本記事はファンティア向け作品「オイフォリー」のサンプルです。
縮小病になったところを不思議ちゃんだと思ってた後輩のサイズフェチ女子大生に捕まってしまい、淡々と淡々と鬼畜プレイをされるお話。

内容は
・(3倍)体格差キス、巨尻スタンプ攻撃、太ももコキ
・(3倍)胸にご奉仕、巨尻に埋もれながらお股にご奉仕
・(3倍)服の中に監禁され日常逆レイプされた挙句そのまま角オナされるシチュ。顔面でお股にご奉仕するシチュ
・(10倍)髪の毛や陰毛で尿道カテーテルプレイ、濃厚舌責め
・(30倍)グチュグチュ口内レイプ
・(30倍)ローションカラータイツ責め、ローション素足責め
・(100倍)ディルドに緊縛し鬼畜オナニー、ディルドでポルチオに叩き込まれるシチュ
・(1000倍以上)子宮監禁

となっております。
マイペースな不思議ちゃん系鬼畜女子にのんびりした口調で言葉責めされながらド鬼畜プレイをされるお話となりました。徹底的に後輩女子に性玩具扱いされたい方は是非(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆

また、今年も一年ありがとうございました。
2022年が皆様にとってよいお年となることを願っております。

夏目なつめ


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“たまり”に行くと、既にサークルメンバーは勢ぞろいだった。

「あ、やっと来た」
 ご歓談中だったらしく机の上には菓子の山。それを囲む女子が3人。銘々、もぐもぐ口を動かしながら銘々こちらを振り返ってくる。
「やっと来たって……。今日なんかあったか?」
「うんにゃ」
「なんなんだよ……」
 脱力しつつ椅子に腰かける俺。部員の調子はいつも通りらしい。

「なんか疲れてる?」
「そりゃ講義終わりだし」
「どうせろくに聞いてなかったんでしょ」
「うむ」
「ダメじゃん」
「ま、最近風邪気味ではあるけどな」
 適当に一つ菓子を手に取って、他愛のないことを言い合う俺たち。今日も我が部は平常運転だ。

「気を付けなよ? 最近いろいろあるし」
「うむ」
「ウツされたら迷惑だし」
「おい」
 ああまったく、まったくの平常運転だ。こいつら、日に日に小憎らしくなってきてやがる。
 そして同期が一人、
「ま、健康が第一よ」
 そんなことを言うのだった。

 それから、しばらくご歓談あそばせて。
「そろそろ学祭だけど、うちはどうするんだ?」
 俺はふと思い出したように、そんなことを口にし。
 即座に後悔した。
「学祭、って、ねぇ……?」
 俺の言葉に、何を頓珍漢なことを苦笑する同期たち。言外にその目が、“何をするっていうんだ”と物語っている。
「愚問じゃない?」
「愚問でしょ」
 口々に続ける女子大生たち。一方の俺もこれには抗えず、
「……愚問だな」
 自分で、苦笑してしまう始末だった。

「そもそもウチら何もやってないでしょ」
「ノンジャンルサークルっていうの?」
「そもそもサークルか?」
 己の存在意義にさえ疑義を挟むメンバーたち。それも当然、もはや何をするサークルでもなくなっていた。形骸化した同好会、その成れの果てが我らだった。

 ──弊サークルは、名目上は文芸サークルだった。名をばオイフォリーとなむ言いける。ドイツ語で多幸感。いかにもな外連味を最初こそ鼻で笑ったが、馴染んでしまうとわるくない気もしてくる。何をするのかよくわからないところが俺たちにぴったりだ。第一、誰もここが文学サークルだということを覚えていないのだ。いや、同好会の体すら為していない、事実上のボドゲサークル。それも、最初こそ珍しいボードゲームを漁ったりしていたが、誰かがゲーム機を持ち込んだせいでそればかりするようになってしまった。今ではもうたまり場以上の何物でもない。サークルルームのこともみんな「たまり」と呼んで憚らない。実際のところ、サークルにかこつけた友人らの集まりだった。
 まあ、このズルズル感がたまらないのだが。

