本記事は「海色の中の知らない場所」のサンプルです。10倍になってしまった親友女子とプールに向かっていたところ、10分の1に縮んでしまった主人公のお話

【内容】
・(10倍差)胸ポケットに入れられたまま連続縮小
・(以降100倍差)スク水むちむちあぐらの中に閉じ込められ、股間を登ったところ発覚
・自分だと気づいてもらえず、言葉責めされながら足指キス、奉仕、足裏登りと足裏プレス
・太もも床オナ、脚組みプレス、オナニー巻き込まれ
・自分だと気づかれ巨乳責め、巨尻プレス
・飴玉ディルド貼り付けエッチ
(おまけ…公園で滑り台を犯すスク水巨体に巻き込まれシチュ)

以上です(30000+3000字)

生々しいスク水美脚に閉じ込められたり鬼畜言葉責めされたりイジワル体格差責めされたい方は是非!
また、一作短編を一般プランで投稿し、もう一作を上位プランで先行公開しております。こちらもあわせてご覧ください

https://fantia.jp/posts/2713571

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
§
 退化も進化の一種と言えるらしく、最近、使うべきかどうか議論になっているらしい。
 純粋に学問的な問題というだけじゃない。

 ……多分。

「……来ないな」
 人を待ちながら考える由なしごと、それもそろそろネタ切れだった。メッセージを飛ばしても帰ってこない。女 子 高 生なのに、この返信の遅さはいかがなものだろうか。

 石を蹴り転がしての待ちぼうけ。ゴミ捨て場に人形が捨てられているのを眺めたり、空き缶に気づかず踏みつぶしたり。いよいよ待ちくたびれた時、遠雷じみた音が聞こえてきた。
 あたりがふっと暗くなる。
 見上げる。脚があった。さらに見上げる。まだ脚だ。

 それは、物言わず立ちそびえる、15mに及ぶ巨大な体。僕を一瞬で踏み潰してしまえる存在が、輝く美脚をそびえたたせていた。間近で見上げる巨人は、まるで一つの塔。思わず、その乳白色の太さを目で辿っていったとき……。
「残念、見せてもらえないのでした♪」、と。
 少女が、スカートを押さえて、屈みこんできた。
「……遅い」
 ばつが悪くて言い捨てるけれど、夢愛はクスクス笑うだけ。黒髪の猫系少女は、いつもこの調子だ。まるで悪びれない。見惚れた手前、こちらとしても強くは言えなかった。
「10分くらいいいじゃん? それに、運んでってるのは私なんだよ?」
「……そうだけど」
「それとも、私のそういうとこ、嫌?」
 しゃがみこみ、民家の間に巨体を並べる女 子 高 生。ようやく目が合ったけれど、聞き捨てならないのはその言いようだ。拗ねたようなそぶりは可愛いけれど、自分が可愛いと分かって言ってるようにしか思えない。
「せめて返信くらいしてよね」
「しかたないでしょ~、成長したら一般居住区に入るのすら大変なんだから。倫こそ、私のことタクシーと思ってない?」
「まあいいでしょ。君が屋根ぶち抜いた時、助けに来たのは僕なんだからね」
「はいはい、感謝してますよ~」
 しゃがみ、手を差し伸べる夢愛。巨人の顔に影がかかり、ぬっと屈みこんでくる。覗き込まれた蟻の気分だ。ギチギチと革靴がしなるのもちょっと怖い。……本人は気づいていないだろうから、顔色にはださないけれど。
 靴を脱いで手のひらに這い上がる。ふにふにと柔らかく、大きな手。これが、つい最近まで、僕の手より小さなものだったとは思えない。ベッドのような手に手を這わせ、親指に掴まった。夢愛が立ち上がる。ぐんっとGが加わる感覚に、僕はまだ慣れることが出来ずにいる。
「じゃ、行くよ。……落ちないでね」
「落とさないでね」
「……わかってるよ」
 そう言うと軽く、夢愛は僕を握り包んだ。


