§
 田舎に帰省してる時、叔母さんが言った。
「そうだ! せっかく一緒にいるんだから優と日菜一緒にお風呂入りなよ」
 ポンと手を打って、僕に言う。
「えー、だって日菜女の子じゃん」
「だからよ。もっと大人になったら、一緒に入れなくなるもの。記念よ、記念」
 僕ももう6年生なんだけど、と渋る僕を気にもとめない。
 そんな体なんだしさ、と笑うだけだ。
 そして僕を風呂場に押し込む。

「……優くん?」
 そこには、僕のはるか三倍を超える巨大な幼女が座っていた。

 僕が縮小病を発症した夏、最後の夏のことだ。

§
「優くん?」
 キョトンと座っているのは、10歳を迎えて少しの日菜ちゃんだった。年下の従姉妹。前は150cmの僕なんて胸にも届かない女の子が、今や400cmの巨人となって僕の前にそびえていた。
「え、いや、叔母さんが……」
 しどろもどろな僕に、パアッと顔を輝かせると。
「ほら、日菜が洗ってあげる!」
 日菜ちゃんが僕を無理やり座らせた。あどけない日菜ちゃんに、羞恥心はない。
「わっ!?」
 ストンと脚の間に体をおしつけられると、お尻や背中に日菜ちゃんの太ももやお腹がぴっとりくっついた。暖かくて柔らかくて、それが日菜ちゃんの裸だと思うと心臓が切なくなる。歳下の従姉妹は、今じゃまるでオトナと子供のような体格差を誇って、僕を脚の間に収めてしまえる。僕の脚はブラブラ日菜ちゃんの脚の間に浮かんで、挟まれ、びっくりするほど自分の脚が細く見えた。
 それに比べて日菜ちゃんの大きなこと。頭の真後ろには、未発達な胸があるに違いない。もう、どうしたらいいかわからなかった。

 今しがた自分の体を洗ったスポンジで、日菜ちゃんが僕の体を撫で始めた。その様子はまったく無邪気なもので、僕の焦りなんて気にも留めない。泡でヌルヌル裸同士が滑り合う感触も、女の子に抱き包まれる恥ずかしさも、まるで知らないようだ。
 日菜ちゃんのくせに、その体がオトナのように見える。本当は僕の方が年上なはず。小さな妹分のはず。なのに、いまじゃまるで子供扱いで、その育ちかけの体を僕におしつけている。
 俯いて、僕はその恥にじっと耐えた。いや、考えないようにした。だって、さっきまでテレビを見ていたり、ゲームをしていたりしたのに、いまじゃ裸同士の洗いっこだ。さっきまで気にもしなかったその体が、はっきり女の子らしさを発揮して、僕をあざわらってる。唐突に現れた、いかがわしい異常事態なのだ。意識したら、大変なことになる。

 でも、日菜ちゃんは僕を放って置かなかった。
「縮こまったら洗えないよ」
 腋に手を滑り込ませ、脇腹をくすぐる。笑いそうになって身をよじれば、頭の上を幼い胸に撫でられ、一気に僕の気持ちは収まらなくなった。
 しかも、お腹に手を回そうとするものだから日菜ちゃんは僕を抱え込み、より体が密着する。
 その吐息がかかる。
 髪から滴る雫が僕を打つ。
 日菜ちゃんの普段使うスポンジで洗われている。
 体は支配されている。気持ちさえ。

「……あ」
 日菜ちゃんが零したのは驚きの声だ。
 股間から、小さなものが顔を覗かせてきた。
 最近起きる、よくわからない現象がまた現れた。ドキドキした時に襲う不思議な感覚。正直、今までよく耐えられたと思う。

「これ、アレだよね……」
 本当に大きくなるんだ、と言いながら触ろうとしてくる。
「ちょっと、触んないで!もういいでしょ、離してよ!」
「えー、せっかく初めて見たのに……」
 子供の無邪気な好奇心が、僕を離さない。
 片腕で僕の上半身を完全に縛り付ける。僕の両腕は自分の胴におしつけられ、そのまま彼女の体へと密着させられた。それはつまり、お尻にも日菜ちゃんの股間が押し付けられたということだ。そして両腿は左右から日菜ちゃんの太ももに挟みつけられている。頭には小さな乳房が乗っている。
 たまったものじゃない。
 ジタバタ脚をばたつかせた。ふくらはぎを蹴って見たり、その体からすり抜けようとしたりした。
 でも、泡だらけでヌルヌルなのに日菜ちゃんは驚くべき力で僕をがんじがらめにして、少しも動く気配はない。
「暴れちゃだーめ」
 そして脚を絡みつかせる。太ももが僕の膝に乗り上げ、脛を椅子におしつけた。
 みっともなく開脚させられ、その間で僕のまだまだ子供なペニスが上を向いていた。
 もう全身が彼女の中だ。