「学祭って言っても、何してんだかわかんないよねこの部」
「わかんなくしてるのは俺たちだろ。ここが文学サークルだって覚えてるか?」
「何を。この上なく文学的な集まりじゃあないですか」
「ま、オイフォリーは濃いからね」
 ……これが大学生の常套句であることに気づくには、もう少し俺達には時間が必要だった。実際、人間多少掘ればだれでも濃い面はあるものだ。同期の女子2人とと後輩女子1人の占めて4人、このこじんまりした仲で多少なりと人格は知っている。こんな奇特なサークルに長居する奴が、何の引っ掛かりもない奴ではないだろう。
 まあ。酒豪と映画オタクの同期、……そして、捉えどころのない後輩。その中で自分がどう濃いのか、うまくつかめずにいるのも確かだが。

「濃い割には平穏なサークルな気もするけど」
「ま、それはキミのせいもあるでしょ。キミといると男子と接してる感じしないからね~」
「なっ!?」
 グサッとくる一言を言われつつも、俺が誰とも付き合わないおかげでオイフォリーが安定させているのは事実だ。
 ……女子3人との閉じた関係。それをハーレムだと言われることもあった。羨ましがられることもあった。だが、男一匹というのはそれはそれで難しいものがあるのだ。互いに引力があったり斥力があったりで、微妙な均衡を保っているというのが実情だった。
 ……いや、まあ。
 白状すれば、そう言うことが無いではなかった。今より幾分大所帯の頃の話だ。そして残ったのがこのメンバー、と言えば大方の察しはつくだろう。みなまでは言うまい。

 そんなわけだから、残念ながら浮いた話はなく、沈んだ話もなく、薄汚れた海面の下でぷかぷかと浮いているのがオイフォリーの実態だった。この微妙な関係性は他にはない、ゆえに理解もされないし、離れる気も起きない。
 結局のところ、俺はこのクローズドなコミュニティが好きだったのだ。

「もうこのメンバー以外考えられなくない?」
「わかる~」
 きゃいきゃい盛り上がる同期たち。

 一方、その輪から微妙に外れた奴が一人。

 俺の老婆心が、無視できないやつがいた。

「……鴫沢はどう思うんだ?」
 黙々と菓子を食う、後輩女子に俺は話を振った。一応、唯一の2年生だ。まさか遠慮して、入れないんじゃないか? そう思ったのだ。だが、一方の御仁はというと……。
「……なんすか?」
 はたと手を止め、思い出したようにこちらを見上げるショートボブ娘。だぼだぼのパーカーから指先だけ出してクッキーを頬張って、その所作はリスっぽいと言われればリスっぽい。だが投げかけるまなざしは、どこか艶消しした黒曜石のような奥深く霞んだ黒。そんなハイライトのない瞳が、怪訝げにこちらをジッと見つめてくるのだ。
 どうもこの娘、完全に話を聞いていなかったらしい。
「いや、オイフォリーって何なんだって話でさ」
「なんでしょうね~」
「いや、それを聞いてるんだけど……」
 そう言ったまま、猫のようなω型の口元に微笑をたたえる鴫沢。それから、今一度クッキーを一口頬張った。
 ……オイフォリーに独特の空気を流しているのは、実はこの間延びした鴫沢の声なんじゃないかと思っている。だってこの娘、どうにも得体が知れない。何より、リズム感が独特だ。マイペースでいて、けれど頭が悪いわけではない。いや、多分恐ろしく賢いはず。だが、何を考えているのか全く分からないのだ。