 ⁂
 人間が持つサイコロの、ほとんどの面は真っ白けなのだと思う。おまけに重心が寄っていて、なかなか数字が出てこない。その中で夢愛は、大当たりの10を引いたらしい。
 巨大になれることを、進化というべきかどうか。個体なら不完全変態と呼ぶべきという向きもあるけれど。ともかく、夢愛に成長期が訪れて半年。少女が10倍になった一方で、僕は態度を変えるわけにはいかなかった。これまでと何もかも変わってしまって、きっと夢愛も不安なはず。僕まで変わってしまったら夢愛も悲しむと、そう思ったのだ。
 そのためには多少の羞恥心くらい耐えられると思った、
 はずなのだけれど。

「ちょ、ちょっと、やめて夢愛、それはダメだって!」
 幼馴染の手の中、僕は必死に抵抗していた。体温と気温でただでさえ暑い中、汗だくになって抵抗するのは、尊厳を守るため。
 当の夢愛はどこ吹く風。僕をしまおうと、胸ポケットをこじ開けている。ぶわっと噴き出す少女の香り。たゆんと揺れるその乳房。
 これだ。
 この爆乳が、僕をおかしくしてやまないのだ。
 第二次性徴ですっかり大きく、……大きすぎるほどに育った夢愛の胸は、16mになってもはやガスタンクのほどの存在感を持つようになっていた。僕だって男子だ。それに反応しないはずがない。夢愛もそれを知っている。そして、からかい半分に胸ポケットに入れられて以降、案外持ち運びに便利と気付かれたのが運の尽き。僕は毎日、1トンおっぱいに揺られることになる。

「だ、男子を胸にしまう奴がいるか!」
「仕方ないでしょ。これが一番安全なんだから」
「安全でも健全じゃないよ!」
「もう落とすのはイヤなの! しかも先に学校行っちゃうし」
 巨人の言葉に、グッと黙ってしまう。先日、手からこぼれ落ちた僕と、後になってそれに気づいた夢愛。すたすた進んでしまう巨大娘に置いていかれて、やむなく僕は電車に乗ったのだった。ひどく慌てたとは本人の談。自分から落ちて怪我したなどとなれば、心を痛めるのは当然かもしれない。とはいえ、夢愛がここまで気にしたとは。
「……だてに鍛えてないよ」
「私がイヤなの!」
 自分が巨大なのが恥ずかしいのだろうか。事実その通りなのだけれど、顔を赤くする娘にデカいとは言えない。ムキになると、いよいよ強 引に僕を胸ポケットにしまい始めた。
「ちょっ……!」
 爽やかな夏服は、大きく育った少女の胸元ではちきれそうになっている。デカデカと校章の縫い付けられたポケットも、鉄板みたいな生地を丸くひしゃげさせられていた。なるほど、落ちることはないだろう。そりゃそうだ。こんなに張力のある場所に押し込まれたら、人間の力で出られるはずがない。分厚い繊維をギチギチと張り詰めさせる10倍巨乳。鼓動でふるん、ふるんっと震えているそこから、良い匂いと熱気が漂ってくる。夏の少女の、石鹸のような甘く華やかな香り。男子の何かには危険すぎる空間だった。
 でも藻掻く足は、でも、既にぬくとい空間に突入していて。
「ほら、おっぱい蹴っちゃうよ」
「ま、末代まで恨んでやる……ッ!!」
 僕は、巨大娘の胸ポケットへとねじ込まれていくのだ。
「はいはい。ちゃんと背筋ピンってしてくださいね~」
 へし折られないよう、全力で体幹に力を籠める。ぐりぐりねじ込まれるごとに、おっぱいの中に収納されていく下半身。その圧迫感は、まるで全身をパックされたかのようだった。
「ぐうぅ…………ッ!!」
 足が、脛が太ももがお尻が次々ポケットで圧縮パックされていく。肩元を押し込まれると、もう僕は逃げられない。全身で幼馴染のバストに貼り付けられてしまうのだ。大の字で大玉にしがみつく構図。それも、もっとも惨めな部類に入る体勢で。どっぷりふにふにの巨大乳房が、無防備な体に押し付けられる。僕はその膨張力に抗えず、完全に捕縛されるほかない。
「じゃ、行くよ~」
 這い上ろうとする僕を襲ったのは、凄まじいまでの浮遊感。
 歩く拍子に、巨乳が跳ね上がる衝撃だった。

