(以前依頼されていたSkeb作品です。こちらでの公開を忘れておりました。
同時に投稿した別作品ともどもご覧いただけたら幸いです)


 §
 陽の差し込む教室。
 
 絵に描いたような高校生活を謳歌する、凡庸で愛すべき一幕。
 沸き立つ声は若い生命力に磨かれて、かしましいほどだった。

 とはいえその活気が、生徒全員の心性を反映したものとは限らず。

 ……得てして陽春は、暗いところから胚胎する。

 例えば、教室の隅。
 本に目を落とす、控えめな少女。
 地味な文学少女と、その天敵の間から。

「……きゃっ?!」
 豊かな三つ編みがビクッと揺れる。不意に本を取りあげられ、目を白黒する文学少女。集中のあまり、群がる少女らに気づきもしなかったらしい。その様を、クラスメイトらはクスクス笑うだけ。
「な、なんですか……?」
 自分を囲む女子たちに、眼鏡越しの上目遣いで言う娘。しめて4人、いかにも華やかな女子高生たち。金に茶に黒にベージュの髪色も、着崩したセーラー服も、その地位をアイコニックに示している。
 そんなもの、控えめな少女にとっては侵略的外来種に等しい。

「なにも~? ただ雨坂さん、ずっと本読んでるからさ、ちょっと気になって」
「何読んでんのさ。地下室の……? ……は。なにこれ。つまんな」
 吐き捨てるように言う、薄笑いの娘たち。視線の集まる先で、重い黒髪の地味っ娘は当惑するばかりだ。4人とは対照的な雰囲気。内向的で眼鏡にゆったりとした三つ編みは文化的だが、少々女子高生としては大人びすぎている。ゆったりしたカーディガンもそれに拍車をかけた。高い身長を少し丸めた姿は、華やかな少女らの目には陰キャそのもの。
 一言で言って、低俗な優越感には持ってこいの存在だった。
 
「雨坂さん暗いからさ、明るくしてあげようって」
「スカート長すぎない? 少しは脚見せたら?」
「てかアドバイスしてあげるとか、ウチら優しくない?」
 男子らの無遠慮な視線に晒そうと、長いスカートを引っ張る女子たち。この一年、時折行われる茶々ももはや日常だった。華やかで陰湿な魔手。無個性な花々についばまれ、おどおど娘は抗うすべを知らない。

「その眼鏡やめなよ。似合ってないよ? ジョシコーセーなんだからさ、コンタクトつけて顔見せちゃえ☆」
「あ、やめ、返して……!」
「ほら、髪も上げてさ♪」
 そう言って、メカクレ気味の前髪をさっと上げる金髪娘。
 その手の下から現れたのは、存外に整った目鼻立ちで。
「……なんですか? ちょっと、やめ……」
 憂いを帯びた、大きな琥珀色の目、大人びた顔立ち。陰気に見えた雰囲気が、どこかその表情に陰影を与えて、一言でいうなら美人だ。

 それだけじゃない。腕を伸ばせば、猫背で目立たなかった豊満な胸元。カーディガン越しでも主張するそのボリュームは、華やかな4人組と比べても明らかに大きい。というより、巨乳の域に達している。
 
 普段の猫背とダボっとした服装で目立たないその肉付き。それが男子の下世話な話題に供されることもあり。
 あるいは女子らの優越感に不快なノイズを与えもする。

 4人烏は一様に思う。
 もったいない。
 せっかく恵まれた容姿をしているのに。
 ムカつく。癪に障る。

「……」
 汚れたとでも言わんばかりに手を拭きつつ、予想外の結果に面食らう。持って生まれたものへの嫉妬、そんなもの、下位の人間に対して認められるはずがない。無意識に復讐心が燻り始める。いや、恵まれているからこそ、それを踏みつけることに快楽を覚えるという向きもあった。

 しばらく娘らが、眼鏡を返すことはなかった。


 ⁂
 実のところ雨坂雫にとり、煌びやかな同級生の嫌がらせは、不愉快ではあってもそれ以上のものではなかった。

 頻度、行為、程度。なるほど、4人の“ちょっかい”は、陰湿すぎる、という域ではない。
 もちろん、不快に思わせた時点で問題ではある。第一4人の意識には、明確な悪意があった。

 とはいえ彼女の自己評価は低く、こうなるのも自然な運びとさえ思っていたのだ。彼女の自己認識は日陰者であり、そう思っているからこそ態度と容姿がそれに寄る。彼女は半ばそれを許容していた。こうなるものだろうと、どこか達観さえしていたくらいだ。

 だがそれに反し彼女は、根っからの日陰者という訳ではない。

(……なんで、明るさにこだわるんだろう?)
 図書室の一角、窓に映ったおのが姿を見て思う。
 確かにそれは、客観的に見て暗めであるには違いない。
 目を覆う長く重たい髪、服装に表情、明るいというには無理がある。
 一方でその陰が、陽キャたちに照らされてできたものでないのも確かだったのだ。
(第一、何のどこが明るいのかしら)
 クラスメイトが煌びやかだから、雨坂が暗いのではない。直截に言えば彼女は、その手の価値尺度からズレているのだった。彼女はそれ自体で独特の重みを持っており、外界への懸隔は広く深く、そもそも彼女は感性的なものに価値を全く置いていない。

 その証拠に、彼女は何をされたか覚えていない。
 驚くべきことに、虐待者の名前すら記憶してはいなかった。
 怯えはしても傷つきはしない。知らず、見ず、動じない。
 彼女は“虐げられた人々”ではなく、端的に言って異邦人であった。

 それが火種でもある。ある種超然とした態度、浮世離れした価値観が、カースト上位の神経を逆撫でしていることを彼女は知らない。権威は異なる価値観が厭わしい。第一彼女が陰気なだけだったら、軽薄な少女の目にはそもそも留まらなかっただろう。序列の下位にいるからではなく外部にいるから、彼女は少女らの征服欲を掻き立てた。

 そんな、愚かな思想弾圧に巻き込まれているとも知らず。
 少女は図書室の一角、本に目を落とす。

 豊かなのは、文学の世界だけだ。

「…………」
 隠れた美貌を長い前髪で隠し、本の間の静謐に住まう図書委員。豊満な体をカーディガンと長スカートで隠し、陰樹に擬態しようしているようにさえ見える。ずっしりとした沈黙は、彼女をよく表していた。そしてそれ以上に本は深く重い。“あまりに意識しすぎるというのは、病なのである”。そう言えるほど切り詰めた自己意識を持っていない。彼女はある意味、文学よりは健全であるかもしれない。

 頁を行きつ戻りつ、鬱蒼と広がる思考の数々。
 それが不愉快な感覚に中断されたとき。
 雨坂は、深い茶色の瞳を上げた。

 ああ、またこれか。
 鬱陶しい。

 周囲に並ぶ四羽烏。

 それが浮薄な笑みを浮かべ、居並んでいた。
「……と、図書室では。静かにしてください」
「誰もいないじゃん」
「いやいやわかってあげなよ」
「雨坂さん図書委員だもんね? で?」
「で、って……」
 内心理解に苦しみながら、染みついた小動物的振る舞いはやめられない。彼女らはそれに満足したようだった。
「よ、用がないなら、出てってください……」
「あ、ほら、すーぐ本読もうとするんだから~」
 そう言って、半ば強引に本を引っ張る娘。だが雨坂が、離すまいとするとは思わなかったらしい。

 鋭く走る、音。紙の悲鳴。

 奥深い世界が、薄っぺらいナイフで引き裂かれた気がした。

「なんてこと……!」
 さしもの彼女も許せなかった。
 何かがこみ上げてくる。不穏で異質な、彼女の語彙にない感覚だった。

「……ほら、雨坂さん自信ないじゃん? 女子高生なんだから本よりもっとすべきことあるでしょ~?」
  ただならぬものを感じて、却って少女らはヘラヘラと笑って見せる。片や陰ある少女は、それを重く見据えた。
「じゃ、じゃあ……」
 いまいち理解の足りない娘らの言葉。それを素直に受け止めて、雨坂がぽつりと漏らしたのは、
「私が自信持てるよう、手伝って、くれ、ます、か……?」
 そんな一言。
 予想外の一言に、顔を見合わせる雌猫たち。一様に面倒そうな表情を浮かべている。だが、あるいは何か興の乗るものがあるかもしれない。イジってやってもいいし、たまにはプロデュースというのも悪くない。とびきり似合わない服を着せてやるのも一興。何よりこんな口約束がなんだというのか。