「へー、こういう風になってるんだ……」
 日菜ちゃんは初めて見るものを観察したいだけなのだろう。けれどそれはいよいよ僕の羞恥心を爆発させる。もっとも恥ずかしい場所の粗相を見られているのだ。人だかりで真っ裸にされるよりも恥ずかしい。まして、ずっと遊んで気心知れた親戚の女の子。家族に勃起を見られたに等しい。

「やめてよ日菜ちゃん! お願い! お願いだからやめてよ! 恥ずかしいよ! この通りだから!」
「も、もうちょっと、ね?」
 こんなことをして、日菜ちゃんは少しも恥ずかしくないのだ。仮にも僕は年上のはずなのに、いや、そもそも男子なのに、こんなエッチなことをしてなんともない。しかも、やめてと言われても無理やり観察を続けている。
 それはつまり、僕のことをなんとも思ってないということだ。

「さわ、触らないで! 日菜ちゃんお願い、お願いします……っぅ!」
 日菜ちゃんは僕のちんちんを恐る恐る触れる。つん、と突っついて、それから竿をつまんで見る。そして、指先で先っぽに触れた時。
 僕は生娘のような悲鳴を上げた。
「あ、痛かった? なんかヌルヌルするけど……」
 逆だった。気持ち良すぎたのだ。痛くはないけれど、刺激が強すぎた。まだ剥けたばかりの先端は敏感すぎて、どんな刺激にも慣れていない。切ない痺れがどんどん湧き出て、何かが漏れ出しそうだった。
「あはっ、優くん必死だー。でもなんか気持ち良さそう。ちょっと面白くなってきちゃった……。もっと、もっとしてあげるね……!」
 面白がりながら日菜ちゃんが囁く。
 ぎゅーっと抱きしめられたまま、泡だらけで風呂場に二人きりだ。女子のはしゃぐ声と遊ばれる男子が反響して頭を揺さぶる。こんなちっちゃな女の子は、巨人になってもう勝手気ままに僕をもてあそんでいる。本来ずっと強いはずなのに、僕はその細腕一本微動だにさせられない。
 日菜ちゃんの完璧なおもちゃだった。

 不慣れな手つきで日菜ちゃんが触ってくる。気持ち悪いような気持ち良いような正体不明の感覚が、拷問のように押し寄せる。せり上がって来る切迫感。解き放たれたいのに、日菜ちゃんはちんちんをくまなく触るものだからあともうちょっとが訪れない。たどたどしい触れ方が頭をおかしくする。年下の女の子の、膨らみ始めた僅かな起伏が僕の背面を撫で回して、脚は太ももの下敷きにされて、小さく丸っこい体が僕を緊縛していた。

 もう僕は息も絶え絶えだった。日菜ちゃんも夢中になって、熱い吐息で僕の頰を温める。濡れそぼった髪が垂れて僕の顔に張り付き、まる日菜ちゃんの一部になったような錯覚を覚えてしまう。
「ビクビクしてお魚みたい……。友達の女の子がね、触り続けたら男の子が喜ぶらしいよって言ってたの。優くん気持ち良いの? どんな感じ? まだまだ足りないのかなぁ」
 ちょっとあぶない実験でもするような心持ちなのだろう。日菜ちゃんは声を潜めて、でも好奇心を隠さず囁いて来る。あまりに僕が切ながるものだからちょっと笑ったりなんかして、まるでイタズラ気分だ。
 先っぽからはよくわからないヌルヌルが溢れてきて、それが日菜ちゃんの小さな手と絡み合い僕をせめたてていた。どうしたらいいのか、何が起こるのかもわからない。怖くなって、でもやめて欲しくない。ジンジン気持ち良さが流れ込んできて、破裂しそう。全身が日菜ちゃんの肌に密着してこすれあい、どこもかしこも日菜ちゃんの汗まみれだ。おっきな女の子に無理やりあそこを弄り回されて、ちっとも抵抗できない。日菜ちゃんのくせに。年下のくせに。妹みたいに後ろをついてきた従姉妹が、その体で僕を恥ずかしがらせる。