「ゆ、あッ、これ、ダメだって……ッ!!」
「うるさーい」
 黙らせるように、さらに乳ポケットにねじ込む巨人。指先でヨシヨシ撫でているけれど、きっと無意識だろう。強 引に見せかけて、自分より圧倒的に小さな僕を気遣っている。本人はきっと気づいていない。でも、その所作は僕には筒抜けだった。
 ……もはや、僕は対等に思われていないのだ。
「出せッ、出してぇ……!!」
 巨乳に浮き上がる小人の体。ぴっちり張り付けられた小人は、巨人の巨乳を覆う人間ブラジャーも同然だった。柔らかく僕を包み込みつつも、膨大なボリュームはまるで強烈な水圧のよう。ぎっちり僕を密閉すると、ブラに詰まった母性の惑星で僕を圧し潰すのだ。
 おまけに。
「ほら、さっさと行くよ。プール、わざわざ貸し切りにしたんだからね?」
 一歩進めば、“たゆんっ♡”と、跳ね上がる巨乳。乳首が上を向くと僕を持ち上げ、下から突き上げた。
 次の瞬間には、急降下して。
「ぶ……ッ!?」
 “どっぷんッ♡”と、重々しく沈み込むのだ。のしかかってきた1トンもの巨乳は、半ば僕を圧死させかけた。乳肉に体がめり込むのがわかる。そんなデカブツが、跳ね回るのだから天変地異も同然。重圧が頂点を迎えると、ぶんと唸りを上げて跳ね上がる。遠心力と共に押し付けられた巨乳は、今度は僕を宙に放り投げた。そしてしがみつこうとする僕を迎え入れると、今度は奈落へと突き落とす。その繰り返しだった。
(ヤバい、これ、死ぬ……ッ!)
 “ゆっさゆっさ♡”と揺れるJKおっぱい。その乳揺れは、おそらく当人にしては微かなものなのだろう。けれど10倍サイズの夢愛は、ゆっくり歩いても50㎝上下し、そこにさらに巨乳の揺れが加わる。毎秒トランポリンの上で跳ねているようなものだ。一瞬乳肌から離れたと思えば叩きつけられ、乳肉の中にめり込んでは放り投げられる。健全な男子高生には酷すぎる乳ビンタだった。

 大通りを歩く夢愛。可愛げのない地響きが立ち、背後では巨体の立てる乱流で木々がざわめいていく。時折、別の巨大娘が通り過ぎて行く音も聞こえてきた。二人がすれ違うだけで、
凄まじい威力の爆風が吹き荒れた。悲鳴が上がるたび、ごめんね~と夢愛の話すのがわかる。
 その声が、ビリビリと僕を震わせた。ポケットにしまわれる鉛筆やスマホの気分だ。所有され、肉体の支配領域に閉じ込められる感覚。いやでも声や鼓動を聞かされ、香りを染みつけられていく敗北感。徐々に自分が塗り替えられていく。夢愛にとっては友人のままなんだろうけど、最近、元の自分を保てなくなってきている気がする。

 だから、僕は、自分を自制しきれない。
「夢愛っ……! 出してぇ……ッ♡」
 巨乳に密着し、“どっぷどっぷッ♡”とリズミカルに揺れる乳肉トランポリン。それに全身を撫で回され、ドキドキする香りを染みつけられて、嫌でも思考が卑しくなる。巨大な体は、中に充満させるエネルギーとフェロモンもまた常人の1000倍だった。大切に思ってくれている少女なのに、まさしくその少女の存在のせいで、僕は卑劣な欲望を掻き立てられるのだ。
 顔向けできない、良くないことだと思っても無駄。あざ笑うように巨乳は“ぶるるんっ♡”と跳ね上がり“どっぷんッ♡”とのしかかる。毎日着られた夏服、熱気で汗ばむ体はむんわりと色香立ち込める温室のよう。ブラとワイシャツがこすれ合い、刺繍で僕の股間を撫で回した。