「もちろん?」
「うちら優しーし?」
「わかりました。じゃあ……」
 そう言って、カーディガンのポケットからなにやら取り出すと。

「よろしく、お願いします」
 それを、思いっきり少女に吹きかけたのだ。

「きゃっ?!」
 尋常でない物なのは見て明らか。毒かと息を止めるけれど、不意を突かれた少女は既に煙の中だ。
 奇妙な白煙から悲鳴が漏れる。
 それもすぐ小さくしぼめば、雲は霧散して。
「……あ、あれ?」
 少女の影が、ない。消えている。代わりにあるのは、足元、小さな何かで……。

「……本当にこれ、効くんですね」
 足元に転がった、小さな小さな人形。突如訪れた奇怪な光景に動転し、あたりを転げまわってから、こちらを見上げる。そして、立ちそびえる4人もの巨人に恐慌を来たしては、それが“親友”であることにも気づかず走り回るのだった。

 そんな惨めな小人を、地響きが襲う。
「な、なにこれ……」
「縮小剤?!」
「なんで持ってんのよ?!」
「この犯罪者っ……!」
 お仲間同様パニックに陥った少女たち。それが一斉に後ずさりしては地響きを起こし、足元の友人の足を掬う。

 だが、横殴りにスプレーを吹きかけると3人は既に半分サイズにまで縮められていた。

「わ、私だって、あ、飽き飽きしてましたし……」
 そして陰気少女は、なお逃げようとする一人の背中にスプレーを吹きかけ。
「あなたたちばかり楽しんで、ふ、不公平です」
 黒髪娘を摘まみ上げ、直接噴霧すると。
「このくらい、許されますよね?」
 最後に、亜麻色の娘を、ゆっくり、ゆっくりと追いかける。
 
 しゃがみ込み、自身の巨躯で覆いかぶさるように顔を覗き込む文学少女。巨乳で見下ろすような、制圧の体勢だ。野暮ったくも見えた姿は、もはや巨獣。暗い雰囲気が、さらに恐怖を掻き立てた。
「あ、それと、これは、もらいました。親戚に。お守りだからって。なぜかはわかりませんでしたけど……」
 誰も本気でそんなことを気にしている訳ではない。律儀に答えて、おびえる80㎝の矮躯に、スプレーを突きつけると。

「役に、立ちましたね」
 容赦なく、それを吹き付けた。

 静謐を取り戻した図書室、しばらく、荒く息を繰り返す眼鏡っ娘。
 義務的に、落ちたごみを拾う手つきで、4人を拾い上げる。
 手の中で少女が蠢く、非現実的な光景を嫌悪感とも優越感ともつかない顔で見下ろしながら、きつく握りしめ。

 チャイムが鳴った時。

「あっ……」
 我に返る。
 狼狽したように後ずさりすると、一転。
 手の中の物を、カーディガンのポケットに突っ込んで。

 そのまま、小走りで家路を急いでいった。


 §
 夕陽の差し込む図書室。

 変わらず静謐な本の森に、外の喧騒が。漏れ伝わってくる。

 そしてドアが開けば、吹き込むのは外界の落ち着かない雰囲気だった。

「雨坂さん? ……ああ、いた。これ、棚に戻しておいて」
 その声に、ようやく雨坂も本と髪の奥から目を上げる。司書の教諭らしい。
「あ、はい……」
「それと……。最近不穏だし、あまり遅くならないでね? ……まだ、見つかってないんだから」
「わかりました……」
 ボソボソとした控えめな声を聞けば、司書も生徒の不安に胸を痛める。
 目前の少女の、いかにも気弱な生徒。彼女にしても、その平穏を搔き乱されるのは好むまい。同じ本の世界に生きる者同士、どこか自分と重ねる面もあった。

 その教諭は、善良だった。
 だから、思いもしない。
 その太ももの間、スカートの中。

 4人の雌小人が、囚われていることなど。

「早く、見つかるといいですね」
 その視線に気づかないふりをして雨坂は、一言だけ、そう言った。

 ──あの日。
 変調が始まったのは、あの日。
 逃げるように家へ駆けこんでからのことだった。

 セーラー服のままベッドに横たわって、珍しくぐったりした様子の雨坂。

 慣れない動揺に、しばらく考え込む。頭を整理したい。だが犯した行為は、彼女の規律意識に照らして許されるものではない。それを受け入れるのが、怖かった。

 ようやくポケットの中身を取り出したのは、日が暮れてからだ。
(……死んでは、ない、かな)
 巨人の歩行に巻き込まれ、疲弊した様子の4人の小娘。
 夢じゃない。嘘じゃない。
 机にそれを並べ、処遇に迷う。対する小人たちは、わらわらと立ち上がると、陰キャ少女の重々しい巨躯に怯え、それから虚勢を張り始めた。だが、15㎝、10分の1。キャンキャン叫ぶ小汚い怒声は、蚊の羽音程度のものだ。

「……何言ってるんだろ」
 どんな声も届かない。別の世界を持った少女に、薄っぺらい抗議は届かない。女子高生らもようやく、自分たちが対峙していた不快感、奇異さの正体を掴みかける。この巨人、自分たちを見ていない。視線が貫通している。どこか遠くを見ている。自分など、まるで気にしていない。

 それを受け止める深さなど、彼女らにはなかった。

「こ、こんな体にして……!」
「早く元に戻しなさいよ!!」
「絶対警察突き出してやる……!」
 その声を、聞いているのかいないのか。地平線からそびえたつ眼鏡巨乳娘は、ぼそりと。
「……虫みたい」
 思わず本心を、漏らしてしまう。
 
 一斉に憤慨する少女たち。

 それを、押し潰したのは巨大な指だ。

「……すごい声。本当に、虫みたい。これだけで、死にそうになるんだ……」
 自分の指に完全に隠れた少女の姿。それを敏感な指先で感じて、自分の大きさを実感する。3人も怯えたのか、目前に現れた重戦車のような細指に近づけない。
「私、指載せてるだけなんだけど。……自分たちで助けてあげたらどうですか? ……できないんですか?」
 怒声がぴたりと止まる、小人が戸惑う、それから、恐る恐る指に群がってきた。けれど仲間は完全に指の陰に隠れ、指一本見えない。

 その様を、雨坂もくすりと笑う。
「……?! わ、笑ったわね?!」
「雨坂のくせに……」

 けれど次の瞬間。

 “ドンッッ!!”と。
 爆発が、彼女らの近くで炸裂した。

 それは、少女の拳。

 気弱な少女の、握りこぶしだった。

「な、なによ、脅す気?!」
「あんた犯罪者なのよ!?」
「だから、早く指離しなさいよ!!!」
 が、それに応える声はない。
 代わって響いたのは、スプレーの噴射音で。

「うるさいですよ」

 縮めてしまったなら、仕方ない。

 1㎝の虫たちに雨坂は、莞爾として微笑んだ。


 ──かくして、新たなオモチャを手に入れた少女は。
 新たな日々に、歩みを進めつつあった。
 
「もう、いいかな……」
 しばらく辺りを見回し、眼鏡をはずす。それから、スカートをめくり上げれば。

 隠されていたのは、恐ろしくぶっとくムチムチの太もも。薄いストッキングでコーティングされた極太おみ脚が、どっぷりと座面に広がっていて。

 1㎝の娘などまとめて吹き飛ばす、存在感を放っていた。
 
『……生きてます? もしかして、私の太ももで瀕死とか、ないですよね?』
 無言の粒に、地味娘もこれが木目なのではと訝しむ。目を凝らさないと見えない少女と、視界に収まりきらないタイツ太もも、その対比は強烈だった。点にしか見えないクラスメイトに対し、褐色極太の太ももは段差も起伏も全てをさらけ出している。克明な肉感はもう、生々しいくらいだった。

 当然、そこから放射される熱と香りは、猛烈で。
 陰鬱女子高生のフェロモンにあてられ、ぐったりと横たわる少女たち。
 それがしばらくして、一斉に動き始める。雨坂には、意思を持ってそれが動いているのが不思議で、かつ何か倒錯的な感覚を掻き立てた。4人もの命が、自分の脚の間に閉ざされているのだ。自分のぶっといタイツ太ももが、危険なものに思えてくる。陰キャ娘のむちむちタイツ美脚。特有の褐色光沢をまとったそれは、彼女らの全体重の数万倍。生ける山も同然だった。

