「はぁ、はぁ……お、終わった……」

もう片方の千春の足も掃除し終えた俺は荒い呼吸をくり返していた。
いまは彼女の踵にぐったりと横たわっている。
骨が近く、肉が薄いせいでゴツゴツとしているが、このカーブがちょうどよかった。
床にそのままうつ伏せになるよりも、ソファの背もたれにダレるほうが楽に感じるときによく似ている。

あれから、いったいどれほどの時間が経ったのだろう?

掃除してきた道のりをふり返る。
傾斜45度前後の、平坦ともなだらかとも言えない広大な坂道。
開始時とは打って変わって、ホコリやゴミ、髪の毛などは一切見当たらない。
それだけで、成し遂げたという達成感が胸を占める。

ただ、ところどころに白い汚れがあった。……俺の精液である。
時間が経ってほとんどがカピカピになっているだろう。
とはいえ、吐き出した体液を舐め取るのには、流石に抵抗がある。むしろ抵抗しかない。
なので……千春には悪いが、あとは任せようと、俺は見て見ぬ振りした。

縮小された身で、巨大な足2つ分を舐め続けたせいで、口全体が疲れた。特に舌!
でも……そのおかげか(そのせいか?)、千春の風味で満たされていた。
汗の味がしつこいくらい口の中に残り、鼻孔にはしょっぱさが吹き抜ける。
もはや甘美にすら思えて、クセになってしまいそうだ。
体の内側までもが千春でいっぱいだった。

そんな彼女はといえば、いつの間にか寝てしまっていた。
かすかな寝息とともに上半身がゆっくり上下している。
最初こそ笑い転げていたが、後半は「なんか慣れて気持ちよくなってきた」とか言ってたし。
そもそもデートで街中を歩きまわって疲れていたのだろう。

「しょうがないな……」

と嘆息しつつ起き上がり、俺は千春の体の上を歩きはじめた。
このまま去る前に、終わったと一声だけかけようと思ったのだ。

まずは急な坂になっているアキレス腱を下りる。
かかとを畳んでいる状態でシワが密集していたので、手や足をかけやすくて助かった。
細いくるぶしを抜け、小さな山と化しているふくらはぎへ進む。

と、そこで誤算があった。
体を支えるための力すら入っていないから、めちゃくちゃ柔らかかったのだ。
足裏と同じような感覚で歩いていた俺は、柔肉に足を取られてへたり込んでしまった。

「……四つん這いのほうがいいか」

前に進むたび、手が深く沈む。
肌触りもよく、まるで羽毛クッションで出来ているかのようだ。
ムラムラと卑しい気持ちが湧いてくる。
さっきあれだけ射精したのに、愚息がまた元気になりはじめた。

男ってやつは! と思いながら、必死に堪えた。
足裏掃除という過酷な作業もあったのだ。
ここでまた射精しては、体力がいくらあってももたない。
早く抜けようと、俺は進むペースを上げた。

しかし、膝裏までたどり着いた俺は思わず動きを止めた。

見上げれば、寸胴みたいな(言ったら殺される)太ももがスロープのように伸びている。
肉と肉がひしめき合って生まれた溝があり。
その先には、黄緑色のパンティに包まれたお尻が、こんもりと盛り上がっている。
臀部にかかるようにワイシャツの裾がかかっている。
まるで丘だった。

見ているだけで情欲が湧いてくる光景に、俺は立ちあがって小さくのどを鳴らした。

(でも…千春を起こすには、あの丘を越えないと…!)

体のいい言い訳なのは承知の上。
だけど、プリンみたいな千春のお尻に触れたいと思うのは、彼氏として当然だった。

邪な気持ちを抱えたまま、俺は太ももロードを歩きはじめた。
一歩踏むたびに、面白いくらい足が埋まる。
こんなに柔らかいのは、寝転んで弛緩しているからだろう。
触るときはいつも千春が立っているときだったから、この柔らかさは新鮮な気持ちだった。

「おっと…」

柔らかさに気を抜いていてバランスを崩し、四つん這いになった。
倒れた方向が前でよかった…。
左右のどちらかだったら最悪、そのまま太ももから落ちてリトライ、なんてこともあり得る。

