コミケで出品する作品のサンプルです。
日曜日 東1地区 “O” ブロック 56aでお待ちしております。

〇【浜辺に影なく】
水着シロコ編。
 無人島に来た先生は貝毒で縮んでしまうも、シロコは遊ぶ気満々。水着シロコと野外で体格差エッチをする羽目に、というお話。
 ・キス責め
 ・水着監禁
 ・体格差騎乗位その他

〇【夜半に師なし】
 ミカに騙されて屋根裏部屋で一夜を過ごす羽目になった挙句1㎝に縮んでしまい、自分に気付かないミカに翻弄されたり、暴走気味のミカに弄ばれたりするお話。
 ・unaware座り潰し
 ・白ストよじ登り
 ・乳揉み巻き込まれ
 ・調教体格差エッチ

 以上二作です。(A5版56頁35000字。価格1000円。残部があれば依託しますがDL販売は未定です)

 初めて続きでなかなかせわしない一突きでした。製本はWeb版とは違う難しさがありますね……。
 最初で最後になるか第一回目になるかわからない参加ですが、ご興味があればぜひお越しください。
 


【浜辺に影なく】


 §
 洋々とこぎ出して今、シロコは大海を渡る。
 なびく銀髪を後ろに結び、羽織ったシャツもしまいこんだ。水着姿で船に立つ。
 その力強い背を眺め、私もようやく休暇の実感が湧いてきた。

 我々は今、無人島に向かいつつあった。

「水道も通ってるし、先生も気に入ると思う」
 競泳水着に身を包む、シロコの声音はほのかに軽い。いつものマフラー姿に見慣れると、そのシルエットはどこか華奢で、ウィスパーボイスも海風にかき消されそう。いかにも少女然とした娘が、軽々と船を漕ぐ様は妙に迫力があった。競泳水着がタイトなラインを浮き上がらせ、大きく開いた背からは白い肌、安産型の臀部が頭上に揺れる。綺麗で、かつ健康的な背姿。
 見るともなしにそれを眺めつつ、思わずにはいられない。断る選択肢があっただろうかと。
 確かに最初に誘われた時、私は断るつもりだった。仕事がある。山場は超えて比較的落ち着いた頃ではあったが、そうなると後回しの業務を消化したい。仕事というのは、隙間ができると子供を産む妖怪だ。減ってはしてもなくなることはない。
 言い淀(よど)んでいると、シロコも察したらしい。へんにょりと耳を倒し、無かったことにしてと言い始める。だが、私は生徒を悲しませるために仕事をしている訳ではない。

 して。
 小舟は波涛(はとう)を乗り越え。

「あ」、と。
 シロコは小さく呟いたのだった。
 大波が、口を開けている。
 一巻の終わりであった。


 ⁂
 ────おや。

 死んでない。
 悪運はまだ尽きていないらしい。

 すぐ引き上げられたのか、特に溺れた様子もない。
 

揺られている。何か大きなものに背負われて、運ばれているようだ。大きく広い乳白色。それがどこか懐かしいのは、女性の背中だからだろう。

 鼻先をくすぐる華やかな香りと揺れる銀髪。見上げれば、結んだ髪が揺れている。シロコだ。その背に負ぶわれ、肩甲骨に頭を預けていた。
 ……待て。おかしい。なぜシロコがこの大きさに?
 成人男性を、なぜ背におさめきってしまえるのか。シロコは比較的華奢な少女だ。姿形・は同じだが、到底156㎝には見えない。何か起きているのは確実。
 ただ……。

 今一度その背に体を預ける。すべらかな肌に、じんわりと夏の熱気と体熱が帯びていた。ひどく安心する。この様子からして、事態が窮迫しているとも思えない。

 もう少し、このままでもいいか。
 私もいささか、図太くなりすぎたと思う。

 少女のたおやかな背中が、4倍の広さで私を乗せる。水着から大きく開いた生背中はしっとりと汗ばんで、肌に吸い付いてきた。銀髪が私の後頭部を撫で、いい香りが漂ってくる。頬に触れる肩甲骨のラインが切なくて、股間に当たる背筋も悩ましい。
 そういえば、最初に会った時もおぶられていた記憶がある。その人となりとキヴォトスの日々を考えるに、どこか象徴的な縁さえ感じてくる。
 とはいえ、その後の流れもキヴォトスらしいものであり。

 だんだん、シロコの腕から滑り落ちていく。背の曲線をたどって、大きく丸い臀部へ。左右へ揺れる丸尻が、交互に私へ擦り寄ってくる。私を背負い直そうとして、お尻へ叩きつけられた。ぷりぷりとした感触が股間を襲う。股間を撫でる尻の割れ目。
 その内、急速に私の何かがせり上がってきて……!

