(概要)
ザクロちゃんとざくろさんは、地球人Aの家に入り浸っている地球外生物。
色々あって、ザクロちゃんが地球人Aの住処を街ごと叩きつぶしたので、今回からざくろさんの家に転がり込みました。
地球人Sを縮小したりして、毎日楽しんでいます。
あと宇宙怪獣的な存在が現れた時は、戦ったりもします。


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10分の1位
割とほのぼの



1.お前が望むなら、このまま握りつぶしてやっても良いんだぞ?

そろそろ、エアコン無しでは生きていけない、ある夏の日の夜である。
僕は、どこにでも居る新卒の社員。
IT系らしい会社で、IT系風の事をやっている気がする。
好きなものは、ソロキャンプと、Itube(アイチューブ)配信者のざくろさん。
そう、どこにでも居る、地球人Aだ。
今度の休みは、久しぶりにソロキャンプでも行こうかな?
ある夜。僕はベットで寝ながらそんな事を考えていた。
すると…
「ふふふ、どうだね、地球人Aよ。身動き取れないだろう?」
勝ち誇ったような女の子の声が聞こえた。
同居人のザクロちゃんである。
なるほど、ザクロちゃんの言う通りだ。
ベットに寝かされた僕は、身動きが取れない。
ザクロちゃんの細い手が、仰向けに寝ている僕を押さえていた。
手や足、首やら胸やら股間やら…
それ程に強い力ではない…が、彼女の無数の細い手が僕の身体中にまとわりついていた。
見覚えがあると言えばある、ザクロちゃんの細い手首だ。それが、何十本も浮かんで、僕に絡みついているのだ。
一本一本は、か弱いふりをした女の子の腕でも、何十本も集まると、さすがに身動きが取れない。
ザクロちゃんは不定形の生き物だ。
家事をする時には便利そうで、なんなら手を包丁の形にしてたりもする。
ただ、よく手とか切り離したりしてたりするのだが、こんなに何十本もに手だけ分ける事も出来るのは知らなかった。
というわけで、今日の僕は、無数のザクロちゃんの手によってベットで仰向けに寝かされていた。
「ほらほら、遠慮する事は無いぞ? 今の気分を140文字以内位で言ってみてはどうだね?」
無数の手首を操っている本人は、部屋の隅に仁王立ちして、何やら僕に言いながら、怪しいポーズを取っている。何かのアニメの影響かな…
「いや、うん…気持ち良いかな」
僕は正直に答えた。悔しいが気持ち良い…
「ふふふ、三日位、動画で研究した成果だ。凄いだろ?」
ザクロちゃんは、何故か勝ち誇っている。そういえば、ここ数日、ゴロゴロしながらマッサージの動画を見てた気もする。人が仕事してるのに良い身分だ。
まあ、ザクロちゃんが何を考えてるのかは、相変わらずさっぱりわからないが、確かに動画で研究した成果はあったようだ。気持ち良いな…
「あのー…ざくろさんも、どうです? 気持ちいいですか?」
と、ザクロちゃんが、僕の隣で、同様にザクロちゃんの手首まみれになっている女の子…ざくろさんに言った。僕に対する態度とは違い、ものすごく腰が低い。差別だ。
この部屋には、ざくろさんがいる。
そう、ここは、彼女…アイチューブで配信をしている、星川ざくろさんの部屋だ。
ざくろさんの部屋は、1人で済むには少し広い感じのワンルームだった。
色々あって、僕とザクロちゃんは、数日前からざくろさんの家に住みついているのだ。
そんなざくろさんは、僕と同様にザクロちゃんのマッサージ責めを受けている。
「そうですね、気持ち良いんだと思います」