「出しっ、う゛ッ!? これ、これダメだって……ッ!」
 ぽよんぽよん跳ね回る、JKの巨乳に理性が保てない。
 いや、それだけじゃない。
 何かが来る。快楽とは別の、決定的な何か。羞恥心? 関係が変わることへの恐怖? 違う、もっと根本的な、何か……。
 考えるより前に、事実は向こうの方からやってきた。
 これまで覗いてた頭が、すっぽりと胸ポケットに収まったのだ。

「……あれ?」
 おかしい。僕は動いてないし、足はポケットの底についたまま。それでも体が、布の独房へ引きずり込まれていく。どう考えても、体がズレてる訳じゃない。
 ……わかった。
 僕のサイコロが、振られたのだ。
 出目は、大外れ。縮小だった。

 その瞬間の、絶望とも驚愕ともつかない独特の感覚と言ったら。
「ひっ……?!」
 だって、日常が、僕の尊厳が瓦解を始めたのだ。夢愛たちが一般人を見下ろして大路を闊歩する中、僕は一般人にも見下ろされる存在へ変わっていく。夢愛の手の上に一般人が乗り、その一般人の手に乗ってしまえるのが小人という存在だった。第二の不完全変態は、巨大化とはまったく違う。退化とさえ言われる、惨めな惨めな変身だった。
「ゆ、夢愛、縮んでる、助けて、出して……ッ!!」
 胸の中、必死に暴れる僕。けれど時速60km近くで歩く彼女の耳には、吹き荒れる風しか聞こえないらしい。ヨシヨシと優しく僕を撫でると、からかうように“たぷたぷっ♡”と巨乳を揺らして見せる。
 そして、今や20倍以上になったおっぱいで、僕を振り回すのだ。

「な、なに、これぇ……っ! デカ、つ、潰れる……!」
 今もなお“ずっ……。ずずず……っ♡”と大きくなっていく巨乳。ただでさえ規格外のJK巨乳は、僕が規格外に小さくなっていくことで次元の違う存在へと変わりつつあった。ポケットの中、下から見上げる巨乳の丸み。どんどん濃く甘くなっていくその香りと熱波。感覚も徐々に変わり始めていた。音はぼやけ始めて重低音に変わり、嗅覚は鋭敏になってフェロモンさえ感じ出す。夢愛が何か言ってるみたいだけど、心音がうるさくて何が何だかわからない。
 もう夢愛は、一つの世界になりつつあった。

「ま、待って、僕を、僕を置いていかないでえええっ!」
 魂の絶叫だった。10倍と10分の1倍じゃ、サポーターどころか会話相手すら難しい。今までと同じ関係ではいられなくなるかもしれない。夢愛の友人ではもういられない。なにより、もう、日常すら満足に暮らせなくなってしまう。僕は虫かごで飼われる存在になるのだ。夢愛は、大通りで世界を睥睨しているのに。
 焦燥自体が僕の体を食い潰していくようだった。
 みるみる広がっていく繊維の網目。縮小が進むにつれ、その巨大化も一気に途方もないものへ変わりつつあった。2mサイズだった巨乳は、10㎝大きくなり、今度は20㎝、そして20mにむかって、急激にその膨張を加速させていく。膨らむ弧が直線へピンっと張り詰め、今や壁。その全貌は一つの惑星も同然だった。一歩ごとに“ずしっ♡ ずしッ♡”とたわむ巨乳に、全身を愛撫される。僕は、繊維に食い込む一匹のダニ。ついにはパッツパツにその巨乳に張り付けられて……。
『ほら、学校見えてきたよ』
 僕は、15㎝、夢愛の100分の1サイズへと変わってしまったのだった。
 胸ポケットの繊維一本一本が見えるサイズ。その奥のブラさえ目に見えるほど。動くたび隙間から押し出される香りが、密度ある熱風となって僕を襲った。上位存在から発散される生命力の奔流だ。僕はその力に耐えられそうにない。