(平坦な道ならまだしも、傾斜のときは這って進んだほうがいいかもしれない…)

俺は四つん這いのまま、先に進むことにした。

やがて、クレバスに差しかかる。
太ももとヒップとを分ける、黒い境界線だ。
脳みそのシワは、増えた脳細胞が互いの領土を広げるためにできたものらしい。

同じ原理でできたこの溝は、どのくらいの深さだろう…?
そんな考えが脳裏を過ぎる。
けれど、手を差し込みたい衝動はぐっと抑えた。
突っ込んだら最期、呑み込まれて抜け出せなくなるかもしれない。

俺は立ち上がり、両腕を大きく振り、膝を曲げた。
腕と膝のタイミングを合わせ、立ち幅跳びの要領で太ももから跳ぶ。
両腕を広げ、ぼふっと千春の尻に抱きついた。

だが、俺はひとつ、思い間違いをしていた。
それは、千春の尻肉が想定以上に柔らかいということだった。
喩えるならマシュマロだと思ったら、皮の薄いシュークリームだったぐらいの違い。

肉のかたまりが、受け止めてくれるだけに留まらず、俺の全身を呑み込んでいく。
そんな勢いよく飛び込んだつもりがなかった俺は、反動で吹き飛ばされるかもしれないと恐れた。
離れないよう、指先まで力を込めて強く抱き締める。
咄嗟の判断のおかげか、幸いなことにふり落とされることはなかった。
しばらくそのまま、ぶよんっぶよんっと、寄せては帰ってくる肉の波が収まるのを待つ。

完全に震えが止まると、俺はほぅっとため息をついた。
改めて、尋常じゃない柔らかさに驚く。

「でも、なんとかなったな」

緊張から解放されたからか、しばらく身を預ける。
優しく受け止めてくれるし、人肌の温もりが心地いい。
どんなに評判のいいクッションでも、このお尻には勝てないだろう。

安心したら、今度は劣情が抑えきれなくなってしまった。
自分の体と彼女の尻肉の間で、ムクムクと勃起していく。
好奇心のままにちょっとこすりつけてみる。

それだけで尻肉は小さく波打った。
そこでやめればよかったのに、なんだか面白くてもう一回。
くり返すたびに切なくなっていく。

気がつけば俺は夢中になって、千春のお尻へ向かって腰を振っていた。
顔を強く押しつけ、手足を駆使して目の前にあるシュークリームを揉む。
あっという間に、俺は精液を吐き出してしまった。

全身から力が抜け、喘ぐように息をつきながら、くたっと身を預ける。
ずっとこのままでいたい…千春の尻に貼りついていたい…。
しばらく夢心地な気分だった。

眠りにつきそうになったころ、俺は当初の目的を思い出して小さく首を振った。
いまはなによりも千春を起こさないと!
……頼み込めば、またこうさせてくれないかな。

名残惜しい気持ちになりながら、俺は千春のお尻を登り始めた。
登るたび、チンポがこすれる。
気持ちよさが押し寄せ、また欲情させる。
俺は変な気分になるのを歯を食いしばって堪え、一目散に頂上を目指した。

そうしてなんとか、尻の頂までに到達した。
そこは俺にとって、更なる地獄だった。

トランポリン以上に弾力のいい巨尻の大地。
その地面を覆う、薄緑色のパンティ。
登山中に潜ってみたい衝動に駆られた。
けどその気持ちをグッと堪えて登ってみたが、今ではかなり後悔している。

千春のお尻と下着の間は、さぞ気持ちのいいことだろう。
包み込まれ、落ちる心配もなく、ただひたすらに抱きついていられる。
そうなると問題は、射精のしすぎで俺が力尽きることだが……。
そこはむしろ男として本望だったに違いない。

後悔する俺の上空は、千春のワイシャツの裾に覆われている。
閉じ込められたその中は、彼女の汗とほのかに甘い体臭で満たされていた。
濃密なその香りに、頭がくらくらする。

丘の上からは、薄暗くとも千春の広い腰ははっきりと見下ろせた。
ニキビひとつない綺麗な肌色。
凹んでいる背中のライン、背骨の凹凸。
ちょっとだけ腰回りについた、削ぎ落とし切れていない贅肉が、より男をムラムラさせた。