「こ、こんなところに、閉じ込め、て……っ!」
「早く、出しなさい、よっ!」
「雨坂のくせに……!」
 スカートの中で叫ぶクラスの花形たち。陰キャ女子の股間などに隠されて、彼女らの自尊心が耐えられようはずもない。
 おまけに、目の前にはむっちりとしたタイツの下半身。自重で圧し潰れた太ももの肉感と、“むんわあぁッ♡”と漂うじっとりとした少女の香りは、同性にとっても淫猥だった。100倍お股から発散される、無意識な熱と香り。否応なく吸わされる蒸れフェロモンに倒錯し、ようやく外気を吸わされて。今抗議しなければ、彼女らの矜持が崩れ去ってしまう。

 だが陰気少女は、クスリとそれを笑うと、

『あは。いやでーす』
 “どっぱんっ!!”と、極太太ももで挟み潰してしまうのだ。
 横倒しのビルのようなむっちり太もも、その絶対的質量を前にすれば少女らなど蟻も同じだった。 雪崩に巻き込まれたように一瞬で肉感の中に消える高飛車な少女たち。繊維に同級生を絡めた美脚が激突する。
 そして、もう片方の肉津波とぶつかると、“ぶるるんッ♡”と物量に任せバウンドするのだ。

 次いで、むにむにと。運動に縁遠い太ももが、柔らかさに任せて密着しあう。
 ぶっといボリュームに、小人が敵うはずもない。

 股を開けば、タイツ肌に張り付いている虫たち。すました顔をして、雨坂は呟く。
『……どうですか。どうせもう元には戻れませんし、諦めたほうがいいんじゃないですか』
 今すぐ丸太のような太ももでぶっ潰したい。この哀れに張り付く異物を、自分の肌で磨り潰したい。そんな仄暗い欲求を抑えながら、つとめて淡々と言葉を落とす。
『目の前にあるもの、わかりますか。下着が透けてるからわかると思いますけど。そこに、キスしたら出してあげてもいいですよ。香りまみれになりながら、私の股間に媚びてください。……まあ、届かないかもしれませんが』
 感情を抑えた声で言う、陰キャ女子。一瞬遅れて、抗議の声が吹き上がった。

(すごい……。まだ抵抗するんだ……)
 不思議なものを見つめるように、ジッと1㎝少女を見下ろす文学娘。
 これほど体格差があるのに、どうして歯向かえるのか。それが雨坂には理解できなかった。それらがクラスメイトだなど、とうに忘れている。監禁していることすら念頭にない。ただ、胸にくゆる甘い刺激は、無視しがたいものがあった。

『すこし、躾けた方がいいのかな……』
 ひとりごち、虫たちを一掴みにしてしまう。手の中で蠢くそれをギュッと握りしめれば、しばらくは逃げられない。広大な手のひらに命が4つ、自分がますます大きく見えて、何か、よからぬ想念が立ち上る。
 そう。もっといいことがある。
 雨坂は、汗滲む手で豆粒を机に並べ。
 カーディガンを脱ぎ、ボタンに手をかければ。
 
『…………』
 “バツッ!!”と、弾け飛ぶように開くシャツ。それでもはちきれんばかりに膨らむ乳房が、色白の谷間を垣間見せる。一つ、二つとボタンを解くたびに、隠れ巨乳が本性を現した。そして、すっかり制服をはだけてしまうと。

「な、何、これ……」
 現れたのは、物々しいまでに巨大な爆乳。手のひらでは到底つかみきれないサイズは、舌から見上げればガスタンクさえ凌駕していた。ドデカい怪物が、身を解放されゆさゆさと揺れている。もう“おっぱい”という響きが似合うほど可愛らしいものではない。凶悪なまでに豊満な乳タンク、大質量破壊兵器だった。
 どぎついのは下着も同じ。恐ろしく豊満な巨乳を支えんと、限界まで張りつめたブラジャー。肩紐もバンドも極太のそれは、どんぶりサイズとしか言いようがない。あまりのエロさとデカさで、下品なくらいだ。

 無論、それで終わるはずもない。
『吹き飛ばされないでくださいね』
 自慢のデカ乳を見せつけるように、前かがみになる爆乳陰キャ娘。破壊的な音ともにホックを外し、“どさっ♡”と超重量を解き放つ。音の聞こえてくるほど重々しいその光景。そして乳房に張り付くブラを外し、“ばるるんっ♡♡”とHカップ生おっぱいを晒してしまうのだ。
「な、何するつもり……?!」
 呆然と頭上を見上げる少女たち。それに影を落とす乳房は、血管の透けるほど白く透き通って生々しい。文学少女の真っ白豊満バスト、上位1%以下の少女にのみ許された乳鈍器が、乳首も乳輪もあらわにしている。
 そんなもの、学校の一角に現すには、その造形はインモラルに過ぎた。2㎏に迫る重量にもかかわらず、若々しいハリは垂れることを許さない。花形少女らに目もくれず、上を向き南半球を見せつけるばかりだ。

 思わず見とれるほどの存在感とエロさ。
 続いて少女らを襲ったのは、脱ぎたて黒巨大ブラジャーだった。
「「「「きゃあっ?!」」」」
 雨坂にすれば、ぱさっと下着を放っただけのこと。だが100倍ともなれば、気球が墜落したも同じ。少女の前、可愛らしからぬボリュームのブラカップがごろんごろんと揺れ転がる。乳汗をしっかり吸ったそれが、甘く蒸れた香りを発散しそびえ立った。その真っ黒な影の向こう、上裸の少女は、にっこり笑って。
『入れてあげてもいいですよ。そうしたら持ち帰ってあげますから』
 そんなことを、のたまったのだ。
「は、入る?!」
「バカ言わないで……!」
「そんなこと、できるわけ……」
 口々に叫ぶ3人、一人、敏い茶髪娘だけは既に逃走を図っていた。金髪娘も、反射的にそれに追随する。
 逃げられるはずもないのに。
『あは。逃げられると思ったんですか?』
 人目を隠すようにそびえる本の山、逃げられる道理がなかった。すぐさま行き場をなくすと、巨女の指先に摘まみ上げられてしまう。
 あとは餌をやるように、20mものブラへとそれを食べさせられるだけだ。

 指先に摘ままれ、眼下に広がるフェロモンの火口。濛々と沸き立つ乳群れが、二人の体を蒸し上げる。雨坂の香水のような甘いを、さらに甘く濃厚にした生おっぱいの香り。
 そこへ、ぽとり、ぽとりと。
 どんぶりブラジャーへ、一人ずつ落とされれてしまうのだ。
「「──ギャッ?!」」
 もはやバウンドすることもなく、ブラカップにべったり張り付けられてしまう虫たち。爆乳専用の布製蟻地獄に堕とされれば、彼女らに逃げ場などなかった。巨大パラボラアンテナより大きく深く、3階建ての豪邸さえすっぽり収め切ってしまえる特大ブラジャー。そこから這い上がろうにも、爆乳の輪郭を残したブラは大きく湾曲し、とてもじゃないが登れるものではない。
 おまけにどんぶりブラカップからは、爆乳女子高生の乳アロマが“むんわあぁッ♡”と立ち込める。それはついさっきまで陰キャ爆乳に張り付いていた布地、バケモノおっぱい専用の格納器。その地表からは、猛烈な湿度と熱気が立ち上っていた。
 濃厚なフェロモンは、小人の体に淫猥な瘴気同然。発情乳首に密着していた場所は、母乳交じりの汗染みが丸く出来ている始末。一日中じっとりとした興奮で熟成したブラ監獄。そんなもの、地獄の釜そのものだった。
 
 へなへなと力が抜け、かつ粒虫の色欲に脳を焼かれる少女たち。
 乳首型に凹んだ汗染みにへたり込み、巨女体液にまみれていく、そんな彼女たちを。

 巨大な影が、覆い尽くした。

(……まあ、潰れないよね)
 見上げれば、覆い被さる地味っ娘女子高生の爆乳たち。一つでさえ“どっぷんっ♡“と重々しく揺れる生おっぱいが2つ、ばるんばるん揺れて上空を埋め尽くしている。隠れ美少女のデカ乳は、マシュマロのように白く柔らかそうで、かつぎっちり乳腺が詰まり怪物的。それが、ボリュームに任せずっしり吊り下がっているのだ。100万倍スケールのHカップが、生乳首でこちらを見下ろし落ちてくる。まるで、月が降ってきたような光景だった。

「う、噓でしょ……?! やだ、やめて、やめてぇッ!!!」
 自分が3万人集まったってこの乳房には敵わないのだ。米粒に大玉スイカを支えさせるようなもの。香りだけで発情さえ理性をなぶり殺しにするデカ乳が、今まさに自分へと襲い掛かっている。世紀末的な光景に、微生物の本能が絶叫した。