 思わず当惑する俺。それをケラケラ笑う同期2人。対する後輩は、キョトンともするでもなくまた一口菓子に口をつけた。
「ま、シギちゃんは不思議ちゃん系だからさ~」
「そうなんすか?」
「いや、不思議ちゃんっていうか……」
 そう言って鴫沢を見やれば、何とも言えない表情でこちらを見上げる鴫沢。煙水晶のような黒く霞がかった瞳が、ふんわりこちらを覗き込む。なんだか、深淵に覗かれている気分だ。
「……?」
 小首を傾げる鴫沢から、なんとなく視線を外してしまう俺。どうにも、こいつといるとペースが乱れる。つかみどころがなさすぎる。それだけじゃない。雰囲気で惑わされがちだが、この女恐ろしく顔がいいのだ。エアリーボブに整った目鼻立ち、ダウナーでおっとりとした目元、口元。それに正面から見据えられると、改めてその美貌に圧倒されてしまう。
 そして視線をふらふらさまよわせれば……。
(こいつ、カラータイツなんて穿いてたのか……)
 思わず瞠目してしまうのは、オレンジタイツなる強烈なファッションだった。しれっと穿いているが、一般人が着れば悪目立ちすることは疑いない。だぼだぼのパーカーから伸びるオレンジの美脚はビビッドで、縦のラインがその立体感を強調する。だが、どういう訳か気にならないのだ。

 訳が分からない。

「……いや、何でもない。忘れてくれ」
 黒体のように真っ暗な瞳に気圧されて、思わず有耶無耶にしてしまう俺。“濃い”メンバーの中で、隠然とした異彩を放っているのは間違いなく彼女だ。

「それより今度の休日さ……」
 魔女め。
 俺は曖昧に返事をして同期に向き直った。


 ⁂
 つつがない一日は、特に多幸感も伴わないままに日常として流れていった。
 
 だって、何分浮き沈みがない。惚れた腫れたがない。実家のような居心地の良さは淡々と時間の頁を繰って、晴れて長期休暇に差し掛かった、時分。

 変転が起こるのは、決まってそういう時だ。

「単位どうだった?」
「6勝4敗」
「惨敗じゃないか」
「いーのいーの、もうほとんど揃ってるから」
 そんなことを言いながら、頽落した酒を酌み交わす俺たち。何かとかこつけて酒を飲む俺たちだ、ハレの日に酒を飲まないわけがない。一度はやってみたかった鍋パーティーに勤しんで、宴もたけなわの頃合いに差し掛かっていた。

「何が一番面白かった?」
「あーー、なんだろ」
「さてはお前、ろくに講義聞いてないな?」
「あ、あれだあれ。正義論がよかった。無知のヴェールってやつ」
「……渋いな」
 そんなことを言いながら、食事の途中。
 いい気持ちで酒を呷っていた、

 その時。


 不意に、胸に激痛が走った。

「ぐッ!? なんだ、これぇ……ッ!」
「ちょっと、どうしたの!?」
「大丈夫?! ねえ、ねえったら!!」
 思わず胸を抱いてうずくまる俺。そうする間にも痛みは全身に広がっていく。焼けるように熱い。周囲は慌てているようだがかまっている余裕はなかった。全身をむしばむ熱に痛み、それが身を焼いたと思えば今度は生物的なうねりとなって俺を呑み込む。
「あっ、あああ゛あ゛ッ!!?」
 ひときわ巨大な痛みに絶叫する俺。それに驚いたのか周囲にも驚嘆が広がっていく。

 そして一転。
 失神するような一瞬を抜けると。
 苦痛がほどけていった。

「……終わった、のか?」
 嘘のように引いていく痛みに熱。それに安堵の息をつくとともに、代わりに気づくのは、妙に周囲が薄暗いこと。
「ここ、どこだ……?」
 ……どうも俺は布の山にいるらしかった。それも尋常な量ではなく、じっとり濡れているのも不快だ。まとわりつくそれと格闘しているうち、急に差し伸べられたのは大きな何かだった。