「やばっ…限界だ…!」

景色やら匂いのせいで、俺は登山中にため込んできた卑しい欲望に耐えられなくなった。
巨尻の頂上でうつ伏せになり、床オナニーする。
パンツ越しのお尻は、やはり生のときよりも硬かった。

それでも臀部の反応は最高だ。
力強く腰を打ちつけるたびに、尻肉がバウンドして、跳ね返ってくる。
でも吹き飛ばすほどではなく、全身にズンっと響いてくるような感じ。
バウンド具合でいえば、登る前よりもいまのほうが上だった。

パンツの布感も気持ちいい。
イチモツをこすりつけるたび、繊維が裏筋に引っかかり、刺激を与えてくる。
繊維ひとつひとつに千春の匂いが染みついていて、いつまでも顔を埋めていたくなる。

針を通すように、チンポをパンティの繊維と繊維の間に差し込んだら、どれほど気持ちいいだろう……。
ほつれて千春に禁止されるのが怖くてやりはしないが、その想像が劣情をさらに膨らませる。

簡単にちび人間を押し潰せる巨尻を自由している。
その現状に、俺は呆気なく果ててしまった。
千春のパンティに、俺の精液が染みこんでいく。
それだけでなんとも言えない優越感が胸を占めた。

射精後のチンポをパンティに擦りつけて拭く。
乾いてカピカピになってしまうが、千春にとっては少ないし、気づかないだろう。
気づかれたら最期、お仕置きルート直行なのは目に見えてわかった。

(そろそろ、起こしに行かないと…)

体を起こす。
見下ろせば、若干急な下り坂。
登りと違って、降りは楽そうなのがよかった。
これでまた登るだったら、軽く絶望していただろう。

ーーが、それが油断になった。
慎重に降りようと後ろ向きになった瞬間、パンティを掴み損ねた。
ふわっと、一瞬の浮遊感。

気づけばそのまま、千春の尻を転がり落ちていった。
ぼよんっぼよんっと尻の丘をおむすびコロリンしていく。
臀部を越え、腰を越えたあたりから地面に変化した。
一気に硬くなったのだ。

全身を打ちつけながら転がり続ける。
ようやく止まったのは、背中の凹みに収まってからだった。
贅肉が少ない腰回りのせいで、骨盤の感触が直に伝わってきたのだろう。
ぼんやりとした頭でそんなこと考えていた。

体の節々がズキズキと痛む。
この痛みといい、尻の丘から落ちたことといい、まさに天国から地獄への気分だ。
無理やりにでも体を起こす。
目の前には、千春の背筋でできた、緩やかな一本道が伸びていた。
これなら、ベッドに落ちる心配もなく、無事に登っていけそうだ。

けれど、やっぱり心のどこかで名残惜しさがあったのか。
俺はふと、後ろをふり返った。

そこにあるのは、当然だが、巨大な尻の山脈。
ただ、背中からだとこう見えるのか、という新鮮味があった。
違いがあるとすれば、山脈の間にパンティの橋が架かってるくらいか。

不意に、違和感を覚えた。
……千春はTバックのような、エロい下着を今日履いていただろうか?
至って普通の(といえば千春は拗そうだが)パンティだったはずだ。

立ち上がって見てみれば、やはりパンティがちょっとずれていた。
本来なら見えないはずの、尻の谷間が顔をのぞかせている。

こんなチャンスあるだろうか?(いやない)

俺はすぐさま来た道を戻った。
太ももから尻に登る直前に試そうとして無理だった、千春のお尻に包まれるチャンス。
それをみすみす見過ごすことは、男としてできなかった。

硬いおかげで、皮肉にも登りやすい腰を駆けあがる。
つまづきながら登った先に、洞窟が待ち構えていた。
どこまで深いかわからないクレバス。
男心くすぐるその光景に、俺はごくりと生唾ひとつ呑んだ。

手の指先を揃え、そっと差し込んでみる。
それは引っかかりを覚えることなく、ぬぷっとクレバスの中に入っていった。
じっとりとした水気がある。
デート中、ずっと歩いていたからだろう。汗ばんでいた。

