前回のあらすじ
霊夢と魔理沙が小さくなってルーミアと闘った。

なんとかルーミアを倒した二人。
え?攻撃が聞かないのにどうやって倒したかって?
東方ではね、時間が経てばダメージ与えなくても勝てるんですよ。
このままで残機の数が足りないとか細かいことは気にしちゃいけません。

魔理沙「・・・酷い目にあったな」

霊夢「酷い目にあったわね」

魔理沙「妖怪に食われるってあんなに辛いんだな」

霊夢「そうね、私達が今まで妖怪を倒してきたのは
本当に大正義だったのね」

魔理沙「ああ、大きくなったあれはバケモンだぜ」

霊夢「元からでしょ」

まだ一面にも関わらず既に心身共に疲れている二人であった。

魔理沙「とこれで霊夢、これからどこに行くんだ?」

霊夢「ん~そうね、他の人がどうなっているか聞いてみましょ」

魔理沙「というと?」

霊夢「他の人間が小さくなっていないか調べるってことよ」

魔理沙「なるほどな、じゃあ人里にでも行くか」

霊夢「いや、ここからなら紅魔館の方が近いわ」

魔理沙「ああ、そういや咲夜がいたな。
あいつ人間だってこと忘れてたぜ」

霊夢「まあいるとこがいるとこだしねぇ。
まあ実際異変に巻き込まれるとしたら、里の人間よりまずあいつだろうし」

魔理沙「確かにまともな妖怪がやるなら
こんな異変に里の人間なんか巻き込まんわな」

霊夢「異変起こしてるって点でも、妖怪ってって点でもまともではないわ」

魔理沙「霊夢は相変わらずなのな、
私からしたらパチュリーなんかは結構いいカm・・・魔法の参考になるからいいと思うぜ」

霊夢「その考え、悪魔に人格が支配されている!」

魔理沙「わかった!わかったからどっかからか持ち出したチェーンソー持ってにじみ寄るのをやめろ!」

霊夢「おっぷる」

魔理沙「言わせねえよ!」

霊夢「っち」

魔理沙「なんか今聞こえた気がするぜ」

霊夢「プラズマよ」

魔理沙「なんか既視感があるんだが」

霊夢「プラズマよ」

魔理沙「お前なんでもプラズマのせいにできると思ったら大間違いだぜ!」

霊夢「そんなことよりさっさと行くわよ。
小さいから移動も遅いんだから。急がないといけないのよ」

魔理沙「誰のせいで遅くなったと」

霊夢「あんた」

魔理沙「おう、一発殴らせろや」

霊夢「なに?急にMに目覚めちゃって」

魔理沙「誰が自分殴るって言った!?
もう我慢ならん、野郎ブッコロッシャアアアアアアアア」

霊夢「あ、やりすぎた
ってそんな物騒なもん撃たないで!キャアアアアア」

そんなこんなで霧の湖まで着いた二人。
敵が出たわけでもないのになぜか疲れきっていた。

霊夢・魔理沙「・・・はぁ・・・」

魔理沙「霊夢のせいで疲れたぜ」

霊夢「あんたのせいでしょ」

魔理沙「いやお前のせいだ」

ぐぬぬ・・・とにらみ合う二人

はぁ・・・

と緊張を破りどちらからともなくでるため息。

霊夢「もうあんたと睨み合う気力もないわ」

魔理沙「奇遇だな、私もだぜ」

霊夢「全くよ。こんな状態で変なのにでも出くわした時にはたまったもんじゃないわ
ただでさえこんなに小さくなって

??「あ、なんかおかしな虫がいるー!」

霊夢「る・・・って・・・・の・・・・・に・・・・・・」

魔理沙「・・・」

そして二人の口から二度目のため息が漏れた。


観念して後ろを振り向いてみると、

やはりというかなんというかチルノがそびえ立っていた

そうして二人のところに顔を持ってきたチルノは

まじまじと二人を観察する。

自分の身長ほどもある眼球がギョロリと動いて睨みつけてくる様は

二人にとっては二回目だというのに慣れる気配は些かもなかった。

そんな二人の様子など露知らず

チルノ「うーん、やっぱり変な虫だなあ。見たことないや」

とお気楽な様子。最も妖精などいつでもお気楽なのだが

とそこで何かを思いついたチルノ

チルノ「こーゆーのってしんしゅっていうんだよね!
これを見つけたやつはスゲェやつだって聞いたことある!
これを見つけたアタイってやっぱりスゲェ!
持って帰って大ちゃんに見せてあげよぅ!」