ざくろさんは、澄み渡った美しい、死んだような目で答えた。
ザクロちゃんと同じ顔をしているのに、なんで、こっちはこんなに可愛いんだろうか。
僕とざくろさんは、それぞれ別のベットで寝かされ、ザクロちゃんの謎のマッサージ責めにあっていた。
よくわからないけど気持ち良い。ただ、ちょっと問題もある。
「ザクロちゃん、気持ち良いのはいいんだけど、股間とかは、ちょっとやめてもらっていいかな」
実は、色々我慢していた僕は、出来るだけ平静を装ってザクロちゃんに言った。
ザクロちゃんのマッサージ責めは、僕の股間周りにも容赦が無かった。
右と左の袋を、それぞれ違う手が優しく握って、揉んでいる。。
竿の部分も別の手がゆっくりと擦りあげ、先っぽの部分も、また別の手の指先が…
問答無用で射精させようとしている感じだ。
それがまた、良い感じで、にやにやと自慢げに笑うザクロちゃんを見ていると、頭がおかしくなりそうだ。
心や体の準備も出来てないのに、いきなり来られても、さすがに…
「ん? 精液を放出するの、君は好きじゃなかったっけ?」
「い、いや否定はしないけど、体力的に何と言うか、ちょっと…」
「ふーん。じゃあ、やめとくね」
僕が言うと、ザクロちゃんの手は僕の股間を責めるのをやめた。基本的に言えば言う事を聞いてくれるのも、素直過ぎて腹立たしく感じてしまう。
それから、ザクロちゃんは言う。
「さて、そこで改めて、君とざくろさんに言いたい事があるんだけど、良いかな?」
「うん。とりあえず言ってみて」
「地球人Aさん、おうち叩きつぶしてごめんなさい…
 ざくろさん、おうちに転がり込んで、ごめんなさ…」
ザクロちゃんは、素直に謝った。
はぁ…
僕とざくろさんは、同時にため息をついた。
なるほど、反省しているのか。
確かに、数日前、僕の住んでいるアパートは、ザクロちゃんの手のひらで文字通りに叩きつぶされた。
その日は、全長100メートル程の宇宙怪獣的な存在が街に現れたので、ザクロちゃんは全長1500メートル程の巨人の姿になって、怪獣を叩きつぶしたのだ。
僕の家ごと…街ごと…
ざくろさんの家は、ギリギリでザクロちゃんの手の範囲に入っておらずに無事だったので、こうして転がり込んだわけである。
いや、まあ、怪獣退治とかしてるわけなんで、まあ、うん…
「そんな事を気にしていたのですか? 私は別に構いませんよ。ちょっと楽しいですし…」
ざくろさんは、相変わらず黒ダイヤのように美しい、死んだ魚のような目で言った。美しい。
僕は僕で、すごい正直に言うと、憧れのざくろさんの家に転がり込めたんで、幸せな気持ちもある。仕事も、まあ通えるし。
「怪獣退治する時は、やり方を考えようね…」
僕は、わざと不機嫌そうに言った。甘い顔をすると、ザクロちゃんは無限に調子に乗る事を知っているからだ。
「そうですね、微生物のように無力な地球人への被害を考慮するなら、大きくなり過ぎるのは、確かに良くないですね。
 …ていうか、こんな感じで手をいっぱい増やして遠隔操作する能力も上手く使うと良いのでは?」
「は! すごい! ざくろさん! さすが!」
ざくろさんの言葉に、ザクロちゃんが感激している。ザクロちゃんは、僕ほどではないが(大事)、ざくろさんのファンなので、基本的に彼女の言う事は何でも聞く。
まあ、もう何でも良いか。
とりあえず、ザクロちゃんのマッサージ、気持ち良いからいいや。
人をダメにするザクロちゃんのマッサージは、僕の心を確かに蝕んでいるようだ。
そんな風に気持ち良くて、眠くなっていると…
ピンポーン!
