本記事は「次はキミがドキドキする番」5話のサンプルです。
 病み上がりに久しぶりの体格差エッチする話。

【内容】※全て2倍(実質3倍弱)
・羞恥脚キス
・爪先立ちバック
・人形のように持ち上げられとんとんと強制抜き差しセックス
以上です。(1万字)

 また、これまで大支援プラン用のお礼がなかったため、試験的にPDFとおまけを用意しました。非エロ微エロな幕間の短文で、本編を補完したりするものでもないなので、読まなくても全く支障ありません。
 今回は行為が始まる30分前の等倍微エロです(2000字弱)。

 四つん這いの巨尻に爪先立ちでしがみついて立ちバックしたりそのままお尻で圧し潰されたりオモチャのように抜き差しされたい方は是非

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§
「暑くなったら、高原とか行きたいね」
 散歩の道すがら、瑠菜が石ころを蹴りながら言う。
 季節が変わる、もやもやとした雲を背にしてのことだった。

「高原?」
「うん。実はもう、調べてあるんだ……♪」
 涼しげな声で涼しげなことを言う少女。こう見えてアクティブだから、……僕が出不精というのもあるけど、こういう調べ物に関してはマメだった。
「暑いの嫌いだもんね」
「嫌いじゃないよ? 涼しい方が好きなだけで……」
「一番好きな季節は?」
「……秋」
「やっぱり」
 徐々に暑くなる頃合いに、涼風の季節は恋しい。思えば、付き合うことになったのも秋だった。冬、春の瑠菜は知っていても、夏のことを思い出そうとするとどうも高校時代まで巻き戻ってしまう。カーテンのはためく教室で、白いシャツの背中。長い髪を切った瑠菜は、いつも涼しい空気をまとっていた。再会したときこそ夏だったけれど。
「……そっか。もう1年経つのか」
「何が?」
「……性癖がバレてから」
「そうかもね♪」
 瑠菜と再会してもう一年。凪ぎがちだった時間が急に動き出したから、時間の感覚に慣れない。少しくらい何か変わったんだろうか。もう変化に焦ったりはしないけれど。

 片や瑠菜は、出会った頃と同じように、華やかでかつ穏やか。文化的な空気をまとって、服装も秋の頃と同じ雰囲気で……。
 ──いや、本当に同じだ。
 カーディガンに柄タイツ。いつも通りの格好をしている。
 そろそろ暑くなるというのに。

「……瑠菜、暑くないの?」
 くるりと振り返った少女は、破顔して。
「うん、暑い!」、と。
 あっけらかんと言ってのけた。
「カーディガンくらい脱ぎなよ」
「んー……」
 生返事のそのそ脱ぐけれど、どこか心ここにあらずといった様子。端的に言えばいつものキレがない。おまけに、顔がほんのり赤い。

「……なんか、おかしくない?」
「そう? まあちょっと暑いけど……」
 服をはだけてパタパタ煽ぐものの、やはり本調子とはほど遠い。
 この季節に熱中症? それは少し考えにくい。気付かなかった僕が言うのもなんだけど、こんな格好で出かけたこと自体が少しおかしい。おまけに、言われるまで脱ぎ着しないなんて。ここには、僕しかいないのに。

 嫌な予感がして瑠菜の手を引く。熱い。
「……帰ろう」
「もう? あ、ちょっと……」
 長身少女が小人に引っ張られ帰り道。ぐいぐい引っ張る僕に手を預け、ぼうっとしている。もともとハミングのような少女だから、ぼんやりしているとそのまま掻き消えてしまいそうだ。