「やめて、変なの来てる! おかしくなっちゃう! 日菜ちゃんやめて! やめてよお!」
「あははっ、こんなに嬉しそうなのに優くんの天邪鬼。お姉さんに任せて!」
 要領を得始めた日菜ちゃんが、どんどん僕を善がらせる。
 小さな手で全体を包み込み、まるで小さな僕を握りしめてるみたいに嬉々としてこすりまわした。子供の指紋やプニプニした手の柔らかさがどうしようもなく気持ちよくて、嫌だ嫌だと頭を振る。そんなことすれば、日菜ちゃんのいけないあちこちに触れるってわかってるのに。
 まるで肌が日菜ちゃんに溶け込んでしまうような心地だった。

 そしてその瞬間は唐突にやって来る。
「優くんすっごく気持ち良さそう! やっぱり嬉しいんだね。じゃあ、これでっ、どうっ!?」
 先を指で抱きしめ、そしてグリグリいじくり回した。一番敏感な場所を左右にねじり撫で回されて、僕は喚声とも歓声ともつかない声を上げる。加減を知らない日菜ちゃんは、ついに決壊した僕の先っぽをなおもこねくり回して、何度も何度も疼く痺れを叩き込む。

 そして日菜ちゃんは白いものを自分の手に吐き出させると、きゃっと叫んだ。
「な、なにこれ……?」
 聞かれたってわからない。僕だって困惑してる。
「ベタベタする……。これがナミちゃんの言ってたやつなのかな……」
 日菜ちゃんは何か知っているようだった。おませな女子たちは、僕らの知らないことを知っているらしい。そう思うと日菜ちゃんが大人に見えてしまう。
「あー、でも面白かった!」
 手を洗い流しながら、一仕事終えたようにふふと笑う。
 そして腕の中でクタクタな僕を揺すった。
「縮んで優くん弱っちくなったね。まるで弟みたい。でもね……」
 僕を椅子から下ろし、床に座らせる。
「聞いたのはそれだけじゃないの……」
 僕の目線には、椅子に腰をおろした日菜ちゃんの膝、そしてその奥。そのことに気づくと、ドキンと心臓が跳ね上がる。
(本当にちんちんないんだ……)
 当然のことを思い知らされる。閉じられた腿の間は、影に隠れて丸くちいさな膨らみが見え隠れしていた。
 今度は恥ずかしいのか唇をムニムニ揺らし、次いで頰を染めつつ少し脚を開いた。
 無言で僕の腕を取る。
 そして引っ張ると、脚の間の影へと手を導いていった。前のめりにさせられて、そろりそろりと日菜ちゃんの腿の間に手か這入っていくに任せる。引っ張られるうち、僕は日菜ちゃんの膝にもたれかかり、その太い脚に支えられる体勢になった。
 鼓動が聞こえそうなほど強く、速くなる。それは日菜ちゃんも同じはずだった。はるか高みから僕を見下ろして、緊張と羞恥と高揚に目を潤ませている。
 手が触れそうになる。
「やっぱ、やっぱムリ!」
 顔を真っ赤にしてプイと横を向いてしまう。いざ自分が触られる番となると、こらえ難い恥ずかしさがあったらしい。
 完全に主導権を握られてたのに手綱を離されて、僕は当惑した。
 犬のようにその表情をうかがうばかりだ。
「そんな目で見ないでよ……」
 チラチラと横目でこちらを見る。
 好奇心と未知への恐怖、恥ずかしさがないまぜの顔だ。しかしいけないことだからこそ知りたい気持ちは大きくて……。
「〜〜っ!」
 破れかぶれに僕の手を引っ張ると、自分の股間に押し付けた。
「ッ、んっ……!」
 敏感な恥部に意識を集中したせいで、その感触がパチリと日菜ちゃんの中ではぜた。
 そして僕は、初めて触れた女の子のあそこに驚きを隠せない。つるりとした表面に、桃のようなスジが走っている。手のひらで覆ったその膨らみは、ひたすら僕には新鮮な触感だった。たなごころの左右に、ぷっくり弾力ある肉が触れる。そんな破廉恥な行為を、日菜ちゃんに見下ろされながら働いている。