(これなら――)

もはや退くなんて選択肢はなかった。
心の赴くままに一歩を踏み出す。
両腕で尻肉をかき分け、空いた隙間に体を滑り込ませる。

千春にバレたら大目玉を食らうだろう。
起こさないために、俺はより慎重に動いた。

尻の谷間はひどく汗ばんでいた。
汗でコーティングされた坂は吸いつくようだが、油断をすれば転びそうになる。
ただでさえ急斜面なのに、滑ったらどうなるかは想像に難くない。
足を滑らせたら最後、そのまま地面まで一直線だろう。
まあ、パンツで覆われてるから、落ちても登ってこられるとは思うが……。

(でも落ちたら――)

このまま進めば先にあるであろうものを思い浮かべる。
千春のアナル、おまんこ、クリトリス……。
いったいどんなだろう、と思いを馳せた。

――そう、鼻の下を伸ばしているときだった。
急に左右の尻肉が押し寄せてきたのは。

「なっ、ちょっ!?」

圧倒的な尻圧で挟み込まれ、身動きが取れなくなる。
これは、もしや……と思っていると、どこからか声が響いてきた。

「まったく、このちび彼氏は……。私が無防備だからって好き勝手動いて!」

やはり、千春を起こしてしまったようだ。
俺は汗ばんた尻肉をなんとか押しのけようとする。
だが、千春が外側から押さえ込んでいるのだろう。
ビクともしなかった。

「もしかして、私が寝てると思ったのかな?
 だとしたら残念だったね。ふりだよ、寝たふり!
 まあ、ちょっとはウトウトはしてたけど……」

そんなバカな、とお決まりのセリフが真っ先に込み上げてくる。
何度も確かめたが、寝息は規則正しかった。
それにあれだけ思うがままに動いていたのに、ぴくりとも反応しなかったじゃないか。
訴えかけたい気持ちが胸を占める。

「けどまさか、そんなにお尻が好きだったなんてねぇ?
 それなら、私がベッドに座るとき逃げないで、
 大人しく敷き潰されてればよかったんじゃない?」

(足で踏むときと違って、尻だと加減できないだろうが!
 最初から巨大娘の全体重が襲いかかってくる恐怖を知らないから、そんなこと言えるんだ!
 それに、男なら尻も大好きに決まってるだろう!? 好きな女の子のなら尚更!!)

吐き出せない心の叫びを胸に秘めたまま、俺は耐えるので必死だった。
両側から尻肉がじわじわと襲ってくる。
徐々に増す尻圧に、俺の口からは苦悶の声がこぼれた。

「お尻の付け根部分と、ヒップの頂上で2回も射精したくせに、まだ足りないの?
 私の足をマッサージしてたときもしてたよね?」

…………おぅ、しっかりバレてーら……。
思わぬ不意打ちに心を揺さぶられていると、突然尻肉の動きが変わった。
前後から押し潰さんとするばかりではなく、左右にずれ始めたのだ。

「ほらっほぉらっ! 抵抗しないとすり潰されちゃうよ~?
 ざんざん好き勝手してくれた分、やり返させてもらうからね!」

無慈悲な尻ズリが俺を苦しめる。
唯一幸いだったのは、汗まみれだったこと。
滑りが良くなり、摩擦は軽減されていた。

でも、依然として逃げられない。
がっちりと挟み込んだまま、容赦なく責め立ててくる。
それまでの思考や感情が、苦悶と快楽に埋め尽くされていく。

遂には堪えきれず、また射精しそうになったとき――。
つるんっと俺は千春の尻肉から抜け落ちた。

「ちょっ!」

俺を押さえつけるだけで、深く考えずただ尻肉を揺さぶっていたせいか。
まさか俺が滑り落ちるとは思いにも寄らなかったのだろう。
遠くから千春の慌てた声が聞こえた。

すぐさまパンツ越しに、今度は指で押さえつけられる。
味わったことのない、ぶにゅっとした感触に包み込まれる。
ツンとした香りが鼻腔をくすぐり、肌以上の熱が伝わってくる。

