていた一寸橋は、その衝撃で空中に放り出された。
ドスンと硬い路上に落ちて、その痛みでやっと目を覚ました。

「あ、痛ァッ!……ここは、どこだ?下水道にいたはずなのに」

目を開けると頭の上には青空が見えた。
一寸橋がいる場所は自動車の往来が途絶えた道路の上だった。
吹きつける微風の感触にハッと我に返った。

「ヒメコさん!どこだ?」

返事は、ない。
ヒメコ(IN神主)の姿はどこにもなかった。
必死に探しても見えるのは、動く者ひとつないゴーストタウンのような風景だ。
商店街からもビジネス街からも近いので大勢の人はいた。
だが全員、男も女も、子供や老人に至るまでが倒れるか、座り込むかしている。
気を失っているわけではなさそうだが、呆けた顔でヘラヘラ笑いしているだけだ。
しかも老若男女問わず、股間をジットリと濡らした状態で。

「みんな、イッちゃってる……この強烈な匂いのせいか?」

臭い、発酵臭に似た、よく『チーズの匂い』に例えられる匂いだが……今はその何十倍も濃厚な匂いが街全体を包んでいる。
鼻を押さえても頭の芯までガツンとショックを与える濃密さに、空気にまで粘着性が生じたような錯覚を覚えた。
強烈すぎる淫臭の発生源は……かなり離れたところにいる巨大全裸女子大生の二人組。

「いや、それだけじゃないぞ?あちらからも、僕の大学の方からも漂ってくるぞ?」

とにかくヒメコ(IN神主)は見つからない。
そもそも、自分がどうやって地下の下水道から出たのかさえわからない。
まず彼女を探さなければ、その時になって、自分が全裸であることに気がついた。

「は、裸?俺、何も着てない?どうして?」

就職面接で着ていたはずのスーツにワイシャツ、どころかパンツも履いていない!
驚いて辺りを見回しても着ていた服はどこにもない。
わけがわからない、が緊急事態とはいっても全裸でうろつくのはマズイだろう。

「仕方ない、近くの店で……」

幸い近くに有名な服飾チェーンがあった。
そこに飛び込み、適当なズボンだけを掴んで大急ぎで穿いた。

「ゴメンナサイ!今、財布持ってなくて。後で払いに来ます!」

股間ずぶ濡れで失神中の女性店員に謝ってから外へ出た。
用心深く物陰を移動しながら、ユキ先輩とサキちゃんの様子を伺う。
ビルの間から見える巨大女子大生ふたりは、なにやら揉めているようだ。

************
「チックショウ!一寸橋め、どこ行きやがった?」
ドゥォオオオンッ!

自分の体の何十分の一しかない直径のマンホールの中に、腰から下を入り込ませたユキ先輩は怒りを爆発させた。
すると回りの地面、コンクリートとアスファルトが一斉に爆ぜて、アスファルトが空に向かって噴き上げられた。
怒りのあまり変形させて地下に入り込ませていた下半身が、一気に元に戻ったらしい。

「このユキ様が直々に超スペシャル大サービスしてやるって言ってんのによ!」

隕石直撃のような大穴から下半身を引きずり出しても、まだ怒りは治まっていない。
機嫌を悪くしてるのはサキちゃんも同じだ。
集中豪雨直後の激流のような愛液を、己の女陰の内へドドドドドッと大逆流させつつ、イライラと足踏みを繰り返す。
巨人の足踏みとあって、地震のごとき揺れが長く長く続きビルの壁面にピシリ、ピシリと亀裂が入る。

「あたしだって!せーいっぱい、ご奉仕してあげる予定だったのにィ!」
「ハッ?アンタの未熟なテクじゃ一寸橋もカワイソーだろ?」
「そんなこと、ないもん!センパイ、ぜったい喜んでくれるもん!!」
「アンタじゃ無理無理、むーりーだっちゅーの!」

巨大なアホ女子大生二人がドスンドスンと足踏み鳴らして、大声で口喧嘩しているものだから喧しい上に、地面揺れまくりで立っていることもできない。
ひっきりなしの大地震で建物は次々と倒壊、その上を愛液大洪水が洗い流して街はもう滅茶苦茶である。