とそこで身の危険を感じた二人は

霊夢・魔理沙「ちょっと待て!」

チルノ「?なんか声が聞こえたような」

霊夢「チルノ!私よ!霊夢よ!」

このまま捕まったらたまらないので、とりあえず意思疎通を試みる

チルノ「霊夢!?どこだ!?しょうぶしろ!
今度は最強のアタイが楽勝で倒してやる!」

魔理沙「私もいるんだがな」

と呟く魔理沙達から目を離してキョロキョロと見渡すチルノ

霊夢「あんたの目の前にいるわよ!」

と正面を向くチルノ

チルノ「いないじゃないか!ひきょうだぞ!早く出て来い!」

霊夢「ここよ、ここ!」

とそこで声が大分近くから聞こえる事に気付くチルノ

そこにはさっき見つけた虫が居た。

そこでさっきよりもよく観察してみると、

確かにその二匹の虫は霊夢と魔理沙のような外見であった。

チルノ「おー!ほんとに霊夢だ!
霊夢の虫なんてしんしゅよりすげーぞ!」

霊夢「あたしは人間よ!」

チルノ「霊夢でにんげんな虫!?
もっとスゲェみたいだぞ!」

霊夢「だから虫じゃなくて人間だっての!」

チルノ「??よくわかんないけどとにかくスゲェんだな!
早く持って帰って大ちゃんに見せなきゃ!」

霊夢「あーもうこいつに見つかった時点で
諦めるしかないわよね」

呆れと諦めが混じった顔で肩を落としていた
と、その瞬間

ブォン!

危険を感じ飛び退いた二人の横を何かが高速で掠めていった。

チルノ「あ、逃げるな!」

それはチルノの手であった。
二人を捉えようと無造作に差し出された手を何とかかわす二人
しかしその大きな質量を持った物体が高速で移動することで起こされる風が衝撃波のように二人を襲う。
しかもそれを連続で繰り出してくる。
チルノにとってみればそれはただ二人を捕まえようと手を振り回しているだけであった。

魔理沙「うおわ!このままじゃまずいぞ」

霊夢「そうね、出来るかどうかわからないけど一回距離を取りましょ」

と全力でチルノの手から離れる二人

チルノ「だから逃げるなー。ひきょうだぞー!」

とにもかくにもあの手から逃げられたようでほっとする二人

チルノ「せーせーどーどーとしょうぶしろ!」

霊夢「言われなくてもやってやるわよ」

魔理沙「え、マジ?これとやりあうの?」

霊夢にとってみればここで人間に悪戯を仕掛ける妖精を見過ごすことなどありえないのだが、
魔理沙は目の前にそびえ立つ大木よりも巨大なチルノを見上げる。
手から逃れるように下に向かって逃げていたので、今は足元から見上げる形になる。
下から見上げるとその巨大さが良く分かった。むしろさっきよりも大きくなっているようにさえ感じた。
魔理沙の直感はこんなでかいのに勝てる道理はないと訴えていた。
それは霊夢も一緒だったが、彼女には博麗の巫女である誇りがある。
こんな妖精一匹に舐められては彼女のプライドが許さなかった。

霊夢「文句たれてないでさっさとやっつけるわよ」

魔理沙「わかったよ。あー早く元に戻りたいぜ」

と弾幕を出して向かっていく二人。

チルノ「お、やっとやる気になったな、さいきょーのアタイがやっつけてやる」

と空中を歩くようにして一歩踏み出してくるチルノ
さっきもそうであったがその足には弾幕が当たっても全くダメージが与えられていないようだった。

チルノ「あれ?もしかして攻撃してるの?
さいきょーのアタイにそんなの効くわけないぞ。霊夢達はばかだなあ」

今回ばかりはチルノの方が正しかった。
これだけの体格差があって攻撃など通るはずがない。
げんにこれだけの攻撃をしてるにも関わらず、
チルノは足先をただくすぐったそうにグニグニとするだけであった。