おや? こんな時間に誰だろう? 玄関のチャイムが鳴った。


2.お前らうるせーよ。近所迷惑だ

「…というわけで、この方が言うには、夜は少し静かにして欲しいという事なんですが、どうしたら良いでしょうか?」
ざくろさんが、チャイムを鳴らした主を部屋に通した。
幸いにも、夜の来客は、暗殺者というわけではなかった。
僕と同い年位、20歳前後の眼鏡をかけた、おとなしそうな女性である。
所沢流華(ところざわるか)さんと、彼女は名乗った。
「あ、えーとー、ちょっと位賑やかなのは良いんですけど…
 物事には限度と言うか、何というか…」
少し、おどおどしたように流華さんは言う。
なるほど…
「もしかして、地球では自分の部屋でも、あんまり騒いではいけないんですか?」
ざくろさんが不思議そうに僕に尋ねた。
僕とザクロちゃんは、申し訳なさそうに頷いた。
そういえば、ざくろさんは、こんな感じの人だった。
僕が居ながら、ほんと、すいません。お隣の流華さん…
ここは地球人代表として、僕がちゃんと責任を取るべきかと思ったが、それより先に、流華さんが口を開いた。
「あ、まあ…
 それより、お聞きしたいんですけど、手がいっぱいあるのは、何なんですか?」
流華さんは相変わらず、おどおどしながら言った。
彼女が見ているのは、無数のザクロちゃんの手に押さえつけられている僕の姿だった。
いや、まあ、そりゃ気になるよね…
「騒がしくてすみません、マッサージしてたんです…」
ザクロちゃんが、申し訳なさそうに言った。
「あ、いえ、マッサージなのかなーとは思うんですけど、何か、手がいっぱい…」
「ああ、これは擬態なんで気にしないで下さい」
ザクロちゃんが、にっこり微笑んだ。そういえば、ザクロちゃんは、こんな感じの人だった。
「とりあえず、擬態の手を引っ込めようか? ザクロちゃん?」
話が進まないので、僕はザクロちゃんに擬態を引っ込めるように言った。
ザクロちゃんは、少し首を傾げていたが、僕を捕まえていた無数の手を引っ込めた。
さらさらと、砂のように崩れて彼女の手が消えていく。この光景は悔しいけど、きれいだ。
さて、流華さんに、どうやって説明したら良いんだろうか。
僕は軽くため息をつきながら、流華さんの様子を伺う。
ざくろさんが、証拠隠滅とか口封じとか言いださないか、ちょっと心配だった。
「うわぁ…」
流華さんは、さすがに混乱しているようだが…
「まるで、アシュラレディみたいですね」
流華さんは、ザクロちゃんの方を見ながら言った。
少しおどおどしつつも、目が輝いている。
アシュラレディ? 確かアメコミ系のスーパーヒーローだったかな。最近、映画を見たような気がする。
流華さんの方をよく見ると、混乱している様子だが、怖がっているというよりは喜んでいるようにも見えた。
「あの、良かったら、もう一回、たくさん手を出してもらって良いですか?」
「え? う、うん、いいよ」
むしろ、ザクロちゃんの方が混乱している位だ。
ザクロちゃんが言われるままに擬態の手を出すと、流華さんは目を輝かせている。
なるほど。この人、変な人だ。
いきなり泣き叫ばれるよりはマシだけど、普通に受け入れるのも、どうなんだろうか…
少し彼女に話を聞いてみると、流華さんはアメコミ系のヒーローが大好きで、有料でイラストを描いたりもしている、所謂、絵師という人らしい。
大学に籍があるらしいが、あんまり行っていないそうだ。まあ、ザクロちゃんを見て喜ぶような人だし、まあ…
「これ、アシュラレディです。最近はアメコミも女の子のヒーローが増えてるんですよー」
流華さんは一度部屋に変えると、何やら自作イラストの束を持ってきた。
あ、確かに上手い。これはプロの仕事だ。
何とかウーマンやら、ハイパーレディ、バグス(虫)マンなどなど、色々なイラストを流華さんは見せてくれた。
どちらかと言うと、彼女のイラストはヒーロ-よりヒロインや悪の女幹部のイラストが多かった。
「微生物のヒーローですか。うふふ、ちょっと可愛いですね」
「地球人Bは、すごいな!」
ざくろさんとザクロちゃんも、何やら喜んでいる。
良かった、このままなら騒いでいた件は、うやむやになりそうだ。、
「…で、このヒロインは、ミス・スペースって言いまして、星と同じ位に巨大化出来る能力がありまして、最強って言われてるんですよ」
流華さんは、アメコミのキャラの解説を続けている。
星と同じ位に巨大化かー。さすがにザクロちゃんとざくろさんよりも大きいな。
でも、もしも2人が、それ位に大きくなれたら、どうなるんだろうか?