「……大丈夫?」
 それに布の海から引きずり出され、上空へ連れ去られる俺。気づかわし気に声をかけるも消耗した俺は声もなく、ただそのひんやりとした空気にわずかに気力を回復させるだけだった。
「ちょ、ちょっと、生きてる?」
「これ、あれだよね? 死ぬことはないって聞いたけど……」
 正直、答える気力がない。だが、いつまでもその手に身を委ねているわけに行かないのも確か。
「わ、わるい……」
 そう言って俺は、目前にあるはずの顔に目を向ければ。

 目に映ったのは、柔らかく重そうなふくらみだった。

「……?」
 一抱えもあるその大きさは、けれどどこかで見覚えのある厚布に覆われている。それはどこか、ニットのように見えて……。

 それが同期が着ていたセーターだと気づくのに、そう時間はいらなかった。

「は!?」
 あまりのことに上空を見上げれば、空を覆うのは女子大生2人の大きな大きな顔。それがぽかんと口を開け目を丸くし、俺を見下ろしているのだ。

 当たり前だった。

 だって突然目の前で、知り合いが60㎝にまで縮んでしまったのだから。

 縮小病。
 その急性発症に襲われたのだと、誰もが即座に理解した。

「わっ、ちっちゃ……!!」
「あの病気……、本当にあったんだね……」
 そう言って俺を持ち上げ、しげしげと観察する巨大女子大生。男の全裸だというのに眉一つ動かさず、学問的興味をそそるとでも言わんばかりに視線を走らせる。呆然とする小男も、しばらくするとその恥辱に気づいて。
「み、見るなっ!!」
 慌てて全裸を隠そうとする俺。裸以上にこの小さな体を見られるのが恥ずかしく、なんとか連中の視線を遮ろうと躍起になる。だが、巨大女子大生たちはそんなのに構いはしない。無遠慮に俺の矮躯を観察すると、それから憐れむようにクスっと笑うだけだった。
「こんなにちっちゃくなっちゃうんだね」
「でも進行するともっと縮むらしいよ?」
 そんなことを淡々と話す、同期たちが恐ろしい。だが、もうわかっているのだ。手の施しようがないこと、そして、人間扱いする必要がないことを。
「それより、病院に連れてってくれ! 早くしないと、俺はもう二度と……!!」
 縮んでしまった以上戻れる希望はほとんどない。だが、わずかな希望を求め俺は弱々しく言った。というより、それ以外に方法を知らなかったのだ。

 だが、巨大娘らは動かなかった。
 俺の声に目を見合わせ、しばらくクスクス笑うと。
「病院って、ねえ?」
 それから、声を合わせて。

「面白いじゃん?」
 そう言ったのだった。

 結局のところ、彼女らも同じ。

 日々の退屈に、飽き飽きしていたのだ。


§
 退屈というのは存外根が深い。
 その昔、ハイデガーは、不安に変わって退屈に根本気分の称号を与えたという。変転する刺激的な技術文明も、自分に本質を与えてくれるわけではない。どうでもいい。何か役割が欲しい。だがそれは与えられない。そんなことを言った。らしい。講義で習った。

 だからだろうか。

 最初こそ労り、気遣い、甲斐甲斐しく世話をしてくれた同期たち。

 その振る舞いが、徐々に変質し。

 奇妙な役割を、買って出たのだ。

「服洗った?」
「洗った洗った。はい、これ干して」
「おい、干すのはやるから……」
 部屋に林立する美脚の間、弱々しく話しかけるも帰ってくるのは同期のクスクス笑い。そうする間にも女神らは、俺の服を、下着を、はるか上空に吊るしていく。どころか、自分らの下着さえ吊るす始末。あいつら、いつの間にか合鍵まで作って俺の部屋に入り浸るようになっていたのだ。名目上は生活の補助。巨大すぎる部屋を片付けるところから始め、食事、洗濯、凡そ日常の雑事は全てしてくれた。