「オイ、サキぃぃぃッ!前々からクソ生意気な後輩だと思ってたがッ!」
「ユキ先輩こそ!超超超ウルセー奴だなーと前々から思ってましたッ!」
「やるかぁぁぁッ?」
「やりますかぁッ!」

鼻先をくっつけて睨み合う巨人ふたり!まさに一触即発!
その時、ユキ先輩とサキちゃんの動きがが停まった?
そして声が、厳かで恐ろしくも神々しさを秘めた声が響いた。

―卑しき下僕どもよ、何をやっておるか!―
「お、鬼姫様?」
「い、今、ちょっ……ヒッ?」

どこからだ、どこから魔神・鬼姫の声は聞こえてくる?
天空から?否!
地の底から?否!

「あ、はぁぁぁん……」「ひぃ、ひぃひぃぃぃんン!」

おお?巨大女子大生ふたりが膝をズズズゥンと、ついた?
しかも陰毛の下、ヴァギナが大きく口を開いたり閉じたりしているぞ?
そうだ、鬼姫の声はここから、巨大娘の陰部の奥から響いてきていた!

―まだ我が生贄は捕まらぬのか!この無能どもが―
「ああ、鬼姫様ぁ」
「お許しを、おゆるしぉぉぉッ!」

声が響くたびに膣口が拡張され、その度にユキ先輩もサキちゃんも悩まし気に身をよじる。
女陰の奥からの猛烈な空気振動に、出口に至るまでの肉襞全てを揺さぶられ、痛烈な快感に脳天まで貫かれていた。

―早々に一寸橋を我に献上せよ。さもなくば―
「は、はい」「仰せのままに」

鬼姫の声はそこで終わった。
巨大女子大生ふたりにはペタンと座り込んだままだ。
天変地異に匹敵するユキ先輩サキちゃんコンビにも抗えない、恐るべき鬼女王のオカルト・パワーであった。

「ど、どーするよ、サキ?」
「どーするたって、ユキ先輩」
「このままじゃオレたち……」
「鬼姫様に折檻されちゃう?」

恐ろしい折檻が待っている、というのに二人の顔には恐怖の下に密かな期待感が……
既にこのふたり、魂の底まで快楽の束縛を受け入れているらしい。

「でもよー、どうやって一寸橋のヤツどうやって見つければいーんだ?」
「うー…………ん?あ!アレを使えば!」
「アレ?そうか!アレがあったぜ!」

**********
百貨店だった崩れかけた建物の柱の陰に、一寸橋は隠れていた。
身に着けているのは店から失敬したズボンだけ、上半身裸に裸足の状態だった。
ヒメコ(IN神主)とも下水道ではぐれたまま、どこにいるのかもわからない。

(どうしよう?どうしたらいい?何ができるんだ?)

できることなんかない、上空から見下ろす巨大女子大生の目から隠れているのが精一杯だ。
大学キャンパスに潜む鬼姫に近づくことも、逃げ切ることもできそうにない。
とにかく今は隙をうかがって移動するしかない。
なにやらゴソゴソ始めた女子大生コンビから目を離さないように、ソロリ、ソロリと……

(せめてヒメコさんの安否だけでも……アレは、あいつら何をして?)

ユキ先輩がサキちゃんのお尻に手を回し、桃割れの中に指先を滑り込ませたのだ。
尻の高さだけでも周囲の屋上を遥かに上回る高さ、街のどこからでも丸見えだ!
その超デカ尻をユキ先輩の指が押し広げる。
一寸橋は思わず息を呑む!
パンッと張った若々しい尻が広げられた間から!
菊の花のごときキュッと締まった玉門が!
ピンクの花弁を開かんとヒクヒクと蠢いていた……

(いいいいい、一体何を?!アアッ?)

菊の御門の中心に何か、小さな何かが顔をのぞかせた。
小さいといっても人間サイズの何か、じゃなくて人間だ!
人間がサキちゃんの肛門からニュリ、ニュリリとひりだされてくる。
しかも遠くてわかりにくいが、一寸橋がよく見知っている男の顔だった!