 まだ家の近くで良かったと思う。
 帰り着くまでにそう時間はかからなかった。
 ただ、ソファに座らせた時すでに瑠菜の異常は明らかで。

「ごめんねぇ〜……」
 汗ばんだまま笑って、けれどぐったりとした様子。妙に胸騒ぎがして熱を測るに案の定の高熱。服装がどうこうという問題ではないと思うけれど、とにもかくにも服は変えないといけない。
「タイツ、脱いで」
「脱がせて~……」
「……バカ言わないの」
 お尻のあたりまで脱ぎ、なおも僕に脱がせようとする瑠菜。仕方なくタイツを引っ張ろうと手を伸ばすと、
「えい……♡」
 むっちりした太ももが、腕を食べてしまう。心躍る行為も、けれどその体温が僕を不安にさせた。
「瑠~菜?」
「…………はぁい」
 エッチな挑発に乗らない僕が意外だったのか、少ししおらしくなる。あれこれ準備する僕を目で追いながら、ソファの中に沈み込んでいた。

「とにかく、休んで。ベッド行くよ」
「ん」
 そう言って、立ち上がって。
 数歩、歩いた時。

 ぐらりと、長躯が揺らいだ。

 とっさにかばおうとする僕にのしかかる、頭ふたつ分の体格差。受け止めようにも胴に抱き着きまともに胸に顔を埋めてしまって、それでも2倍の体重にはかなわなかった。
「ぐえっ?!」
 長身女性を支えようとして、不甲斐なく巻き添えを食う小人彼氏。そして、人間エアバッグになった時。
「瑠菜?!」
 下敷きになりながら彼女を見れば、苦しげに顔をしかめていた。

 かくして数日、瑠菜はベッドとお友達になる。


 §
 結果的に言えば、熱だった。
 大変な高熱だった。
 見てて不安になるほどの高熱だった。

「まあ、薬飲んで寝てれば治るから」
 処方された薬を吸入しながら、こくこく頷く瑠菜。パジャマにカーディガンを羽織って、いかにも病人ですといった格好をしている。
 倒れた時はさすがに肝を冷やしたけれど、案の定大ごとという訳ではなかった。

 とはいえ、そこからはなかなか大変で。

 瑠菜は、しっかりと高熱に苛まれた。
 うなされて、うめいて、綺麗な声が掠れていく。もともと儚い系のお姉さんといった雰囲気だから、病苦に圧倒される姿は変に似合ってしまって正直怖い。どうも悪夢を見ているようで、寝ていてもなかなか休めていない。見ていて不憫になる有様で、こちらとしても諸々手がつかなかった。 

「うつっちゃうから、いい、って……」
「うつってるなら、もうとっくにうつってるよ」
 吹きこぼれる鍋に水を差すように繰り返し解熱剤を飲ませ、ようやく一息をつくも熱が下がるタイミングで悪夢を見ているらしい。シーツを取り換え、ろくに手を付けてない食事を回収する。服を着替えさせ体を清める。普段なら多少なりとドキドキしただろうけれど、瑠菜の肉体というよりそれは病体だった。普段のあの甘やかで優しく大きな体が、気遣わしい対象となって目前に置かれる。独特の気まずさを感じていた。

 自分より大きく強い存在は、ただの女性であることには変わりなかった。瑠菜自身も忘れていそうだけれど。揶揄い好きで、優しいのに少しイジワルな少女。疲れていてもそう弱ることはない瑠菜が、憔悴しているのだから意識せざるを得ない。
「とにかく、じっと寝てるんだよ」
 若干の不甲斐なさを感じつつ、家事、雑事、すべきことはしなければならない。もともと、そういうことの分担は僕が買って出てはいたけれど。うなされてふらふらになりながら何かしようとする瑠菜を寝かしておくには、先回りしてやるほかなかった。