『はは、すっごく叫んでる。このおっぱいから、生き延びられたら褒めてあげますよー』
 ずっしり重くぶら下がる長乳たち。
  “ぶるるんっ♡”と重々しく揺れ、生々しく色気を撒き散らす100倍爆乳。
 控えめに秘められてきたそれは、暴力的なデカさを隠しもしない。マシュマロ色の3000トンおっぱいが2匹、恐怖掻き立てる速度で下降し……。

 “どっぷんッッ♡♡”、と。

 小さな命に、のしかかったのだ。

「「いや、いやああああッ!!!!」」
 二つの金切り声を、“ずぷんっ♡”と封じてしまう3000トン爆乳。規格外のデカブツがどんぶりブラジャーにがっぽりとハメ込まれ、隙間さえ許さずどこまでも溢れ出す。
 ついで全質量をブラカップに安らえれると、乳首さえ潰すほどに爆乳がのしかかった。
 必死に押し返そうとしていたピンクのバケモノが、抵抗を嘲笑うように小人を押し倒し、圧し潰し、そして蹂躙したのだ。

 もう悲鳴すら、爆乳は許さない。

(中で、藻掻いてる……♡ 乳首に、抗ってる……♡♡)
 おっぱいの先端なんかで命を弄ぶ、しかも、その痕跡を完全に隠して。そんな刺激に耐性などあるはずもなかった。ビリビリと背筋を駆け巡る背徳感が、もっと、もっと潰せとささやいてくる。
『じゃあ、持ち上げちゃいますねー』
 そのままホックを付ければ、爆乳も“ぎゅうぅ……ッ♡”と締め付けられる3Lおっぱい。同時にめりめりと乳肉が小人に密着し四肢の間を埋め、完全に拘束下へと置いていった。

 拷問具と化した母性の象徴。陰キャ女子の乳房は、生きた煉獄だ。

『ふぅ……』
 自身のデカブツを撫でるデカ娘。すっかり静かになってしまった虫たちが、この中に秘められている。あの残忍な雌豹たちが、自分の乳首に屈服するだなんて。
 それでも、微かに感じるのは、傲慢少女らの命の絶叫。


(……これ、抵抗じゃ、ない?)
 そうか。
 あの子達、私の乳首なんかに泣き叫ばされてるんだ。
 屈服して、なんとか生きようと藻掻いてるだけ。乳首型の汗ジミでぐっちょり濡れて、乳首のキメから酸素を貪って、乳首のなかにめり込んでるんだ。

 想像してしまう。
 爆乳用ブラの中。セクシーな刺繍の、奥底。そこにはぷっくりと丸い乳首が豆粒を圧し潰す、頽廃の狂宴が広がっているはず。
 “どくんっ……どくんっ……♡“とした鼓動が重々しく乳全体を揺らす。それだけで乳首は突き上げるように小人たちに身を叩き込み、巨女フェロモンを染み付かせていくのだ。それは呼吸も同じ。息を吸うたび“ギチチチッ♡“とブラが張り詰めて、乳肉の中に体が消えていく。

 私、巨人になったんだ。
 この子たちの、巨大女神になっちゃったんだ。

 その実感に、身は疼いて。
 “ぷくぅ……ッ♡”と、蕾が膨らんでしまった。
「「~~~~~~ッ?!!!」」
 それだけで同時に炸裂したのは小虫少女らの絶叫。
 ただでさえ超乳圧と鼓動で瀕死なのに、勃起乳首のハリなど耐えられるはずもない。
 なんとか直撃から逃れようと、乳首の上を這い上る2人。かえって刺激にデカブツの快楽を呼び覚ましてしまい、もろともガスタンクおっぱいに押し潰される。
 陰キャ爆乳の2つのピンク乳首に、なぶられていくクラスの花形女子2粒。陽キャ女子も今や地味娘の巨乳首専用バイブだ。

 その声を聞かせるように、残りの二人の前に見せつけると。

「こうなりたくなかったら……、ね?」
 雨坂は、大きく机にまたがり、“ドンッ!!”と。
 タイツお股を、米粒の眼前にたたきつけたのだった。


 §
 窓外がふと翳り、俄かに風も吹き出した。
 舞い散るプリント類に生徒らも慌て、窓を閉めるもなお騒々しい。
 
 実際、誰も心穏やかではいられなかった。

 あの失踪からはや半月。
 それが、事件性を帯びているのは明らかだったのだから。クラスの中心を自任していた女子達が、まとめて消えれば穴は隠しようもなかった。生徒らは悲しんで見せ、憤って見せ、けれど何か変わるでもない。大仰に自分の無力を嘆く近しい女子ら。それが特段友人のためというではないのを誰もが知っている。大きな事件は、未熟な精神に陶酔を与えるにはうってつけ。同時に、それに白々としたコメントをさしはさむ余地も、やはり残ってはいない。
 
 一方、その陰、教室の後ろの方。
 内向的な少女の表情が、少し明るくなったのをクラスの数名は気付いていた。もったいない野暮ったさが薄らいだ。そして、憐憫の眼差しをもて彼女を見る。良くも悪くも、抑圧は去った。学友の失踪に彼女が安堵するのは、非難できることではない。

 その視線を浴びながら。
 ハードカバーの広げられた、机の下。
 閉じて並べられた膝、太もものラインが浮き出た、ロングスカートの中。

 ぶっといタイツ太ももは、今日20回目の美脚プレスを行っていた。

「だ、出し……~~~~っ!!」
「ッ……♡ 頭、おかしく……」
「いや、いやああッ♡♡♡」
「あっ?! ~~~~~っ♡♡♡」
 ビルサイズのタイツ太もも。トンネルより太い肉腿が、倒錯的な光沢を帯びて二棟。横倒
しになってぴっとり閉じ合わさり。真一文字にせめぎ合ったそれに、隙間など一ミリもない。時折すりすりと身を擦り寄せるその間に、ぎっちり挟み潰されて。
 4人の少女がタイツ太肉で極限まで甘締めされ、問答無用で小虫快楽に堕とされていたのだ。

『……………………♡』
 蠢くことも出来ない同級生が、自分の太ももを懸命に押し返そうとする。中で感じる反発と、繊維越しに入り込んだ指の撫でる感触。それだけでじっとり下半身が熱を帯び始め、更に内股に汗を滲ませていた。

 教室の片隅で、出席2番の少女が密かに視線を走らせる。
 それから脚の力を緩めて。

 ぶっとい太ももを、“どぱぁ……♡”と溢れ出させた。
「「「「きゃっ!!?」」」」
 極太蒸れタイツ、その表面に張り付く小人たちが、ポロポロと落ちていく。
 へたり込み、咳き込み、ビクビクと快感に震えている虫粒たち。その背景では、どっしりとした太もも山脈が広がっていて。艶消しラバーのような透け光沢で、少女らに仄暗い闇を放っていた。

 そんな少女らの頭上、スカートの天蓋がたわむ。
『…………』
 そして布越しに、指が股間をトントンと指し示した。
 曰く、奉仕しろと。

 冗談じゃないとわめきたてる声を遮ったのは、チャイムの音だった。
「う、うそでしょ……?」
「こんな、ものに、私たちで……?」
 だが、何を言っても無駄。
 さらに、50分間。
 絶対に、出してもらえることはない。

(叫んでる……♡ 悲鳴、聞こえて…………だめッ♡)
 自分の脚の間で沸き立つ声に疼き、思わずばむっと太ももを閉じる雨坂。
 もはやその倒錯に、なんの疑問も抱くことはなかった。

 それが、二週間だ。

 二週間、14日もの日々、毎日毎日感じ与えた、絶望遊戯。
 その行為を復讐だと、雨坂自身誤認していた。太ももで絞り出す悲鳴と快感に、どうしようもなく何かが疼くからだ。だがかつての“ちょっかい”は火種ではなく、炎を大きくする風程度のもの。文学で培った想像力は、“こういうとき人は復讐するだろう”というこじれた洞察を雨坂に与えた。
 
 結局、すべての火種は雨坂自身の性向で。

(もっと、もっと、見て、この、“それ”…………♡)
 タイツで武装した、太ももと股間をそびえさせ。
 ただ陰気美少女の女体は、痴肉を小人たちに見せつける。
 小虫の視界を思いじっとりと湿度を上げていき。