「待って! タンマ、シロコ、タンマ!!」
 思わず私は、2倍シロコの背で暴れたのだった。

「ん、先生、起きた?」
「う、うん……」
「よかった。様子がおかしいから、心配した」
 様子。様子と表現するか。明らかに異変だが。思わずシロコを見つめ、言うべき言葉を失くす。私の直視にシロコは、なぜか照れたように視線を逸らす。どうも、その大きさに当惑したと思われたらしい。ただ、一言。
「縮んだみたい」
 と、簡潔に報告する。「なんで??」と、問う私にも表情を変えない。
「多分、あれのせい」
 指さす先には……、あれは、貝? 銛に突き刺されて、干からびている。
「あれに刺されたっぽい」
「貝毒で縮むかな……」
「私も予想外だったから。どうしたらいいかわからなくて」
「予想されてても怖いけどね」
 改めて、シロコを見上げる。しゃがみ込んでなお、私の視線は胸のあたり。今の私は、子供と言うにも小さすぎるサイズだ。乳白色と濃紺の巨躯は、とてもじゃないが私と比べ物にならない。キヴォトスに戻れば、こんな巨人が何万とひしめいている訳か。
 これはいかんのではないか。微妙な均衡をなんとか保っているキヴォトスのことだ。私がこんな弱体化を受けていると知れたら、とんでもないことになるのでは?
 片やシロコは呑気なもので。
「大丈夫。私がいるから問題ない」
 どこから来た自信か、力強く頷くのだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【夜半に師なし】


  §
 ──今、何と言った? 
 聖園ミカは、なんとおっしゃった?
 頬に冷や汗を伝わせる教師の前で、けれどミカはなお企(たくら)んだような笑みを浮かべている。
 ただ私も、それを叱れる立場ではなかった。
 
 なるほど、曖昧な呼び方で私を呼び出したのは彼女だ。
 寮室に連れ込んだのももちろん彼女。
 だが、のこのこついて行ったのは私だった。
 そして、“騙されたんだよ”、と。
 イタズラっぽい目で、“先生は、騙されたんだよ”、と。
 暗い室内、耳元でミカに囁かれたのだ。
 
 ──ハメられた!
「どうしようね? 朝までここにいるしかないよ? あれほど、信じないでって言ったのにね?」
 羽をゆったりと煽がせ、土台無理なことを言うミカ。私は開いた口が塞がらないし二の句も継(つ)げない。第一“信じて”とルビの振ってあるような警告に、一体何の意味があるというのか。或いは当人がそれに気づいていないのか。権謀術数の何かとかしましいトリニティのトップにいて、ミカはある意味無邪気過ぎる。結果がこの暴挙だった。
 
 対するイタズラ娘は、呆然とする私の様子にやや慌て始めたらしい。先ほどの余裕を潜めると一転、目をキョロキョロさせたり白黒させたりと忙しない。怒らせたと思ったのか。いや、そう思うべきだろう。やはり𠮟るべきだ。嘆息一つ交(まじ)え私は、教師の顔つきに戻る。こればっかりはやりすぎだ。
「ミカ、さすがにこれは……」
 つとめて冷静に諭す言葉を探し、それからようやく自分なりの文言を探し出した時。
 
 弾かれたように、ミカがドアの方へ振り返った。
「あ、ヤバっ」
「へ?」
「見回りだよ、見回り!」
 潜(ひそ)めた声で急かすミカ。さしもの私も血の気が引いた。生徒と夜の密会はシャレにならない。外聞に憚(はばか)るどころではない。おそらく私は明後日までの命を持たないだろう。だが、あろうことかミカは私を無理やりベッドに引きずり込もうとする。
「何を、やめっ……、ちょ、力つよっ……⁈」
「隠れる場所なんてないよ! 先生じゃ窓からも降りられないでしょ? いいから任せて!」
 さらりと言いながら、藻掻く私をねじ伏せる。考えれば当たり前のこと、キヴォトス随一の腕力に勝てるべくもない。いや、幼女にも敵わないのだから元より無駄な抵抗だ。ただ、黙ってベッドに連れ込まれる訳にもいかない。見つかったら地位以前に命が危ない。そうと知っていればこそ、目前の少女の力が引き立った。そして細腕に相手にもされないまま、押し倒されてしまうのだ。
 