 ……なんだ、羨ましい話じゃないか。
 結構結構、大変重畳。

 たしかに、そこまで聞けばそう思うだろう。
 だが実際のところ。
 事態はもっと奇妙な方向に進んでいたのだった。

「なあ、俺だって羞恥心ってものが……」
「あははっ♪ 何言ってんの、こ~んなにちっちゃいんだからお姉さんたちに全部任せなさい♪」
「それともな~に? 照れてるの~~?」
 クスクス笑ってしゃがみ込み、身の丈60㎝の俺を見下ろす美人女子大学生たち。俺に股間を見せつけているのにも構わず、いや、目前に巨乳さえ揺らして見せながら、俺をいつくしむように笑うのだ。
「照れなくていいんだよ~、ちっちゃい子に優しくするのは当然だもん♪」
「ね? 鴫ちゃんもそう思うでしょ~?」
 対する後輩殿は、ソファの上。菓子を頬張りながら、マイペースにマンガをめくっていた。
「あ~、そうかもしれないっすね~」
 いつもの猫口を浮かべながら適当に返事をする後輩女子。どうもマンガに夢中でどうでもいいらしい。それは同期たちも織り込み済み。適当に返事をするとこちらに視線を戻し、それからニヤつき始めると。
「ふふっ♪ そんなに照れるともっとお世話しちゃうぞ~?」
「あははっ♪ お膝でご飯食べる? それとも、お・風・呂♪ 入っちゃう~?」
 きゃいきゃい言いながら俺を抱き上げて、からかうように頬ずりしてくる巨大娘。かわるがわる俺を抱きしめては頭を撫であちこちくすぐり、無力な俺の抵抗を愉しむのだ。

 ……オイフォリーは、俺を共有のオモチャとして弄ぶサークルへと変質していた。鴫沢を除く女子全員が、母性を丸出しにして俺を愛で始めたのだ。

 地獄だった。

 だって俺は、ある程度サークルを牽引していたはずなのだ。旅行やイベントを企画したのは俺だった。恋愛沙汰にこそならないものの愉快な思いをしていたはずだった。それが一転、反転、いきなり全員の共有財へと引きずり降ろされたのだ。もはや誰も俺を男と思わない。誰も俺の意志を尊重しない。無力な存在は、無条件で彼女らを女にするようだった。何もできない俺に、陶然とした表情を隠さなくなった。そして二人っきりになれば、それはさらに危険な色を呈し始めて。……乳房を含まされたことも、一度や二度ではなかったのだ。

 プライドはズタズタだった。プライベートもプライバシーも奪われ閉鎖空間の中、代わる代わる俺を愛でに来る美人JDたち。見下ろされるだけでも屈辱なのに、その扱いたるや赤ん坊に対するそれ。胸が当たっても尻で突き飛ばしても、恥ずかしがるどころかクスクス笑うだけ。もう俺は男性ではない。よくて子供、下手すれば彼女らのペットだった。

 当然、たまりでも繰り広げられる演目は同じ。

「ほ~ら、あ~ん♡」
「もういい、もういいから……」
「だってしょうがないでしょ?  私たちの方がおっきいんだから。ほらほら、我慢しなくていいんだよ~♪」
 膝に乗せられ、細かく刻んだ弁当を食べさせられる屈辱と言ったらない。後頭部にデカい乳の存在感を感じながら抱きしめられ、赤ん坊のように餌を食べさせられるのだ。今は鴫沢がいない分、よりタチが悪い。母性全開で俺を甘やかしては、母親プレイにデレデレだった。
「もう、いいんだって……」
 ……始末に負えないのは、時々俺自身が彼女らに身を委ねたくなってしまうという事実。だって下から見上げる彼女らは巨大で、崇高で、包容力に溢れていたのだ。林立する生脚、タイツ美脚、カラータイツ。見上げれば張り出す胸ばかりが目に入って、高みから見下ろされる気分は子供のころを思い出させた。視点が変われば世界の相貌も変わってくる。徐々に自分が、小人精神に侵食されていくのをひしひしと感じていた。

 やばい。
 まずい。
 大変よろしくない。
 こいつらから距離を置かないと、俺は、俺は──!!