チルノ「そろそろ飽きてきたぞ、次はこっちの攻撃する番だな。」

と言うな否や蹴りを繰り出してきたチルノ
その足の指だけで二人の大きさほどもある足が、さっきの手とは比べ物にならない速度で迫ってきた。

霊夢「くぅっ!」

なんとか横にそれて躱す。
すると今度はその足がそのまま横に足払いのように払われる。
二人にとっては足払いとかいう話ではない。
巨大な壁がものすごい速度で迫ってくるようにしか見えなかった。
さっきの攻撃で体勢を崩していた二人はそれに対して
なんとか上へと跳ね上がり、ギリギリのところでかわせた。

チルノ「やっぱり逃げるのはうまいなー
でもまだまだおわってないぞ、いつまでよけられるかな?」

その言葉の通り間髪いれずに足による攻撃が始まる
チルノのそれこそ雪のように白く、
妖精ゆえにまだ未発達の細い足が振り回される。
二人にとっては大木が意志を持って、すごい速度で追いかけてくるようであった。
これがただの妖精の、それも足だということが未だに信じられなかった。
上を見るとチルノは笑っていた。
頭の後ろに手を組んで余裕の表情で二人を追いかけていた。
それもそのはずチルノにとってみればさっきから少し足を動かしているに過ぎなかった。
しかも本気のそれではない。狩りのようにじっくりと二人を弱らせるように追い掛け回している。
チルノにとって二人はカエルなんぞよりもよっぽど度しやすい相手であった。

チルノ「ほらほら動きが鈍ってきたぞー頑張らないとあたっちゃうぞー」

チルノの足が全く衰えないのに対し、二人は明らかに消耗していた。
元々全力で動いてもかなりギリギリでよけられていたのだ。
このままではチルノの言う通り足にあたってしまうのは明らかだった。
もちろん当たったらただでは済まないだろう。どう見ても一発でKOである。
軽く振られただけの足でもそれだけの威力はありありと見て取れた。

魔理沙「うおっ!どうすんだ!?このままだとジリ貧だぞ!?」

霊夢「そんなこと私のほうが知りたいわよ」

その瞬間

ドンッ!

霊夢に縦に振られたチルノの親指が直撃した

ピチューン

魔理沙「なっ!」

チルノ「まずひとり~♪」

一瞬であった、一瞬霊夢の集中力がきれ、そこに足が飛来した。
当たるとほぼ同時に[P]へと変わっていた。

チルノ「魔理沙一人になちゃったねー
どうする~こうさんする~?」

俄然調子に乗るチルノ。しかしいつものように分からせることはできない。
体の大きさと共に力関係も完全に逆転していた。

魔理沙「えーい!こうなりゃめんどくさいことはやめだ!一発やってやらぁ!」

と叫びチルノの顔めがけて一直線に飛んでいく魔理沙
まどろっこしいことが嫌いな魔理沙は、チルノの顔面に一発最大の攻撃を入れてやるつもりだった。

チルノ「お、ついにやる気になったな」

なおも余裕の様子で魔理沙を見下ろすチルノ

魔理沙「うおおおおおおお」

その余裕の表情をぶち壊すと決め、全速力で駆ける魔理沙。

チルノ「でも」

突然魔理沙の目の前に壁が現れた

魔理沙「うわわっ!おぶ!」

勢いを殺しきれずにぶつかる魔理沙。
しかしその物体の表面は柔らかく怪我はなかった。

チルノ「うわーアタイの手と比べるとほんとうにちっちゃいねー魔理沙」

そうそれはチルノの手だった。
チルノが手を前へと差し出しそこに魔理沙はぶつかったのだ。
魔理沙の決死の突撃もただ前へと出された手一つで止められてしまった。
しかもチルノはそこに力などかけていない。

チルノ「ざんねんでしたーさいきょーのアタイの目の前にはそう簡単にこられないよ」

と、そこで周りが寒くなっていることに気付く魔理沙

魔理沙「しまっ」

慌てて逃げようとするが、

チルノ「遅いよ」

次の瞬間には全身氷漬けになっていた。

チルノ「や~と捕まえた♪さあ早く帰って大ちゃんに見せてあげよ」

と魔理沙を抱えたまま飛び去るチルノ
その後彼女の姿を見たものは居ないような気がしないでもない