 シーッと言って片手で私の口を塞ぎ、もう片手で両手首を握り縛ってしまうミカ。ごく至近距離から私を覗き込むと。
「悪く思わないでよね? 先生のためなんだからさ」
 ぎゅうぅ……ッと抱きしめて、私の動きを完全に封じてしまうのだ。豊満な胸が胸に押し付けられ、思わず心臓が跳ね上がる。タイトな服の奥に広がる豊かな弾力。たわむそれから目を逸らそうとすれば、あの美貌が目に飛び込んでくる。シェリー酒色の瞳が大きく瞬きをすると、クスリと小悪魔的な笑みを浮かべた。
 次いでごろんっと横になれば、私は柔らかなシーツの中へと引きずり込んでしまう。巻き上がる少女の香り。場違いな場所に投げ入れられた感覚を肌で感じさせられる。毎日ミカが寝ている場所に、押し倒されてしまった。
「こ、こらミカ! やめて! やめなさい!」
 生徒の布団の中、モゾモゾ暴れる無力な男性教師。けれど力の差はいかんともしがたく、無理やり胸に顔をうずめさせられてしまう。顔面から埋もれるあのパツパツバスト。布団の中からミカの顔を見上げれば、妙に母性的な表情をしているせいで無駄な動悸を覚えてしまう。
「静かにしてないとバレちゃうよ? 私はバレても今更だけど……、先生は、大変かもね?」
「バカ言ってないで……、む゛ぐッ⁈」
 次の瞬間襲ってきたのは、凄まじいまでの弾力。
 一瞬、何が起こったのか分からなかった。顔面が、いきなり真っ平になったのだ。しっかりと私を抱き締め、胸で私の口を塞いでしまったらしい。鼻先に広がった芳香の奥から柔らかな感触、その中に滑り込めば、目が頬がそこに埋もれていく。さっきまでの抱擁など比べようもない乳窒息。胸元で私の声を封じめようと容赦がない。そして完全にめりこめば、私は想像以上の巨乳に包み込まれてしまった。パッツパツのバストに抱き締められた私は、完全に巨乳の拘束下だ。
「動いちゃダメじゃん。ほら、もっとこっち寄って」
 おまけに、全身を密着させてくるのだからタチが悪い。身を隠すように壁に身を押し付け脚を絡め、最大限に私を隠そうとするミカ。とはいえ成人男性とでは体格が違う。ぬいぐるみを抱いている風を装うつもりらしいが、さすがに無理があるのではないか。
 ぎしりぎしりと床が軋む。見回りだ。ノブが下がる。ドアが開く。スカートの揺れる音さえ聞こえてきた。心臓が早鐘を打つ。足がシーツから覗いている気がする。だが動くわけにもいかない。見回りは足を止めやけに長くこちらを見ている。
 ダメだ。窒息する。生徒の乳房に埋もれ、あまりの締め付けと密着で酸欠気味だ。服から直吸いしてしまうミカの香り。怒るつもりだったが、これではあまりに格好がつかない。
 
 ──いつ立ち去ったのかもわからなかった。
 ゆっくり、ミカの腕が緩むと、するりと私を解放した。
「ぶはっ⁈」
 シーっと指を当てる少女の前でクラクラしながら、私は顔に染みついた香りに酩酊する。それから一気に赤面した。まずい。興奮する。何か頭をもたげてきそうだ。
 片や、ニマニマ笑うミカは涼しげな顔。教師を揶揄(からか)えて満足といった調子。ただ、キヴォトスの娘たちが、男性の体の構造をどこまで理解しているのかは怪しい。
 
 して、屋根裏部屋のお姫様は軽く、そろりとベッドを抜け出すと。
「ちょっと見てくるね?」
 小声で囁く。忍び足でドアの影から外を窺い、慌てて首を引っ込めたりした。
 
 一方の私は放心したまま動けない。美少女の巨乳で窒息しかけた。それに興奮した自分が情けない。教師面して叱ろうとした、当の生徒に乳窒息させられるなんて……。
 遣(や)る方ない羞恥心を紛らわそうと頭を掻く。ブツブツ呟きながら、サイドテーブルの物々を指先で弄んだ。香水の小瓶に小さなお菓子、少女然とした小物たち。どれも真新しいのが少々切ない。
 などと思っているうち。
 
 突如、目の前が真っ白になった。
 
 ────なんだ?
 