『あれ……?』
 するりと、胸ポケットを撫でる夢愛。“むにぃ……ッ♡”とたわみ、乳肉が柔軟に形を変えた。強靭な鉄板ポケットをこじ開ける。パッと光が差す中、綺麗な茶色の瞳が覗いていた。
「夢愛っ、気づいて、ここだ、ここにいるよ……!!」
 すると、夢愛は。
『いないや……』
 ぱちんっと、ポケットを閉じてしまう。
『また先行っちゃったのかな? ……あとで、叱ってやらなくちゃ』
 それから、地響きを立てると。
 あまりに隔たってしまった巨人は、小人を軟禁したまま進み行く。
 向かう山の中腹には、小さな学校。夏休みの一日は、まだ始まったばかりだった。



§
 体育館へ這い入りながら、夢愛は友人のことを考えているらしかった。
『やっぱ、大きいと怖かったりするのかな……』
 ひとりごちながら、搬入用の巨大な扉に身をねじ入れる。
 そして、したたかに頭をぶつけた。
『いてっ!?』
 夢愛が可愛らしく頭を押さえた時。

 当の友人は、その巨乳揺れで圧死しかけていた。

「ぐううぅ……っ?!!」
 釣鐘のように重々しく吊り下がり、いきなり“ぶるんッ♡”と前後する長おっぱい。それに蹂躙されて、僕は親友の1000トン巨乳に殺されかけていたのだ。
「死ぬ、死んじゃう、出して、出してぇ…………」
 半時間、乳揺れに晒され続けて、小人は完全に朦朧としていた。上位存在の胸に張り付いて、直接香りを嗅がされ、体熱を注がれて。おっぱいのエッチな揺れは、絶望の上にリビドーを刻み込んでいく。上へ下へゆっさゆっさと跳ね回るおっぱいたちは、僕にとっては暴君も同然。挙句の果てに、吊り下がる巨乳に圧し潰されるものだから、僕はほとんど泣かされてしまっていた。

 当の巨大少女は、お着替え中。ネクタイを解くと脱ぎ捨て、ボタンを解き始めている。
『夏はやっぱり暑いねぇ……』
 ばつっ、ばつっと鈍い音と共に、張力が解放されていく。揺れもわがままになった。覗いたのは、豊かなブラおっぱい。次いで、シャツを脱ぎ捨てる。
 ……僕を胸ポケットに入れたまま。
「ひいいぃ……?!!」
 胸ポケットの中で、悲鳴を上げても夢愛には届かない。大きく広がり、ゆったりと落ちていくシャツ。ドサッと地面に墜落すると、空気が抜けて床に張り付いていく。その中から這い出した小人に、今度は脱ぎ捨てブラジャーが襲いかかった。
 悲鳴の上に覆いかぶさる、セクシーな下着。ドスッと落ちてくる、その音さえ可愛げのないものだった。一瞬で辺りを覆ったブラは、ドーム球場も同じ。立ち込めるアロマは胸ポケットの比ではない。温室どころじゃない、まるでサウナのような湿度と熱気。ここにいたらおかしくなる。もう共存できないほどにかけ離れてしまった少女の、最も濃密な下着の香り。へたり込み、10mもの距離を這い回る。
 なんとか新鮮な香りに身を晒した時、僕は完全に汗だくだった。

 見上げる。
「これが、夢愛……?」
 そこには、都庁みたいなサイズの少女、その、膝から下だけがそびえ立っていた。ただでさえビルみたいに大きかったのに、僕が縮んでしまったせいでもはや認識すら成り立たない。サイズ差がありすぎて、腰から上は霞んで見えるほど。それでも、主張の強い乳房の形は明らか。僕の視線に気づかず丸出しにされた巨乳が、うっすらと、ぼやけた造形を輝かせている。
 