 それが余計に、スカート痴獄をエロくした。

 華やか少女らは今や、地味巨乳女子の虫奴隷だ。
『命令、聞けないんですか? 良いんですか? 今度は本気で、潰しますよ……?』
 ストッキングにはち切れんばかりに詰まった肉腿たち。裏腿の肉はどっぷり潰れて溢れ出し、二段重ねのお肉が世界を淫らに塗り替える。そこから湧き立つ、仄暗く濃厚なアロマ。こもった体熱とエロい蒸香が、タイツ監獄からむわぁっと発散され、スカート内に満ちていく。むちむち陰キャの香りは妖艶で、かつ淫猥だった。暗がりに咲いた、肉厚の花弁を持つ花の香。
 それは、耐えようもない色香で。
 
 しばらく座面にうずくまり、香りを吸うまいと、何も見まいと、どこにいるか忘れようとする“クラスの中心”。それが濃厚な陰キャフェロモンで洗脳され、肉体美から逃げられなくなっていく。どんなに強がったところで、太ももの間に閉じ込められてしまえば抵抗など不可能。タイツ美脚から逃げられるはずがない。脚の間は監獄。

 できることなど、一つしかない。

(きた……!)
 不意に、股間に走る微細な感触。
 股間表面に意識を張り巡らせ、8つの手のひらが、美股を這っていくのがわかる。控えめに、けれどわらわらと群がる少女たち。1センチの下僕たちが、タイツ巨股に堕ちていく。目前にそびえる、高さ10m以上のダイヤマチ。腿の付け根にむっちり膨らむ淫猥な空間。
 そこへ、全身を擦り付けるのだ。
 一人はプライドが許さず、太ももにしがみついて狂おしく理性を保とうとしていた。一人は自ら巨女お股を這いずり登り、全身でタイツ越しに巨女性器に奉仕する。
 あの誇り高い女子高生達が自ら性玩具へと堕ち、望んで陰キャへと屈服していく感触。
 そんなもの、気持ちよくないはずがない。

(きた、くる、きちゃう……っ♡)
 今すぐ、股間に押し付けたい。4人まとめて陰部に乗せ、怪物まんこをこじ開けたい。クリに全員乗せて、奉仕させるのもいい。そしてそのまま、手で揉みこんで、指でグチュグチュにかき回して、子宮に閉じ込められる恐怖で何度もイク。それから胸に乗せれば、きっと自らそのデカブツに屈するはず。そして、そして、そして…………。

 もう、何も耳には入らなかった。

 豆娘たち待望のチャイムが鳴っても。

 教師が、彼女に声を掛けたって。

「……さん。雨坂さん?」
「は、はいぃっ!?」
 ビクッと体を震わせて、反射的に“ぎゅうぅッ♡”と太ももを閉じ合わせる雨坂。一挙に弾ける小虫の快感に、その巨躯が反応を止められない。
「雨坂さんの番ですよ。ほら、警察の聞き込みの……、大丈夫? 一人で行けますか?」
 陰気美少女が僅かに身を震わせる、その様は哀れに見えるほどだった。眼鏡越しにその目は揺れて、僅かに潤んでいる。
 まさかそれが、性感のせいだなどとは思いもしない。

「だ、大丈夫です……。今、行きます……」
 擬態は、お手の物だった。
 ものおじした表情で教師を見上げる様は、恵まれた肉体さえ隠すほど。
 彼女は完璧に、ただの気弱なメカクレ少女。

 気づかわしげな教師の前でも。

 警察と教師の前に、腰かけた時も。
 
「……そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。ただお話を聞くだけなので」
「はい……。で、あ、あの、何を話せば……?」
 警察との問答。おどおどと、当惑したように話す少女。眼鏡越しの上目遣いは哀れな弱者のそれでしかない。太く艶やかな三つ編みを撫で、まるで自分にすがるかのようだ。

 疑う道理などなかった。
 静謐な応接室、ボソボソとした話し声と、時計の音が嫌に耳について。
「……はい、図書室で会って……。人を探してるみたいで……。行先……? い、いえ、そこまでは…………」
 それら以外、何も聞こえない。

 神隠しに遭った少女らの声が届くのは、ひとり陰キャ娘の耳だけだ。
「出、して…………っ!」
「け、警察よね?! ぐッ、こ、ここにいるの!!」
「今なら何も話さないから、帰して、帰してえぇっ!!」
「やだやだやだ、もうやだぁ!!」
 沸き立つ声は、少女の股間から、胸元から。道中、密かに女体にねじ込まれた少女たち。とっさに谷間とタイツの中へ隠したものだから、一人はデカ乳たちに巨体で挟まれ、一人は乳首の上に引っかかって乳輪にめり込んでいる。そして残りはタイツとショーツでサンドされ、バキュームベッドのようにボディラインを下着に浮き上がらせるだけだった。

『ええ……。あ、はい……。図書室で』
 前髪の下、じっとりと頬を火照らせながら応答する雨坂。そして大胆にも、机の陰ですすすとスカートをたくし上げるのだ。ロングスカートはもはや、生々しい太ももの肉付きを隠さない。僅かに光の差す緊縛。タイツ自分の中から外界を見せつけて、わずかな希望を与えてやる。繊維越しに見える日常に、オモチャたちは焦がれた。わざととスカートをまくり上げ、救済者の姿を見せつける。

 俄かに、体表面で刺激が騒がしくなった。

「た、す、け…………っ!」
 友人や教師、警察が自分たちを探している。巨大な声に聴力を奪われながらも、虫たちは僅かな希望に敏感だった。ブラの中、乳房の中、必死にもがき始める4匹のオモチャたち。

 その刺激が、何より彼女を興奮させて。

 “どっぷんッ♡♡”と、脚を閉じ合わせるのだ。

『た、たしかにそんなことはありましたが……。はい、私にも、落ち度はありましたし……』
 ため息を吐くふりをして、大きく息を吸ってみせる雨坂。
 そして胸が膨らめば。
 “ぎゅっちいぃ~~……ッ♡♡”と。
 ギチギチに張りつめる陰キャ爆乳。両サイドから乳壁が押し寄せ、ガスタンクおっぱいが膨張する。その巨乳圧は拷問的だった。自分の呼吸だけで2人同時に嬌声と悲鳴が響き渡る。身を縮めるように腕でバストを圧し合わせれば、直接オモチャたちが圧迫され抵抗も一層激しくなった。
 そして、徐々に刺激が弱くなり。
 一瞬の沈黙の後。
 屈服したように、乳肌を舐めて媚びるのだ。
(…………勝った♡)
 抵抗してごめんなさい、許して、潰さないでとでも言うかのような、哀訴に似た虫のご奉仕。
 仲間の懇願に“じわぁ……っ♡”とエロ肉が濡れ、ショーツの小人を苦しめる。
 触ってすらいないのに。呼吸しただけ、濡れただけ。それだけで4人の命が、一斉に絶望快楽でコワれていった。

 もう、耐えられない。

「すみません、ちょっと、もう、私…………!」
 言葉を切る内気娘。“辛くて話せません”とでも言うかの如く。

 無遠慮な質問を教師も詰る。こんな時こそ生徒を守らねばという使命感。だが何より彼らは、外部の手が自らの領域に侵入することが不快であった。大人らは、女子高生の目前で隠然とした縄張り争いを始めつつある。

 故に、雨坂の倒錯に気付かない。

「失礼します……!」
 そう言うが早いか、俯き、廊下へ溶け込むように去る雨坂。
 戸を閉じ廊下へ踏み出し。一歩、一歩と、足を速める。疼く体を抱え走り出すまでに時間はいらない。
 ゆっさゆっさと胸を揺らし、女子トイレへ駆け込むのだ。
 蓋に腰かけ眼鏡を取って、ばさりと三つ編みを解いてしまえば。

『んっ……、もう、無理ぃ……っ♡』
  のけぞるように、しどけなく身を預ける雨坂。

 そこに、もはや陰キャ女子はいなかった。

 いるのは、ただただ淫らな爆乳美女。爆乳を揉みしだき指を噛んで声を殺す、むちむち美少女だけがそこにいた。陰のある重い雰囲気が、不健全な色香を撒き散らす。じっとりした色気は頽廃を充満させた。犠牲になるのは女体に閉じ込められた娘たち。銘々むっちり巨体を賛美する、女神と下僕の倒錯だった。
 
 声を出したい。みっともなく、はしたなく、下品な声で喘ぎたい。だが、ここは学校、トイレの個室。
(でも、これ、耐え、られ、ない…………っ♡)
 シャツ越しにパツパツ爆乳を揉み回し、ボリュームに任せてこねくり回す。勢いのあまり、どっぱんどっぱん跳ね回る監獄おっぱい。母乳の跳ね回る音さえ響くほどに揉みしだけば、いよいよそれは拷問だった。ブラ越しでさえ指の沈む乳肉が、全質量で小人へとのしかかる。乳首からは媚薬が滲んで小人を強制発情させた。跨ったデカ乳首に股間をこすり付け、乳輪様に媚びを売るのをやめられない。
 股間の小人もその手からは逃げられなかった。ショーツの繊維を、一本一本這い上ろうとしていた娘たち。それをあざ笑うかのような20m魔手で押しつぶされ、揉みこまれ、くにくにと指で淫スジへ練り込んでいく。