 失神か?
 いや、私が失神したら誰が今疑問を抱いているというのか。
 幸い、天に旅立った気配もない。死因が乳窒息ののちの頓死(とんし)とあれば、地獄には行けても天の梯子(はしご)は渡れまい。
 思い直して周囲を見れば、抽象的に思えた純白の視野にも陰影が浮かび上がってくる。白い地平の向こうでは窓から月光が差していた。ミカの部屋であるのは変わらないらしい。
 
 ふと後ろを振り返る。ギョッとした。10mもの蝶が羽を広げている。どうもリボンらしい。見覚えがある。ミカの胸元の、リボンだ。
 決定的な証拠だった。
 
 縮んだらしい。
 恐らく1㎝。理由は知らないが、かえって心当たりがありすぎる。これまで幾度となく変な薬を飲まされたし、正体不明の儀式の生贄にされかけたりもした。何よりここはキヴォトスだ。巨大化ロボもいるし自販機が喋る。正直、この一言で十二分だった。
 
 そこへ、重低音。
『うん、大丈夫みたい。さすがに私もヒヤヒヤしたかも?』
 ミカ本人だ。遥か遠方に現れた人影が、一歩ごとにぐんっと大きくなる。ノースリーブのワンピースをひらめかせ、ふわふわの髪。それがすぐに視界から見切れると、視界からミカが消え。
 突如、体が吹き飛んだ。
 轟音と共に、目前に脚が下ろされたのだ。
「これは…………」
 地平線からそびえる、幅数十mの太もも。100倍美少女の白スト美脚は壮大だった。サンクトゥムタワーだってこれほど太くはないだろう。極小の自分にとっては、存在ですら脅威だった。
 呆然とする。と同時に、魅了されてもいた。
 すごい。微視的スケールで見上げるミカの美脚は、まるで少女の形をした地形のよう。それが目の前で一歩踏み出す。緻密(ちみつ)な白タイツを引き伸ばし、滑(なめ)らかな肌の起伏を変えて、途方もない闊歩(かっぽ)を繰り出すのだ。
 悠々と通り過ぎていくピンク髪とふわふわスカート。一瞬遅れて、小粒がまたも突風に吹き飛ばされた。
 
『見守りって、監獄じゃないんだから。経験者的には…………、あれ、先生?』
 手を振り叫んで近寄る教師を、振り返っただけで吹き飛ばす少女。無論気付けるはずがない。台風のような音と風が轟く中で、お菓子のお姫様は無自覚に白の暴力をまき散らす。だが、私にはどうすることもできない。
 
『もしかして先生、帰っちゃった~? なんて……』
 冗談めかして言うが、明らかに焦っている。言葉の観測気球を飛ばしては引っ込める、ミカらしい口ぶりだ。トイレやらベッドの下やら探しているが、こちらとしてはそれ自体が大災害そのもの。何より150mの巨大娘は存在自体が天災的だった。むっちりとした太ももが揺れ、彷徨い、感情豊かに地面を打つ。慌てているらしい。だが米粒はそれどころではない。
『え、もしかして本当に帰った? せんせ~い! ……先生?』
 やばい、このままではミカが拗ねる。というより、病みそうだ。魔女になったらどうしよう。この娘に限って冗談にならない。
 しばらく、うろうろと周囲を動き回るミカ。
 その様子は、予想以上に落胆したものだった。
『あ~あ…………』
 大仰に反応はしない。意外だった。静かに肩先に影を落として、ベッドに腰を下ろす。
 
 ……私のいる、まさにその場所へ。
「ミ……っ⁈」
 正直、こうなるだろうなとは思っていた。いや、絶対こうなると思った。
 そう構えていなければ今頃失禁していたかもしれない。
 それほどまでに、100倍娘の座る動作というのは絶望的で──。
 
 全天は、白ストタイツの満月に覆われたのだ。
「ひぃッ⁈」
 墜落する月を、受け止めるような気分だった。
 100万人分の重さ、キヴォトス全生徒をまとめて余りある質量が、美少女の形を取って降ってくる。いや、正確にはその尻だ。恵まれた肉体の臀部はパッツパツ、突き出されて白タイツがはちきれそう。月世界が大気を割って降ってくる。
 
 死ぬ。
 こんなものにぶっ潰されたら、絶対に死ぬ。
 
 そこに、どっかと少女の豊臀は降ってきて。
 
『もう、寝ちゃおっかな……』
 ぶちっと小人の潰れる音に気付きもしない。ぐりぐり腰を練り付ける動作も無意識、まして臀部の底の惨禍など知る由もなかった。
 
 疲れたのかふて寝なのか。
 そのままミカは、寝息を立て始めてしまった。