以下はファンティアで限定公開した作品のサンプルです。
シンプルな巨大化もので、網タイツ娘が室内巨大化やビルオナに興じるお話
ギガものに興味のある方はご笑覧ください
https://fantia.jp/posts/122161
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つまんない、と彼女は言い切った。
平野部、無窮とも見える街を指してのことだ。
「何もないわ。なんにもない。だだっ広いだけの場所よ」
山の展望台、吐き捨てるように言う紗矢に苦笑する。文字通り果てしない街並みには、摩天楼の極相林が広がり、活気の渦、富の渦、人口は密集し、莫大な生産と経済を回し続ける世界有数の都市圏がここだ。そんなものを捕まえて、つまらない、だなんて。
制服姿の少女の断罪に、とはいえ広漠とした大都市は揺るがない。その中には彼女の知らないものもあるだろう。立ち入ればタダでは済まない裏路地だってある。
「なんだってあるじゃないか」
「だからよ。ここにあるものが全てって思ってる街と凡百の人間。ほんっと、つまんない」
あーあ、と言って紗矢が手すりに腰掛ける。ポニーテールに整った顔立ち、清楚な先輩然とした出で立ちに反し、彼女はよほどの快楽主義者だ。
だから惹かれた。
「だったら俺が楽しくしてやるよ。こんなとこより面白いところに行こう」
後輩の言葉を、しかし紗矢は鼻で笑った。
「ハッ! 頑張って背伸びしなくていいのよ? どうせあなたには私なんて満足させられないんだから」
脚を組んで傲然という様は女王のごとく。制服の長スカートからストッキングをちらつかせ、超然と俺に言い放つ。
たまらず何か言ってやろうとする前に、彼女は降りて歩き出す。
「ま、何かあれば手伝ってもらうわ。それまではいい子にしてることね」
「お、おい待てって!」
長い脚でスタスタと行ってしまうのを、慌てて追う。
いつもこうだ。彼女をおって入部すれば既にいなかった。背を追ってばかり。追って追われることを知っている、それすらもどうでもいい、というそぶりだ。その自信は、聡明さ故か恵体のためか。絵に描いたような美少女に豊満な肉体をほしいままにして、大抵の欲は満たされてしまったのだ。それ故に一層癒えない飢えを抱くのも、或いは仕方のないかもしれない。
華奢な背を追う。舗装された道を往く脚を追う。
それを逃してから一週間。
彼女は一度も学校に現れなかった。
§
学校に現れたと聞き、一散に彼女の元へ行ったのは当然のこと。
「紗矢! 紗矢!!」
ざわめく群集を掻き久方ぶりの美貌を見たとき、俺は思わず絶句した。
「あら、遅かったのね」
制服姿に囲まれ教卓に座るその姿は、あまりにも場違いなものだったからだ。
肩を大きく露出したシャツに、タイトなスカート。そして何より、ガーターベルトで留められ、脚を這う網タイツ。もはや下着さえちらつかせ、中に垣間見える紫のレースが、余計に淫猥な雰囲気を催していた。
席に着いたままその場に釘付けにされる生徒たち。場違い感を超えた異質さに、場は完全に支配されていた。
「学校にくるつもりはなかったのだけれど、近かったからちょっと足を伸ばしてみたの。あなたを使ってもいいみたいだし。ね?」
「使う……?」
「こういうこと♪」
パチンっと、小気味良い音を立てて指を鳴らす。途端、その手には妖光、広がる曰く言い難い息詰まる焦燥と恐怖。
クスリという不敵な笑みに、金属の悲鳴が呼応した。
紗矢の乗る教卓が、歪み出したのだ。
その訳を連鎖する噪音が徐々に明らかにしていく。
俺に落ちる影が、腹へ、胸へとせり上がり出す。
ハイヒールの先が、ゆっくり俺を押しのける。
脚を解けば、その足は床に触れていた。
教卓の天板を臀部が埋め、ギチギチと不穏な音。最前列の机は美脚に蹴倒され、破壊的な音が鳴り響く。
存在感にふさわしい姿へと、少女の体が変貌していったのだ。
目の錯覚を疑った。しかしその姿は、間違いなく体格差を広げていく。まるで子供になっていくような感覚は、しかし彼女が巨大化していくせいだ。俺の左右へ緩やかにその脚は伸びていき、俺を周囲から切り離した。不意に紗矢の香りが漂い出すやその興奮はフェロモンに乗って濃く薫り出す。体熱さえ感じ出した時にはもう遅い。ついに重厚な教卓はひしゃげ出しあっという間に押し潰される。
“ズダンッ!”と豊臀が墜落する音。重々しい音にロッカーが倒れ、楽しげな少女の囀りがそれを追った。
「あはっ! 狭くなってきちゃった♪」
手で天井を押し、妖艶なアリスが笑う。困っちゃうと言わんばかりに、大M字開脚を見せつけるのだ。その座像はすでに教室の半分を影に収める。黒板に背を預ければ、たわんでピキッと蜘蛛の巣が走った。
「ふふっ、動けなくなっちゃったかな? おちーびさん♪」
その声に、生徒たちは一気に恐慌へと陥った。
しかし、もう遅い。