 過保護の一言に尽きる彼女たち。
 役割に保護者を選んだ彼女らに遠慮はなかった。加速する母性。愛玩物化していく俺の立場。もはや俺を男とも思わず膝に座らせ、抱きかかえ。
 挙句の果てには。
「もう、私たちの赤ちゃんにしちゃおっか♡」

 我慢の限界だった。

「もう無理だ!!!」
「あっ、出たら危ないよ~」
 遁走する俺に、猫撫で声が飛んでくる。それが一層恐ろしくて、俺はもう全力で走るばかりだった。一人がしぶしぶ立ち上がる音がする。巨人女性が、こちらへ、やってくる!
「ひ、ひいっ!?」
 思わず情けない声を上げて逃げ出す矮躯60㎝。なんとか巻こうと道を変え階段を降り。
 前も後ろも見ずがむしゃらに走り回る俺。

 そして。
 ぶつかったのは、オレンジ色の柔らかな巨柱だった。
「およ?」
 まともに跳ね飛ばされる俺。対するむにむにの壁は間の抜けた声を出すだけでビクともしない。そしてしゃがみ込むと俺を引っ張り上げ。
「おやおや、センパイじゃありませんか」
 のんびり、そんなことを言うのだった。

 唯一俺を子ども扱いしない女子。
 鴫沢だ。

「いてぇよ! いやそれより、たっ、助けてくれ……!! あいつら俺を離さないんだ……!!」
 縋りつくだぶだぶの胸元。一瞬、想像以上にデカい胸に手が触れて心臓が跳ね上がったが今はそれどころじゃなかった。情けないが頼みの綱はこいつしかいない。ああ、今にもあいつらの足音が響いてきそうだ。
「どこでもいい、あいつらから匿ってくれ!!」
「ん~、そうですねぇ」
 どこか異世界に思いを馳せるような顔をしながらおおどかな返事をする鴫沢。対する俺は気が気ではない。いつあの巨大な母性が押し寄せてくることか。いや、実際パンプスの音が背後から迫ってくる。
「なんでもいい、とにかくあのイカれた連中から遠ざけてくれ! 耐えられない、おかしくなりそうだ! お前しかいないんだよ!! お前の好きにしていいから頼む、なんとかしてくれ!!」
「好きにしていいんですか?」
「ああ、お前に全部任せる、だから!!」
 俺の哀願に、深淵の瞳がジッとこちらを見下ろす。それからやっと動き出すと、
「ん、どうぞ」
 リュックを開き、中を見せる鴫沢。タブレットパソコンや本、丸めたパーカーが収まったそこには、わずかな空間が残るだけだ。まさか、この中に入れと? いくらなんでも無理が……。
 だが、是非はなかった。
 鴫沢の所有物に身を潜り込ませる俺。
 そして軽々と後輩にしょい込まれると。
「あ、シギちゃん、あの子見なかった?」
「あー、さっき大急ぎで階段降りて行きましたよ」
「さんきゅ~。あ、たまりにお菓子あるから勝手に食べていいよ~」
「ありがとうございます~」
 ゆっくり降りていく同期の足音。それを最後まで聞きとげると。
 
「じゃ、いきましょ~」
 鴫沢はゆさっと世界を揺らして、リュックを背負い直したのだった。

§
 大きい布団のようなパーカーに包まれ、マイペースな鴫沢の歩幅に揺られ。
 そろそろ彼女の香りが染みつきそう、という段になって。

「はいセンパイ、着きましたよ~」
 
 ようやく開いた天蓋、そこから伸びてきたのはビート板ほどもある巨大な手だった。
「ぐえっ!?」
 首根っこを摘ままれ猫のように持ち上げられる俺。そしてぞんざいに床に放り投げられる。蛙のような声を出す俺を、けれど猫口娘はいつもの表情で見下ろすだけだ。