 一瞬、なんだと鼻白んだ表情を作った日菜ちゃんは、すぐさま訪れた羞恥と興奮にカーッと顔を赤くした。緊張を解き弛緩した肌に、僕の指の繊細な手触りはきっと予想外の感覚だったはずだ。ひゃんと跳び上がり僕をしたたかに蹴り上げると、うずくまるように股間を押さえ、僕を脚の間に挟み込む。
「なに、これぇ……、へ、変な気分に、ひぅっ、なっ、ちゃう……ッ!」
 初めての経験だ、簡単に感じてしまうのは無理もないことだった。まして、従兄弟と風呂場で裸のまんま、緊張しっぱなしの肌に他人の手。幼い日菜ちゃんには十分すぎる刺激だ。
「だ、ダメこれ、いやっ、バカになっちゃうっ、ん……!」
 無垢な日菜ちゃんはおののくけれど、やめない、やめられるはずがない。僕の手をおもちゃにして、年上の従兄弟をおもちゃにして、いけない場所を慰め始める。目を閉じキュウッと眉を寄せ、上の空に僕の手をあそこに擦りつけ出した。

「日菜ちゃん、ダメだよ、これきっといけないって!」
 突然様子の変わった日菜ちゃんがこわくて、そしてあまりにいかがわしい雰囲気に耐えきれなくて、僕は叫ぶように呼びかける。日菜ちゃんは聞かない。僕は抗えない。僕自身、その雰囲気に飲まれ始めていた。
 始めは肌を滑るだけだった手にも、火照り出した肌の熱が伝わり始める。おっきな女の子のあそこは圧倒的な存在感で僕の手を痺れさせ、くまなく擦りつけられるとその立体的な表面が手にありありと浮かび上がった。
 そして肌がとろけたように蜜がひとしずく、ぬるりと僕の指に絡みつく。
「うそ、私も、何か出て、きたっ……。優くんとおそろい、だ、ねっ、〜〜!」
 もう僕の手は日菜ちゃんのでヌメヌメだった。いや、手だけじゃない。僕の腕を握りしめる日菜ちゃんの手もそれにまみれて、まとわりついている。

 快感に耐えきれなくなった日菜ちゃんが、僕の体を脚で抱き込む。僕はその腿の間に飛び込むように押し付けられ、上半身をその腿の間にがっちり挟まれてしまう。ふくらはぎが腰をホールドして、僕はもう動けない。
「日菜ちゃん、うぷっ、顔あたって、わっ!」
 頭を押し付けているのも構わず僕に股間をこすりつける。とうに羞恥心はショートしていて、芽生えたばかりの性は暴走し始めた。もう僕のことなんて羞恥の対象じゃないのかもしれない。一身に顔にあそこをぬりつけて、上下に動かし、内腿で挟みつけた。
 もう髪も顔も汗と蜜でヌルヌルだった。僕を乱暴に押し付けて、僕の体は右や左に振り回される。
 それほど日菜ちゃんはでっかかった。
 巨大な日菜ちゃんの秘部は僕の顔に何度もキスをして、その大きさを思い知らせた。妹同然の従姉妹に、まさかこんなことされるなんて。去年は僕の裾を掴んでとたとたついてきた日菜ちゃんが、僕にはもう肩にさえ届かなくて、去年はひょいとおんぶできた日菜ちゃんが、今では僕を片手で持ち上げている。そして僕を一番エッチなところに押し付けて、僕のことなど気にもとめず気持ち良さを求めてる。どんな惨めな格好をしてるんだろう。女の子のお股に顔を突っ込んで、太ももにすっぽり隠されて、脚で押さえつけられて。クラスの子どころか、誰が見たって僕は弱っちくて、犬のように哀れで、ちっぽけだ。
 しかも、それが嬉しいなんて。

「やめて、僕も、おかしくっ、なっちゃう……!」
 みっともなく僕は勃起していた。絶対に隠したい。こんなことされて喜んでるなんて認めたくない。本来僕の方が年上で、偉くて、日菜ちゃんは子分のはずだった、なのにこんなエッチなお仕置きにしつけられてる。おかしい、ありえない。

 なのに体は僕を裏切った。

 気づけば僕は、日菜ちゃんの太ももにすがりついて、体を全力で密着させていた。巨人の女の子の脚は僕にとっては大人の胴より太くて、若い内腿はマシュマロのように柔らかい。その肌が吸い付くようにぴっとりくっついて、頰に胸にお腹にお股に言いようのない気持ち良さを染み込ませる。もっと日菜ちゃんを感じたくて全身を押し付ければ、当然ちんちんも日菜ちゃんの太ももに密着してしまう。
 柔肌にあそこをすりつけた。まるで犬か虫みたいに。
 日菜ちゃんが僕の顔をすごい力で恥部に押し付けるたび、僕の体は乱暴に揺り動かされて気持ち良くなってしまう。日菜ちゃんの腿より細い小人の体は、きっとおもちゃにするのにぴったりなのだ。それが必死に脚にしがみついているのだから、日菜ちゃんに僕はどれほど矮小に見えただろう。自分の自慰の奔流に揉まれて、耐え忍ぶように自分にすがりつく。小人はそんな扱いに興奮して勝手に気持ち良くなっている。けれど、はじめての快感はクラクラ目を霞ませてこれ以上は考えられない。子供同士の禁じられた遊びだった。