 して、数日経ち。
「体調はどう?」
 些事をあらかた終え、様子を見てみれば瑠菜は静かに眠っていた。悪夢もなく、ようやく落ち着いて休めた、という雰囲気だった。

 ベッドに腰掛ける。手の甲に触れると、熱を帯びしっとりとした肌。そろそろ熱も下がるかもしれない。独特の不穏な雰囲気が、去りつつあった。
「……」
 病気が嫌なのは、肉体が普段の雰囲気や所作から切り離されて、逆に雰囲気や所作を呑み込んでしまうところだった。性的なものも肉体の強調ではあったけれど。文化的なそよ風のような娘は、肉体のしっかりと存在感を持たなければ本当に過ぎ去ってしまう。薬があったってなんだって、嫌なものは嫌だ。
 ……すぐには立つ気になれなかった。まだ、夕飯の支度はしていない。ただ、多少の気疲れは避けられないようだった。何より、僕は半分小人のようなもの。一般人にとっての220㎝に匹敵する少女を世話して、物理的に疲れない訳がない。ようやくいつもの雰囲気を取り戻しつつあるこの柔らかさに、多少なりと気が緩んだのも確かだった。

 今さら、自分もあまり眠れていなかったことに気付く。この程度のことで大騒ぎするつもりはないけれど。夜も目が覚めた時には様子を見に立っていたわけだし。

 いつの間に寝ていたのか。

 目を覚ました時、僕の肩にはは毛布を掛けられていた。
 朝焼けの中、パジャマにカーディガンを羽織った女性が、僕を膝にしなだれかからせている。手は繋いだままだ。

「……おはよ」
 少し掠れた声で言った。
 熱の下がった朝だった。

 ……その後、しっかり僕に熱がうつったのだけれど。


 §
 僕の熱も下がって、ようやくお籠りも終わり、という頃。
 
 瑠菜は、僕を抱き上げクルクル回っていた。
 午後6時、もう夕陽が沈むころだった。
「何、子供みたいなこと、やってんのさ……っ!」
「え~?」
 部屋に閉じこもって、頭がおかしくなったんじゃないか。でも僕は逃げられないしそもそも足さえつかない。踊る美少女の胸に抱かれ、気が済むまで付き合わされるだけ。まあ、瑠菜が楽しそうだからいいけれど。
 
 それからしばらくして、急に僕を下ろして。
 ソファに腰を下ろした。
「……はぁ、何やってるんだろ」
「いきなり素に戻られても」
 そう言いつつも、僕の手首をつかんでブラブラ揺らしている。端的に言えば、はしゃいでいた。
「なんか、楽しそうだね」
 僕の言葉が意外だったのか、パチッと目を開く。それから首をかしげると、
「まあ、キミもしばらくは、ぐったりだったから……。でも、悪夢で私に泣きすがってるキミは、可愛かったよ?」
「人が苦しんでる時に……。……ヘンなこと言ってなかったよね?」
「あ~……」
「言ってなかったよね?!」
 目を反らす彼女に慌てる僕と、それをクスクス笑う瑠菜。当たり前のように僕を膝の上に座らせ、扱いは完全に子供だ。
「キミはいつも、ドキドキでソワソワだね?」
「……瑠菜のせいでね」
「ふふっ♪ そうだね♪」
 
 そんな僕の小ささに、思うところがあったのかもしれない。
「私は楽だったけど、キミは大変だったでしょ? 私、おっきいもん」
「苦労はしたけど……。……あれ、もしかして縮めたら瑠菜の看病も楽になったんじゃ……」
「ぜっっっったいやめて」
「でも……」
「まあ、薬は私には多分効かないし、アプリの設定もあるし……。知ってると思うけど」
「いや、知らないよ!?」
「そう、こんな風になってるんだけど……」
 スマホを取り出して、僕に見せる瑠菜。それだけで、少し心が浮き立ってしまう。最近、瑠菜がスマホを取り出すだけでビクッとしている気がする。
「……意外とシンプルだね」
「これ触ったら、キミ、縮んじゃうんだよ?」
 クスクス笑って僕の頬をつつく瑠菜。でも、今日は僕の方が前のめりで。
「ここ?」
「あ、ちょっと……」
 自ら、ディスプレイに指を伸ばしていた。