「……ヒメコさん……」

正確には男ではなかった。
体は神主だが憑依している魂は、神主の娘にして一寸橋の恋人・ヒメコだ。
下水道ではぐれた彼女?は荒れ狂う愛液の濁流に巻き込まれてサキちゃんのもとに運ばれていた。
上半身だけサキちゃんのアヌスからはみだしたヒメコはぐったりとしていた。
気を失っているヒメコ(IN神主)をユキ先輩の指先がつまんで直腸から引っ張り出した。

「ったくよぉ、ンなとこに大事な人質隠してんじゃねーよ」
「えーっ、でもさぁ。ここに閉じ込めとけば安心じゃん?」

摘まみ上げたヒメコ(IN神主)をユキ先輩はつついて目を覚まさせた。
小さく弱々しく呻くヒメコ(IN神主)にさらに自分の顔に近づける。
ニヤァと淫靡な笑みをうかべつつ、ペロォリと舌なめずりをする。
食べてしまおうというのか?違う!

「チッ、臭っせぇな」
「あ、アタシのお尻の中は臭くないもん!」
「ンなわけあるか。だがフフフフフ……」

小さなヒメコ(IN神主)の体を何十倍も巨大な舌がひと舐めする。
直腸の粘液で包まれていた油ギッシュな中年ボディが、今度はネットリ唾液にコーティングされる。
しかも何のつもりか?
ユキ先輩は開いている手を自分の秘裂に突っ込んだ!
そして乱暴に中をぐちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅと乱暴にかき回し始めた……

「ん、ん、ん、あ……ッッ」
「せんぱぁい、何してんの?」
「フフフ、こーして粘り気を出してだなぁ」

ドロドロになった指先でヒメコ(IN神主)を自分の秘所、の少し上の陰毛密生地帯に押し付ける。
唾液愛液に直腸の粘液……
様々な粘液が入り混じった液体が、黒く節くれだった陰毛の束に絡みつき貼りついた。

「ウウッ、助けて……一寸橋さん」

意識が完全に戻った時、ヒメコ(IN神主)は巨大娘のブラックデルタ上に全裸で磔にされていた。
手足に絡みついた陰毛は固まり始めた粘液でピクリとも動かない。
背中に当たる硬い大きな感触は興奮して勃起するクリトリスだろうか?
その下からは鼻を麻痺させるような、強烈な発酵臭が噴煙のように吹き上げてくる。
最早、逃れる術はない。

「オーイ、一寸橋ィィィ。見えるかぁ?」
「出てこないとぉ、大事な大事なオジサマがぁ……レロレロレロレロ……」

今度はサキちゃんがユキ先輩の秘所にそぉっと顔を近づけ、どころか密着させた!
クンクンと鼻を鳴らして香気を堪能した後、ペロリペロリと瀕死のヒメコ(IN神主)を味わい始める。
瀕死状態のヒメコ(IN神主)だが一部分、股間だけは活性化して、ピンとそそり立っている。

「あ、あ、あ、一寸橋さん……」

巨大な舌先に翻弄されて小さな勃起がピクッ、ピクッと跳ね打っている。
しかし悲しからずや、既に実弾打ち尽くした筒先は虚しく空砲を撃つだけだ。
そんなヒメコ(IN神主)を弄びながら、その下のユキ先輩自身もサキちゃんは味わっている。
サキちゃんの頬の動きに連動して、空撃ちさせられ続けるヒメコ(IN神主)も、ユキ先輩も呼吸が荒くなってきた。

「あう、はう、あう、はう……い、い、い、いっすん、ばし、さん」
「フッフフフ、一寸橋ィィィ。このまま、オジサマが、果てるまで、黙って、見て……ああン」

このままではヒメコの今の肉体である父親・神主は完全に使用不能に!
しかし、ただの人間である一寸橋が巨大娘の手に落ちれば抗する手段はない!
どうする、どうするのだ、一寸橋!

「ヒメコさんを放せ!俺はここにいるぞ」

何の思いつきも浮かばないまま、柱の影から飛び出した一寸橋は、あらん限りの声を振り絞って叫んでいた!