 日菜ちゃんのひかがみにあそこが擦れる。先端に触れる日菜ちゃんの膝裏が切なくって仕方ない。その上、僕が振り落とされそうになるたびキュッと膝を曲げるものだから、僕のちんちんは何度も強く挟まれ、握りしめられ、もう頭はぐちゃぐちゃだった。
 ひそやかな遊び。日菜ちゃんは声にならない声を漏らして、僕は日菜ちゃんの内腿に口を塞がれて、水音ばかりがお風呂場に響く。そこに漂うエネルギーはだんだん高まっていって。
 そして一気に突き抜けた。

 いよいよ堪え切れなくなった日菜ちゃんが力むと、ひかがみは容赦なく僕のを締め上げた。女の子に挟まれる感触がどれほどのものかなんて、言うまでもない。
 僕は日菜ちゃんの脚の間で仰け反った。
 と同時に、日菜ちゃんがなにかを僕に直接吹き漏らす。
「おまた触るの、すっごい……」
 快感を知ってしまった日菜ちゃんが、喘ぎ混じりに呟いた。



§
 寝ていた時のこと。

 日菜ちゃんたちが近所のお祭りにいっている間、僕は家で休んでいた。いや、放って置かれたのかもしれない。どちらにせよ、小さな体の体力をむしり取られ、僕はぐっすり眠っていた。もう布団を出してすらもらえない。日菜ちゃんの布団を借りる形だった。

 不意に人の動く気配がした。

「……日菜、ちゃん?」
 寝ぼけ眼で見上げれば、僕に覆いかぶさる浴衣姿の日菜ちゃんがいた。暗くて顔はよく見えない。
「……聞いたんだけどね」
 耳元で日菜ちゃんが囁いた。ポソポソと潜めた声が耳をくすぐる。
「その病気、”ししゅんき”にしか起こらないんだって。体が大人になって、エッチを知る頃なる病気なんだって」
 布団の中で、水晶玉みたいな目がキラキラ光る。僕をじっと見つめて、離さない。
「でね、エッチな気分になると、毒が回って縮んじゃうの。だから」
 ガバッとおっきな体が降ってくる。肺を押しつぶされて掠れた声が漏れてくる。浴衣の薄布越しに胸やお腹が密着してきた。
「いいことしてあげるから、さ」
 腕がするりと背を抱いて、脚が腰をがっちり締め付けた。幼児の股から胸で、僕は完全に隠される。全身をくっつけるように、日菜ちゃんが僕に絡みつかれたのだ。
「もっと、縮んじゃお?」
 さっと血の気が引いた。慌ててもがこうにも日菜ちゃんの下敷き、少しも身動きが取れなくて、怖くなった僕は泣き出した。
「は、離してよ日菜ちゃん! やだ、縮みたくない、縮みたくないよぉ!!」
 泣き叫ぶ僕を日菜ちゃんはクスクス笑って抱きしめる。足で僕をがっちりホールドして、ぷにぷにの体で押しつぶすのだ。まだ10歳程度の女の子に抱きしめられて、僕は首さえ動かせない。腕と脚で縛り付けられて、顔は未発達な胸に埋まっていた。いや、全身もちっちゃな女の子の中にめり込んでいる。ぬいぐるみみたいにされて、すべすべぷにぷにの体に閉じ込められてしまったのだ。
「やだもん。だって日菜、ちーっちゃい優くん見てみたいんだあ。どうする? セミさんみたいになって日菜の虫かごに閉じ込められちゃうよ? アリさんみたいになって、日菜のパンツに入れられちゃうよ? 優くんのお世話、日菜がしーっかりしてあげるから、ね、日菜で気持ちよくなってちっちゃくされちゃお?」
「やだ、や、やだよぉ……」
 涙目でふるふる首を振る。日菜ちゃんの浴衣がはだけて、ボタンの間から汗ばんだ肌が顔に触れた。見れば、ピンクのちっちゃなちくびが見える。女の子のおっぱい。膨らもうとしてるところに乗っかられて、ドキンっと心臓が跳ねた。
「イヤだったら、優くんがエッチな気分にならなければいいだけだもん。日菜はちっちゃな優くんがみたいの! 男の子なら我慢できる。そうでしょ? なら、日菜と比べっこしよ!」
 ぎゅっと、ぎゅううーっと日菜ちゃんが僕を抱きしめる。脚が締め付けて、おまた同士が密着した。