『みんな、私の、おっぱいに、負けて……っ♡』
 いよいよ媚女神は止まらない。前開きセーラー服のボタンを解く雨坂。“ボッ!”と勢いよく胸元が弾け、はだけたシャツは色白爆乳を隠そうともしない。そこに、教室での根暗な少女はいなかった。
(コワれろ……♡ 私の胸で、みんな、ブッつぶれろ……♡♡)
 手から溢れる乳房を揉みしだき、ブラ越しに小人を乳首へ押し付ける。“もにゅんもにゅんッ♡”と揉み回して、成熟乳首にめり込ませるのだ。その蕾はすぐに膨らみコリコリと熱っぽい弾力を帯び始めた。クラスの中心的存在だって、巨女乳首を前にすればバイブ以下。全身で抱き着いても抱きしめきれない女性の先端へ蹂躙され、否応なくフェロモンまみれにされてしまう。
 揉まれていない、もう片胸の女子にも膨張乳首は襲い掛かった。ただ膨れただけ、それだけで“ぎっちいぃ~ッ♡♡”と陰キャ爆乳は陽キャ女子をめり込ませる。拷問そのものだ。ゆっさゆっさと揺れるたび凹凸が矮躯にこすり付けられ、屈辱の快楽へと叩き落す。

『潰、れる、潰しちゃう……ッ♡』
 授業中、誰もいないトイレの個室。必死に喘ぎを殺すも、艶めかしい喉声が漏れて色気を隠せない。タイツお股に手を伸ばし、優しく愛撫し、濡れショーツに蜜を絡めて。セクシーショーツはすぐにぴっとりと陰部へ張り付いた。そして布越しに、2匹の雌虫たちが痴肉へとダイブさせられる。大地溝帯のような巨女まんこは性愛の坩堝だった。

『もう、いい、よね……? もういいよね♡♡』
 がっぽりハマったどんぶりブラジャーを外す。“どっぱぁ……♡“と重く流れるHカップ乳首の上には、汗まみれになった虫がそれぞれ1匹。そして山体から谷間へと、ぬるりと滑落していくのだ。

 それを、数万トンものおっぱいで、“むっぎゅうぅ〜〜……ッ♡♡“と圧し包み。
 谷間の中で、苦しげな抵抗と小人快楽に湧き立つ感触を。
 それが弱まり、ビクビクッと巨女フェロモンにイカされる感触を。
 雨坂は、果てしなく味わい続ける。

 強烈だった。
 何度も何度も自分の上で矮小な快楽が爆ぜるのを感じる雨坂。
 そのたび声を殺し、焦燥感と欲求が溢れ出していく。
 小人たちは、こんなにも全力で快楽を貪っているのに。
 一人トイレの個室、陰キャ爆乳娘は身悶えするばかりだ。

 刺激が同時に消えたのを感じ、ブラとタイツに指をねじ込む淫女神。手のひらを開けば、かつての迫害者たちがまとめて収監されていた。
『…………あれ、イッていいって、言いましたか?』
 電車サイズの自分の指の間で、それは不安になるほどに小さく惨め。濛々と巨女フェロモンの湯気を立ち上らせ、快感に痙攣するばかり。何十mもの高度と少女の美貌に恐怖するも、どたぷんおっぱいの快楽は生存本能さえ凌駕していた。

 ああ、ズルいな。
 私まだ、イッてないのに。
 
 仄暗い欲望が、立ち込め始めた。
 自分も、快楽を貪りたい。

『…………。おしおき、しなくちゃ……♡』
 ほどいた髪、ほろほろと三つ編みの曲線を残す髪。その重く輝く美髪を2、3本、ぷつりと引き抜く。
 次いで雌虫たちを等間隔に結わえれば、紐の一部にされてしまう。
 4つの結節点を持つ紐にされ、便器へ降ろされて。得体のしれない行動に、女子グループたちは理解が及ばない。銘々に別の方向へ這い逃げようとして、互いに足を引っ張り合うだけだ。

 一方、その奥。
 白い地平線の向こう。
 顔を現したのは、褐色の天体。
 バカげた巨大さの、タイツ巨尻で。

『……………………♡』
 校舎さえ爆砕してしまえる豊臀が目前にいる。物言わず丸出しにされるタイツデカ尻。もう、軍艦さえ叩き潰せるようなボリュームだ。観覧車サイズのデカ尻を前に、4つの豆粒は威圧感だけで消し飛びそうなほどだった。

 “質量兵器”。
 虐げていた同級生の生尻に、少女らはそう思わずにはいられない。

 それを振って、雨坂は。
『あは。見えてますか? ううん、違うな…………』
 タイツ越しに、爆尻をわしづかみにすると。

『見ろ♡』
 こじ開けたデカ尻を、豆粒の前に突きつけた。
 
(あはっ♡ 怯えてる♡ 怖がってる♡ 見て……、このデッカいの……♡ この音、大きさ、エッチさ……♡ 見て……♡ “直接”……♡)
 ギチギチと悲鳴を上げる、タイツの音さえ聞こえる距離。
 じっとり張り付く倒錯皮膜を、無理やりずり下ろせば……。

『んっ……♡』
 “どっぷんッ♡”と、満月ヒップが姿を現したのだ。
 透けるような色白巨尻。ロングスカート越しですら形を隠し切れないどっしりとした安産型が、生で100万倍のボリュームを見せつける。その大きさのあまり、尻揺れの風圧だけで女子らをまとめて吹き飛ばしてしまう始末。

 100倍雌尻の、餅のように白く鈍重な肉感を振りまく。女体から放熱される火照りと濛々と立ち込める雌フェロモン、はしたないほど丸々とした汗ばみデカ尻。

 それを巨女は、鷲掴みにし。
 “ぐっぱぁ……ッ♡♡”と、こじ開けると。
 
『入ってください♡』
 意味不明なことを、命じるのだ。

「え…………?」
「何を……」
「ちょっと、ま、まさか?!」
 動揺の走る少女の前には、尻肉のすべてが広がっている。隠されたものはない。

 その、入り口であっても。

『聞こえなかったんですか? 入れって言ってるんです。三人で一人差し出したら、見逃してあげてもいいですよ』
 クスリと珍しく笑みを漏らしながら、煽るようにケツを振って見せる雨坂。

『あは。聞こえなかったんですか? 無視してます? それなら……』
 そう言って、尻の底で小人たちを見下ろすと。

 そのまま、垂直落下して。

『えーい』

 “ずっっどんッ♡♡♡“と、
 巨尻を叩き込むのだ。

「「「「きゃああああッ!!!?」」」」
 全てを粉砕するようなデカ尻メテオ。エゲツないほどの尻肉が、少女らのいた世界を丸ごとぶっ潰す。豆娘らの立っていた広い座面にはもう色白ヒップしか存在しない。破滅的な音とともに、“”ぶるるんッ♡♡♡“と跳ね上がるケツ肉。インドアぎちむちヒップが、質量に任せ何度も何度もバウンドした。

 4人はまとめて、尻肉のおやつだ。
『ん……ッ♡ お尻の入り口、当たって……♡♡』
 “ずしぃ……っ♡”と臼の如く鎮座する駄肉。イジメてきた女子らをまとめて尻でぶっ潰し、失神させ、けれど雨坂はそれより感触の方に夢中だった。間に挟まる豆粒。尻肉にめり込む異物感が、ゾクゾクと独特の感触でナカをくすぐる。

 それから、名残惜しそうに宙へ“どっぷぅ……っ♡”と持ち上がると、

『あはっ♡』
 もう一度。“ずっどんッッ!!”と。

『これ…………』
 “ずっどんッ!! ずどんずどんずどんッッ!”と、餅つきのように、徹底的に。

『最っ高……ッ♡♡♡』
 一万トン尻鈍器を、叩き込んだのだ。

 花火でも近くで炸裂したかのような轟音と激震。もうむちむちヒップは蓋にべったり張り付いて、完全に1㎝娘を拘束してしまう。
 それから、むりやり尻肉を剥がし上げると。

『あはは、一人、入っちゃいましたね』
 そこには、みっちり尻の間に挟まったアナルビーズたち。ぷらんっとぶら下がる紐の先に2人、尻肉の間に1人。そして最後の一人は、既に怪物的な美アナルへとめり込んでいて……。