『覗かれたり……、しないか。根性なしだし』
 服が、下着が、ポイポイと振ってくる。10倍巨大娘の所有物が、10分の1小人に降り注ぐのだ。それだけじゃない。
『……ん、あったあった』
 逃げた先に降ってきた、ビルのような日焼け止め。
 背後では脱ぎたての夏服が山脈をなし、校舎より大きなスクールバッグからはふわふわのタオルやスマホ、シャンプー達。1500㎝少女の持ち物は、15㎝の体からは認識できない巨大建造物だった。ローファー一つ取ったって同じこと。一般人にとってすら車のようなサイズの革靴は、僕にとっては体育館も同然。大きすぎる夢愛と小さすぎる僕とじゃ、生きる世界そのものが違っていた。
 目の前に二つそびえる、体育館サイズの素足と、体育館サイズのローファー。それに囲まれて、僕は半分涙目で夢愛に叫んだ。
「ゆあっ! ここ、ここだって! ……ぎゃッ?!」
 辺り一帯を叩き潰したのは、夢愛のショーツ。水色のそれが爆風を立てて地面に墜落すると、ずっしりと僕を圧し潰す。エッチな香りと背徳感に叩き潰され、僕はほとんど泣いていた。
「もう、もう嫌だぁ……ッ!」
 這う這うの体で逃げ出し、何かスベスベとしたものへ踊り出す。鈍い光沢を含んだ、濃紺の世界。独特のすべらかさに足を取られながらも、なんとか窮地を脱したとき。
 細指が、紺の大地ごと、拾い上げた。
「な、なに……?!」
 床に落ちた少女のシルエット。全裸の少女の手に握られたそれは、膨らんだひし形をしていた。
 わかった。
 水着だ。
 巨人用のスク水に、しがみついてしまったのだ。
 このままじゃ、100倍女子に、着こまれる……!

『いくらバリエーションがないからって……。スク水はなくない?』
 繊維に腕も指も食い込ませ、全力でしがみつく小人。そこへ差し伸べられたのは、ほっそりと美しい素足だった。こっそり校則違反の黒ペディキュアを塗った、JKおみ足は綺麗で、あでやか。20mスケールのおみ足が、イルカのように布の中へ潜り込んでいく。滑らかな造形が布の中をのたくった。穴を見つけ、滑り込んでいく脛、膝、むちむちの太もも……。もう片足もそれに続く。ぐいっと引き延ばされれば、足元に鼠径部の輪郭が浮き上がった。スク水をぴっちり着込む、巨大JKの下腹部だった。

 そして、僕の左右に、“むんにゅううぅ……ッ♡”と乳房の形が浮き上がった時。
『よし♪』
 しっかり水着を着こみ、ぱちんと肩紐を鳴らす。少女は軽く体をひねり、着心地を確かめた。ぶんっと唸りを上げて振り回されるスク水巨乳たち。谷間で半殺しにされても、僕は泣き叫ぶことしかできない。

『倫は……、その内来るよね?』
 地響きを立てる巨人の体にしがみつき、巨乳の谷間に身を寄せる。こんな惨めな気持ちになったことはない。これまでも夢愛に恥ずかしい目に遭わされたことは多いけど、気づいてすらもらえないことはなかった。
 
 人語ならぬ何かを叫びながら、小人がスク水の白いラインにへばりつく。縫い糸に身を滑り込ませ、自ら夢愛の水着に体を縛り付けさせたのだ。
 そして完全に刺繍の一部にされると、ノミ男子は。
 スク水巨女の一部として、連れ去られて行ったのだった。


 ⁂
 プールはみなもを輝かせ、深い山間の緑を映し出していた。
 ふもとの景色は見えない。巨小共学の学校は、防音諸々、対策しないといけないことが多かった。
 蝉しぐれと空色、緑色。
 それも、じき紺色に塗り替えられる。
 重低音に鳥が飛び立ち、みなもにも波紋が広がった。
 1500㎝娘が、プールサイドに腰掛けたのだ。