…いや、怖いから考えるのはやめておこう。
「星と同じ位ですか…なるほど…」
「ほほぅ…地球人Bは、巨大ヒロインに憧れがあるのかな?」
星ほどでは無いけれど、ビルよりは大きくなれる宇宙人二名が、何やら悪い笑みを浮かべている。
「あ、あはは、そうですね。
 反則みたいな大きさになって、小さな相手を玩具にしたり、無慈悲にプチッとか、ちょっと憧れちゃいますね」
流華さんは、少し恥ずかしそうに言った。
それを聞いて、ビルよりも大きな巨人2名は悪い笑みを浮かべた。
僕が悪い予感を覚えると、やっぱりザクロちゃんが言った。
「素晴らしい! あなたの望み、この私が叶えてやるぞ!」
言いながら、ザクロちゃんはいつもの縮小銃を取り出した。

3.なんだかんだ言って、結局お前は縮小されて玩具にされるんだよ

「そ、それは何かの武器ですか?」
いきなり宇宙人が拳銃のようなものを取り出したので、流石の流華さんも少し引いているようだ。
「ああ、大丈夫。これは人に危害を加える能力は無いよ。
 単に撃った生き物を縮小させるだけの道具だ」
「なんだ、それなら安心ですね」
何も安心ではないし、人に危害を加えてると思うよ?
「このボタンを押すとね、相手を10分の1に縮小できる、こっちが100分の1ね」
ザクロちゃんは楽しそうに説明して、縮小銃を流華さんに手渡した。
「ほ、ほんとに撃っちゃって良いんですか?」
気づけば、流華さんは縮小銃の銃口を僕に向けて、恥ずかしそうにしながらも、にやにやしながら言った。
「い、いや撃って良いなんて一言も…」
「どうぞどうぞ」
「大丈夫です。ただ、地球人をその存在にふさわしい、虫けらサイズにするだけの道具ですから」
僕の声はザクロちゃんとざくろさんにかき消され、流華さんは恥ずかしそうにしながらも、ためらう事無く引き金を引いた。
…いや、ちょっとは躊躇したりしようよ?
一瞬だけ気が遠くなり、気がつけば3人の巨人が僕を見下ろしていた。
僕はベットの上にいるようだ。周りに無限に布団が広がっている。
ザクロちゃんとざくろさんは、よく僕を縮小して玩具にするので少しは慣れてきたけども、やっぱり、こうして小人にされると恐怖を感じてしまう。
可愛い女の子が異常な大きさの巨人になっているギャップも、恐怖を増やす要素かもしれない。
「うわぁ、服ごと小さくなっちゃうんですね。すごぉい!」
そんな僕を見下ろしている流華さんは、感動しきった様子で僕に手を伸ばしてきた。
僕の足よりも太い、彼女の指が僕の胸の辺りを掴んで摘み上げようとした。
彼女の指は恐ろしい力で僕の胸を締め上げる。
僕は思わず悲鳴を上げてしまう。
「わー、ストップ! ストップ! 地球人B! そんなに強く握ったら死んじゃう!」
あわてて、ザクロちゃんが流華さんを止めた。
「わ、ごめんなさい!」
「うふふ、小人は、あなたが思っているよりも無力で壊れやすいんで、遊ぶ時には壊さないように注意しましょうね」
ざくろさんは、少し楽しそうに微笑んでいる。
「ごめんなさい…そんなに力入れたつもりはなかったんですけど…」
「う、うん、大丈夫」
あんまり大丈夫じゃないが、僕は答えた。
「ふふ、私とざくろさんが、いつもどれだけ気を使っているかわかったか?