『入れ♡』

 人間アナルビーズを、穴の中へとねじ込んでしまうのだ。

「ひっ?! キツ……、死ぬ、死んじゃう、死んじゃう死んじゃう死んじゃう、お尻で潰されちゃう!!! や、やめ、やめてええええッ!!!!」
 
 一人の悲鳴が、その中へと消えていく。女子らの目前でヒクヒク蠢くエッチな穴、それがすぼまると、仲間が中へと引きずり込まれていくのだ。グロテスクなまでに淫猥な口がすぼまり、悶える少女を呑み込んでいく姿。
 陽キャたちはそれを見て、恐慌をきたす。それを煽るように、アナルへ押し込まれズッ……ズッ……と引き上げられていく残りのビーズ。

 片や雨坂は、それらを便座の蓋へ垂らし落とすと……。

『ほら、助けないんですか? 早く引っ張り出さないと、一緒に詰められますよ?』
 そう言って、デカ尻をこれでもかと開いて見せる。こじ開けられたお尻の中で、一瞬垣間見えたグループ仲間。おぞましい場所にねじこまれた友人が、陰キャ女子のヒクつきアナルに無残に食まれ、捕食されていく。

 助けないと、次は自分の番だ。

 否応なく娘たちは、アナルなんかと綱引きさせられる。
『あは。早くしてください。私なんかのお尻に食べられたいんですか?』
 既に連中が引っ張り始めているのも気づかず、フリフリ尻を振って見せる陰キャ爆尻。どんなに全力を出したって、巨女アナルは締め付けだけでヒクヒクと少女らを引っ張り上げてしまう。3人の小女子と巨女爆尻とのアナル綱引きは絶望の一言だった。挙句振り回されるのだから、派手女子はべちんべちんと肉月面へ叩きつけられるばかり。タイツに押し込められ蒸れたデカ尻。100万倍スケールのしっとり尻肌に貼り付けられたり、そのままぶらぶら尻から垂れ下がったり。

 完敗、などと呼べるものではなかった。

『……もういいかな』
 ウズウズしていた巨獣アナル。その中へもう一人、押し込んで。
 捕食を、始めてしまうのだ。

「やめっ、こ、れ、だめ、あ、ああぁ…………」
 茶髪娘が悲鳴を上げながら、必死に美少女巨尻から逃げ出そうとする。もちろん無駄も無駄。叩けば刺激を与え、そのままぬぷりとアナルへねじ込まれていく。おまけに、先にねじ込まれたベージュ髪娘がその足へしがみつく始末。麗しい友人愛で我先にと逃げ出そうとし、陰キャアナルを喜ばせて“きゅうッ♡“と締め付けに呑まれていった。
『ッ…………♡♡♡』
 エゲツない捕食を見せつけられ、金髪娘も黒髪娘も半狂乱でもがき始める。が、左右は幅数十mもの真っ白尻肉。縛り上げる髪はツヤツヤと甘いヘアオイルをまとって指がかからない。

 そして、もう1人。
『私のナカに、命、めり込んで、ねじ込まれて……』
 悲鳴が美アナルへと消えていく。
『悶えてる、お尻の中、ギチギチに詰まってる……♡』
 そして最後の悲鳴も、尻肉が飲み干すと。

『入っ、たぁ…………♡♡♡』
 ゾクゾクゾクッと、倒錯に巨女の全身が疼くのだ。

 尻の中、爆裂に弾ける悲鳴と抵抗、少女らの快楽。排泄口なんかに閉じ込められて、それなのに巨所フェロモンに洗脳される哀れな虫。
 雨坂の、大好物だった。
(やっぱり、ッ、これ、最っ高……♡)
 自分の中に、お尻の中に虫がいる。教師や警察の目から、完全に隔離してしまっている。今なおエッチな場所を刺激する少女たち。怒るとも媚びるともつかない刺激が、トントンと中を叩いていた。

 こんな非力な存在を、凶悪アナルで閉じ込めて。
 自分が歩けば、どうなるか。
 自分が座れば、どうなるか。
 想像するだけで、何かが立ち昇ってくる。

 とはいえ、ふと眼鏡が視界に入った時。
「──あっ、じゅ、授業……!」
 雨坂は、出席番号2番の少女へと、戻っていた。

 だが、それは、先月までの彼女ではない。
(入ってる入ってる入ってる入ってる入ってる♡♡♡)
 タイツを無理やり穿き、教室へ急ぐ妖艶美女。
 臀部に力を籠めれば、背筋が伸びた。
 胸を張り、這い出そうとする小人たちをデカ尻ごとふりふりと降って見せ。

 通りすがった担任さえ、それが雨坂だとは気づかないほどだった。


 §
 結局。
 昼から夕方まで。
 いや、帰宅してからも。

 雨坂のアナルは開くことなく。

 一人、ベッドの上で。
『あはっ……♡ まだ抵抗するんですね♡ 生意気♡ こんな陰キャのお尻から、出ることも出来ないクセに……♡』
 性に乱れる雨坂。
 それは10時間火照り続けた末の、激しい慰めの時間だった。

 自らケツを引っ叩き、荒々しくバウンドさせる地味巨乳娘。スパンキングの甘い痛みが肌に走る。そして反響するように、アナルから弾ける小人たちの抵抗。“ばるんッ♡ ぶるるんッ♡“と重々しく揺れる爆尻の中、四方八方から尻肉に襲い掛かった。
 
 そして、散々快楽を貪ってから。

『そんなに出たいなら…………』

 紐を指に絡め。

『いいです、よ……。出ろ、出ろ、…………出ろッ♡』
 “じゅぷぷぷんッ♡“と、人間アナルビーズを引きぬく。

 ──鋭い声とともに巨躯が仰け反った。

『…………ッ、ん、はぁ…………♡』
 疼く快楽に痙攣し、それからドサッとベッドへ横たわる巨躯。じっとりセーラー服を汗ばませたまま、朦朧とその快楽に悶えていた。
 もう一度ねじ込みたい。もう一度引き抜きたい。葛藤に脳を煮え立たせながら、ベッドにエロい汗ジミを作っていく。

 結局、爆乳眼鏡娘が正気に戻ったのは。

 ふらつく足で外へ出て、小人を洗い、消毒液に投げ込み、乱雑にかき回して。
 再びベッドに横たわった、後のことだった。

 小人たちも同じ。手のひらの中、冷え切った体で身を寄せ合い、束の間の平穏を得る。

 とにかく、助かった……。
 4人一様に、そう思う。

 けれど、手のひらが開かれた時。

 目の前にそびえたっていたのは、仰向けにそびえる二つの山で……。
「あ、あれ……?」
 乳白色の生巨乳が、生々しいエロスを放っていたのだ。陽にあたることのない色白爆乳が、夜闇の中でうっすら白く輝いている。どっぷりと広がるHカップは神秘的で、かつ隠しようもないほどに淫猥だった。100万倍スケールで広がる、不健全な美しさ。

 途方もない肉感に気圧される娘らへ、声が響く。
『……まだ終わったなんて言ってないんですが』
 もう、反応を待つこともなかった。惑う虫をパラパラと美爆乳に振りかける雨坂。横たわりどっぷり潰れる色白爆乳は、山そのもの。桜で冠雪したような頂上に2匹ずつ乗せられ、あまりの標高に少女らは乳首から降りることすらできない。

 くすりと笑うむちむち娘。
 あとは、声をかけることすらなく。
『…………♡』
 巨女体は、さらなる奉仕を待ち始めるのだ。

「お、おろして、出してぇ……!」
「もう動けない、死んじゃう、おっぱいで、しん、じゃ…………♡」
「頭、ふらふらして、無理ぃ……♡」
 乳首の上、逃げることもできず当惑する陽キャたち。その微細な感覚が、じっとり汗ばんだ女体を微細に刺激していく。痒み越しにわずかに感じる虫の命。それが、胸の豊満さにさえ命を脅かされているなんて。
 その狂乱に、雨坂も媚熱を隠し切れない。
 しどけなくベッドに横たわった160mが、かすかに身を震わせる。蒸れたタイツ太ももをこすり合わせ、成熟した女体が火照り始め色っぽい。立ち上る濃厚な香りに、大気さえ揺らぎ始めた。すでに周囲は猛烈な蒸れ乳温室、小人らが、耐えられるはずもなかった。