 ダメだ。
 興奮しちゃう。
 
 あそこが膨らんでくる感覚がした。それは女の子のパンツにぶつかって、おっきなお股にめり込もうとする。
「あはっ♪ 優くんもこうなればおもちゃだね。でも、日菜は優しいから大事にしたげる。気持ちよくする方法、いーっぱい聞いたんだぁ」
 満面の笑みで従姉妹が起き上がる。そして僕の服を剥き、自分も浴衣 をはだけるとニシシっと笑ったのだ。
「こうするとね、気持ちいーんだって!」
 そして、僕のおちんちんに日菜ちゃんがまたがった。あそこが丸見えで、ぴっちりしたスジが濡れてトロトロしている。ダメ、こんなエッチなことされて耐えられるわけない。怖い、縮んじゃう。日菜ちゃんに無理矢理エッチされて、僕、日菜ちゃんのお人形にされちゃう……!
「やめて日菜ちゃん! 縮んじゃう、ちっちゃくなっちゃうよおっ!! やだ、あ、入れないで! やめ、あ、あぁっ……!」
 クスクス笑って日菜ちゃんが腰を下ろしていく。細い僕のちんちんが、ちっちゃな女の子のでっかいあそこに飲み込まれていく。イヤだイヤだと首を振っても無駄だった。全力で暴れたって無駄だった。どんなに嫌がったって、僕はずっとずっと年下の女の子に、縮めるためおちんちんを飲み込まれてしまうんだ。

「あはっ♪ おちんちん、日菜の中に入っちゃったぁ♪ でね、おまたを擦り付けて、ギューってしたりクチュクチュすると、すっごくエッチになって気持ちいーんだって! お風呂場でしたのより、もっと、もーっと。だから優くん、たくさん小さくなれるんだよ?」
 “ズシンっ!”と日菜ちゃんが腰を下ろす。そうすれば、僕らは二つの高い声を重ねあった。僕のなんて、日菜ちゃんのの入り口までしか届いてない。でもぴっちり閉じたおまたをかき分けて、中にねじ込まれてしまった僕のおちんちんはとても熱くて気持ちよくなってしまう。
 日菜ちゃんは、聞いた通りにしようと僕の上に覆いかぶさってきた。日菜ちゃんのお尻の下から逃げようともがく年上の男の子を、”にがさないよ♪”という風に全身で抱きしめたのだ。丸くなって、みちみちに僕を体の中に閉じ込める。そんなことされたら、悔しいけど僕は完全に日菜ちゃんの体に食べられちゃって、逃げることもできずエッチさせられてしまった。
「あぅっ、何これ、なにこれぇ……! 優くんのちっちゃいのが入って気持ちよくなっちゃう……! すごい、優くん日菜の中で震えてる。泣きべそかいてるのに気持ちよくなって止まらないの、おっぱいで感じる……。本当は優くんもちっちゃくるされたいんでしょ? 日菜に、どんどん、どんどん小さくされたいんだ! どうする? みんなに踏み潰されちゃうかもよ? 無理と間違って捨てられちゃうかも! でも日菜の中にいれば安心だよね。日菜の机に住ませてあげる。ポッケに入れていつも一緒。で、またエッチしてもーっと小さくされちゃうの。あっ! 優くん今気持ちよくなったでしょ! だったら、日菜が優くんのほんとうの気持ち、叶えてあげる♪」

 子供は弱い生き物には残酷だ。弄ぶように僕を下敷きにして、なるべく密着したまま腰を打ち付けた。ちっちゃな女の子の、ちっちゃなお股が舐め回す。幼い女子の、ミルクに似たいい匂いが僕を襲った。何度も何度もあそこが気持ち悪くなって、気持ちよくなって、真っ白になる。
 そしてクラクラっとしてしまうと……。
「あははっ! 縮んじゃった縮んじゃった!! 優くんどんどんちっちゃくなってってる!!」
 ついに、発作に襲われてしまったのだ。
「やだ! やだやだ、やだぁあ!!」
 叫びながらも、僕はどんどん縮んでいった。慌てて日菜ちゃんが起き上がったほどだ。でなければ僕はあっという間にプチトマトになって弾けていただろう。
「……あはは、優くん、ネズミさんになっちゃった♪」