「お前、もう少し丁寧に扱ってくれても……」
 同期たちとの落差よ。そんなことを思いながら周囲を見渡して、はてと思う。家にでも連れていかれるのかと思った。だがどうにも様子が違うのだ。

 それは、ホテルの一室だった。
 なんだ、わざわざホテルを借りて匿ってくれるのか?
 一瞬その行為に喜びかける俺。
 だが、妙に雰囲気が怪しい。
 薄暗い照明に固く閉じられた窓、全体的に独特の雰囲気が漂って、違和感を押し付けてくる。
 そして気づく。
 普通のホテルじゃない。
 ラブホだ。
 こいつ、とんでもないところに連れ去りやがった──!

「お前、さては連れ込みやがったな?!」
「好きにしていいって言ったじゃないですか」
「ラブホに連れ込んでいいとは言ってねぇ!!」
 反射的にツッコミを入れてしまう俺。だが問題はそこじゃない。だってこんなとこ、することは一つしかない。
 まさか。
 まさかこいつ。
「お前、俺をどうするつもりだ……?」
 けれど、鴫沢はそれには答えず、
「センパイ、サイズフェチって知ってます?」
 ただ、謎めいた言葉を吐くだけだった。
「サイ……なんだって?」
「小人に欲情するシュミのことなんですけど」
「……待て、まさかお前……」
「あはっ、怖がってる怖がってる。センパイかわいー」
 そういいながらジリジリと近寄るデカ女。なんでもありませんよという顔をしているが、瞳の淀みの中に不穏に光る影がある。間違いない、この女……。
「オスとして扱われたいんでしたっけ。あは、よかったっすね、夢が叶いますよ~」
 俺を、オモチャにするつもりだ。
 
「大丈夫、こわくないですよー」
 猫口にわずかに笑みを湛えにじり寄る鴫沢。だがそれが一層威圧感を呼び恐怖掻き立てる。だって何をするかなんて明白、後ずさりすればするほど近づいてくるその体。
「やめろ、近づくな!!」
「ヤですよ~。だってせっかくの小人が手に入ったんだし、何もしないって酷じゃないですか? それに私、胸もお尻も結構おっきいんで悪くないと思いますよ~?」

 そして俺の腕を強引につかんだと思えば。

「ま、センパイに拒否権はないですけど」
 俺を、思いっきり壁に押し付けるのだ。そして俺を胸で取り押さえれば、巨体全体で俺を磔にしてしまう。“むんにぃ……♡”とパーカー越しに押し広がる隠れ巨乳。それが胴全体を包み込み、股間さえ圧迫してくる。もう足さえ浮く始末。完全拘束。絶望だった。
「ぐえっ!? 鴫沢、てめぇ……ッ!!」
「あは、ピーピーかわいいですよ~」
「まて! 離せ! む、胸を押し付けるな……!!」
 必死の抵抗を続ける俺。当たり前だ。このままではこのイカレ女に何をされるかわからない。唯一母性をむき出さないと思っていた不思議ちゃん、それが、実は性欲を俺に抱いていただなんて……!
「いいから離せ!! お前にこんな権利はないぞ!!」
 喚き抗う俺。
 けれど鴫沢は取り合わず。

「うるさいですよー」
 俺の唇に、覆いかぶさったのだった。

「ッ?!!」
 唇に広がる巨大娘のぷるぷるリップ、男のそれとはかけ離れた柔らかむっちりな質感が一瞬俺を歓喜させた。久しく感じていないその肉感は面積差9倍の肉厚さで俺を覆い尽くし、柔く甘く吸い付いてきたのだ。