『……あは♡ 動けないなんて、嘘じゃないですか♡』
 それは乳首の上の、小さな、小さな淫行だった。
 発情陰キャ爆乳から湧き立つ、むせかえるほどの巨女フェロモン。それに一瞬で蕩けるとカースト上位の少女らは、乳首に腰を振らずにはいられない。
 ゆっくりと、乳首の上で舞い始める少女たち。ぷっくりとした大玉乳首に二人で跨り、懸命に腰を練り付け始める。好むと好まざるとにかかわらず、発情のあまり互いに抱きしめあって乳首様に媚びるのだ。

 生意気娘たちの自発的隷従に、陰キャ乳首が興奮していく。“じわぁ……っ♡”と滲み出す巨女母乳。
 けれど、それだけじゃない。
 心臓の鼓動が、爆乳を震わせれば。

(乳首の上で、跳ねてる……♡ お股、何度も乳首に叩き込まれてる……♡)
 “どっぷんッ♡ どっぷぷんッ♡“と細かく震える爆乳が、毎秒突き上げてくるのだ。鼓動で跳ね飛ばされ、イッたばかりの体を桃色の肉に迎撃される。発情しないわけがない。4人もろとも喘がすどたぷんHカップ。存在するだけで、両乳首がクラスメイトを屈服させていく。

『……ッ♡ まだ、ダメ、もっと、して…………♡』
 2人がかりで片乳首に奉仕させる。どっぷりとした爆弾おっぱいの上で、幾度となく4人を跳ねさせる。両乳首から吹きあがる微細な絶叫。それも、雨坂一人の「ふ──ッ♡ ふ──ッ♡」と喘ぐ吐息とともに、グロテスクな饗宴の様相を呈していた。
 自身のフェロモンに一瞬で洗脳されていく人間バイブたち。これがあの、高慢で華やか女子たちだなんて。かつての陰険な姿を思い出すほどに、その支配感が身を貫いた。

『ほんと、使えない、虫たち……♡』
 もう我慢できなかった。プールのような面積の手のひらでガシッと爆乳を鷲掴みにする。その衝撃に左乳の2人は谷間へ跳ね飛ばされ、右では手のひらに捕食されてしまう少女たち。
 そして雨坂は、爆乳を揉み合わせ。
『こうするんです♡ おっぱいっていうのはこうやって遊ぶんです♡ ……んんッ♡』
 猛烈な勢いで揉みしだくのだ。手から溢れまくるHカップが、並の巨乳では不可能な可動域で身をぶつけ合う。手のひらがずっぷり沈む、だらしないほどに巨大な陰キャ爆乳。それを“むにんむにんッ♡”と揉み合わせ、互いにぶつけ合う。乳首と谷間に点在する小人など、そのオモチャにもなりはしない。壮大なスケールで跳ねる爆乳に、襲われ、潰され、犯されるだけ。
『虫、間に挟まって、つぶれてる……っ♡ 乳首にめり込んで、死にかけてる♡ 4人もいるのに私のおっぱいにも勝てないんですね♡ 悔しくないんですか? あはっ♡ ……ざこ♡』
 可愛げない大きさのHカップが、ボリュームに物言わせ弾みまくる。鼓動だけで善がらせた凌辱兵器が、どっぷんどっぷんぶつかり合う。柔らかな塊はぶつかり合うたび“ばるるんッ♡♡”と雌肉を揺るがせ、小人をキメの間で挟撃した。谷間には乳汗の川、乳首には巨女母乳の湿地。天体的なスケールの乳揉みに、4人の命が明滅する。

(私の体、地獄になってる、全身、虫の拷問道具になっちゃってる♡)
 右乳の二人で乳首を挟み、クリクリこねくり回す。 爆乳が山体ごと暴れまわり、凝集した快楽で互いにぶつかり合う衝撃。それを、直に味わわせた。
 一方谷間から流れ落ちていった二人は指に絡め、陰毛の中へと迷い込ませる。そして彼女らの目の前で指をジュッポジュッポと抜き差しし、100倍巨女オナニーを直接見せつけるのだ。
 陰毛の森の向こう、ビルみたいな指が雌スジの中へめり込み“じゅぷぷぷぷッ♡”と濡れて抜き出される光景。凄絶な性行為に畏怖させて、小虫らを絶叫させる雨坂。続いて、右乳の二人を摘まみ上げると。
『っ♡ 胸の子も、お股、見たいですよ、ね♡ いいですよ♡ ────入れ♡』
 陰毛の二人が見る前で、お股へまぶし入れてしまうのだ。“ぐぱぁ……♡”とこじ開けられた巨まんこ、そこへ点が二つ落ちていく。
 悲鳴が消えていく肉壺。残り2人は、あまりの光景にそこから逃げようとするけど無駄。陰毛の森からは出られない。彼女らもまたあっけなく捕まれば、ポトリポトリと陰キャ性器へと消えていった。

 そして、その興奮の最高潮で。

『もう、いいよね……っ♡ 我慢、しなくて、いい、よね♡♡』
 雨坂が取り出したのは、極太なシリコン製の棒で。
 立ち込める性欲と不満を晴らすための、陰キャ女子愛用極悪ディルド。かつての鬱屈とした日々に手に取ったものだった。それが、爆乳から這い出ようとする4匹に突きつけられる。

『今からこれで、私、シますね♡♡♡』
「ひッ?!!」
「やだ、やめ、いやあああッ!!!」
 絶叫を絞り出す少女たちと、そこへ接近する女性用玩具。グロテスクな見た目と染みついた淫香りが、恐怖を煽り立てた。ご主人様に身をくねらすように、先端が陰部に押し当てられていく。そうすれば4人は、ディルドの先端に貼り付けられて……。

『みんな、ディルドの一部になってください♡♡♡』
 “ぐっぱあぁ……♡”と、巨まんこが指でこじ開けられたのだ。

『イヤ? ディルドにされたくない? あは♡ イヤだったら逃げてくださーい』
 ……悲鳴さえ聞こえなかった。

 ぬぷっとご主人様へキスした棒は、既にこじ開けまんこにめり込んでいて。

 “──じゅぷぷぷぷぷッ♡♡♡”と、轟音を立てながらナカへねじ込まれたからだ。

『っ、~~~~~ッ♡♡♡♡♡♡』
 小人なんかとは比べ物にならない感覚に、160mの巨体が反応する。遠慮なく自分の好きなところへディルドをぶち込んで、小人のツブ感に善がる雨坂。出席番号2番の山のような巨体が、生徒4人をディルド以下のものへと変えていく。
 
(私のあそこに、みんな詰まって、詰め込まれて……♡)
 容赦ない勢いで、シリコン製のビルを奉仕させる陰キャまんこ。うねるコリコリとした膣壁に、引っかかったり埋もれたり奥の方まで連れ去られたりと、かつての花形女子は見る影もない。
(子宮、入りそう、入っちゃう、ねじ込んじゃう……ッ♡)
 じゅっぽんじゅっぽん下品な音を立てて抜き差しされる極悪ディルド。貼り付けられ一瞬肉の唇から現れた一匹が、再びナカへと消えていく。奥からはぷにっとした子宮口に叩き込まれた友人2人が、悲鳴ともつかない声で喘がされていた。
(あッ、ダメ、締め付けて、みんな、虫、ブッ潰し、ちゃ……、~~ッ♡♡♡)
 次いで、“きゅううぅッ♡♡♡♡♡♡”とすぼまる美膣トンネル。媚薬のるつぼが、全力でシリコンを抱きしめる。

 当然、膣壁に浮かび上がったのは4つのツブツブで。

『ひうぅッ?!! っ、~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡』

 4万トンの快楽が、炸裂した。

 ナカで弾ける4つの快感。ご主人様性器に締め上げられ一瞬で快楽が沸騰する。ギチギチとゴムさえ軋むような締め付けが痙攣するように波打って、何度も矮躯を追撃した。

 ビクビクと快楽に善がり、それからずっしり全身を弛緩させた、むちむち娘。

 はちきれんばかりの太ももと太ももの愛では、ディルドがぬっぷりと抜け落ちて。

 愛液たまりに1人、陰唇に一人、ディルドの表面に、2人。

 巨女蜜液にまとわりつかれ、幾度となく痙攣していた。




 ⁂
 一か月後。

 失踪事件の話題で持ちきりの廊下、教室、校舎。

 その一隅で、音もなく、出席2番の少女が書を読んでいた。
 本に目を落とす、仄暗い重みをもった文学少女。

「………………」
 けれど、もう前髪は目を覆うことなく。
 背筋を伸ばし、眼鏡をはずし。
 暗さをたたえた凄艶を振りまいて。

「………………♡」
 全身からにじみ出る悲鳴と刺激だけが、彼女の変化に気づいていた。