 無理やり従姉妹に犯されて発作を起こした僕は、へたり込んで空を見上げていた。

 目前に浴衣の海が広がり、ゴロンと短い脚が横たわっていた。ぺたんと女の子座りになった日菜ちゃんは、でも、もう3階建ての家より大きく見える。
 これが、日菜ちゃん?
 ちっこくて僕よりうんと軽かった女の子?
 でも、もうその丸っこい足でさえ僕より大きい。
 気づけば僕は叫んでいた。
「やだ、縮みたくない! 日菜ちゃん助けて! 僕人間じゃなくなっちゃう!」
 日菜ちゃんの膝に取り付いて泣き叫ぶ。急速に身長を奪われ、まるで体が溶けていくような恐怖感だった。腕の中で日菜ちゃんの脚がどんどん膨らんでいく。もう片足だって抱え切れない。僕の視界に映るのは、延々と続く浴衣の海、僅かに張り出す胸ばかり。あまりに目線が低すぎて、顎の下が見えてしまっている。浴衣がオーロラのように漂い、天に向かってそびえるその体の向こうからは、キラキラした瞳がこちらを覗いていた。

 まん丸な手が、そっと僕の体を包む。プニプニした指が、もう僕の背と変わらない。
 大きな柔らかさは、少し僕を安心させた。お母さんみたいなものを感じた。泣きじゃくっていたのも忘れて、僕はその手に抱きつく。ふわりと体が浮いて、日菜ちゃんに一層近づくのがわかった。もしかしたら慈しんでくれているのかもしれない。

 けれど、降ってきたのは優しい声でなく、叱るような声だった。
「もー、あんまり暴れちゃダメよ? ほら、大人しくして」
 愛らしい顔は小動物を面白がるように笑っていた。手の中で暴れることもできず従順な僕を、おもちゃだと思ったのだ。
 そして、プルプルの唇が上下に開く。小さな子供の、幅の狭く丸い口。それが大窓のように開いて、甘酸っぱい吐息を僕に吐きかける。綺麗な歯、イチゴ色の舌、それが照り輝いて、僕の前に姿を現す。
「日菜ちゃん、やめっ」
 言い終わる前に、日菜ちゃんはカプリと僕の頭を咥えんだ。
 聞き分けの悪い子を黙らせる、巨人しかできない方法。いくら泣き叫んでも無駄なことを、ひしひしと思い知らせる一番の近道。それを日菜ちゃんは直感的に気づいたのだ。僕の頭など一飲みにできてしまう大きな口が、僕をはんでいた。
 
 どんなに叫んでも、日菜ちゃんの口内に反響させることもできない。まして外には少しも僕の声などもれては居ないだろう。そのほっぺは薄くても僕の声を遮るには十分で、その舌は僕の顔を塞ぐのに余りある大きさだった。
 身を引っ張り出そうと日菜ちゃんの唇に腕を立てる。けれどふにふにしたその唇に手のひらが沈み込むばかりだ。指差しで感じるその浅いシワが、モゴモゴと揺れるのを感じる。そして、パクリと僕を挟むそのピンクの唇は、ぴっちり閉じて僕を少しも動かしはしなかった。
 日菜ちゃんの舌が僕の顔を舐め上げる。食べたものを舐めたくなるのは仕方ないことだ。そして、好奇心旺盛なその舌先が、僕の輪郭をなぞり、撫で回す。
 僕の胴ほどもありそうな肉の絨毯は、僕をその中にうずめて、完全に黙らせてしまう。その無力感は、ほかに味わえないだろう。こんなちっちゃな子の口の中で、舌先でさえ押しのけられない。髪の毛でさえ縛り付けられるだろう。
 それは、絶対的な体格差だった。もう、存在の格が違う。幼女でも、日菜ちゃんは人間なのだ。
 
「ッぷはっ!」
 唾液の糸を垂らして、日菜ちゃんが僕を引き抜く。唇の間を通り抜けた僕の顔は、その柔らかさの中に溶けそうになりながら深くうずもれて、それから外気に晒された。
 クリクリとかわいらしい日菜ちゃんの瞳が、僕を見つめる。こんなに可愛い子に凝視されては、落ち着かなくって仕方ない。ましてこの体格差、年齢差。僕はそのこぶしの中で、オドオドと視線をさまよわせた。
「ね? 泣いたってムダだよ。だーれも優くんを助けられないし、助けてくれないもの。大丈夫、日菜が守ってあげるから。怖いんでしょ? だったら、忘れさせてあげる」
 ねー! と日菜ちゃんが笑う。よくわからない。でも、こんなにおっきな人の言うことなのだから、正しいんだろう。そう思った。
 すると力が抜けて、するりと手のソファから滑り落ちる。
 そして日菜ちゃんの膝でバウンドして布団に転がると、巨大な影にギョッとして思わず逃げ出した。
 もうこうなると、本当にネズミの気分だった。
 自分を食べてしまえる女の子が、心底怖くなったのだ。
 あっと声を上げて、日菜ちゃんが僕を足で叩き捕まえる。