(ここって、まさか……)

薄暗い中、目を凝らす。
ひくひくと震える菊門が視界に映った。
おかげで、ここがどこかはすぐ見当がついた。
千春のアナルだ。
認識した瞬間、下品な臭いやいやらしさがより濃密になった気がした。

「あ、あぁ……!」

俺は劣情を抑えきれなくなった。
尻肉に擦られて射精寸前だった堰が、決壊する。
刺激もなにもないのに、吐精する。

「え、嘘っ、んんっ!
 びくびくしてる……もしかして、また射精したの?」

千春の声が響いてくる。
俺はなにも答えなかった。
恥ずかしさやら気持ちよさで返答できなかった、が正しいか。

股間部が湿るのを感じる。
ただ顔を埋めるだけでは我慢できなくなってきて、俺はぺろっと舌を這わせた。

(これが、千春の……)

「~~~っ、ちょっと!
 私、そんなとこまで舐めてなんて言って、ひゃっ!」

足裏ではただくすぐったそうにしていたのに。
アナルではこんなに容易く感じてくれてる。
その彼女の反応が、ただただ嬉しくて、俺はさらに舐めあげた。

喘ぎ混じりに「やめっ」と静止の声が聞こえてくるが、無視して舐め続ける。
すると、背中からの指圧がさらに強まった。
ぐりぐりと虫を蹂躙せんとばかりに、指が圧迫してくる。

「もお! この変態ちびっ!
 こっちはせっかく落ちないように支えてあげたのに!
 そんなに好きなら、ずっとそこにいればいいよ!」

背中からの圧力がさらに増す。
加えて、ひくひくしてた地面が少しずつ広がっていく。
――それだけで、千春が俺をどうしようとしているのか手にとるようにわかった。

「おい、ちょっ、待っ――」

静止の声は虚しく、ぬぷっと俺は千春のアナルに押し込まれてしまった……。

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ぐいっと思いっきり押し込むと、にゅるっと私のお尻の中に入ってきた。
座薬よりは小さいけど、同じように、ぐっと奥まで突き入れる。
もういいだろうと指を離し、代わりにお尻の穴をきゅっと締めた。
まったく、と私は嘆息した。

やり終えたら、急に恥ずかしさが込み上げてきた。
閉じ込めたのは――あの、幼馴染。
しかも、記憶を保持したまま、復活することが許された、縮小研究部の名誉部員。
どうとも思わない、ちび人間の一人だったらまだしも……彼氏だ。

目の前にある枕に顔を押しつける。
なんだったら、ベッドと叩いたり、足をジタバタさせるまである。

(だって、お尻なんて……女の子として超えちゃいけない一線なのに……!)

羞恥に悶える私の頬は、きっと真っ赤だ。
トマトと勝負できるに違いない。

ひと通り発散して、少し落ち着く。
意識してみたら、出口付近でなにやらもぞもぞとした感覚があった。
ちび彼氏が出ようと躍起になってもがいているのだろう。

(……いや、もしかしたら興奮してるのかも?
 だって女の子のアナルにまで発情する変態だし)

とにもかくにも、私には、彼を出してあげるつもりは毛頭なかった。
ざんざん好き勝手してたんだから、今度は私が好きにする番だとも思っていた。

「ふんっ、自業自得だよ。ぜーったい、出してあげないから!
 せいぜい私の中で反省するといいよ!」

中にいる彼にちゃんと聞こえるように、少し大きめの声でそう宣言。
そして、腰をちょっとだけ浮かせて左右にお尻を振った。
たったそれだけなのに、出口付近に取りついていた虫が、ころころとお腹の中を転がっていく。

ちび人間たちを踏み潰すときとはまた違った感覚。
私の些細な動きひとつで、ちびたちが一喜一憂する感じ。
――ホント、小さい。
気がつけば私は、昏い笑みを浮かべていた。

また、出口に向かって進んでくる。
それに気づくと、私も再びお尻を振る。
彼がころころとお腹の中を転げ落ちる。
そうしてまた、リトライ。そのくり返し。

彼が抵抗しても無駄だと気づくまで、私は喜んで腰をふり続けた。


<お尻編 END>