 だが、鴫沢が、舌を口内にねじ込んだ瞬間。

「ん゛ッ、ぐっ、ん゛──ッ!!」
 一気に俺は、悶絶させられることになる。
 だって巨大なねっちり舌先、その巨大な塊を無理やり口にねじ込まれるのだ。それどころじゃない。でっかいベロは口内を暴れまわって、歯の表面、内頬に口蓋、喉奥に至るまでを舐めまわした。体格差にものを言わせた口内レイプ。しかもねじ込まれているのは舌先の本の先端。さらに深く押し込まれれば、いよいよ凌辱の度は否が応でも高まった。
「……♡」
 読めない表情のまま、けれどわずかに目元を愉悦に歪める巨大娘。そして吐息を送り込み、吸い尽くし、紙風船のように俺の呼吸を管理するのだ。もう口によってつながった俺は、鴫沢の一部も同然だった。

 そして、たっぷり100秒。
 勃起したペニスを乳房で押しつぶされ。
 口内越しに、肺の底まで犯されて。
 鬱屈とした射精に、身を委ねそうになった、
 その瞬間──

「……ぷはッ」
 やおら鴫沢は、俺を解放したのだった。

 唾液の橋を架けながら、それすら舐めとるように顔面を舐め上げる変態巨女。体格差ディープキスの快楽に、顔面を舐めまわされる異常事態すら性的に感じてしまう。すでに、体格差に洗脳されつつあるのかもしれなかった。
 脱力する体。
 トロンっと甘く痺れる脳髄。
 骨抜きにされる俺は、まるでファーストキスを悪い男に奪われた処女も同然だった。体格差3倍のキスなんて、とてもじゃないが体感できるものではない。その体験は鮮烈で、強烈で、一瞬で脳を焼き切ってしまうほどの衝撃だったのだ。

 だから、ドサッと地面に落とされ、たっぷり30秒は恍惚とさせられて。
 ハッと我に返ったとき。

 襲ってきたのは、とてつもない焦燥感と恐怖だった。

 ダメだ、壊れる、コワされる。

 このイカレた巨女にもてあそばれたら俺は、徹底的に調教される──!!

「ひ、ひいぃっ!!?」
 思わず、脱兎のごとく逃げ出す俺。一刻も早くこの巨体のリーチから逃げ出したい、その一心で駆け出したのだ。もんどり打ってこけたり転がったりしつつ、這いずるように進む俺。けれど、その巨体の影からさえ一向に抜け出せない。それが猶更恐ろしくて、俺はもう半泣きだった。
 対する巨大娘は、俺の逃げ場を奪うように、ゆっくり、ゆっくり距離を詰めていった。

 そしてついに、椅子の上まで俺を追い詰めると──
「あは、自分から椅子に上るなんて、センパイ座られたいんですか? この体格差で座られたら、トラウマになっちゃいますよー?」
 クスクスと、じっとりした笑みで俺を見下ろして。

「…………でも私、そういうの大っ好きなんですよね~」
 俺に、とてつもなくデカい尻を向けたのだった。

「よかったっすね、でっかいお尻ですよ~」
 そう言って突き出すのは、あまりにデカいタイツ巨尻。縦に走るラインが膨らむほどにその臀部は豊満で、膨満感に満ち満ちている。こんなデカ尻に敷かれたら、俺は、俺は……!

 一方のデカ尻女は、俺の恐怖を煽るように豊臀を目の前で振ってみせるばかり。その甘いアロマを嗅がせるようにふりふりと尻を振って、俺を挑発するのだ。どころか、擦り付けるように尻肌で俺を撫で、押しのけようとする俺の抵抗を感じクスクス笑う始末。タイツをパンッパンに張り詰めさせる、ずっしり重そうなメス巨尻。それが俺にすり寄り、匂いを嗅がせ、質感を教え込み、徐々に、徐々に、これからのご主人様の存在を知らしめていく。

 そして、ドンッと豊満ヒップで俺を突き倒すと。

「じゃ、いきますよ~」
 思いっきり、尻から俺に飛び込んだのだ。