 そして、敏感な子供の足は、思わず動いてしまった僕のあそこに気づいてしまった。
「……優くん、踏まれるのが嬉しいの?」
 怪訝そうな声。
 けれど、気になったことがあれば試してみればいい。どうせこれはおもちゃなのだから。
 足袋が持ち上がる。足袋の底が空を覆い尽くし、い草がパラパラと落ちてきた。
 そして、ドスンと落下する。
「あっ、これおもしろーい!」
 足袋の切れ込みから顔だけ出して、僕は幼女に踏まれていた。それは車のように大きくて、母指球のふくらみとふくらみの間に挟まれている。片足が土踏まずの下で外気に触れ、そのほかは隈なく日菜ちゃんの足裏の下だった。起伏に富んだ幼女の足裏が、ズシッと僕をとらえて離さない。スベスベした足袋の表面に撫でられる。そしてその中に、くすぐったそうに震える日菜ちゃんの裸足を感じていた。
 日菜ちゃんの匂いがする。い草と汗と足袋と日菜ちゃんの香り。柔らかくて、細くて、それなのに濡れ布団みたいに重くて暑い。
 僕の視界は、ほとんどがその足袋に占められていた。指股の絶壁が左右を挟んで、後は滝のように落ちてくる浴衣のオーロラ。もう、日菜ちゃんの顔など見えはしない。ただ巨人の女の子にに踏まれてると言う感覚だけが、僕の中を渦巻いていた。

 ビクビク跳ねる僕を、日菜ちゃんはどう思ってただろう。けれど、どんどん縮んでいくのに確かな手応えを感じていたはずだ。
 足を上げてみる。でも、そこに僕はいない。
「……あれ?」
 そして足をひっくり返してみたとき、日菜ちゃんはいよいよ楽しそうに笑い出した。
 そこには、足袋の親指にしがみついて腰を擦り寄せている僕がいたのだ。

 僕にとって日菜ちゃんの足はなめらかな丘だった。うねったりシワが寄ったりしてて如何にも足裏っぽく、埃やい草が指の形にひっついている。下駄を履いていたのかしっかり親指に張り付いた足袋は、暖かくすべすべで、日菜ちゃんの香りがする。そして何より、おっきい。
 僕はベッドさえ一踏みできる足指一本にへばりつき、思う存分あそこを擦り付けていた。それが最近まで一桁だった女の子のものだなんてわかっていた。でもエッチな気持ちで心臓がばくばくしてて止まらない。どんどん丸っこい親指が大きくなる。枕ほどだったのに布団大へ、そしてもう部屋のようになっている。足全体なんて家さえ一撃、日菜ちゃんはもう学校のグラウンドにさえ収まらない。

 米粒みたいになった僕を、日菜ちゃんはつばで濡らした指で絡め取った。摘めなかったのだ。僕は日菜ちゃんの足指が名残惜しくって、指紋に絡まったまま、足袋の足裏にさえドキドキしてしまう。
「あーあ、アリさんみたいになっちゃった」
 つまらなさそうに日菜ちゃんが言う。
 それからしばらく指先の僕を見つめていた。
「じゃあ、日菜の中に住もっか」
 そう言うと、濡れたあそこに僕をなすりつける。プニリとした肌色のカーブに乗せられて、僕はよろよろと這い出そうとした。今にも滑り落ちそうだった。それを、でっかい指先が中へ押し込む。
「あはっ! ちびっこいのが入っちゃったぁ♪」
 そしてぴょんぴょんと跳ねてはしゃぐ。
 そのままトタトタと寝室を駆け巡って、歓声を上げると、どこかへ走り去った。
 僕は日菜ちゃんの中、粘液の海をかき回される。その度小さくなると、もう、自分でもどこにいるかわからなくなっていった。

 多分、もう、出してもらえない。見つけてもらえない。直感的にそう思った。肉のピンクの海はどんどん膨らんでいく。そして粘膜に絡め取られて動けなくなると、僕は、日菜ちゃんのあそこに抱きついて、なお自分を縮めていった。