 君も私達に捻り潰されないように気を付けた方が良いぞ?」
「どうやって気を付けろと言うんだ、どうやって!」
ザクロちゃんが、にやにやしながら僕の身体を指先でつついてきたので、思いっきり殴り返してやった。
指先を殴られて、全く効いた様子も無く満足そうに笑っているザクロちゃんを見ていると、どうしようもない大きさと力の差を感じてしまい、少し悔しい。
ただ、何だかザクロちゃん達に玩具にされ過ぎていて感覚が少し麻痺していたけれど、縮小された身体というのは、その気になれば流華さんのような女の子でも簡単に握りつぶしてしまえる位に弱い事を思い出した気分だ。。
「そうだ、いきなり掴むと危ないから、ちょっと力比べでもしてみると良いんじゃないかな?」
「そうですね。指相撲と言う、地球の遊びなんか丁度良いのでは」
ザクロちゃんとざくろさんが流華さんに言った。
「え、指相撲ですか?」
「うん、君が人差し指一本。、対する、そこの無力で雑魚のチビ地球人Aは全身を使って全力っていう感じでどうかな」
「殴るぞ、ザクロちゃん」
「わー、無力で雑魚のチビ地球人Aに殴られるー、DVだー、宇宙人虐待だー(棒)」
ザクロちゃんが何やら言っている。(棒)とか、僕のマネしやがって。
だめだ、僕が怒ったり口答えしてもザクロちゃんは面白がるだけだな。
ちくしょー、やっぱり小人にするのは反則だよなー。殴ってやろうと思っても、彼女の巨大な顔は遥か頭上にあるし、何も抵抗できない。
「じゃ、じゃあ、よろしくお願いしますね…」
流華さんは言いながら、僕の前に手のひらをついて、人差し指を立てた。
ザクロちゃんとざくろさんは、にやにやしながら僕達を見ている。
く、この宇宙人達、地球人を見世物にして、玩具にしてやがる。
ざくろさんは、まあ良いけど、ザクロちゃんは後でぶん殴ろう。
仕方ないので、僕は流華さんの指と指相撲(?)をする事にした。
とはいえ、ザクロちゃんやざくろさんみたいな人外と違って、流華さんは普通の地球人だ。
いくら巨人のようになっているからと言って、あんまり力を入れたりして良いのか少し心配だな。
だが…
目の前に柱のようにそびえ立つ、彼女の人差し指を見上げていたら、そんな気も吹っ飛んでしまった。
大きすぎる…
僕と同じ、普通の人間の女の子が巨人のようになっている事に、逆に恐怖を感じてしまった。
僕は彼女の人差し指にしがみつく様にして、腕を回した。
すると、
「きゃ! 何かくすぐったいです」
流華さんが、軽く悲鳴を上げた。
僕は少し遠慮しながら捕まえた彼女の指を押し倒そうとするが、彼女の指は柱のように動かない。
う、うわ…これは思ってたよりもすごいかも。手加減などと言ってられず、僕は力を入れるけど、結果は変わらない。
「…あれ? もしかして、もう始まってます?」
少しすると流華さんが不思議そうに首を傾げた。
「へー、本当に小人になると無力なんですね。なんだか、ちょっとかわいそう」
流華さんは申し訳無さそうに言うと、人差し指を動かし始めた。
彼女の人差し指は、ゆっくりと、僕を押し倒すように倒れてきた。
それは、ゆっくりだったが、圧倒的な力だった。
僕は、すぐに彼女の人差し指に押し倒されてしまった。
「あはは、私の勝ですね」
人差し指で僕を押し倒したまま、彼女は僕を見下ろして微笑んだ。
だめだ…身動き取れない。
「降参、降参ー」
僕は、素直に負けを認めた。
「どうだい? 地球人Bよ。無力なお人形みたいだろ?」
「力加減、わかりましたか?」
ざくろちゃんとザクロさんも、人差し指に押し倒された僕を見下ろして満足そうだ。
「はい、ちょっとわかってきました。楽しいですね、これ」
「うんうん、地球人Bが望んでいた、『小さな相手を玩具にしたり、無慈悲にプチッと』という望みが叶ったかね?」
「ええ、このままプチってやっちゃいたい気分です」
「ほ、ほんとにやっちゃだめだよ? 簡単に潰れちゃうからね?」
押し倒した僕を指先で転がしながら、流華さんとザクロちゃんが話をしている。
楽しくて良かったね…
ただ、すぐに流華さんは、
「うーん、とは言っても、ほんとに虐めてるみたいで、やっぱり良くないかもですね…」
そう言って、僕を転がすのをやめてくれた。おお、意外と常識人かも。
「そーだ、そーだ、弱い者いじめは良くないぞ!」
僕は、息を整えながら言ってみたが、
「む、弱い者いじめなんかじゃないぞ。地球人Aも楽しんでるもん。
 試しに地球人Bよ、そこのエロチビ虫けら地球人Aの服を脱がせてみるといい」
ザクロちゃんは、少し怒ったように言い返してきた。
「え、脱がしちゃうんですか? やだなぁ、そんな事…」
流華さんも言いながら、僕を恥ずかしそうに見下ろしている。
恥ずかしそうにしているが、少しにやけている。あ、やっぱり常識人じゃないかも。
それから、流華さんは僕の身体に手を伸ばして、服を脱がせようとしてきた。
彼女の巨大な指は、少し恥ずかしそうにしつつも、容赦なく僕の身体を責め始めた。
というか、本当は全然恥ずかしがってないんじゃないか、この子…

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