『まったく……。あの子も困ったものだねぇ』
 一般人用の25mプールに脚を浸し、10倍少女はゆらゆらと水面をゆらす。僕にとっては空母みたいな大きさの湖も、夢愛の脚は半分ほどを占領してしまえる水たまり。他方、15㎝小人は10倍少女の胸の上から、降りることもできない。逃げ場がないまま、紺の山に張り付くほかなかった。
「気付かれないものなんだな……」
 谷間から見下ろすと、遥か下方で生脚が揺れている。足元でとぷとぷと揺れる太ももたち。油断して太さを増した、肉付きの良い太ももたちだった。
 乳白色の、悩ましい曲線を描く美脚。付け根から足先までごろんとむき出しの生脚が、少女の健康美を輝かせている。凄まじい質量を誇り、“みちっ♡ むちっ♡”と音が聞こえてくるほどの生命力。はちきれんばかりの肉感は、太陽の光でハレーションを起こしそうなほどに眩く輝いている。
 あそこに落ちたら。あんな肉脚に包まれたら。ぴっとり張り付けられて僕は、無限の肌色地獄に堕ちるかもしれない。
『……ホントに来ないな』
 後ろ手に腕を突き、ブラブラと脚を揺らす少女。山中の騒がしい蝉しぐれで、じんわりと肌も汗ばみ始めていた。上を向いたおっぱいが、ゆさっと揺れて僕を泣き叫ばせる。穏やかな心音が波紋を広げ、立ち昇る体熱が風にそよいで流されていった。こんな状況じゃなかったら、きっとどこまでも母性を感じられただろうに。

 当の10倍少女は、何を思ったかゆらりと立ち上がると。
『……暇かも』
 腕を伸ばす。腕に潰され、巨乳が大騒ぎを始めた。紺色の布地がギチギチと悲鳴を上げ、引き伸ばされて潰れた胸の形を浮き上がらせた。僕は悲鳴ごと潰される。
 その挙句。
 ふわりと、巨体が浮き上がった。
 準備運動のジャンプだった。
「やっ、め゛っ、……────ッ?!!」
 いちに、いちに、と、どっぷんどっぷんバウンドする親友巨女おっぱい。その乳揺れは壮絶で、縫い糸に絡まっていなかったら、僕は瞬く間に彼方へと吹き飛ばされていたはず。でも、僕は縫い糸に絡まり逃げようがない。左右では、大質量が浮き上がってゴム繊維を軋ませ、降ってはとっぷんとみずみずしく跳ねまわる。えげつない肉感の応酬に巻き込まれ、ひたすらバウンドおっぱいになぶられるだけ。体が浮き上がり巨乳に叩きつけられる。どむっとめり込み跳ね飛ばされた。そして、無意識に立場の差をわからされるのだ。
 上下に10メートル単位で揺れる巨乳たちは、僕には蹂躙兵器に見えた。スク水の、鈍く艶消しの光沢が乳房の丸みに沿って上下し、少女の重量感を見せつける。僕を簡単に圧死させられる巨獣たちが、奔放に揺れる、暴れる。その間に張り付く矮小な点となって、僕は泣き叫ぶ他ない。

 巨人の跳躍は、さらに10回は続いた。
『よいせ……っと』
 腰を降ろすと、豊満な安産型がプールサイドに打ち込まれ、プール全体が波紋を広げた。
 その衝撃が決め手。
 ぶら下がっていた糸から払いのけられ、小人は紺色のお腹を滑り落ちるのだ。自分でも聞いたことのないような悲鳴を上げて、スク水巨体を滑り落ちる。すべすべの坂を滑り落ちる、地獄の50m走。Gカップから勢いよく吹っ飛ばされ、乳肉の10mもの段差を滑空する。おへそあたりに打ち付けられると、後はズルズルと滑り落ちるばかり。

 じき、その角度が、甘く、ふっくらとしたものに変わっていく。
 左右からは生太ももが見え始めた。親友の股間に、へばりついてしまったらしい。まだ滑り落ちる。先に広がるのは、太ももの間の狭い空間だ。
『倫、遅いな……。返事もないし。自分は文句言ってたくせに』
 小人がずるりと太ももの間に投げ出される。一方の夢愛は、所在なげにあぐらを組み始めてしまった。美脚たちが肉の檻を閉じ始める。こんなエッチな場所に閉じ込められたらと思うと、小人は逃げ始めるしかない。

 けれど無情にも、目の前にはふくらはぎたちが落下してきて。
『一応、待つかあ』
 完成したあぐらの監獄は、僕を完全に閉じ込めてしまうのだった。

「夢愛……? 夢愛! これはさすがに洒落にならないって!!」
 目の前には2車線占領できるサイズのふくらはぎ。背後にはばっくり開かれたクロッチ。壮大な美脚の城塞は、僕を取り囲んで逃がさない。

 その、途方もない迫力と言ったら。